この記事では、履歴書の送付状(添え状)の書き方を、そのまま使えるテンプレートと状況別の例文つきで解説します。送付状が必要なケースの見極め、手書きとパソコンの選び方、封筒への入れ方や郵送マナー、そして採用担当者が実際に見ているポイントまで、郵送する前にひととおり確認できます。
履歴書の送付状(添え状)とは?何のために入れるのか
送付状とは、履歴書や職務経歴書を郵送するときに一緒に同封する、あいさつ状のことです。「添え状」「送り状」「カバーレター」と呼ばれることもありますが、指すものは同じです。誰が・誰に・何を・何の目的で送ったのかを、封を開けた相手が最初に理解できるようにする「表紙」の役割を持ちます。
ビジネスの世界では、複数の書類を郵送するときに送付状を添えるのが基本的なマナーです。応募書類も同じで、送付状があることで最低限のビジネス文書のやり取りができる人だと伝わります。逆に、いきなり履歴書だけが封筒から出てくると、担当者は「同封物はこれで全部なのか」を自分で確認する手間を負うことになります。
送付状・添え状・カバーレターの違い
| 呼び方 | 意味・使われる場面 |
|---|---|
| 送付状 | 書類全般に添える一般的な呼び名。応募書類ではこの表現が最も無難 |
| 添え状 | 送付状とほぼ同義。「書類に添える」ニュアンスを強調した言い方 |
| カバーレター | 外資系やクリエイティブ職で使われる。志望動機や自己PRを厚めに書く欧米式の応募書類を指す場合もある |
国内の一般的な転職・アルバイト応募であれば、「送付状」「添え状」のどちらで理解しても問題ありません。この記事では以降「送付状」に統一して解説します。
採用担当者はここを見ている
- 会社名や部署名が正式名称で、宛名の敬称(御中・様)が正しく使えているか
- 要点がA4・1枚に簡潔にまとまっているか(長文で自己主張していないか)
- 同封書類が箇条書きで示され、封筒の中身と一致しているか
送付状の出来栄えそのものが合否を分けるわけではありません。担当者が本当に重視するのは、指定期限を守っているか、宛先や書類に不備がないかという誠実さと正確さです。送付状はその第一印象を整えるための土台と考えてください。
履歴書に送付状は必要?つけるべきケースと不要なケース
「送付状がないと落ちるのか」という不安から検索する方は少なくありません。結論として、送付状の有無だけで不採用になることはほとんどありません。ただし、郵送で応募書類を送るなら付けておくのが無難です。付けて減点されることはなく、付けないことで「ビジネスマナーを知らない人」と受け取られるリスクだけが残るからです。
| 提出方法 | 送付状の要否 |
|---|---|
| 郵送で応募書類を送る | 付けるのが基本(同封するのがマナー) |
| 企業から返信用封筒が届いた郵送 | 付けるのが丁寧 |
| メールで添付して送る | 不要。代わりにメール本文があいさつの役割を果たす |
| 面接時に手渡しする | 基本は不要。ただし複数書類を渡すなら添えても丁寧 |
| 採用サイトのフォームからアップロード | 不要 |
メールで送る場合は送付状の代わりにメール本文が同じ役割を担うため、別ファイルの送付状は不要です。件名や本文の書き方は履歴書をメールで送るときの例文で確認できます。

履歴書の送付状の書き方【6つの構成要素】
送付状は、書く項目と並び順がほぼ決まっています。次の6つを上から順に配置すれば、体裁の整った送付状になります。
- 日付:右上に投函日(提出日)を記載。西暦・和暦は履歴書とそろえる
- 宛名:左上に会社名・部署名・担当者名。正式名称で書く
- 差出人:右寄せで自分の住所・氏名・電話番号・メールアドレス
- 件名:中央に「応募書類の送付につきまして」など一目で用件がわかる表題
- 本文:頭語・時候のあいさつ・応募の経緯・簡単な自己PR・面接のお願い・結語
- 同封書類:「記」で改め、履歴書・職務経歴書などを箇条書き、最後に「以上」
宛名の敬称と頭語・結語のルール
宛名は、部署・チーム宛てなら「御中」、担当者個人が分かっているなら「様」を使います。両方を重ねて「採用ご担当者様御中」とするのは誤りです。本文の書き出しと締めは、頭語と結語をセットでそろえます。
