この記事では、職務経歴書を郵送する際に添える送付状のテンプレートと各項目の書き方を解説します。採用担当者が送付状のどこを確認しているのかを踏まえ、書類選考で損しない作成のポイントをまとめました。
職務経歴書の送付状は必要か——採用担当者の本音
書類選考で職務経歴書を郵送するとき、「送付状(添え状)は必要なのか」と迷う方は少なくありません。結論を先に言えば、送付状は必須ではないものの、同封しないと「ビジネスマナーを知らない人」という印象を与えるリスクがあるため、基本的に添えるのが正解です。
送付状がない場合の採用担当者の印象
採用担当者の立場から見ると、送付状そのものの文章よりも「何が同封されているか一目でわかるか」が重要です。送付状がない場合、担当者は封筒の中を確認しながら書類の種類と枚数を自分で数える必要が生じます。
採用担当者はここを見ている
- 同封書類のリスト:書類が揃っているかを最初に確認する
- 氏名・連絡先:誰からの書類かを照合する
- 本文(志望動機・自己PR):数秒しか見られないことが多い
職務経歴書と履歴書を同封するときの役割
職務経歴書単体を郵送するケースだけでなく、履歴書と合わせて送る場合も多いです。複数の書類を同封するとき、送付状は採用担当者への「目次」の役割を果たします。内容を丁寧に作り込んだ職務経歴書であっても、送付状の同封書類欄が不正確だと書類管理への不安を与えることがあります。同封書類の名称と通数を正確に記載することが、最初の印象を左右します。
職務経歴書の送付状テンプレート(そのままコピーして使える)
送付状の全文テンプレート
以下のテンプレートをコピーして、○○部分をご自身の情報に差し替えてください。A4サイズ縦向き1枚に収め、フォントは明朝体・10.5〜11pt を目安にします。
送付状テンプレート(郵送用)
○○年○月○日
株式会社○○
採用ご担当者様
〒○○○-○○○○
○○県○○市○○○○
TEL:○○○-○○○○-○○○○
○○ ○○(氏名)
応募書類の送付について
拝啓 ○○の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社○○職の求人に応募するにあたり、下記の書類をお送りします。ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具
記
- 職務経歴書 1通
- 履歴書 1通 ※同封する場合のみ記載
以上
職務経歴書のみを送る場合は「履歴書」の行を削除し、職務経歴書の1行だけ残してください。
月別 時候のあいさつ一覧
テンプレートの「○○の候」の部分は、郵送する月に合わせて以下から選んでください。「候」を使わず「〜の折、貴社ますます〜」といった形に言い換えても問題ありません。
| 郵送月 | 時候のあいさつ例 |
|---|---|
| 1月 | 厳寒の候 / 新春の候 |
| 2月 | 余寒の候 / 立春の候 |
| 3月 | 早春の候 / 春暖の候 |
| 4月 | 陽春の候 / 春和の候 |
| 5月 | 新緑の候 / 薫風の候 |
| 6月 | 初夏の候 / 梅雨の候 |
| 7月 | 盛夏の候 / 猛暑の候 |
| 8月 | 晩夏の候 / 残暑の候 |
| 9月 | 初秋の候 / 爽秋の候 |
| 10月 | 秋冷の候 / 紅葉の候 |
| 11月 | 晩秋の候 / 霜秋の候 |
| 12月 | 初冬の候 / 師走の候 |
時候のあいさつは送付する月に合わせて選ぶ(投函日の月基準)
なお、時候のあいさつが難しければ「平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」のような無難な一文でも構いません。採用担当者が見ているのは時候のあいさつの巧拙ではなく、同封書類の正確性です。
送付状の9項目——採用担当者が実際に見ているポイント
①日付・②宛名:最初に目が行く2項目
採用担当者が封筒を開けて最初に目を向けるのは「日付」と「宛名」です。この2点に間違いがあると、他の内容がどれだけ丁寧でも印象が崩れます。
| 項目 | 正しい書き方 | よくあるミス |
|---|---|---|
| 日付 | 郵送する当日の日付(西暦・和暦どちらも可) | 書類を作成した日付を記載してしまう |
| 宛名(企業名) | 「株式会社○○」と正式名称で記載 | 「(株)○○」と略してしまう |
| 宛名(担当者) | 担当者名が不明な場合は「採用ご担当者様」 | 「御中」と「様」を併用してしまう |
「株式会社」を「(株)」と略すのは採用担当者が即気づくNGポイントです。取引先への文書でも同様のミスをする可能性があると判断されます。会社の正式名称は求人票や企業のWebサイトで必ず確認してください。
③頭語・結語・時候のあいさつ
頭語と結語はセットで使います。最も一般的な組み合わせは「拝啓——敬具」です。「謹啓——謹白」はよりかしこまった表現で、外資系や上場企業への送付でも問題ありません。「前略——草々」は略式のため、採用書類への使用は避けてください。
④同封書類リスト:職務経歴書の正確な書き方
同封書類の記載は、送付状の中で採用担当者が最も確認する箇所です。書類名の記載に迷う方が多いため、以下の点を押さえてください。
- 書類名は「職務経歴書」と正確に記載する(「経歴書」や「職歴書」と略さない)
- 通数は「1通」と記載する(複数枚でも1部で1通として扱う)
- 同封する書類をすべて漏れなく列挙する(履歴書・資格証明書なども含む)
良い例文
・職務経歴書 1通
・履歴書 1通
・資格証明書 1通 (資格証明書を同封する場合のみ)
NG例
・経歴書 一式
「一式」は書類の内訳が不明なため、採用担当者が書類を数え直す必要が生じます。
⑤応募の経緯・自己PR:職務経歴書との重複をどう処理するか
