この記事では、履歴書の学歴・職歴欄の書き方を採用担当者の視点から解説します。年号の統一ルールや正式名称の使い方など5つの基本から、中退・空白期間・アルバイトのケース別例文まで、書類選考で落とされないための具体的な書き方がわかります。
まず押さえる!学歴・職歴欄の5つの基本ルール
採用担当者が書類選考で一人の履歴書を確認する時間は、平均して30秒前後です。その短い時間で合否の印象が決まるため、ルールを外れた書き方をすると内容を読んでもらえないまま落とされます。
どの求人にも共通する5つの基本ルールを、NGパターンと合わせて確認しておきましょう。
| # | ルール | よくあるNG |
|---|---|---|
| 1 | 学歴・職歴の区切りを明示する | 「学歴」と書かずに中学から書き始める |
| 2 | 年号は西暦・和暦どちらかに統一 | 令和と西暦が同じ欄に混在している |
| 3 | 学校名・会社名は正式名称を使う | 「○○高校」「㈱○○」など略称を使う |
| 4 | 学歴と職歴の間は1行空ける | 学歴の直後に職歴を続けて書く |
| 5 | 職歴欄の最後は「以上」で締める | 「現在に至る」だけで終わる |
ルール① 学歴欄と職歴欄は必ず分けて明示する
学歴欄の1行目中央に「学歴」、職歴欄の1行目中央に「職歴」と記載します。この見出しがないと、採用担当者がどこから職歴が始まるのかを探す手間が生じ、整理されていない印象を与えます。
採用担当者は毎日大量の書類を処理するため、パッと見て読みやすい構造になっていないだけで選考印象が下がります。「当たり前のこと」と思われるかもしれませんが、手書き履歴書では見出しを省略するケースが意外に多く、書類選考で損をしている原因の一つです。
ルール② 年号は西暦か和暦のどちらかに統一する
西暦・和暦のどちらを使っても問題ありませんが、履歴書1枚の中で混在させてはいけません。
採用担当者が確認する際に「令和5年4月入社」と「2023年3月卒業」が並んでいると、記載ミスや書き慣れていない印象を与えます。転職サイトの入力フォームは西暦が多いため、西暦で統一するのが実用的です。
採用担当者はここを見ている
- 年号の統一は「書類の丁寧さ」の指標として確認される
- 令和・平成・西暦が混在している書類は、職歴の在籍期間を計算し直す必要が生じる
- 特に転職回数が多い場合は、年号の混在で在籍期間の計算ミスが発生しやすい
ルール③ 学校名・会社名は省略せず正式名称を使う
学校名と会社名は、登記上の正式名称で記載します。特に以下の略称は採用担当者が即確認するNGポイントです。
- 「○○高校」→ 「○○高等学校」
- 「㈱○○」「(株)○○」→ 「株式会社○○」(前株・後株も正確に)
- 「○○大学文学部」→ 「○○大学 文学部 日本文学科」(学科まで記載)
社名の「株式会社」が社名の前にくるケース(前株)と後ろにくるケース(後株)を間違えると、採用担当者が在籍確認をする際に名称が一致しないことがあります。登記情報や会社のホームページで正式名称を必ず確認してください。
NG例
2015年4月 ㈱○○商事 入社
2018年3月 一身上の都合により退職
「㈱」は略称のため採用担当者に確認の手間をかけさせるNG例
良い例
2015年4月 株式会社○○商事 入社
2018年3月 一身上の都合により退職
ルール④⑤ 学歴と職歴の間は1行空け、最後は「以上」で締める
学歴の記載が終わったら1行空けてから「職歴」の見出しを書きます。この空白行が視認性を高め、採用担当者がスムーズに読み進めるための区切りになります。
職歴欄の最後の行は「以上」と右詰めで記載します。在職中であれば「現在に至る」と書いた後、改行して「以上」を加えます。「現在に至る」だけで終わると書類が完結していない印象を与えます。
学歴欄の書き方と採用担当者が見るポイント
学歴はどこから(いつから)書くか
履歴書の学歴欄に書く起点は、最終学歴と状況によって変わります。一般的には「中学校卒業」から記載するのが基本で、採用担当者も学歴欄の起点として読み慣れています。
