この記事では、デザイナーが履歴書の自己PRで採用担当者に何を伝えるべきかを解説します。Webデザイナー・グラフィックデザイナー・UI/UXデザイナーなど状況別の例文8選と、書類選考で落とされやすい3つのNGパターンを採用担当者の視点から具体的に紹介します。ポートフォリオとの使い分けや、スキルを言語化するコツも解説します。
デザイナーの履歴書 自己PRで採用担当者が見ている3つのポイント
採用担当者が履歴書を確認する時間は平均30〜60秒です。その短い時間で、自己PR欄から「この人を面接に呼ぶかどうか」を判断しています。
採用担当者はここを見ている
- 「何ができるデザイナー」か、冒頭の一文で判断できるか
- 制作実績・ツール経験に具体性があるか(ツール名だけでなく使用した案件・規模が示されているか)
- チームや他職種との協働スタイルが想像できるか
①「何ができるデザイナー」か一言で伝わるか
採用担当者が自己PRを読んで最初に確認するのは、「このデザイナーは自社で何を任せられるか」です。Webデザイン専門なのか、グラフィック全般なのか、UI/UX設計が強みなのか。その軸が冒頭の一文で伝わらないと、続きを読まれないまま通過対象から外れます。
自己PRの冒頭は「私は○○年間、○○系のデザインを担当してきました」のように、専門領域を明確に示すことから始めましょう。担当してきた媒体(Web・印刷物・プロダクトUI等)と、主な業務内容(バナー制作・LP設計・UXリサーチ等)を冒頭に置くことで、採用担当者が判断しやすくなります。
②具体的な制作実績・ツール経験が書かれているか
「Photoshop・Illustrator使用経験あり」だけでは採用担当者に判断材料を与えられません。採用担当者が知りたいのは、ツール名ではなく「どんな案件でどの程度のアウトプットを出したか」です。「月30本のバナー制作を3年間担当」「LPリニューアルのデザインをディレクターの指示のもと3週間で完成」のように、規模・頻度・役割を示すことで採用担当者がスキルレベルを具体的にイメージできます。
数値化しやすいデザイナーの実績の例を以下に挙げます。
- バナー・LP制作の月間本数・担当期間
- 担当サイトのページ数・制作物の種類
- コンペ・コンテストの入賞経験
- ツールの使用年数と業務での使用レベル(入稿対応・プロトタイプ作成 等)
③チームや他職種との協働スタイルが見えるか
デザイナーが孤立して作業するイメージを持たれることがありますが、実際の現場ではエンジニア・ディレクター・営業との連携が日常的に発生します。採用担当者は「このデザイナーは一緒に働きやすいか」という観点でも自己PRを確認しています。
「5人チームでの制作進行を担当」「ディレクターのフィードバックを即日で反映する体制をつくった」のように、協働の実態を一文でも書くだけで印象が変わります。一人作業が中心であっても、「クライアントとの要件定義から納品まで一人で対応」のように業務範囲の広さで協働スタイルを示せます。
採用担当者が落とす自己PRの3つのNGパターン
NG①「デザインが好きです」だけの抽象的な表現
「好き」と「心がけています」は採用担当者が求める情報ではありません。自己PRに必要なのは「過去に何をやったか」「その結果どうなったか」という具体的な事実です。感情の表明では、採用担当者はスキルレベルも業務経験も判断できません。
NG例
「デザインが好きで、日々スキルアップに努めています。ユーザーに寄り添ったデザインを提供できるよう常に心がけています。チームワークを大切にしながら、より良いデザインを追求していきたいと考えています。」
良い例(具体性を加えた場合)
「Webデザイナーとして2年間、EC系クライアントのバナー・LP制作を担当してきました。月20本以上のバナーをAdobe IllustratorとPhotoshopで制作しており、A/Bテスト用の複数パターン作成にも対応してきた実績があります。直近ではLPリニューアルのデザインを担当し、ディレクターとの連携でスケジュール通りに公開することができました。」
NG②スキル名とツールの羅列で終わる
NG例
「使用スキル:Photoshop・Illustrator・Figma・XD。HTML/CSSも対応可能。レスポンシブデザインに対応した制作が得意です。デザイン経験5年以上あります。」
職務経歴書に書く内容を自己PR欄に転記しても、採用担当者が判断できる情報は何も増えません。ツール名だけでは実際の使用レベルも使い方も伝わらない状態です。自己PR欄でツールを書く場合は「○○を使って何を作ったか」「どのような成果につながったか」という文脈とセットで記載してください。
なお、職務経歴書の作成と合わせて自動作成ツールを活用すると、記載項目の漏れを防ぎながら効率よく書類を整えられます。

NG③「詳しくはポートフォリオをご覧ください」で締める
ポートフォリオへの言及自体は問題ありませんが、自己PR欄がポートフォリオへの誘導だけで終わる状態は採用担当者にとって「自己PRを書けない人物」という判断材料になります。ポートフォリオは「作れること」の証明ですが、自己PRは「この会社で戦力になれること」を言葉で伝える場です。この役割の違いについては後の章で詳しく解説します。
