この記事では、不採用後に履歴書が返送されるしくみと、企業から届く添え状テンプレートの内容を解説します。自分から返送を希望するときのメール例文・手紙のテンプレートも紹介します。封筒の選び方や依頼時の注意点もあわせてまとめました。
履歴書が「返送」される2つのシチュエーション
「履歴書の返送」には、大きく分けて2つの意味があります。採用選考の結果によって企業側がどちらの対応を取るかが変わり、応募者が自分から希望を伝えるケースもあります。
①不採用後に企業が送り返すケース
選考の結果、不採用となった場合に、企業が提出済みの履歴書・職務経歴書などを郵送で返却することがあります。
ただし、不採用後に書類を返送するかどうかは、法律で義務付けられているわけではありません。企業の採用ポリシーや求人票の記載によって対応が分かれます。
- 返送する企業:不採用通知とともに「書類を送付状付きで返却する」と案内
- 廃棄する企業:個人情報保護の観点から、シュレッダーで安全に処分
- 応募者が選べる企業:「返却か廃棄か」を応募時や不採用通知時に選択できる
②選考辞退後に企業が送り返すケース
内定辞退や選考途中での辞退の場合も、企業が提出済みの書類を返送することがあります。辞退を伝える際に「書類はどうすればよいですか?」とひとこと確認しておくと、スムーズに対処できます。
自分から返送を希望することも可能です。このあとのセクションで紹介するメール・手紙テンプレートを参考にしてください。
③すべての企業が返送するわけではない
現在は多くの企業が、個人情報保護方針(プライバシーポリシー)に基づき、提出書類をシュレッダーで廃棄する運用を採用しています。返送を希望する場合は、事前に確認するか、明示的に依頼することが必要です。
採用担当者はここを見ている
- 返送対応は企業の個人情報管理の姿勢を示す重要な実務
- 不採用通知に「書類は弊社にて廃棄します」と明記されていれば、それが最終回答
- 返送希望を丁寧に伝えることで「断られる」ケースはほぼない
企業から届く添え状(送付状)テンプレートの読み方
履歴書が返送されてきたとき、封筒の中には必ずと言っていいほど添え状(送付状)が同封されています。構成はどの企業でも共通しており、一度読み方を理解しておくと安心です。
添え状に書かれている主な内容
| 項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 日付 | 書類返送を処理した日付(西暦または和暦) |
| 宛名 | 応募者の氏名+「様」 |
| 差出人 | 企業名・部署名・担当者名 |
| 件名 | 「応募書類のご返送について」など |
| 本文 | 応募へのお礼、選考結果の報告、書類返送の旨 |
| 同封書類の一覧 | 「履歴書 1通」「職務経歴書 1通」など |
実際の添え状テンプレート例文
不採用の場合と選考辞退の場合とでは、添え状の書き方が少し変わります。それぞれの例文を紹介します。
企業から届く添え状の例文(不採用の場合)
○○年○月○日
○○ ○○ 様
株式会社○○○○
人事部 採用担当 ○○
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは弊社求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。厳正なる選考の結果、誠に残念ながら今回は採用を見送らせていただくこととなりました。
つきましては、ご提出いただきました応募書類をご返送申し上げます。末筆ながら、○○様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。
敬具
記
・履歴書 1通
・職務経歴書 1通
以上
企業から届く添え状の例文(選考辞退の場合)
○○年○月○日
○○ ○○ 様
株式会社○○○○
人事部 採用担当 ○○
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびはご応募いただき、誠にありがとうございました。先日、選考辞退のご連絡をいただきましたので、ご提出いただきました応募書類をご返送申し上げます。
ご縁がございましたら、またのご応募をお待ちしております。末筆ながら、○○様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。
敬具
記
・履歴書 1通
・職務経歴書 1通
以上
採用担当者はここを見ている
- 「拝啓〜敬具」の頭語・結語は省略しない——ビジネス文書の基本形式
- 「誠に残念ながら」という表現は、採用担当者が誠意を示すための定型句として使われる
