この記事では、作業療法士が履歴書の自己PR欄で採用担当者に評価される書き方を解説します。施設別(急性期・回復期・老健・訪問リハ・デイケア)の例文と、書類選考で落とされるNGパターンも採用担当者の視点から紹介します。
採用担当者が自己PRで最初に確認する3つのポイント
採用担当者は、作業療法士の履歴書を受け取ったとき、30秒程度で「次の選考に進めるか」を判断しています。限られた時間で多くの書類を確認する現場では、自己PR欄の「最初の印象」が選考の行方を大きく左右します。
採用担当者はここを見ている
- 最初の2〜3行で「何が強みか」が明確になっているか
- 強みを裏付ける具体的なエピソード・数字があるか
- この施設で「どう活かせるか」が書かれているか
①最初の2行で「何が強みか」が伝わるか
採用担当者は1日に何十枚もの履歴書を確認します。最初の文章を読んだ瞬間に「この人は何をアピールしたいのか」が伝わらない自己PRは、印象に残らないまま次の書類に移られてしまいます。
冒頭の1〜2文で強みを明示することが、採用担当者の目に止まるための最初の関門です。「私はこういう強みを持っている作業療法士です」という宣言が、書き出しに必要なのです。
良い例
急性期病棟での6年間の経験を通じ、脳卒中患者のADL改善に特化したアプローチを専門的に身につけました。退院先が在宅か施設かを左右する評価精度の高さを強みとしています。
NG例
私はこれまで様々な経験を積んできました。患者様に寄り添う姿勢を大切にしており、チームの一員としても貢献できると自負しています。(→「何が強みか」が伝わらない典型例)
②「経験+数字」で強みを裏付けているか
「コミュニケーション力があります」「学ぶ姿勢があります」という表現は、作業療法士の求職者のほぼ全員が書いています。採用担当者の目には「誰でも書ける内容」と映り、差別化につながりません。
通過する自己PRには、「なぜその強みが身についたのか」という経験と、可能であれば数字による裏付けが必要です。
- 「脳卒中後遺症を持つ患者約30名を担当した経験から…」
- 「在宅復帰率85%以上を維持するチームで、家屋環境調整を年間20件以上担当し…」
- 「認知症ケアを専門とする施設で5年間、BPSDへの対応プログラムを主導し…」
勤続年数・担当患者数・実施した件数など、数字は「経験の重さ」を採用担当者に直接伝えます。
③この施設でどう活かせるかが書かれているか
採用担当者が最も重視するのは、「この人を採用することで、うちの施設にどんなメリットがあるか」です。どれだけ豊富な経験があっても、それを「自施設での貢献」に結びつけていない自己PRは、読み手に響きません。
急性期病院の採用担当者が読む自己PRと、訪問リハ事業所の採用担当者が読む自己PRでは、「刺さる強み」が根本的に異なります。応募先の施設種別・理念・課題を踏まえた一文を最後に添えるだけで、採用担当者への印象は大きく変わります。
書類選考で落とされる自己PRの共通パターン
採用担当者が「この書類は次に進めない」と判断する自己PRには、共通のパターンがあります。経験・スキルが十分あっても、書き方次第で落とされることは少なくありません。
「患者様に寄り添う」「コミュニケーション力」に頼っている
作業療法士の求職者の自己PRで最も多く見られるのが、「患者様の立場に立って親身に寄り添えます」「コミュニケーション力を活かせます」という表現です。
採用担当者の立場から言えば、これらは作業療法士として当然求められる素養であり、特別なアピールポイントにはなりません。「この人を採用する理由」が伝わらない自己PRは、いくら丁寧に書かれていても選考を通過するのは難しくなります。
NG例
私の強みは、患者様の立場に立って親身に寄り添えることです。相手の気持ちをよく理解し、信頼関係を構築することが得意です。これまでの経験を活かして貴施設に貢献したいと思います。
→ 採用担当者が感じること:「誰でも書ける内容。具体的に何ができる人かが全くわからない。」
長所を複数並べて焦点がぼやける
「コミュニケーション力・協調性・勉強熱心・学ぶ姿勢があります」と複数の長所を並べると、かえって「どこが本当の強みなのか」が伝わりにくくなります。