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①Webデザイナー(経験者・転職)
採用担当者はここを見ている
- 担当案件の種類と規模が明確か(LP・バナー・サイトリニューアル 等)
- ツールの使用実績が制作の文脈で説明されているか
- 「一人で完結」か「チームで動いた」かが分かるか
例文
「Webデザイナーとして制作会社に3年間在籍し、主にECサイトのバナー・LP制作を担当してきました。Photoshop・Illustratorを業務で日常的に使用しており、月30本以上の制作物を納期通りに対応してきた実績があります。ディレクターやコーダーとの連携を通じて制作フローの標準化にも関わりました。貴社では、これまでの経験を活かしてWebデザイン全般を担当したいと考えています。」
②グラフィックデザイナー(経験者)
採用担当者はここを見ている
- 扱ってきたデザインの種類(印刷物・デジタル・パッケージ 等)が明確か
- DTPスキルの具体的な使用状況が書かれているか
- クライアント業務か社内業務かが分かるか
例文
「グラフィックデザイナーとして5年間、広告代理店でポスター・チラシ・パッケージなど印刷物のデザインを担当してきました。Illustratorを主軸に入稿データ作成から校正まで一貫して対応しており、納期管理とクライアントとの調整も担当してきた経験があります。直近では社内サイネージ向けのデジタルデザイン制作にも携わり、印刷・デジタル両方に対応できる制作経験があります。」
③UI/UXデザイナー
採用担当者はここを見ている
- 設計プロセス(調査・ユーザーテスト・プロトタイプ)に関わったか
- エンジニアやPMとの連携経験が書かれているか
- ユーザビリティ改善など成果の記載があるか
例文
「UI/UXデザイナーとして2年間、SaaS系プロダクトの管理画面設計を担当してきました。Figmaを使ったワイヤーフレーム作成からプロトタイプ検証まで一貫して担い、エンジニアとの連携による実装品質の確認も行っています。ユーザーインタビューを実施したリニューアル案件では、操作完了率の改善に貢献した経験もあります。ユーザー視点と開発側の制約の両方を理解した上で設計できることが強みです。」
④デザイン未経験・スクール卒から目指す場合
採用担当者はここを見ている
- 学習期間と取り組んだ内容が具体的か(スクール・独学・制作物の量)
- なぜデザイナーを目指したのかの動機が実体験から書かれているか
- 前職の経験で活かせるものが示されているか
例文
「前職は3年間、Webマーケティング職として広告運用を担当していました。バナーやLPのデザイン改善に携わる中でUI設計に興味を持ち、半年間のデザインスクールでHTML/CSS・Figma・Photoshopを習得しました。自主制作としてECサイトのLP5本を制作し、ポートフォリオに掲載しています。マーケティング視点を持ったデザイナーとして、貴社のプロダクト改善に貢献したいと考えています。」
⑤異業種からデザイナーへのキャリアチェンジ
例文
「前職では5年間、アパレル企業で販促企画と店頭POP制作に携わっていました。Illustratorを独学で習得し、1年間グラフィックデザイン専門学校に通い基礎を体系的に学び直しました。現在は自社のInstagram向けコンテンツデザインを担当しており、販促・顧客視点を活かしたビジュアル制作が強みです。」
⑥フリーランスから正社員転職
採用担当者はここを見ている
- フリーランスとして担当してきた業務の種類・規模
- 「なぜ正社員を選ぶのか」の理由が明確か(採用担当者が最も気にするポイント)
- チームや組織での協働経験の有無
例文
「フリーランスのWebデザイナーとして3年間、スタートアップ〜中小企業のコーポレートサイト・LP制作を30件以上担当してきました。クライアントとの要件定義から納品まで一貫して対応してきた経験があります。今後はチームでプロダクトに継続的に関わりたいという思いから、正社員として組織のデザインを内側から担いたいと考え転職を決意しました。」
書類の完成度を高めたい場合は、職務経歴書の添削サービスを利用する方法もあります。

自己PRの文字数と骨格のつくり方
履歴書の自己PRは200〜300文字が目安
履歴書の自己PR欄は、サイズによって記載できる文字数が変わります。一般的な目安は以下の通りです。
| 履歴書サイズ | 自己PR欄の目安文字数 |
|---|---|
| A4サイズ(厚生労働省様式) | 200〜350文字 |
| B5サイズ(市販の標準様式) | 150〜250文字 |
| 職務経歴書の自己PR欄 | 300〜500文字 |
採用担当者は自己PR欄の「余白」も見ています。欄の8割以上を埋めることが理想で、スカスカの欄は準備不足の印象を与えます。一方で欄からはみ出るほど詰め込むと読みにくくなるため、文字数の上限を守りながら情報を凝縮させてください。
PREP法を使った骨格設計
自己PRの構成に迷った場合は、PREP法が役立ちます。Point(結論)→ Reason(理由・背景)→ Example(実例・具体的実績)→ Point(締めの一言)の順に書くことで、採用担当者が読んだ瞬間に「何ができる人か→なぜその経験があるか→具体的にどのくらいか」の順番で情報を受け取れます。
