この記事では、厚生労働省が2021年4月に公表した履歴書テンプレートの入手方法、旧JIS様式との違い、採用担当者が書類選考で確認するポイントを解説します。公式PDFとWord形式の入手先もまとめています。
厚生労働省の履歴書テンプレートとは
JIS規格廃止がきっかけで誕生した新様式
2021年4月16日、厚生労働省は新たな履歴書の様式例を公表しました。それまで市販の履歴書の多くが準拠していたJIS規格(日本産業規格)の様式例が2020年7月に廃止されたことを受け、採用選考の公正性を確保する観点から、国が標準的なフォーマットを提示したものです。
厚生労働省はこの様式例とともに、事業主に対して「本様式例を参考にしつつ、公正な採用選考を行ってほしい」と呼びかけています。採用に直接関係のない個人情報の収集を防ぎ、応募者の能力・適性を基準とした採用を促進することが目的です。
旧様式から変わった4つのポイント
厚生労働省の新様式では、旧JIS規格様式にあった以下の4項目が削除されています。
| 削除された項目 | 削除の主な理由 |
|---|---|
| 通勤時間 | 採用の可否に直接関係しないため |
| 扶養家族数(配偶者を除く) | 採用選考に不要なプライバシー情報のため |
| 配偶者 | 同上 |
| 配偶者の扶養義務 | 採用基準として不適切なため |
さらに性別欄は「男・女」の選択式から任意記載へと変更されました。記載したくない場合は空欄のまま提出できます。性自認の多様性に配慮した変更で、2021年以降に流通しているほとんどの履歴書テンプレートはこの新様式に対応しています。
採用担当者はここを見ている
- 旧様式のまま通勤時間・扶養家族数の欄がある履歴書を使っても、採用の可否には基本的に影響しない
- 新旧どちらの様式を使うかより、志望動機と職歴の書き方の質が採用担当者の判断を左右する
- 採用担当者が本当に見ているのは「この人が業務を遂行できるか」という点のみ
厚生労働省の履歴書テンプレートのダウンロード方法
公式PDFを入手する手順
厚生労働省の公式サイトからPDF形式の様式例を直接ダウンロードできます。印刷して手書きする場合はこの形式が基本です。
公式PDFの入手手順
- 厚生労働省の公式サイト(mhlw.go.jp)で「履歴書 様式例」と検索する
- 「履歴書の様式例について」と題されたページからPDF(94KB)をダウンロードする
- A3サイズで印刷するか、PDF編集ソフトを使ってパソコンで記入する
様式はA3(2ページ構成)で設計されています。A4コピー機しかない環境では「A3→A4縮小印刷」は文字が読みにくくなるため、A4対応のWordテンプレートを使うほうが現実的です。
Word形式で使う場合
パソコンで効率よく作成・修正したい場合は、厚生労働省様式に準拠したWord形式のテンプレートが便利です。各社のキャリアサービスや採用支援サイトが無料で提供しており、利用しやすいものを選べます。
Wordテンプレートを選ぶ際の確認ポイントは3点です。
- 2021年以降に作成・更新されているか(旧JIS様式と混在しているテンプレートもある)
- 性別欄が「任意」になっているか(「男・女」選択式のままの旧様式に注意)
- 通勤時間・扶養家族数の欄がないか(旧様式の名残が残っているものもある)
Word以外にも、ブラウザ上で直接入力できるWeb履歴書ツールやスマートフォンアプリで作成してPDF出力できるサービスも増えています。複数社に応募する場合は、履歴書作成ツールを活用すると入力の手間を大幅に省けます。

採用担当者が書類選考で確認するポイント
性別欄は書くべきか、書かなくていいか
厚生労働省の新様式では、性別欄への記載は任意です。「空欄にすると採用担当者に変な印象を与えるのでは」と不安を感じる方も多いですが、記載の有無が書類選考の評価に影響することはありません。
良い例
性別欄は記載せずに空欄のまま提出する。「未記載の場合どうなるか」を企業に問い合わせる必要もない。
NG例
「性別を書かないと失礼かもしれない」と考えて、記載するかどうかを企業に問い合わせる。→問い合わせ自体が採用担当者の工数を増やすため逆効果になる。
