この記事では、履歴書の備考欄に何を書くべきか、採用担当者の視点から解説します。空欄・「特になし」を避けるべき理由、在職中・パート・新卒・ブランクありそれぞれの例文、書いてはいけないNG事項まで網羅します。
履歴書の備考欄とは?本人希望欄との違いから確認する
備考欄(本人希望欄)は、企業に事前に伝えておきたい就業条件や補足情報を記入する欄です。志望動機欄や自己PR欄が「自分を売り込む場所」であるのに対して、備考欄は「事実を正確に伝える場所」という性格が根本的に異なります。
「備考欄」と「本人希望欄」は何が違うのか
市販の履歴書フォーマットでは「本人希望記入欄」「本人希望欄」と表記されているケースが大半です。「備考欄」は一部のフォーマットや、本人希望欄の下に設けられた補足スペースの名称として使われることがあります。名称は異なりますが、記入する目的と採用担当者の見方は同じと考えて問題ありません。
| 欄の名称 | 主な用途 |
|---|---|
| 本人希望欄・備考欄 | 就業条件の希望・連絡先の補足・入社可能時期など「事実の伝達」 |
| 志望動機欄 | 応募の理由・企業への関心を伝える自己アピール |
| 自己PR欄 | 自分の強み・経験・スキルを伝える自己アピール |
採用担当者が備考欄で確認していること
採用担当者が備考欄を見るのは、面接・入社後のミスマッチを防ぐためです。勤務条件に問題がある候補者を採用してしまうと、採用後に辞退や早期退職につながります。そのため、事前に条件を共有してくれる応募者は「連絡が取りやすい」「計画性がある」と評価されることが多いです。
採用担当者はここを見ている
- 連絡時間帯の制約があるか(在職中かどうかの確認にもなる)
- 入社可能時期の見通しが立っているか
- 就業条件について事前に共有すべき事実がないか
- 希望条件が現実的な範囲に収まっているか(条件過多でないか)
履歴書の備考欄に書く内容【状況別チェックリスト】
備考欄に書くべき内容は、応募形態や個人の状況によって変わります。以下の5つのカテゴリから、自分に該当するものだけを選んで記入します。「採用担当者に事前に知らせておくべき事実」だけを厳選するのがポイントで、すべてを書く必要はありません。
①連絡不可の時間帯(在職中の転職活動)
現職に就きながら転職活動をしている場合、平日の日中は電話に出られないケースがほとんどです。このことを備考欄に記載しておくと、採用担当者が選考連絡をスムーズに送れるようになります。在職中である旨と、連絡が取れる時間帯を明記するのが基本の書き方です。
詳しい書き方は連絡可能時間帯の書き方で解説しています。

②希望職種や配属先(複数職種・複数拠点を募集している場合)
企業が複数の職種や勤務地で同時募集している場合は、備考欄にどの職種・拠点を希望しているかを明記します。記載がないと採用担当者が選考ルートを判断できず、選考が遅延したり配属ミスマッチが起きたりするリスクがあります。単一職種・単一拠点への応募なら記載不要です。
③勤務日数・曜日・時間帯の希望(パート・アルバイト応募時)
パートやアルバイトへの応募では、勤務できる曜日・時間帯・週の日数を備考欄で伝えます。正社員転職では基本的に書かなくてよい情報ですが、パート・バイトでは採用担当者がシフト編成の検討に使うため、記載しておくのが親切です。
休み希望を含む書き方は履歴書の勤務時間の書き方で詳しく解説しています。

④入社可能時期
在職中で現職の退職手続きが必要な場合は、入社可能時期の目安を書いておきます。「内定後すぐに入社できるか」は採用担当者が選考判断に使う情報の一つです。具体的な日付が決まっていない段階では「相談可能」「ご相談の上決定できます」と書いても問題ありません。
入社可能日の記入例は入社可能日の書き方に詳しくあります。