自己PRで伝える強みは1つに絞るのが原則です。複数の要素を入れる場合も、メインの強みを1つ立てて、他はそれを補強する要素として添える構成にすると、採用担当者の印象に残りやすくなります。
志望動機と自己PRを混同している
自己PR欄に「貴施設の〇〇理念に共感しました」「貴院を志望した理由は〜」という内容を書いてしまっているケースも頻繁に見られます。
採用担当者の視点では、「自己PRの欄に志望動機が書いてある」は、指示を正確に読めない人・欄の意図を理解できていない人という印象につながることがあります。
欄の役割を整理する
- 自己PR欄:「私はこういう強みを持つ人間です。この施設でこんな貢献ができます」
- 志望動機欄:「なぜこの施設を選んだのか。どんな点に魅力を感じたのか」
NG例
私が貴院を志望した理由は、地域に根ざした医療を提供されている点に共感したからです。患者様の日常生活の回復に向けて、誠実に取り組みたいと思っています。(→これは志望動機の内容であり、自己PRの欄に書く内容ではない)
完全無料の履歴書・職務経歴書作成ツール
「サクレキ」質問に答えるだけで、選考書類がカンタンに完成
- 自己PR・志望動機も例文付きで安心
- スマホからでもOK。たった3分で履歴書・職務経歴書が完成
- 自動フォーマットで書き間違いゼロ
\ 完全無料・簡単3分で完成! /
無料で履歴書・職務経歴書を作成する →作業療法士の自己PRを組み立てる3ステップ
採用を通過する自己PRは、「書き始める前の準備」が9割です。いきなり文章を書こうとせず、以下の3ステップで素材を整えてから書くと、採用担当者に伝わる内容になります。
Step1: 応募先の「求める人材像」を調べる
自己PRを書く前に、まず「応募先がどんな人材を求めているか」を把握します。急性期病院と老健では、作業療法士に求めるスキルが全く異なります。同じ「即戦力」という言葉でも、施設の課題によってその中身は変わります。
応募前に確認すべき3つの情報
- 求人票の「必須/歓迎スキル」欄:どんな経験・資格が評価されるかを確認する
- 施設のホームページ・採用ページ:理念・方針・力を入れているリハビリ分野を確認する
- 施設の種別と規模:急性期・回復期・老健・訪問・デイケアで求める強みは異なる
Step2: 自分の経験から「強みの根拠」を探す
応募先のニーズが把握できたら、自分の経験の中から「そのニーズに合った強み・エピソード」を選び出します。「特別な経験がない」と感じる方でも、経験を具体化する切り口は必ずあります。
自己分析の3つの切り口
- 「最も印象に残った患者さん」のケース(どう関わったか、どんな変化があったか)
- 「チームで評価されたこと・任されたこと」(後輩指導、研修担当、委員会参加など)
- 「困難だったが乗り越えた経験」(複雑なケース、多職種連携での課題解決など)
これらを「担当患者数」「勤続年数」「経験した疾患の種類」などの数字で具体化することが重要です。
Step3: 「強み→エピソード→貢献」の型で組み立てる
素材が揃ったら、採用担当者に伝わりやすい型に当てはめます。作業療法士の自己PRで効果的な構成は以下の通りです。
採用担当者に刺さる自己PRの基本型
- ①強み(1文で明示):「〇〇が強みです」「〇〇に特化した経験があります」
- ②エピソード(経験+数字):「〇年間で〜を担当し、〜という成果につながりました」
- ③貢献(応募先との接点):「貴施設においても〜という形で貢献できると考えています」
この型を意識するだけで、採用担当者が「この人を採用するメリット」を具体的にイメージできる自己PRになります。
なお、他の医療系職種の自己PR例文が参考になる場合があります。臨床検査技師の自己PRの書き方と例文も同様の構成で参考にできます。

【施設別】作業療法士の自己PR例文集
作業療法士の自己PRは、応募する施設の種別によって「刺さる内容」が大きく変わります。同じ経験でも、どの強みを前面に出すかを施設のニーズに合わせて変えることが、通過率を上げる最大のポイントです。
急性期・回復期病院向け例文
急性期・回復期では、評価精度の高さ・早期介入の意識・多職種連携の経験が採用担当者に最も評価されます。FIMやBRSなどの評価ツールを使いこなしてきた経験は積極的にアピールすべきポイントです。
