介護福祉士の職務経歴書は、職務要約・職務経歴・資格欄・自己PRの4項目を、数字を使って具体的に書くことが基本です。特養・デイサービス・訪問介護・グループホームなど施設形態によって、採用担当者が書類で確認するポイントは大きく異なります。この記事では施設形態別の例文とNG例、資格欄の正しい書き方までまとめて解説します。
介護福祉士の職務経歴書の書き方と例文【結論】
結論:職務経歴書は4項目で構成する
職務経歴書は「職務要約」「職務経歴」「資格・スキル」「自己PR」の4つのブロックで構成します。転職理由や志望動機は履歴書に譲り、職務経歴書では実務経験の中身を具体的に伝えることに専念してください。
- 職務要約:経験年数・施設形態・強みを3〜5行に凝縮
- 職務経歴:施設ごとの規模・業務内容・担当人数を記載
- 資格・スキル:正式名称と取得(登録)年月を記載
- 自己PR:エピソードと入職後の貢献イメージ
職務要約の例文
職務要約は採用担当者が最初に目を通す部分です。情報量より具体性を優先し、以下の例文を参考にしてください。
良い例文
特別養護老人ホームに介護福祉士として6年間勤務し、要介護3〜5の入居者12名を担当してきました。4年目からはユニットリーダーとしてスタッフ4名の業務調整とOJT指導を担当しています。認知症ケアの実践経験を活かし、貴施設でもチームケアの質向上に貢献したいと考えています。
NG例
介護の仕事に長年携わってきました。利用者様に寄り添った対応を心がけており、コミュニケーション能力には自信があります。施設形態も経験年数も具体的な業務も書かれておらず、採用担当者は経験の中身を判断できません。
自己PRの例文
自己PRは「人柄アピール」だけで終わらせず、具体的なエピソードと入職後の貢献イメージまで書くと、採用担当者の印象に残ります。
良い例文
介護福祉士として認知症ケアを中心に5年間経験を積んできました。表情やしぐさから感情を読み取ることを意識し、不穏になりやすい利用者様への個別対応を工夫した結果、ご家族から感謝の言葉をいただく機会が増えました。貴施設の個別ケアを重視する方針に共感しており、これまでの経験を活かして貢献したいと考えています。
NG例
人と接することが好きで、利用者様のために一生懸命頑張ります。意気込みは伝わりますが、何をしてきたか・何ができるかが不明で、他の応募者との違いが伝わりません。
ゼロから項目を組み立てるのが難しい場合は、あらかじめ構成が用意された介護業界の職務経歴書テンプレートや福祉業界の職務経歴書テンプレートを土台にすると、項目の抜け漏れを防げます。

採用担当者が介護福祉士の職務経歴書で見ているポイント
採用担当者は職務経歴書を通じて、応募者が自施設で即戦力になるかを判断しています。特養とデイサービスでは求められる経験がまったく異なるため、書類上で「自施設の業務に対応できるか」が伝わるかどうかが通過の分かれ目になります。
採用担当者はここを見ている
- 施設形態と規模:入居者数・職員数・ユニット型か従来型か
- 担当業務の具体性:入浴介助・移乗・記録作成など、何を担当していたか
- 数字で示せる実績:担当利用者数・夜勤回数・後輩指導人数など
- 資格欄の正確さ:正式名称と登録年月が正しく書かれているか
とくに「介護業務全般」という書き方は要注意です。担当していた介助の種類と規模を具体的に書き出すだけで、他の応募者との差がはっきりします。
| ありきたりな書き方 | 採用担当者に伝わる書き方 |
|---|---|
| 介護業務全般を担当 | 入浴介助・移乗・食事介助・記録作成を担当。要介護3〜5の入居者12名を固定担当 |
| 利用者様に寄り添った対応 | 表情や仕草から要望を先読みし、個別ケア計画の見直しを提案 |
| チームワークを大切にしている | 申し送り時間の短縮に向けて記録フォームの改善を提案し、チームで運用 |

【施設形態別】書き方のポイントと例文
介護福祉士が経験する施設形態には、特養・デイサービス・訪問介護・グループホームなどがあります。応募先の施設が重視するポイントに合わせて、職務経歴の書き方を調整しましょう。