- 末尾の「記〜以上」で同封書類を明記する——何が返送されたかが明確にわかる形式
履歴書を郵送する際の封筒や送付状のマナーについては、履歴書の送付状をスマホで作ってコンビニ印刷する手順もあわせて確認しておくと、いざというとき迷いません。

不採用後に自分から返送を希望するテンプレート
「会社に書類が残っているのが気になる」「個人情報が心配」という場合は、自分から返送を依頼することが可能です。メールや手紙で丁寧に伝えれば、ほとんどの企業は対応してくれます。
メールで返送を希望する場合の例文
不採用通知を受け取った後や、選考辞退を伝えた後にメールで依頼するのが最もスムーズです。件名にも「返送のお願い」と明記し、担当者がすぐに用件を把握できるようにします。
返送依頼メールの例文(不採用後)
件名:応募書類の返送のお願い(○○ ○○)
株式会社○○○○
採用ご担当者様
○○と申します。先日は「○○職」の選考にお時間をいただき、ありがとうございました。
不採用のご通知、承知いたしました。大変恐縮ではございますが、提出いたしました履歴書・職務経歴書のご返送をお願いできますでしょうか。
ご多忙のところ誠に恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。お手数をおかけして申し訳ございません。
どうぞよろしくお願いいたします。
氏名:○○ ○○
電話:090-○○○○-○○○○
メール:○○○@example.com
NG例
「個人情報が不安なので、すぐに返送してください。対応できない場合は廃棄証明を提出してください。」
→ 強要口調はNG。「お願いできますでしょうか」と柔らかく依頼するのが正解
手紙・送付状で返送を依頼する場合のテンプレート
メールアドレスが不明な場合や、より丁寧に対応したい場合は手紙(送付状)を郵送する方法もあります。封筒は白・角形2号を使用し、封筒の表面に「応募書類返送依頼」と朱書きするのがマナーです。
返送依頼手紙のテンプレート
○○年○月○日
株式会社○○○○
人事部 採用ご担当者 様
拝啓 貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
先日は選考にあたり、ご丁寧なご連絡をいただきまして誠にありがとうございました。
大変恐縮ではございますが、提出いたしました下記応募書類のご返送をお願い申し上げます。お手数をおかけして誠に恐れ入りますが、ご高配のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
記
・履歴書 1通
・職務経歴書 1通
以上
氏名:○○ ○○
住所:〒○○○-○○○○ ○○県○○市……
電話:090-○○○○-○○○○
手紙を送る際の封筒の書き方や郵送マナーは、履歴書の封筒と印刷の記事で詳しく解説しています。

返送希望を伝えるときの3つの注意点
- 不採用通知を受け取ったら早めに連絡する:廃棄処理が行われる前に依頼するため、通知受領後1週間以内を目安に連絡する
- 企業の対応に強制力はない:「廃棄済み」「返送対応は行っていない」という回答があっても、それが企業のポリシー。廃棄が適切に行われていると理解する
- 返信用封筒の同封で配慮を示す:書面で依頼する際に、宛名・切手貼付済みの返信用封筒を同封すると企業側の手間が減り、丁寧な印象を与えられる
履歴書が返送されてきたら?受け取り後の対処法
封筒が届いたら、まず添え状の内容を確認し、同封書類がすべて揃っているかをチェックします。書類の確認後は、以下の対処法を参考にしてください。
個人情報を安全に処分する方法
返送された履歴書には、住所・生年月日・電話番号・証明写真など、多くの個人情報が含まれています。再利用の予定がない場合は、シュレッダーで細断するか、コンビニのシュレッダーサービスを利用して安全に廃棄してください。
- 自宅にシュレッダーがない場合:コンビニや郵便局の有料シュレッダーサービスを活用する
- 手で処分する場合:氏名・住所・写真の部分を細かく破り、ゴミ袋を複数に分けて捨てる
- 再利用を考えている場合:情報を更新してから使う——古い日付や前回の応募内容のまま流用しない
同じ企業への再応募はできるか
「不採用になった企業にもう一度挑戦したい」という場合もあるでしょう。企業によっては「〇年以内の再応募不可」と定めていますが、明記がない場合は再応募自体は可能です。
ただし、前回の不採用理由を分析し、書類の内容・スキル・経験を見直した上で再応募することが前提です。同じ内容の書類を再提出しても、結果が変わる可能性は低いです。