⑤健康上の事情や通院状況(必要な場合のみ)
定期的な通院がある場合や、業務に影響が出る可能性がある健康上の事情がある場合は、備考欄に記載します。ただし、完治済みで業務に影響がない場合は書かなくて問題ありません。「採用担当者に事前に知らせておかないと入社後に困る事情」だけ記載するというのが判断基準です。
書くことがないとき|空欄・「特になし」がNGな理由
「特に伝えたいことはない」という状況は珍しくありません。しかし、備考欄を空欄のまま提出するのは避けるべきです。
採用担当者が空欄で感じること
備考欄に何も書かれていないと、採用担当者は「書き忘れ」か「記入方法を知らない」と解釈することがあります。意図せず「準備不足」「丁寧さに欠ける」という印象を与えるリスクがあるため、何らかの一言は記入するのが無難です。
「特になし」の記載についても同様です。採用担当者からすると「就業意欲が低い」「条件について何も考えていない」と判断される可能性があります。特に応募書類全体で差別化が難しい場面では、小さな印象の差が選考結果に影響することがあります。
NG例
(空欄のまま)
特になし
どちらも「記入漏れ」「就業意欲が低い」と見られるリスクがあります。
「貴社の規定に従います」が正解な理由
伝えたい就業条件が特にない場合は、「貴社の規定に従います」または「貴社の規定に準じます」と記入します。この一文を書くことで、以下の3つのメッセージを採用担当者に伝えられます。
- 就業条件に関して特別なこだわりはなく、柔軟に対応できる
- ビジネスマナーとして備考欄に何かを書くことを理解している
- 記入漏れではなく、意図的に記入した内容であると示せる
良い例文
貴社の規定に従います。
シンプルな一言ですが、この記載があるだけで採用担当者の受ける印象は大きく変わります。「規定に従います」は誠実さと柔軟性を同時に伝える、最もリスクの低い書き方です。
状況別|備考欄の書き方と例文
どの状況にも使えるテンプレートはありません。自分の立場や応募先の募集形態に合わせて、最低限の情報を過不足なく伝えることが大切です。以下では4つの状況別に、そのまま使える例文を紹介します。
①在職中の転職活動(連絡時間の制約あり)
現職に就きながら転職活動を進めている場合、連絡可能な時間帯の制約を伝えるのが最優先です。採用担当者が平日の日中に電話をかけて通じなかった場合、選考スケジュールが遅延するケースがあります。在職中と連絡可能な時間帯の両方を一文で明記するのがポイントです。
例文:在職中(連絡時間の制約あり)
現在在職中のため、平日9時〜17時は電話対応が難しい状況です。平日12時〜13時もしくは18時以降、または土日はいつでもご連絡いただけます。
入社可能時期も合わせて記載する場合は、以下のように1〜2文を追加します。
例文:在職中+入社可能時期を添える場合
現在在職中のため、平日9時〜17時は電話対応が難しい状況です。平日18時以降または休日にご連絡ください。内定後は現職と相談のうえ、最短1〜2か月での入社が可能です。
②パート・アルバイト応募の場合
パートやアルバイトの応募では、勤務できる曜日・時間帯・入れないシフトを明確に書きます。「週〇日勤務希望」「〇曜日は対応できない」といった情報は、採用担当者がシフトを組む際の重要な判断材料です。希望は具体的に書くほど採用担当者が動きやすくなります。
例文:週3〜4日・曜日固定の場合
週3〜4日勤務希望(火・木・土を中心に調整可能)。勤務時間は9時〜15時を希望しますが、ご都合に合わせて調整できます。
例文:子育て中・送り迎えの制約がある場合
子どもの送迎があるため、9時〜15時の時間帯での勤務を希望しています。水曜日のみ14時30分が退勤リミットになりますが、その他の曜日は柔軟に対応できます。
③新卒・第二新卒の場合
新卒や第二新卒で特別な条件がない場合は、「貴社の規定に従います」だけで十分です。ただし、卒業前の就職活動で入社時期に制約がある場合は、その旨を一言添えます。
例文:新卒(特別な希望なし)
貴社の規定に従います。
例文:入社時期に制約がある場合
大学の卒業式が3月25日のため、入社は4月以降を希望しています。それ以外の条件については貴社の規定に従います。
④ブランク期間がある場合(育児・療養・介護後の復職)
育児・療養・介護などでブランク期間がある場合、そのことを備考欄で補足すると採用担当者の疑問を先回りして解消できます。職歴欄だけでは伝わりにくい「なぜブランクがあるのか」を一言で説明することで、書類通過率が上がるケースがあります。
例文:育児後の復職
育児のためにキャリアを一時休止していましたが、現在は子どもも安定しており復職できる状態です。その他の条件については貴社の規定に従い、柔軟に対応いたします。
例文:療養後の復職
療養のため〇年間休職しておりましたが、現在は完治しており就業に支障はありません。入社後の業務については貴社の規定に従います。
空白期間がある場合の職歴欄の書き方は履歴書の空白期間の書き方を参照してください。

