介護事務の職務経歴書は、レセプト業務や窓口対応の経験を件数と頻度で書くことが通過の基本です。無資格・未経験でも、前職のスキルを介護事務の言葉に置き換えれば十分に評価されます。この記事では経験者・未経験者それぞれの例文と、採用担当者が実際に見ているポイントをまとめました。
介護事務の職務経歴書の書き方と例文【結論】
結論:レセプト業務と窓口対応を件数で書く
介護事務の職務経歴書に決まった書式はありません。ただし、読まれやすくなる型は存在します。「職務要約・職務経歴・担当業務・保有資格・自己PR」の5項目をA4用紙1〜2枚にまとめる構成が基本です。
| 項目 | 書く内容 | 分量の目安 |
|---|---|---|
| 職務要約 | 経験年数・勤務先の種別・強みを3行で | 100〜150字 |
| 職務経歴 | 施設名・在籍期間・利用者数・雇用形態 | 1施設あたり3〜4行 |
| 担当業務 | レセプト・窓口・電話対応を箇条書きで分解 | 5〜8項目 |
| 保有資格 | 資格名と取得年月、学習中の資格 | 2〜4行 |
| 自己PR | 行動と結果をセットで1エピソード | 200〜300字 |
介護事務は資格が必須の職種ではありません。だからこそ書類で見られるのは、レセプト・窓口対応の経験がどれだけ具体的に書けているかです。書式に悩む時間があるなら、担当業務を数字で分解する作業に時間を使ってください。
良い例文(介護事務経験者の場合)
良い例文
■職務要約
特別養護老人ホームにて3年間、介護事務として勤務してまいりました。利用者80名分の介護報酬請求業務(レセプト作成・国保連合会への伝送)を担当し、請求漏れゼロを継続しています。ご家族やケアマネジャーへの対応窓口も兼務してきました。
■職務経歴
2022年4月〜現在 社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇
雇用形態:正職員/配属:事務所(定員80名)
担当:介護報酬請求、窓口・電話対応、送迎表作成
■担当業務
- レセプト業務:毎月末、利用者80名分の請求データを介護請求ソフトで作成し、国保連合会へ伝送
- 窓口・電話対応:来所されるご家族・ケアマネジャーへの対応を1日平均10件
- 書類作成:重要事項説明書・契約書の準備、利用者台帳の更新
- 送迎管理:送迎表の作成とドライバーへの週次共有
■保有資格
2023年5月 ケアクラーク技能認定試験 合格
普通自動車第一種運転免許
■自己PR
請求データの入力ミスを防ぐため、伝送前に利用者ごとのチェックリストを自作し、上長との二重確認を習慣化しました。導入から1年間、返戻(差し戻し)件数を前年比で半減させています。正確さを数字で示せることが自分の強みだと考えています。
良い例文(未経験・他業種からの場合)
良い例文(一般事務から応募)
一般事務として4年間、月次の請求書発行(取引先80社分)とデータ入力を担当してまいりました。Excelでの集計・関数を用いた請求管理に加え、来客対応・電話対応も日常的に行っています。正確な数値処理と対人対応を両立してきた経験を、介護事務のレセプト業務や窓口対応に活かしたいと考えております。
NG例
NG例
介護施設で事務作業を担当していました。書類作成や電話対応など幅広い業務をこなし、周囲と協力しながら仕事を進めてきました。介護事務の仕事にはやりがいを感じており、貴施設でも頑張りたいと思います。
レセプトを担当していたのか、来客対応が中心だったのかが一切わかりません。「幅広い業務」という言葉は、具体性を消してしまいます。
採用担当者はここを見ている
採用担当者はここを見ている
- レセプト実務、または近い事務経験がどれだけ具体的に書けているか
- 資格を持っている場合、正式名称と取得年月が記載されているか
- ご家族・ケアマネジャーなど外部対応の経験があるか
- 利用者数・請求件数・対応件数など、規模が数字でわかるか
書類の土台を先に作っておきたい場合は、事務の職務経歴書テンプレートをベースに、以降で紹介する介護事務ならではの表現へ置き換えていくと効率的です。