| 状況 | 起点 |
|---|---|
| 新卒(高卒以上) | 中学校卒業から記載(高等学校入学と対になるため) |
| 転職経験あり・職歴が多い | 最終学歴の入学から記載(高校以前は省略可) |
| 高校卒業が最終学歴 | 中学校卒業から記載 |
| 大学院修了 | 大学院入学から記載(それ以前を含めてもよい) |
スペースに余裕がある場合は中学校卒業から書くのが丁寧な印象を与えます。職歴が多く欄が埋まりそうな場合は、最終学歴の入学から記載するとバランスが取れます。
大学・学部・学科名の正しい書き方
大学名は「○○大学 ○○学部 ○○学科」と、学部・学科名まで記載します。大学名のみや学部のみでは情報が不完全で、採用担当者が専門分野を把握できません。
良い例
2018年4月 ○○大学 経済学部 経済学科 入学
2022年3月 ○○大学 経済学部 経済学科 卒業
NG例
2018年4月 ○○大学 入学
2022年3月 ○○大学 卒業
学部・学科を省略すると専門性が伝わらないためNG
大学院修了の場合は「修了」、中退した場合は「退学」と書きます。「卒業」と書いてしまうと学歴詐称に該当するため注意が必要です。専門学校は「専修学校 ○○専門学校 ○○科 卒業」という記載が正式です。
採用担当者が学歴欄でまず確認する3つのこと
採用担当者はここを見ている
- 最終学歴と年齢の整合性:入学年と卒業年から浪人・留年・中退の有無を計算している
- 学校名・学部名の略称使用:「高校」「工業大」など略称が使われていないか
- 卒業後から初職までの期間:空白があれば理由が職歴欄に記載されているかを確認
学歴欄の「校種の正式名称」については、高等学校・専門学校・大学院ごとに正しい表記が異なります。詳細は以下の記事で確認できます。

ケース別│学歴欄の書き方と例文
標準的な書き方以外の状況に対応した書き方を、ケースごとに解説します。
大学・専門学校を中退した場合
中退は学歴欄に必ず記載します。採用担当者は年齢から卒業予定年を計算するため、中退を隠すと「年齢と学歴が合わない」と判断されます。書き方は「退学」の一語だけで十分で、退学理由を学歴欄に書く必要はありません。
良い例文
2018年4月 ○○大学 ○○学部 入学
2020年3月 ○○大学 ○○学部 退学
NG例
2018年4月 ○○大学 ○○学部 入学
(中退を隠し、その後の職歴から書き始める)
年齢と職歴開始年がずれて採用担当者が不信感を持つ
退学理由(経済的理由・病気・進路変更など)の書き方は、面接対策も含めて以下の記事で詳しく解説しています。

留学・休学した場合
留学・休学は学歴欄に記載します。記載がないと入学から卒業までの期間が標準より長くなる理由が説明できず、採用担当者が留年や中退と混同します。
良い例文(交換留学の場合)
2018年4月 ○○大学 ○○学部 入学
2019年9月 交換留学のため休学(○○大学へ留学)
2020年4月 復学
2023年3月 ○○大学 ○○学部 卒業
「留学」という経歴は採用担当者にとってポジティブな情報になりやすいため、括弧書きで留学先を添えると印象が良くなります。病気や家庭の事情による休学は「休学」と記載するだけで十分です。
休学理由の具体的な書き方は以下の記事で解説しています。

浪人・留年した場合
浪人・留年の場合、履歴書に「浪人」「留年」と書く必要はありません。実際の入学年度と卒業年度をそのまま記載します。
採用担当者は年齢から標準的な卒業年を計算するため、1〜2年のずれには気づきます。ただし、面接で確認されたときに正直に答えれば問題になることはほとんどありません。浪人・留年を隠すために年度を偽ると学歴詐称になります。
良い例文(留年1年の場合)
2017年4月 ○○大学 ○○学部 入学
2022年3月 ○○大学 ○○学部 卒業
(入学から5年のため留年1年分が含まれていることが分かる)
職歴欄の書き方と採用担当者が見るポイント
職歴欄の基本フォーマット