採用担当者はここを見ている(急性期・回復期)
- ADL評価の精度と、退院後を見据えた目標設定ができるか
- 早期介入・早期離床への意識があるか
- 医師・看護師・MSWとの連携実績があるか
良い例文
急性期病棟での7年間で、脳血管疾患を中心とした患者のADL評価・リハビリ立案を担当しました。最短での自宅退院・転院調整を意識した早期評価を徹底し、担当患者のFIMの改善幅を入退院で平均18点維持することができています。医師・看護師・MSWとの情報共有を積極的に行い、多職種チームの一員として在宅復帰に向けた支援に注力してきました。回復期病院でのさらなる実践を通じ、在宅復帰率の高い病棟づくりに貢献したいと考えています。
NG例
急性期病棟で7年間勤務してきました。患者様の回復に向けて一生懸命取り組んできた経験があります。チームワークを大切にしており、貢献できると思います。(→「7年間で何をしてきたのか」が全く伝わらない)
老健・介護施設向け例文
老健・介護施設では、認知症ケアの知識・リスク管理(転倒・誤嚥予防)・介護職への指導・連携力が重視されます。「その人らしい生活を支える」という視点の自己PRが採用担当者に響きます。
採用担当者はここを見ている(老健・介護施設)
- 認知症ケアの経験・知識(BPSDへの対応を含む)
- 介護職と連携・指導できるコミュニケーション力
- 在宅復帰を視野に入れた生活期リハビリの実践力
良い例文
老健での5年間、認知症を持つ高齢者のリハビリを専門に担当してきました。活動・参加の視点を重視し、「その人らしい生活」を継続することを目標にプログラムを立案しています。認知症の行動・心理症状(BPSD)への対応については介護職へも研修を実施し、施設全体のケアの質向上に取り組みました。貴施設においても、生活期リハビリの専門家として利用者の尊厳ある生活を支える役割を果たしたいと考えています。
訪問リハビリ・訪問看護ステーション向け例文
訪問リハビリでは、1人で利用者宅に出向いて判断・行動する自律性と、家屋環境調整の経験が特に重視されます。ケアマネジャーや訪問看護師との連携実績も採用担当者のチェックポイントです。
良い例文
回復期病院での5年間の経験を経て、訪問リハビリ事業所で3年間勤務しました。1日7〜8件の訪問を担当し、利用者の自宅環境に合わせた個別プログラムと住宅改修提案を実施してきました。ケアマネジャーや訪問看護師と定期的に情報共有を行い、在宅での生活継続を多職種で支援することに強みを持っています。貴事業所でも、医療と生活をつなぐリハビリの視点を活かして貢献します。
デイケア・通所リハビリ向け例文
デイケアでは、集団プログラムの企画・運営力と、介護予防・重度化予防の意識が評価されます。「利用者が楽しみながら機能維持できる場づくり」という視点がアピールポイントになります。
良い例文
通所リハビリで4年間、集団体操や個別機能訓練の立案・実施を担当してきました。利用者の運動機能・ADLに合わせたプログラムをチームで企画し、3ヶ月ごとの評価をもとに修正する仕組みを導入しました。送迎時やレクリエーション中の関わりを通じた利用者との信頼関係構築も得意としています。貴事業所においても、利用者の長期的な生活機能の維持・向上に向けた実践的なリハビリプログラムの提供に貢献します。
新卒・第二新卒向け例文
新卒・第二新卒では、実績よりも「学習意欲・実習で得た具体的な気づき・素直に指導を受けられる姿勢」が評価されます。実習の経験を具体的に語ることで、採用担当者は「この人なら育てられる」と判断します。
採用担当者はここを見ている(新卒・第二新卒)
- 実習で何を学び、どんな気づきを得たか(具体的なエピソードがあるか)
- 作業療法士になった動機・原点が言語化されているか
- 入職後にどう成長したいかが書かれているか
良い例文(新卒向け)
学生実習で急性期病院と回復期病院の双方を経験し、ADL評価の精度と多職種連携の重要性を学びました。回復期の実習では担当患者の目標設定に関わる機会をいただき、退院時に「歩いて自宅に帰りたい」という目標を達成できたことが作業療法士を目指した原点と重なりました。入職後は先輩方の指導を積極的に吸収しながら、早期に即戦力として貢献できるよう学び続けます。
状況別:こんなときどう書く?