送付状には「なぜこの求人に応募したのか」を3〜5行程度で書く欄があります。職務経歴書にすでに志望動機や自己PRを書いている場合、同じ内容を送付状でも繰り返す必要はありません。
送付状の自己PRは「職務経歴書を読んでもらうための一行キャッチ」として機能させると効果的です。たとえば「○○業界で10年の施工管理経験を持ち、大型プロジェクトの現場統括を担当してきました。詳細は職務経歴書に記載しております」のように、職務経歴書への誘導として使う書き方が採用担当者に伝わりやすいです。
採用担当者が「雑だな」と感じる送付状のNGパターン
採用担当者が書類を見て感じる「丁寧さの欠如」は、ほとんど同じパターンに集中しています。以下のNGパターンを事前に確認し、提出前にセルフチェックしてください。
| NGパターン | 採用担当者の印象 | 正しい対処法 |
|---|---|---|
| 企業名を略称・(株)で記載 | 「提出先を雑に扱っている」 | 正式名称を公式サイトで確認して記載 |
| 日付を書類作成日にしている | 「投函直前に確認していない」 | 実際に郵送する当日の日付を記載 |
| 志望動機を長文化(300字超) | 「重要な書類との優先順位がわかっていない」 | 3〜5行・100字程度にまとめる |
| 「御中」と「様」を同じ宛名に併用 | 「ビジネス文書の基礎知識が不足している」 | 担当者名あり→「様」、不明→「御中」または「採用ご担当者様」 |
| 同封書類の数・名称が実物と不一致 | 「確認作業が生じる」 | 封入前に書類と照らし合わせてチェック |
採用担当者はここを見ている
- 送付状の文面より封筒の中の書類が揃っているかどうかを先にチェックする
- 誤字・脱字よりも宛名の書き方の方が印象に残りやすい
- 志望動機の長さよりも書類構成の正確さが採用判断に近い場所にある
状況別の書き分け——担当者名不明・メール送信
担当者名がわからないときの宛名の書き方
求人票に採用担当者の名前が記載されていないケースは多いです。この場合の宛名は以下のいずれかで記載します。
- 「採用ご担当者様」:最も一般的で汎用性が高い
- 「人事部 採用ご担当者様」:部署名が明記されている場合
「御中」は「社名+御中」として使うもので、個人への文書には使いません。「株式会社○○ 採用担当御中」は誤用になるため注意してください。担当者名が不明なら「採用ご担当者様」が無難な選択です。
電子メールで送るときの件名・本文の書き方
職務経歴書をPDFにしてメールに添付する場合、メール本文が送付状の代わりになります。A4の書式を作る必要はなく、メール本文にシンプルに書くのが基本です。
メール添付のときのテンプレート
件名:○○職 応募書類のご送付/○○(氏名)
株式会社○○
採用ご担当者様
○○と申します。このたびは、○○職の求人に応募するにあたり、職務経歴書と履歴書を添付いたします。ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
添付ファイル
・職務経歴書(○○_職務経歴書.pdf)
・履歴書(○○_履歴書.pdf)
〒○○○-○○○○ ○○県○○市○○
TEL:○○○-○○○○-○○○○
○○ ○○
メールの件名には「氏名」と「何の書類か」を明記します。件名が空白や「お世話になります」だけでは、採用担当者が後から検索したときに見つけられなくなります。また、添付ファイル名に氏名を入れておくと、ダウンロード後に管理しやすくなるため、採用担当者の手間を減らせます。
郵送用の送付状をスマホで作成してコンビニ印刷したい場合は、以下の記事で手順をまとめています。

まとめ
- 送付状は必須ではないが、同封しないとビジネスマナーへの印象が下がる
- 採用担当者が最初に確認するのは「同封書類のリスト」と「宛名」の2点
- 書類名は「職務経歴書」と正確に記載し、「経歴書」や「一式」と略さない
- 志望動機の自己PRは3〜5行程度に抑え、「詳細は職務経歴書に記載」と誘導する
- 企業名の略称((株)など)、「御中」と「様」の併用は採用担当者がすぐ気づくNG
- メール添付の場合は件名に氏名と用件を明記し、添付ファイル名にも氏名を入れる
職務経歴書本体を充実させることに力を入れつつ、送付状は上記テンプレートをベースにミスなく仕上げることが、書類選考を着実に通過するための基本姿勢です。
職務経歴書の送付状に関するよくある質問
- 送付状は手書きとパソコン作成のどちらが良いですか?
-
パソコンで作成するのが基本です。手書きが禁止されているわけではありませんが、読みやすさと修正しやすさの点でパソコン作成が標準とされています。手書きにする場合は黒のボールペンか万年筆を使い、下書き後に清書してください。誤字があった場合は修正液の使用を避け、新しい用紙に書き直すことが原則です。
- 送付状を入れ忘れた場合、選考に影響しますか?
-
直ちに不採用になるわけではありませんが、「ビジネスマナーへの意識が低い」という印象につながる可能性はあります。気づいた段階で、お詫びと書類の到着確認を兼ねてメールか電話で連絡するのが丁寧な対応です。「書類をお送りしましたが、送付状を同封し忘れてしまい大変失礼いたしました」と一言添えるだけで、印象の回復につながります。
- 職務経歴書の日付と送付状の日付が異なっても問題ありませんか?
-
原則として、両方の日付を揃えることが望ましいですが、必ずしも同一である必要はありません。職務経歴書は最終更新日を記載し、送付状は実際に郵送する当日の日付を記載するのが自然です。ただし、職務経歴書の日付が送付状より大幅に古い場合(1ヶ月以上)は「更新されていない書類かもしれない」という印象を与えることがあります。提出直前に日付を確認して更新しておくと安心です。


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