職歴欄には「入社」「退職」の事実を時系列で記載します。採用担当者が一目でキャリアの流れを把握できるよう、入社年月・会社名・職種・退職理由・「以上」を適切な位置に配置します。
基本フォーマット(転職1回の場合)
職歴
2018年4月 株式会社○○(○○事業部 営業担当)入社
2022年3月 一身上の都合により退職
2022年5月 △△株式会社(○○部門 管理担当)入社
現在に至る
以上
入社の行に「(○○事業部 営業担当)」のように所属・職種を括弧書きで添えると、採用担当者が職務経歴書を読む前から職種イメージを持てます。必須ではありませんが、スペースに余裕があれば記載を推奨します。
退職理由の正しい書き方
退職理由は状況によって書き方が変わります。自己都合の場合は「一身上の都合により退職」が標準ですが、会社都合の場合は正確に記載する方が採用担当者の印象は良くなります。
| 退職の事情 | 履歴書への書き方 |
|---|---|
| 転職・独立など自己都合 | 一身上の都合により退職 |
| リストラ・整理解雇 | 会社都合により退職 |
| 会社倒産・廃業 | 会社倒産に伴い退職 |
| 契約期間満了(パート・派遣) | 契約期間満了により退職 |
| 在職中 | 現在に至る(最終行に「以上」を加える) |
会社都合(リストラ・倒産)であることを正直に書くと、採用担当者は応募者を責めません。むしろ「一身上の都合」と誤魔化す方が面接時に話が合わず不信感につながります。
採用担当者が職歴欄で即確認すること
採用担当者はここを見ている
- 在職中か離職中か:離職中の場合は最終退職日から現在までの空白期間の長さを確認する
- 転職回数と在籍期間:1社あたりの在籍期間が短い転職が続いていないかを見ている
- 退職理由の一貫性:「会社都合により退職」が複数回続いていると背景に注目する
空白期間の扱い方については、以下の記事で状況別に詳しく解説しています。

ケース別│職歴欄の書き方と例文
転職経験がある場合(複数社)
転職経験がある場合は、すべての職歴を記載します。在籍期間が短い会社や試用期間中の退職であっても、雇用保険の記録に残るため省略はできません。採用担当者が採用後に確認する際に不一致が発覚すると信頼に関わります。
記載順は古い職歴から新しい職歴への時系列順が基本です。
良い例文(転職2回の場合)
職歴
2015年4月 株式会社○○(製造部門 生産管理担当)入社
2018年3月 一身上の都合により退職
2018年6月 △△株式会社(営業部 法人営業担当)入社
2022年9月 一身上の都合により退職
2022年11月 □□株式会社(○○事業部)入社
現在に至る
以上
転職と転職の間に空白期間がある場合は、空白期間の長さが1〜2か月なら「転職活動期間」として自然に読めます。3か月以上になる場合は本人希望欄や面接での補足説明を準備してください。
アルバイト・パートの経験をどう書くか
アルバイト・パートの記載可否は、正社員経験の有無によって判断が変わります。
| 状況 | 記載方法 |
|---|---|
| 正社員経験がある場合 | 原則として記載不要。学生時代のアルバイトは省略 |
| 正社員経験が少ない・ない場合 | 長期・継続したアルバイトは記載を推奨 |
| フリーター期間が長い場合 | 主要なアルバイトを正社員と同様のフォーマットで記載 |
良い例文(フリーター期間が長い場合)
職歴
2018年4月 ○○株式会社(アルバイト・接客販売業務)勤務
2021年3月 退職
2021年5月 △△有限会社(アルバイト・倉庫管理業務)勤務
現在に至る
以上
アルバイトは「入社」ではなく「勤務」と表記するのが正確です。短期・単発のアルバイトが多数ある場合の書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。

空白期間がある場合の書き方
空白期間は職歴欄に記載義務はありませんが、採用担当者は退職日から現在(または次の入社日)までの期間を確認します。理由が合理的であれば問題ありませんが、6か月以上の空白期間は本人希望欄や自己PR欄での補足説明が有効です。