レセプト業務・PCスキルの伝え方
介護事務で評価が分かれるのは、担当業務を「介護事務の言葉」として伝えられているかどうかです。現場での動きを、採用担当者が業務量を推測できる表現に置き換えてください。
| 介護事務での経験 | 職務経歴書での書き方 |
|---|---|
| 介護報酬の請求書作成 | レセプト業務(介護給付費請求書・明細書の作成、国保連合会への伝送) |
| ケアマネジャーの補助 | ケアプラン関連書類の準備・確認補助 |
| 利用者・ご家族対応 | 窓口対応・電話対応(1日平均〇件など件数を明記) |
| 送迎表・シフト管理 | スケジュール管理業務(担当人数・頻度を明記) |
| 現金・備品管理 | 経理補助業務(出納帳記帳・発注管理) |
採用担当者が読み飛ばすのが「PCの基本操作ができます」という記載です。介護請求ソフトや表計算ソフトを日常的に使っているはずなので、ソフト名・機能名まで具体化してください。
- Excel:SUM・VLOOKUP関数を使用し、利用者ごとの請求データを月次で集計
- Word:重要事項説明書・契約書のひな形作成、変更点の修正対応
- 介護請求ソフト:レセプト作成・伝送データの作成、返戻内容の確認と再請求
PC経験がほとんどない場合は、現在取り組んでいる学習内容を具体的に書いてください。「Excelオンライン講座でVLOOKUPを学習中」のような一文は、スキル不足を補う材料になります。
職務要約の書き方と例文
職務要約は書類の中で最初に読まれる数行です。ここで業務量が伝わらないと、以降の内容が印象に残りません。「勤務先の種別」「経験年数」「強み」の3点を必ず入れてください。
良い例文
デイサービス(利用者定員40名)にて介護事務として2年間勤務してまいりました。介護報酬請求業務と窓口対応を兼務し、請求データの正確さと、ご家族への丁寧な情報伝達を強みとしています。
NG例
介護施設で事務のお仕事をしていました。いろいろな業務を担当し、スタッフと協力しながら働いてきました。事務の経験を活かして頑張りたいと思います。
施設の種別も担当人数も書かれておらず、経験の規模が読み取れません。「いろいろな業務」は具体性を消す言葉の代表例です。
近い業種の書き方も参考にすると、表現の幅が広がります。

資格・免許欄の書き方
介護事務は無資格でも就ける求人が多く、資格の有無が採否を直接左右するわけではありません。ただし、資格があれば知識レベルを客観的に示せます。主な資格は次の2つです。
| 資格名 | 種別 | 特徴 |
|---|---|---|
| ケアクラーク技能認定試験 | 民間資格(日本医療教育財団) | 社会福祉制度・介護報酬請求など介護事務の知識と技能を認定。在宅受験が可能 |
| 介護報酬請求事務技能検定 | 民間資格 | 介護報酬請求の実務知識を問う検定。レセプト業務の理解度を示せる |
資格がない場合は、この欄を空欄にせず、学習中の資格や取得予定を書いてください。「2026年10月 ケアクラーク技能認定試験 受験予定」のように時期を明記すると、意欲が伝わります。
介護業界からのキャリアチェンジであれば、介護職側の経歴も棚卸ししておくと自己PRの材料が増えます。
資格欄の書式に迷う場合は介護業界の職務経歴書テンプレートを土台にすると、項目の抜け漏れを防げます。
自己PRの書き方と状況別例文
自己PRで多い失敗は、性格の申告で終わってしまうことです。「コミュニケーション力があります」だけでは、採用担当者には何も伝わりません。伝わるのは、実際に取った行動と結果だけです。
介護職からのキャリアチェンジの場合
良い例文
介護職として4年間、利用者の日常生活援助と並行して、介護記録の入力とご家族への連絡対応を担当してきました。現場を理解した上で書類業務にあたれることが、介護未経験の事務担当者にはない強みだと考えています。
他業種(未経験)からの場合
良い例文