採用担当者が落とす|備考欄のNG記載
備考欄は「書けば書くほどよい」欄ではありません。書き方を誤ると、採用担当者に「扱いにくい人材」「自分本位」という印象を与えてしまいます。以下の3つのNG事項は特に注意が必要です。
①給与・残業・休日などの待遇希望は逆効果
「月給〇万円以上希望」「残業は月20時間以内を希望」のような待遇面の希望を備考欄に書くのは逆効果です。選考が始まる前から条件交渉の姿勢を見せると、採用担当者から「交渉が面倒」「図々しい」と判断されるリスクがあります。
NG例
希望月給:〇〇万円以上
残業:月20時間以内を希望します
交通費全額支給を希望します
待遇面の希望は書類段階では伝えず、面接が進んだ段階で確認するのが適切なタイミングです。
②条件を詰め込みすぎると「扱いにくい」と判断される
備考欄に複数の条件を並べることは避けましょう。「月〜金のみ」「時短勤務必須」「テレワーク希望」「週3日以上は不可」のような複数条件を一度に記載すると、「拘束が多い」「採用側の裁量が利かない」と思われる可能性があります。
どうしても伝えなければならない条件が複数ある場合は、最も優先度の高いものだけ記載し、残りは面接時に相談する形を取るほうが印象は良くなります。
③専用欄がある項目を備考欄に書かない
履歴書の中には、志望動機欄・自己PR欄・通勤時間欄など、すでに専用の記入スペースがある項目があります。これらを備考欄に重複して書くと「フォーマットを理解していない」という印象を与えます。
- 通勤時間・最寄り駅 → 基本情報欄に記入する
- 志望動機 → 志望動機欄に記入する
- 資格・免許 → 資格欄に記入する
備考欄には「他の欄に書けない、または書きにくい補足情報」だけを記入するのが基本です。
まとめ
- 備考欄(本人希望欄)は「企業に事前に伝えておくべき事実」を書く欄で、志望動機欄・自己PR欄とは役割が異なる
- 空欄・「特になし」は記入漏れや意欲不足と誤解されるリスクがあるため、必ず何か書く
- 伝えることが特にない場合は「貴社の規定に従います」と記入するのが最もリスクが低い
- 在職中なら連絡可能時間帯、パートならシフト希望、ブランクありなら一言補足を書く
- 給与・残業・待遇の希望は書類段階では記載しない。面接時に確認する
備考欄は選考の合否を大きく左右する欄ではありませんが、小さな差が積み重なって書類通過率に影響することがあります。「書きすぎず、空欄でもない」バランスを意識することが、採用担当者への好印象につながります。
履歴書の備考欄に関するよくある質問
- 備考欄と本人希望欄は同じものですか?
-
ほぼ同じ役割を持ちます。履歴書のフォーマットによって「本人希望記入欄」「備考欄」など名称が異なりますが、「採用担当者に事前に伝えておきたい就業条件や補足情報を記入する欄」という目的は共通しています。
- 「特になし」と書いてもいいですか?
-
「特になし」の記載は、採用担当者によっては「就業意欲が低い」「何も考えていない」と判断される可能性があります。特に伝えたいことがない場合は「特になし」ではなく、「貴社の規定に従います」と記入するほうが誠実な印象を与えられます。
- 希望月給を備考欄に書いていいですか?
-
書類選考の段階で希望月給を備考欄に記載することは推奨しません。採用担当者から「交渉の余地がない」「自分本位」と判断されるリスクがあります。給与に関する希望は面接が進んだ段階で確認するのが適切なタイミングです。
- 備考欄は手書きとPC作成のどちらがいいですか?
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備考欄の記入方法は、履歴書全体の作成方法に合わせます。手書きで作成する履歴書なら手書き、PCで作成するなら入力で統一するのが基本です。手書きの場合は黒のボールペン(消せないタイプ)を使用してください。


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