特別養護老人ホーム(特養)の場合
特別養護老人ホームは要介護3以上の利用者が中心の重度介護施設です。採用担当者は夜勤対応力と重度ケアの経験を重視します。
- ユニット型か従来型か
- 夜勤の月間回数
- 看取りケアの経験有無
- 重度認知症(BPSD)への対応経験
良い例文(特養)
【施設形態】特別養護老人ホーム(ユニット型)定員90名
【在籍期間】6年間
【担当業務】入浴介助・移乗・食事介助・排泄介助・介護記録作成
【担当人数】ユニット入居者10名、夜勤月6〜8回
【特記事項】看取りケアの経験あり。ユニットリーダーとして後輩3名の指導を担当。
デイサービス・通所介護の場合
デイサービスは日帰りで利用者が通う施設です。身体介護に加えてレクリエーションの企画や送迎業務が加わるため、採用担当者はコミュニケーション力と企画力を確認します。
- 定員数と1日あたりの利用者数
- レクリエーションの企画・運営経験
- 送迎業務の有無(運転免許の活用)
- 家族・ケアマネジャーとの連絡調整の経験
良い例文(デイサービス)
【施設形態】通所介護(デイサービス)定員35名
【在籍期間】3年4ヶ月
【担当業務】入浴介助・食事介助・バイタル測定・レクリエーション企画運営・送迎業務(普通自動車免許使用)
【担当人数】1日あたり利用者25名
【特記事項】月2回の外出レクリエーションの企画・引率を担当。
訪問介護の場合
訪問介護は利用者の自宅に出向き、1対1でケアを行います。採用担当者は自宅という環境で安全にケアを完結できる自立性を確認します。
- 週あたりの訪問件数・担当利用者数
- 身体介護と生活援助の比率
- サービス提供責任者の経験有無
- 緊急時対応の実績
良い例文(訪問介護)
【施設形態】訪問介護事業所(登録ヘルパー30名規模)
【在籍期間】4年間
【担当業務】身体介護(入浴・移乗・排泄介助)、生活援助(調理・掃除・買い物同行)
【担当人数】担当利用者12名、1日3〜4件訪問
【特記事項】在籍2年目からサービス提供責任者補佐として新人指導を担当。
グループホームの場合
グループホームは認知症の方が少人数で共同生活を送る施設です。採用担当者は家庭的な環境での生活支援力と、地域とのつながりを意識した経験を確認します。
- 1ユニットの定員数(9名など)
- 生活リハビリ・レクリエーションの企画経験
- 地域交流行事の運営経験
- 夜勤・宿直の勤務体制
良い例文(グループホーム)
【施設形態】グループホーム(1ユニット9名・2ユニット)
【在籍期間】3年間
【担当業務】食事準備の見守り・生活リハビリ支援・服薬管理・記録作成
【担当人数】1ユニット9名を固定担当
【特記事項】月1回の地域交流行事の企画・運営を担当。
資格・保有スキル欄の書き方
資格は略称ではなく正式名称で記載します。採用担当者は資格欄の表記から応募者の書類作成への正確さを判断するため、とくに介護福祉士は登録が必要な資格である点に注意が必要です。
| 表記(使用注意) | 正式名称・書き方例 |
|---|---|
| ヘルパー2級 | 介護職員初任者研修 修了(20○○年○月) |
| ヘルパー1級 | 介護福祉士実務者研修 修了(20○○年○月) |
| ケアマネ | 介護支援専門員 登録(20○○年○月) |
| 介護福祉士 | 介護福祉士 登録(20○○年○月) |
介護福祉士は国家試験に合格しただけでは資格者となりません。合格後に登録申請を行い、登録証が交付されて初めて正式な介護福祉士となります。資格欄には合格発表日ではなく、登録証に記載された登録年月日を書くのが原則です。登録日か合格日かで迷う場合は、あわせて次の記事もご確認ください。

資格欄には保有資格以外に、業務に直結するスキルも記載できます。
- 介護記録ソフト(介護記録システムなど)の使用経験
- 認知症サポーター養成講座などの受講歴
- 普通自動車運転免許(送迎・訪問業務での活用)
- 感染対策委員会やリスクマネジメント委員会への参加経験
転職回数が多い・ブランクがある場合の書き方
転職回数が多い場合