採用担当者側にも、性別欄が未記載であっても正当な理由がない限り性別の確認を行わないことが求められています。空欄のまま提出することをためらう必要はまったくありません。
削除された項目を自分で追記するのはNG
「通勤時間や扶養家族数を参考情報として書いておいたほうが親切では」と考える応募者も一定数います。しかし、これらの項目は「採用に直接関係しない情報」として削除されているため、自分から追記する必要はありません。
本人希望欄に「通勤時間は〇分です」と書いたとしても、採用担当者の判断に影響することはほぼありません。その欄を使うなら、勤務形態や希望職種など採用判断に直結する情報を記載するほうが有効です。
企業指定の様式がある場合は必ず従う
求人票や応募要件に「当社指定の履歴書様式を使用してください」と記載されている場合は、厚生労働省のテンプレートではなく企業指定の書式を優先します。厚生労働省のテンプレートはあくまで「書式指定がない場合に使える汎用フォーマット」です。
採用担当者はここを見ている
- 指定様式を無視した応募書類が届いた場合、書類の内容より前に「指示通りに動けるか」という点で評価が下がる
- 書式指定がない場合、厚生労働省の様式例を使うことに何も問題はない
- 採用担当者の本音として、様式の種類より志望動機と職歴の書き方の質が判断の大半を占める
厚生労働省テンプレート 各項目の書き方と採用で差がつくポイント
基本情報欄(氏名・住所・連絡先)
基本情報欄は、採用担当者が書類選考後に連絡を取るために使用します。誤記が採用機会の損失に直結するため、正確に記入することが最低条件です。
- 住所:都道府県から省略せず記載。マンション名・部屋番号まで書く
- 電話番号:日中に繋がりやすい番号(携帯電話が基本)を記載する
- メールアドレス:毎日確認できるアドレスを記載。プロバイダメールは迷惑メールフォルダに振り分けられるリスクがあるため、GmailなどのWebメールを推奨
学歴・職歴欄
学歴・職歴欄は採用担当者が最初に確認する項目のひとつです。「学歴」と「職歴」は必ず分けて記入し、それぞれの区切りを明確にします。
学歴・職歴欄の記入ルール
- 学歴は中学校卒業から記載する(小学校は不要)
- 学校名は正式名称を使う(例:〇〇高等学校、〇〇大学〇〇学部〇〇学科)
- 職歴は「〇〇株式会社 入社」「一身上の都合により退職」の形式で記入
- 職歴欄の最後は「現在に至る」または「以上」で締める
- アルバイト・パート経験は職歴欄に含めない(本人希望欄等に書く場合がある)
NG例
「株式会社〇〇(退職)」と1行で書いてしまう。→入社年月と退職年月を別行に記入するのが正しい書き方。退職理由を省略したり独自の書き方をすると、採用担当者が経歴を追いにくくなる。
資格・免許欄
資格・免許欄は正式名称で記入します。略称や通称は採用担当者による確認作業が発生するため、公式に定められた名称を使うことが基本です。
- 「普通免許」→ 正式名称:普通自動車第一種運転免許
- 「英検2級」→ 正式名称:実用英語技能検定 2級 合格
- 「日商簿記2級」→ 正式名称:日本商工会議所主催 簿記検定試験 2級 合格
取得年月を忘れずに記載します。「いつ取ったか」も採用担当者が確認するポイントです。業務上必要な資格が古すぎる場合、最新の知識があるかを面接で確認されることがあります。
志望動機・自己PR欄が採用の最大の差を生む
採用担当者が履歴書で最も時間をかけて読む欄です。テンプレートの形式が正しいことより、この欄の内容が書類選考の通過率を左右します。
採用担当者はここを見ている
- 「なぜこの会社なのか」が具体的に書かれているか(他社でも使い回せる内容は評価されない)
- 「入社後に何をできるか」が具体的な経験・スキルで裏付けられているか
- 空欄が目立つ履歴書は意欲が低いと判断されやすい——字数を充実させることが基本
良い例文
「前職では建材営業として5年間、施工会社への資材提案を担当していました。貴社が注力する〇〇分野の拡大期にあたり、私の顧客開拓経験を活かして貢献できると考えています。」
NG例
「御社のビジョンに共感し、ぜひ貢献したいと考えています。」→どの会社にも当てはまる抽象的な内容で、採用担当者に刺さらない。
履歴書テンプレートの選び方から各欄の書き方まで、より詳しい解説は履歴書テンプレート無料おすすめの記事もあわせて確認してください。

