リストラや倒産、契約の打ち切りなど、自分の意思ではない退職を履歴書にどう書くかで手が止まる人は少なくありません。会社都合とはっきり書くと不利になるのではという不安が背景にあります。この記事では、採用担当者が退職理由のどこを見ているかをふまえ、会社都合退職を職歴欄にどう書くか、ケース別の記入例とやってはいけないNGまで、そのまま使える形で解説します。
履歴書の会社都合退職はどう書く?基本ルールと結論
書き方そのものはとてもシンプルです。職歴欄で退職した会社名と年月を書いた次の行に、「会社都合により退職」と記載します。理由を長々と説明する必要はなく、この一文で十分に伝わります。
良い例文(職歴欄の基本形)
| 令和2年4月 | 株式会社〇〇 入社 |
| 令和6年3月 | 会社都合により退職 |
| 現在に至る |
迷いやすいのが「一身上の都合により退職」との使い分けです。この表現は自己都合退職のときに使う定型句で、会社都合の退職に当てはめてしまうと事実と異なる記載になります。会社都合なのに自己都合のように書くと、離職票などの公的書類と食い違い、経歴詐称と受け取られるおそれがあります。
採用担当者はここを見ている
- 退職理由そのものより、事実を正直かつ簡潔に書けているかを見ている
- 会社都合は応募者本人の落ち度ではないため、書いてあること自体でマイナス評価にはならない
- むしろ言葉を濁したり書き換えたりしている方が、隠しごとを疑われて不利になりやすい
そもそも自分は会社都合退職?ケースの見分け方
会社都合と書く前に、自分の退職が本当に会社都合に当たるかを確認しておく必要があります。判断の基準は「退職のきっかけが会社側にあったかどうか」です。ハローワークが交付する離職票の離職区分とも連動するため、離職票が手元にある場合はそちらの記載と合わせておくと安心です。
| 会社都合になる主なケース | 自己都合になる主なケース |
|---|---|
| 倒産・事業所の閉鎖 | 転職・キャリアアップ |
| 整理解雇(リストラ) | 結婚・出産・引っ越し |
| 退職勧奨に応じた退職 | 家庭の事情・自己都合 |
| 契約更新の打ち切り(雇止め) | 体調・キャリアチェンジ |
| 希望退職・早期退職の募集に応じた退職 | 職場への不満による自主退職 |
判断に迷いやすいのが、退職勧奨と契約満了です。上司から退職を促されて辞めた場合は会社都合に該当することが多く、有期契約で「更新あり」と示されていたのに更新されなかった雇止めも会社都合として扱われるケースがあります。自分のケースが曖昧なときは、離職票の離職理由欄を確認し、前職の人事に問い合わせるのが確実です。
【記入欄別】会社都合退職の履歴書の書き方と例文
履歴書のどの欄に会社都合退職を書くかは、使う様式によって変わります。職歴欄だけで完結する様式もあれば、退職理由欄や備考欄が独立している様式もあります。欄ごとの正しい書き方を押さえておきましょう。
職歴欄に書く場合
もっとも一般的なのが職歴欄への記載です。退職した会社名・年月のあとに「会社都合により退職」と書きます。補足したいときは、括弧書きで客観的な事実だけを短く添えます。感情や会社への評価は書きません。
良い例文(括弧で補足する場合)
- 会社都合により退職(勤務先閉鎖のため)
- 会社都合により退職(事業縮小に伴う人員整理のため)
- 契約期間満了により退職
退職した会社が現在の勤務先で、まだ在職中の書き方や「現在に至る」の位置に迷う場合は、「現在に至る」の書き方をまとめた記事も合わせて確認してください。

退職理由欄がある場合
退職理由欄が独立している様式では、そこに退職理由を記載します。ここでも基本は定型フレーズで問題ありません。詳しく書きたい場合でも、事実を一文で整理する程度にとどめます。
良い例文(退職理由欄)
勤務先の業績悪化に伴う人員整理により退職いたしました。前職では〇〇の業務に携わり、培った経験を次の職場でも活かしたいと考えております。
備考欄・本人希望記入欄で補足する場合
職歴欄や退職理由欄に書ききれない事情がある場合は、備考欄で短く補足できます。ただし言い訳のように長く書くと逆効果です。あくまで「事実の補足」に徹し、続きは面接で説明する前提にしておきます。転職回数や職歴の並べ方そのものに不安がある人は、職歴欄で退職をどう書くかを解説した記事も参考になります。