介護業界は他業種と比べて離職率が高く、転職回数が多いこと自体は採用担当者にとって珍しいことではありません。ただし「なぜ転職したか」が伝わらないと、長く続かない人材と判断されるおそれがあります。
良い例文(施設ごとの一言メモ)
○○ホーム(20○○年4月〜20○○年3月)
→ 正社員として入職。施設の運営方針変更に伴う人員整理のため退職。
△△デイサービス(20○○年4月〜20○○年7月)
→ 契約社員として勤務。より専門的な認知症ケアを学ぶため退職。
ブランクがある場合
産休・育休、家族の介護、体調不良によるブランクは、隠さずに理由を明記したほうが採用担当者の不安を防げます。
| ブランクの理由 | 記載例 |
|---|---|
| 育児 | 20○○年○月〜20○○年○月 育児専念のため離職(保育所入所が決まり就業可能) |
| 家族の介護 | 20○○年○月〜20○○年○月 家族の介護のため離職(介護体制が整い転職活動中) |
| 体調不良・療養 | 20○○年○月〜20○○年○月 療養のため休職(現在は回復しフルタイム勤務可) |
パート勤務や派遣社員としての経験を書く場合も、雇用形態を明記したうえで業務の実態を正直に記載してください。パート用の職務経歴書テンプレートや派遣の職務経歴書テンプレートを土台にすると、項目の抜け漏れを防げます。
まとめ
- 職務経歴書は「職務要約・職務経歴・資格スキル・自己PR」の4項目を数字で具体的に書く
- 職務要約は3〜5行に凝縮し、経験年数・施設形態・強みを盛り込む
- 施設形態(特養・デイ・訪問介護・グループホーム)ごとに採用担当者が重視するポイントは異なる
- 資格欄は正式名称と登録年月日を正確に記載する
- 転職回数やブランクは、理由を前向きな言葉で説明すれば通過の壁にならない
職務経歴書は書き方のルールを守るだけでなく、採用担当者が何を知りたいかを意識して書くことで、書類選考の通過率が変わります。
介護福祉士の職務経歴書に関するよくある質問
- 介護福祉士の職務経歴書はA4何枚にまとめればいいですか?
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経験年数5年未満であれば1枚、5年以上であれば2枚を目安にしてください。3枚を超える場合は、古い施設の記載を簡略化するなどして2枚以内に収めるとよいでしょう。採用担当者は多くの書類に目を通すため、要点が整理された分量が好まれます。
- 転職回数が多くても書類選考を通過できますか?
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通過できます。介護業界は他業種と比べて転職回数が多い人材も珍しくないため、回数自体が大きなマイナスになることは少ないです。各転職の理由を前向きな文脈で説明し、施設ごとの経験がどのようにキャリアにつながっているかを示すことがポイントです。
- 介護福祉士の資格欄は合格日と登録日のどちらを書けばいいですか?
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介護福祉士は試験合格後に登録することで正式な資格者となるため、資格欄には登録年月日を記載するのが原則です。手元に登録証がある場合は、そこに記載された登録年月日を確認してから記入してください。
- 職務経歴書は手書きとパソコンのどちらで作成すればいいですか?
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パソコン作成が一般的です。表や箇条書きを使った情報量の多い書類のため、手書きでは読みにくくなりがちです。応募先から手書き指定がある場合を除き、パソコンで作成しPDF形式で提出することをおすすめします。
- 介護の実績を数字で示せない場合はどうすればいいですか?
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担当していた利用者数、夜勤の月間回数、後輩指導の人数など、業務の中に数字にできる要素は必ずあります。ヒヤリハットの削減や申し送り時間の短縮など、小さな改善の取り組みも実績として書き出してみてください。