| 書き出し(頭語) | 締め(結語) | 送付状での扱い |
|---|---|---|
| 拝啓 | 敬具 | 推奨。応募書類の送付状はこの組み合わせが基本 |
| 謹啓 | 謹白(敬白) | よりあらたまった表現。使っても問題ない |
| 前略 | 草々 | 「あいさつを省略します」の意。応募書類では避ける |
「拝啓」の後には時候のあいさつを続けます。迷ったら季節を問わず使える「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」で構いません。月ごとに変えたい場合は、次の表を目安にしてください。
| 時期 | 時候のあいさつ例 |
|---|---|
| 1〜2月 | 厳寒の候/立春の候 |
| 3〜5月 | 早春の候/新緑の候 |
| 6〜8月 | 初夏の候/盛夏の候/残暑の候 |
| 9〜11月 | 初秋の候/紅葉の候/晩秋の候 |
| 12月 | 師走の候/歳末の候 |
そのまま使えるパソコン版テンプレート
下記の空欄を自分の情報に置き換えれば、そのまま送付状として使えます。送付状はWordなどで作成し、A4・1枚に収めるのが基本です。
送付状テンプレート(そのまま使える例文)
2026年〇月〇日
株式会社〇〇〇〇
人事部 採用ご担当者様
〒000-0000
東京都〇〇区〇〇1-2-3
山田 太郎
電話:090-0000-0000
メール:sample@example.com
応募書類の送付につきまして
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社の求人情報を拝見し、〇〇職に応募いたしたく、応募書類をお送りいたします。
これまで〇〇の業務で培った経験を、貴社でも活かしたいと考えております。ぜひ一度、面接の機会を頂戴できますと幸いです。
まずは書類選考のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
記
・履歴書 1通
・職務経歴書 1通
以上
そのまま使える送付状の例文テンプレート【状況別】
基本の型は同じでも、応募の立場によって本文の一文を変えると、より自然な送付状になります。自分の状況に近い例文の本文部分を差し替えて使ってください。
転職(正社員)の場合
このたび、貴社の〇〇職の求人を拝見し、応募いたしたく応募書類をお送りいたします。現職では〇〇として〇年間従事し、〇〇の実績を積んでまいりました。この経験を貴社で活かしたく、面接の機会を頂戴できますと幸いです。
パート・アルバイトの場合
このたび、〇〇の求人を拝見し、応募いたしたく履歴書をお送りいたします。これまで〇〇の業務に携わり、〇〇には自信がございます。勤務時間などの条件面は面接の際にご相談させていただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
転職エージェント経由の場合
〇〇(エージェント名)の〇〇様よりご紹介いただき、貴社〇〇職に応募いたしたく応募書類をお送りいたします。〇〇の経験を貴社で活かしたいと考えております。ご多用のところ恐縮ですが、書類選考のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
パート・アルバイトの応募では、時候のあいさつや「記」以下を省き、要点だけを4〜5行にまとめても失礼にはあたりません。応募先の雰囲気に合わせて、堅さの度合いを調整してください。
手書きとパソコン、どちらで作る?採用担当者の本音
送付状はパソコンで作成するのが一般的です。文字がそろって読みやすく、修正や使い回しの一部変更もしやすいためです。履歴書本体をパソコンで作るなら、送付状も同じくパソコンでそろえるのが自然です。
| 作成方法 | 向いているケース |
|---|---|
| パソコン | 一般的な転職・応募。履歴書をPCで作成している場合はこちらでそろえる |
| 手書き | 手書きの履歴書とセットにする場合や、丁寧さを重視したい少数の業界 |
手書きにする場合は、黒のボールペンか万年筆で書き、修正液・修正テープは使わないのが鉄則です。書き損じたら新しい用紙に書き直します。手書きとパソコンの判断で迷う場合は、送付状は手書きでもいいのかを掘り下げた記事もあわせて確認してください。