採用担当者はここを見ている
- 空白期間の長さ(3か月未満は転職活動として読まれることが多い)
- 空白期間中に何をしていたか(資格取得・介護・療養・育児など)
- 現在の就業意欲が履歴書全体から読み取れるか
空白期間の書き方を転職活動中断・療養・育児・留学など8つの状況別に解説した記事があります。

採用担当者が思わず目を止める│学歴・職歴欄の差別化ポイント
ルール通りに書くことは書類選考を通過するための最低条件です。競合する応募者との差をつけるには、ルール遵守に加えて以下の2点を意識した書き方が効果的です。
職歴欄に「業務内容の一言」を加える
職歴欄に入社と退職だけを書くのは最低限のフォーマットです。採用担当者が「どんな仕事をしていたか」を把握するために、入社の行に「(営業部 法人向け営業担当)」「(製造部 品質管理担当)」という一言を加えると、職務経歴書を読む前から職種イメージが伝わります。
業務内容を添えた例
2018年4月 株式会社○○商事(営業部 法人向け提案営業担当)入社
2022年3月 一身上の都合により退職
この一言があるだけで採用担当者は「即戦力になる職種かどうか」を履歴書の段階で判断できます。スペースに制限がある手書き履歴書では省略しても問題ありませんが、PC作成の履歴書では積極的に活用してください。
大学の学歴に「専攻分野」を添える
大学・大学院の学歴欄に「経営学専攻」「機械工学研究室所属」の一言を添えると、応募職種と学習背景の関連性が一目で伝わります。採用担当者が「この人は基礎知識がある」と判断する材料になります。
専攻を添えた例
2018年4月 ○○大学 工学部 機械工学科(流体力学研究室)入学
2022年3月 ○○大学 工学部 機械工学科 卒業
スペースに余裕がある場合のみ記載すれば十分です。専攻が応募職種と無関係であれば省略しても問題ありません。
まとめ
- 学歴欄は「中学校卒業」から始め、1行目中央に「学歴」と明示する
- 年号は西暦か和暦のどちらかに統一し、1枚の中で混在させない
- 学校名・会社名は略称を使わず正式名称で記載する(「高校」→「高等学校」、「㈱」→「株式会社」)
- 職歴欄の最後は必ず「以上」で締める。在職中は「現在に至る」→改行→「以上」の順
- 中退・休学・空白期間は隠さず正直に記載し、面接での補足説明を準備しておく
- 職歴欄に業務内容の一言を添えると、採用担当者が即戦力かどうかを判断しやすくなる
学歴・職歴欄は採用担当者が最初に目を向ける箇所です。基本ルールを守りながら、業務内容の一言を加えるだけで他の応募者との差が生まれます。
履歴書の学歴・職歴に関するよくある質問
- 学歴欄と職歴欄はどちらを先に書きますか?
-
学歴欄を先に書き、その後に職歴欄を記載します。学歴欄の最後の行の後に1行空けてから「職歴」と中央に書き、職歴の記載を始めてください。
- 転職回数が多い場合、職歴をまとめて書いてもいいですか?
-
原則として職歴はすべて記載します。ただし1か月未満など非常に短い在籍については、履歴書のスペース状況によってまとめる判断もあります。不明な場合は記載する方向で考え、面接で補足説明するのが安全です。省略が発覚すると信頼に関わるため、隠すことは避けてください。
- アルバイトは職歴欄に書かないといけませんか?
-
正社員経験がある場合、学生時代のアルバイトは省略が一般的です。ただし正社員経験がない・少ない場合や、長期間継続したアルバイトは記載を推奨します。採用担当者は就業継続性を確認するため、空白にするより記載した方が印象は良くなります。
- 浪人・留年した年度をそのまま書くと、採用担当者に気づかれますか?
-
採用担当者は年齢から標準的な卒業年を計算するため、1〜2年のずれには気づく場合があります。ただし、面接で確認されたときに正直に答えれば問題になることはほとんどありません。年度を偽ると学歴詐称になるため、実際の入学・卒業年度をそのまま記載してください。