ケース別の記入例(倒産・リストラ・契約満了・退職勧奨)
会社都合といっても背景はさまざまです。どのケースでも共通するのは「事実を短く、感情を抜いて書く」という原則です。代表的な4パターンの記入例を確認しておきましょう。
| 状況 | 職歴欄の記入例 |
|---|---|
| 会社の倒産 | 会社都合により退職(会社倒産のため) |
| リストラ(整理解雇) | 会社都合により退職(事業縮小に伴う人員整理のため) |
| 契約満了(雇止め) | 契約期間満了により退職 |
| 退職勧奨 | 会社都合により退職 |
退職勧奨のケースは、括弧書きで細かい経緯まで書く必要はありません。「会社都合により退職」だけで十分です。経緯を詳しく知りたいと思えば、採用担当者は面接で質問します。書類の段階で自ら踏み込んで説明する必要はありません。
会社都合退職でやってはいけない3つのNG
書き方そのものはシンプルでも、やり方を間違えると印象を大きく損ないます。採用担当者が「この人は少し引っかかる」と感じやすい3つのNGを押さえておきましょう。
NG例1:会社都合を「一身上の都合」に書き換える
不利になりたくない一心で自己都合のように書き換えるのは避けます。離職票と食い違い、経歴詐称と受け取られるリスクがあります。会社都合はそのまま書いて問題ありません。
NG例2:感情や会社への不満を書く
「上層部の判断ミスで会社が傾いたため」のように、会社を責める書き方はしません。事実だけを淡々と書き、評価や感情は加えないのが鉄則です。
NG例3:退職の記載そのものを省く
書きづらいからと退職の行を飛ばすのは、職歴の空白として不自然に映ります。記載漏れは経歴詐称にもつながるため、退職の事実は必ず残します。
このほかにも職歴・学歴欄には落とされやすいNGがいくつかあります。書類でつまずきたくない人は、職歴・学歴欄で落ちる7つのNGや、転職版の職歴欄の書き方も一度目を通しておくと安心です。


「会社都合は不利」は本当か|採用担当者の本音
もっとも気になるのが「会社都合と書くと選考で不利になるのか」という点でしょう。採用担当者の視点で言えば、会社都合退職そのもので評価を下げることはほとんどありません。倒産やリストラは本人の能力や勤務態度とは無関係だと理解しているからです。
担当者が本当に気にするのは、退職理由の中身よりも「退職後にどう動いたか」「次で長く働けそうか」です。会社都合の事実を隠そうとして書かなかったり曖昧にしたりすると、その姿勢のほうがかえって疑問を持たれます。書かないという選択は、面接での追及を増やし、説明の矛盾を生みやすくします。
差がつくのは「志望動機との接続」
会社都合退職は職歴欄で事実として簡潔に書き、前向きな要素は志望動機で伝えます。「前職で培った〇〇の経験を、御社の△△で活かしたい」と未来につなげることで、退職理由の印象は自然と後退します。退職理由を書くか迷う様式については、退職理由は書かない方がいいケースも参考にしてください。

退職から次の就職までに空白期間ができた場合は、その期間の伝え方も選考の印象を左右します。ブランクの正直な書き方は、再就職の履歴書の書き方で詳しく解説しています。

まとめ
- 職歴欄には「会社都合により退職」と書くのが基本。補足は括弧書きで事実だけ短く
- 「一身上の都合」への書き換えや退職の記載省略は経歴詐称のリスクがある
- 倒産・リストラ・契約満了・退職勧奨は、いずれも感情を抜いて事実だけ書く
- 会社都合そのものは選考で不利にならない。前向きな要素は志望動機で伝える
会社都合退職は隠すべき負い目ではありません。事実を正直に、簡潔に書けば、それだけで採用担当者には誠実さが伝わります。
履歴書の会社都合退職に関するよくある質問
- 会社都合退職を「一身上の都合」と書いても大丈夫ですか?
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避けてください。「一身上の都合」は自己都合退職に使う表現で、会社都合の退職に当てはめると離職票などの記録と食い違い、経歴詐称と受け取られるおそれがあります。会社都合はそのまま「会社都合により退職」と書いて問題ありません。
- 会社都合退職と書くと選考で不利になりますか?
-
基本的に不利にはなりません。倒産やリストラは本人の能力や勤務態度とは無関係だと採用担当者も理解しています。むしろ隠そうとして曖昧に書く方が疑問を持たれやすいため、事実を簡潔に書くのが得策です。
- 退職理由の詳しい経緯まで書いた方がいいですか?
-
詳しく書く必要はありません。職歴欄は「会社都合により退職」、補足したい場合でも括弧で「(会社倒産のため)」程度にとどめます。経緯は面接で聞かれたときに口頭で説明すれば十分です。
- 自分が会社都合か自己都合かわからないときはどうすればいいですか?
-
ハローワークが交付する離職票の離職理由欄を確認するのが確実です。退職勧奨や、更新の見込みがあった契約の雇止めは会社都合として扱われることが多いです。判断に迷う場合は前職の人事に問い合わせてから記載しましょう。


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