金融機関の窓口業務を3年間担当し、来店されるお客様への説明と、伝票処理を1日平均30件行ってきました。数字を扱う正確さと、対人対応を両立してきた経験を、介護事務のレセプト業務やご家族対応で活かしたいと考えています。
現職の介護事務からの転職の場合
良い例文
訪問介護事業所にて2年間、利用者45名分のレセプト業務と請求書発行を担当してきました。返戻件数を月平均3件から1件未満に減らした実績があり、請求データの精度を高める工夫を続けてきました。より大規模な施設でこの経験を活かしたいと考えています。
自己PRに書く実績が少なく手が止まっている場合は、数字が少なくても通る書き方を確認しておくと進みが早くなります。

書類選考に落ちる人に共通する3つの特徴
書き方の正解を知る前に、落ちる書類の型を知っておくと修正が速くなります。介護事務の応募書類で繰り返し見られるのは次の3つです。
- 担当業務が単語の羅列で終わっている:「事務作業、電話対応」だけでは、レセプトを担当していたのかが判断できません
- PCスキルが「使えます」止まり:ソフト名・機能名・実際の使用業務が書かれていないと、対応力を疑われます
- 介護専門用語がそのまま使われている:「ADL」「アセスメント」などは、一般の事務採用担当者に伝わらないことがあります
3つめは特に見落としやすい点です。介護現場で日常的に使う言葉は、事務職の採用担当者には必ずしも通じません。「日常生活動作に関するケア記録」のように、一般語に置き換えるか、括弧で補足を添えてください。
求人によってはハローワーク経由で募集していることも多いため、応募書類の様式指定を事前に確認しておくと安心です。
指定の様式がない場合はハローワーク用の職務経歴書テンプレートを使うと、項目の抜け漏れなく仕上げられます。パートでの応募を検討している場合はパート用の職務経歴書テンプレートを確認してください。
看護助手など、資格がなくても始められる医療・介護系事務職の書き方もあわせて確認しておくと、応募先の選択肢を広げる参考になります。

まとめ
- 介護事務の職務経歴書はA4用紙1〜2枚・5項目で十分に成立する
- 評価が分かれるのは担当業務の具体性。レセプト件数・利用者数を必ず添える
- 無資格でも資格欄は空欄にせず、学習中の資格を時期つきで書く
- 自己PRは性格の申告ではなく、実際に取った行動と結果で構成する
- 介護専門用語は一般の事務採用担当者に伝わる言葉へ置き換える
書くことがないと感じる原因の多くは、日々の業務を介護事務の言葉に変換できていないだけです。昨日担当した業務を1つずつ書き出すところから始めてください。
介護事務の職務経歴書に関するよくある質問
- 介護事務の求人に応募するとき、職務経歴書は必ず必要ですか?
-
求人票に「履歴書のみ」と書かれている場合は不要です。指定がない場合は提出しておくと、レセプト経験や対応件数を伝える枠が増えるため有利に働きます。パート応募でも提出を求められることがあります。
- 未経験・無資格でも介護事務の職務経歴書は書けますか?
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書けます。介護事務は資格が必須ではないため、前職で身につけた事務処理能力や対人対応の経験を、介護事務の業務にどう転用できるかという形で書いてください。資格欄は空欄にせず、学習予定があれば時期つきで記載します。
- 介護事務の職務経歴書はレセプト業務が未経験だと不利になりますか?
-
未経験であること自体は不利ではありません。求人によっては入職後に指導する前提で募集しているケースも多くあります。数値処理の経験や、正確さを求められる業務での実績を、レセプト業務に近い形で言い換えて記載してください。
- 職歴が短い場合やブランクがある場合はどう書きますか?
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期間を省略せず、離職していた理由を一行で添えてください。育児・介護・療養など事情を明記すれば、空白のまま提出するより印象が安定します。ブランク中に家族の介護に関わっていた場合は、その経験も記載できます。