送付状で落とされる人がやりがちなNG例
送付状そのもので落ちることは少ないものの、書き方を誤ると「基本が身についていない」という印象を残します。特に多いのが、送付状を自己PRの場と勘違いして長文にしてしまうパターンです。
NG例
- 自己PRや志望動機を送付状に長々と書く。送付状はあいさつ状で、アピールは履歴書・職務経歴書で行うのが原則
- 希望年収や勤務条件を書き込む。条件交渉は書類選考の段階では避ける
- 他社に出した送付状を使い回し、社名や職種の書き換え漏れが残る
- 会社名を「(株)」と略す、担当者名を「御中」と「様」で重ねる
- 便箋や一筆箋を使い、A4・1枚に収まっていない
使い回しによる書き換え漏れは、担当者に「うちは第一志望ではないのだな」と伝わってしまう典型的なミスです。提出前に、社名・部署名・職種名が応募先と一致しているかを必ず読み返してください。
採用担当者はここを見ている
- 宛名の会社名・部署名が、募集要項の表記と一致しているか
- 同封書類の箇条書きと、封筒の中身が食い違っていないか
- 誤字脱字がなく、履歴書と西暦・和暦がそろっているか
封筒への入れ方と郵送マナー(送付状の位置・封入順)
送付状を用意しても、封筒への入れ方を間違えると台無しです。書類は無色透明のクリアファイルにまとめ、封を開けた人が上から読む順番に重ねます。ハローワークが案内している基本の順番は次のとおりです。
- 送付状(いちばん上)
- ハローワークの紹介状(ある場合のみ)
- 履歴書
- 職務経歴書・その他の書類
送付状は必ずいちばん上に重ねます。担当者が封を開けた瞬間に「何が・何通入っているか」を把握できるようにするためです。複数の書類をまとめるときは、ホチキスではなく外せるクリップを使うか、クリアファイルにまとめるだけにとどめます。
封筒は書類を折らずに入れられる角形2号(A4対応)が基本です。表面には赤字で「履歴書在中」と書き添えます。封筒の宛名の書き方やペンの選び方は、それぞれ次の記事で詳しく確認できます。
封筒の書き方や折り方、添え状まで一連の流れを確認したい場合は履歴書の郵送マナーをまとめた記事が便利です。宛名に使うペンで迷うなら封筒のペン選びの記事、「履歴書在中」の書き方は履歴書在中の書き方の記事を参考にしてください。


まとめ
- 送付状は郵送で応募するときに添える「表紙」。付けて減点はなく、付けないリスクだけが残る
- 書き方は日付・宛名・差出人・件名・本文・同封書類の6要素をA4・1枚に収める
- 自己PRの長文・希望条件・使い回しの書き換え漏れが代表的なNG
- 封筒では送付状をいちばん上に重ね、クリアファイルにまとめて角形2号で送る
テンプレートを土台に社名と職種を正確に差し替え、封入順を守れば、送付状で不安になる要素はなくなります。あとは期限を守り、書類の中身に不備がないかを最終確認してから投函してください。
履歴書の送付状に関するよくある質問
- 送付状を入れ忘れたら不採用になりますか?
-
入れ忘れだけで不採用になることはほとんどありません。送付状は応募書類の本体ではなく、あくまであいさつ状だからです。次回以降は付けるようにし、すでに投函したものは追いかけて送り直す必要はありません。
- 送付状は手書きとパソコンのどちらが良いですか?
-
パソコンで作成するのが一般的です。読みやすく、修正もしやすいためです。手書きの履歴書とセットにするなど、あえて手書きで統一したい場合は、黒のボールペンで書き、修正液は使わずに書き直してください。
- 締めは「敬具」と「以上」のどちらを使いますか?
-
両方を使い分けます。本文の締めは頭語「拝啓」に対応する「敬具」を右寄せで書き、その後の「記」で同封書類を箇条書きにしたら、最後に「以上」で締めます。役割が違うため、どちらか一方だけにする必要はありません。
- 同じ送付状を複数の企業に使い回してもいいですか?
-
テンプレートとして流用すること自体は問題ありません。ただし社名・部署名・職種名の書き換え漏れは、志望度の低さと受け取られる致命的なミスです。送る前に必ず宛名と本文を読み返し、応募先の情報と一致しているか確認してください。


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