採用担当者はここを見ている
- 「再応募は可能ですか?」と問い合わせること自体は失礼にあたらない
- 書類の改善点が明確でない場合、同じ書類での再応募はほぼ対応されない
- 転職エージェントを経由した再応募は、書類添削・内部情報の確認をサポートしながら挑戦できる
次の応募に向けて書類を見直す際は、履歴書テンプレートの選び方も参考にしてください。採用担当者が評価するフォーマットの基準から確認できます。

採用担当者が見ている「返送対応」の本音
採用担当者の側から見ると、応募者から返送希望を伝えられることへの受け止め方は明確です。返送を希望する行動そのものが採用選考に影響することは、基本的にありません。むしろ個人情報管理への意識の高さとして受け止める採用担当者が多いです。
返送希望を伝えるベストタイミング
| タイミング | 対応・ポイント |
|---|---|
| 応募前・応募時 | 採用情報ページや募集要項に「書類返送の方針」が記載されていれば事前確認できる |
| 不採用通知受領後すぐ | 廃棄処理の前に連絡が届くため、最適なタイミング。1週間以内が目安 |
| 辞退を伝えるとき | 「書類はどうすればよいですか?」と確認し、返送希望をその場で伝えられる |
強引な要求が選考に影響するケース
返送を希望すること自体は問題ありません。ただし、選考期間中に繰り返し書類の扱いを問い合わせる行為は避けてください。「選考よりも書類の行方に集中している」という印象になり、採用担当者に違和感を与えることがあります。
また、企業が「廃棄対応」と案内しているにもかかわらず返送を強要したり、廃棄証明書の提出を求めたりすることも、ビジネスマナーの観点から避けるべきです。
選考中に個人情報の扱いが気になる場合は、企業ウェブサイトのプライバシーポリシーを確認するのが最も確実な方法です。
履歴書を普通郵便で誤送してしまったときの対処法が気になる方は、履歴書を普通郵便で送ってしまったときの対処法もあわせてご確認ください。
まとめ
- 履歴書の返送には「不採用後」と「選考辞退後」の2つのシチュエーションがある
- すべての企業が返送するわけではなく、廃棄で対応している企業も多い
- 企業から届く添え状には「日付・宛名・差出人・件名・本文・同封書類の一覧」が記載される
- 自分から返送を希望する際は、不採用通知後1週間以内に丁寧なメールまたは手紙で依頼する
- 返送希望の伝え方で採用選考に影響することは基本的にない——ただし選考中の繰り返し問い合わせは避ける
- 返送された書類は個人情報が含まれるため、シュレッダーで安全に廃棄する
同じ企業への再応募を検討している場合は、書類の内容を見直してから挑戦することが書類選考通過の条件です。転職エージェントへの相談も選択肢として検討してみてください。
履歴書の返送に関するよくある質問
- 不採用後、履歴書が返送されてこないのはおかしいですか?
-
おかしくはありません。不採用後の書類返送は法律上の義務ではなく、企業の採用ポリシーによって「廃棄」「返送」の対応が分かれます。不採用通知に「書類は弊社にて廃棄します」と明記されていれば、個人情報保護の観点で適切に処理されています。返送を希望する場合は、通知後1週間以内にメールで丁寧に依頼するのが確実です。
- 返送を希望したら採用に不利になりますか?
-
選考結果には影響しません。返送希望を丁寧に伝えることは、個人情報管理への意識の高さとして受け取られるのが一般的です。ただし、選考の合否が出る前の段階で繰り返し書類の扱いを問い合わせると、採用担当者に違和感を与える場合があります。返送依頼は不採用通知を受け取ってから行うのが適切なタイミングです。
- 企業に廃棄証明書を請求することはできますか?
-
法律上、企業に廃棄証明書の発行を義務付ける規定はありません。個人情報保護法のもと、企業は適切に個人情報を取り扱う義務を負っていますが、書面での証明を求める権利は応募者には認められていません。企業のプライバシーポリシーを確認するか、採用担当者に廃棄の方針を口頭や文書で確認する程度にとどめるのが適切です。
- 返送を依頼したのに企業から返事がない場合はどうすればいいですか?
-
メールを送ってから1〜2週間経っても返事がない場合は、電話で確認するのが確実です。その際も「返送のお願いをしたメールを送りましたが、ご確認いただけましたでしょうか」と穏やかに伝えましょう。それでも対応がない場合は、廃棄で対応されたと理解するのが現実的です。強引な追及は避けてください。


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