転職・新卒・アルバイト 厚生労働省テンプレートの使い分け
転職・中途採用の場合
転職・中途採用では、職歴の充実度が採用可否を大きく左右します。厚生労働省の標準様式は職歴欄がある程度確保されているため、職歴が2〜4社程度の方には使いやすいフォーマットです。
ただし転職回数が多い場合や職歴期間が長い場合は、標準様式では欄が足りなくなることがあります。その場合は職歴欄が多い専用テンプレートを使うほうが適切です。また、中途採用では履歴書とあわせて職務経歴書の提出を求めるケースが大半のため、職歴の詳細は職務経歴書に記載するつもりで書く量を調整しましょう。
新卒・就職活動の場合
新卒の就職活動では、職歴がほぼないため学歴とアルバイト経験・課外活動が主な記入内容になります。厚生労働省の標準様式はアピール欄(志望動機・自己PR)が限られているため、自己PR欄が広く設計されたテンプレートのほうが有利に働くケースも多いです。
大学の就職支援室や就活ナビサイトが独自に提供するテンプレートを使うのも選択肢のひとつです。書式を選んだ理由が採用担当者に問われることはほぼないため、自分のアピールが書きやすいものを選びましょう。
アルバイト・パートの場合
アルバイトやパートの場合、厚生労働省の標準様式はやや項目が多く感じられることがあります。コンビニや飲食店など書類内容がシンプルで十分なケースでは、1枚で収まる簡易フォーマットのほうが使いやすい場合もあります。
ただし、パートでも採用担当者が複数の応募者を比較する職場では、志望動機・自己PR欄が充実したテンプレートを使うほうが他の候補者との差別化につながります。応募先の規模や選考プロセスを考慮して判断しましょう。
適切な履歴書フォーマットの選び方は、履歴書おすすめ10選の記事も参考にしてください。

まとめ
- 厚生労働省の履歴書テンプレートは2021年4月に公表された、旧JIS様式に代わる標準フォーマット
- 旧様式から「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の4項目が削除され、性別欄は任意記載に変更された
- 公式PDFは厚生労働省サイトから無料ダウンロードできる(A3サイズ)。Word形式は各種キャリアサービスが提供している
- 企業指定の様式がある場合はそちらを優先。指定がない場合は厚生労働省テンプレートを使って問題ない
- 採用の可否を左右するのは様式の種類ではなく、志望動機・職歴欄の内容の質
書類準備は転職・就職活動の最初のステップです。テンプレートを確保できたら、次は中身の書き方を丁寧に仕上げることに集中しましょう。
厚生労働省の履歴書テンプレートに関するよくある質問
- 厚生労働省のテンプレートと市販の履歴書、どちらを使えばいいですか?
-
企業から書式の指定がない場合はどちらでも構いません。厚生労働省の様式例は2021年以降の公正採用基準を反映しており、性別欄の任意記載や不要項目の削除が済んでいるため、迷ったときの標準的な選択肢として活用できます。
- 性別欄を空欄にしても採用担当者に変に思われませんか?
-
思われません。厚生労働省の新様式では性別欄への記載は任意です。採用担当者にも「性別欄が未記載であっても正当な理由がない限り性別の確認を行わない」ことが求められています。空欄のまま提出して問題ありません。
- 厚生労働省のPDFテンプレートをパソコンで記入することはできますか?
-
PDF編集ソフト(Adobe Acrobat等)があれば入力できますが、フォームが設定されていないため入力しにくい場合があります。パソコンで効率よく作成したい場合は、各キャリアサービスが提供するWordまたはWebベースのテンプレートを使用するほうが実用的です。
- 古い市販の履歴書(旧JIS様式)を使っても選考上の問題はありますか?
-
採用担当者がフォーマットの違いで書類を落とすことは通常ありません。ただし旧様式の「通勤時間」「扶養家族数」の欄は本来不要な情報のため、空欄のまま提出するか、これらの項目がない新様式を使用することを推奨します。


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