転職回数・ブランク・領域変更など、自己PRに書きにくい事情を抱えている方は少なくありません。それぞれの状況に応じた書き方を確認しておきましょう。
転職回数が多い場合
転職回数が多い場合、採用担当者は「この人はまたすぐ辞めないか」という点を確認しています。自己PRで転職回数の多さを弁解するより、「各職場で何を得たか」「異なる領域の経験がどう強みになっているか」を前向きに書くことが重要です。
良い書き方の例
急性期・回復期・訪問の3つの領域で計10年の経験を積んだことで、患者の状態に応じた幅広い視点からのリハビリ立案が強みとなっています。各職場で異なる課題に向き合ってきた経験は、多様な利用者・チーム構成への適応力につながっています。
ブランク(産休・育休・離職期間)がある場合
ブランクがある場合、自己PRで必ずしも触れる必要はありません。ただし、ブランク中に資格取得や自己研鑽があれば積極的に記載します。介護支援専門員の資格や研修受講歴などは、採用担当者に「準備して戻ってきた」という印象を与えます。
良い書き方の例(育休後の復職)
出産・育児のため2年間のブランクがありますが、復職に向けて介護支援専門員の資格を取得し、最新のリハビリ知識のアップデートを続けてきました。育児で培ったタイムマネジメント力と観察力を、臨床の場でも活かせると考えています。
専門外の施設種別に転職する場合
急性期から老健へ、病院から訪問へなど施設種別を変える転職では、「なぜその分野に転向するのか」と「今の経験がどう活きるか」の両方を自己PRに盛り込みます。採用担当者が懸念する「即戦力になれるか」という不安を、経験のつながりで解消するイメージです。
良い書き方の例(急性期→訪問リハビリへの転向)
急性期での5年間、脳卒中患者の在宅復帰支援に力を注いできました。退院後の患者の生活を継続して支えたいという思いが強くなり、訪問リハビリへの転向を決めました。評価精度の高さと退院後の生活を見据えた目標設定の経験を、訪問の現場で直接活かしていきたいと考えています。
医療系施設への応募で履歴書全体の書き方を確認したい方は、医療法人の履歴書の書き方も参考にしてください。

医療・福祉系の国家資格保有者の履歴書については、同様のアプローチで書けます。精神保健福祉士の履歴書の書き方も参考になります。

完全無料の履歴書・職務経歴書作成ツール
「サクレキ」質問に答えるだけで、選考書類がカンタンに完成
- 自己PR・志望動機も例文付きで安心
- スマホからでもOK。たった3分で履歴書・職務経歴書が完成
- 自動フォーマットで書き間違いゼロ
\ 完全無料・簡単3分で完成! /
無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 採用担当者は自己PRで「強みの明確さ」「経験+数字の裏付け」「応募先への貢献」の3点を30秒で確認している
- 「患者様に寄り添う」「コミュニケーション力」は差別化にならない。強みは1つに絞り、エピソードで裏付ける
- 施設種別(急性期・老健・訪問リハ・デイケア)によって「採用担当者に響く強み」は異なる。応募先に合わせて書き分ける
- 新卒は実習エピソード、転職回数が多い場合は経験の多様性、ブランクがある場合は復職への準備を積極的に書く
自己PR欄は履歴書の中で最も採用担当者が「この人を採用する理由」を探す欄です。書き方を一度整理してしまえば、施設ごとに強みの見せ方を変えるだけで使い回せます。
作業療法士の履歴書 自己PRに関するよくある質問
- 自己PR欄は何文字くらい書けばいいですか?
-
履歴書の様式によって異なりますが、一般的に欄の6〜8割以上を記入することが推奨されています。JIS規格様式の自己PR欄は100〜200文字程度が目安です。空白が多いと準備不足・意欲が低いと受け取られるリスクがあるため、枠の8割を埋めることを意識しましょう。
- 志望動機と自己PRはどう区別すればいいですか?
-
自己PR欄は「あなた自身の強みと経験」を書く欄、志望動機欄は「なぜその施設を選んだか」を書く欄です。「私はこういう人間で、こんな貢献ができます」が自己PR、「御施設のこういう点に惹かれて応募しました」が志望動機と考えると整理しやすくなります。自己PRに「貴院を志望した理由は〜」と書くのは典型的なNGパターンです。
- 具体的なエピソードが思い浮かばない場合はどうすればいいですか?
-
まず「担当していた患者数」「勤続年数」「経験した疾患や状況の種類」など、数字になる事実を洗い出してみましょう。「なんとなく経験した」と感じていても、担当患者数・任された業務・後輩指導の有無などを数字化することで、具体的なエピソードが浮かび上がることが多いです。新卒の方は実習経験を中心に、最も印象に残った場面を1つ具体化してみましょう。
- 認定作業療法士や専門資格は自己PRに書いたほうがよいですか?
-
積極的に書いてください。認定作業療法士・専門作業療法士のほか、介護支援専門員(ケアマネジャー)・福祉住環境コーディネーターなどの資格は、資格欄への記載に加えて自己PRでの活用シーンも具体的に触れると採用担当者への印象が上がります。特に老健・在宅系施設への応募では、ケアマネジャー資格保有は大きなアピールポイントになります。


コメント