PREP法の活用例
- P(結論):「Webデザイナーとして3年間、LP・バナー制作を担当してきました。」
- R(理由):「制作会社でスピード対応と品質管理を同時に求められる環境で経験を積みました。」
- E(実例):「月30本以上の制作を納期通りに対応し、LPリニューアルではディレクターとの連携で完了しました。」
- P(締め):「貴社でも同様の対応力を活かして即戦力として貢献できます。」
履歴書のフォーマット選びと合わせて、自己PR欄の構成を整えていくと書類全体の完成度が上がります。

ポートフォリオと自己PRの役割の違い
ポートフォリオは「作れる」の証明、自己PRは「戦力になる」の約束
デザイナーの転職では、ポートフォリオが書類選考の中心になることが多く、「ポートフォリオさえよければ通過する」というイメージを持つ人もいます。しかし採用担当者の視点では、ポートフォリオと自己PRは別の役割を担っています。
| 書類 | 伝える内容 | 採用担当者が確認すること |
|---|---|---|
| ポートフォリオ | 作れる・作ってきた実績 | スキルレベル・スタイルの適合 |
| 履歴書の自己PR | この会社で戦力になれる | 即戦力度・一緒に働けるか・志望意欲 |
ポートフォリオが「作品の証明」だとすれば、自己PRは「この会社で何ができるか」の約束です。ポートフォリオの内容を補足するのではなく、自己PRには「どんなプロセスで働いてきたか」「チームの中でどう動けるか」を書く必要があります。
「詳しくはポートフォリオをご覧ください」だけで終わる自己PRが落とされる理由
採用担当者がポートフォリオを確認するのは後工程であり、まず履歴書の自己PRで「会ってみたい人物か」を判断します。自己PR欄でポートフォリオへの誘導だけを行うと、採用担当者は「自己PRを書けない人物」と判断する可能性があります。
ポートフォリオへの言及は「自己PRの末尾に一文加える程度」に留め、自己PR欄の中心には「経験・スキル・協働スタイル」を書くことを推奨します。インテリアコーディネーターなど他のクリエイティブ系職種でも、志望動機・自己PRの構成は同じ考え方で設計できます。
参考:インテリアコーディネーター志望動機|「好き」だけで落ちるNGとコツ
デザイナーの強みを言語化する3つのコツ
数値が出しにくい場合の表現の工夫
デザイナーの成果は数値で表しにくいケースも多くあります。そのような場合でも、以下のように表現することで具体性を高めることができます。
| 状況 | 数値なし(NG) | 具体的な表現(OK) |
|---|---|---|
| 制作本数 | 多数の制作物を担当 | 月20〜30本のバナーを1人で対応 |
| プロジェクト規模 | 大規模サイトに携わった | 100ページ超のコーポレートサイトリニューアルに参加 |
| スキルレベル | Illustratorが使える | 入稿データ作成・校正まで一人で完結対応 |
| 評価 | 上司に評価された | 社内デザインレビューで3回連続ベスト評価を獲得 |
数値が出ない場合でも「何ページ」「何本」「何人チーム」「何ヶ月の案件」など規模感を示す言葉があるだけで、採用担当者のイメージが明確になります。
「ユーザー視点」「コミュニケーション力」を具体化する方法
デザイナーの自己PRで最も多用される言葉の一つが「ユーザー視点を大切に」「コミュニケーション力がある」です。しかしこれらは多くの応募者が書く表現のため、そのまま使っても差別化になりません。
採用担当者に「具体的にどういうことか」を示す方法を以下に示します。
- 「ユーザー視点」→「ユーザーインタビュー3件を実施した経験から、○○の設計を改善した」
- 「コミュニケーション力」→「エンジニア3名・ディレクター1名のチームで制作フローを整備した」
- 「柔軟な対応力」→「急な仕様変更に対して当日中に修正版を提出してきた実績がある」
抽象的な強みは、必ず具体的な行動・場面・数字とセットで書くことで、採用担当者の判断材料になります。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 自己PRの冒頭で「何ができるデザイナー」かを明示する
- スキル名の羅列ではなく「どんな案件でどう使ったか」の文脈とセットで書く
- ポートフォリオとは役割が異なり、自己PRでは「この会社で戦力になれること」を伝える
- 数値が出ない場合は「本数・ページ数・チーム規模」で規模感を示す
- 「ユーザー視点」「コミュニケーション力」は必ず具体的な行動とセットで書く
履歴書の自己PRはデザイナーとしての「入口の一言」です。ポートフォリオが示す実力を、採用担当者が「会ってみたい」と思う形に翻訳するのが自己PRの役割です。
デザイナーの履歴書 自己PRに関するよくある質問
- 履歴書の自己PRとポートフォリオは何が違うのですか?
-
ポートフォリオは制作実績・スキルレベルを作品で示す書類であり、「作れること」の証明です。一方、履歴書の自己PRはどんなプロセスで仕事をしてきたか・チームでどう動けるかなど「戦力になれること」を言葉で伝える場です。両方を提出する場合、自己PRにはポートフォリオと重複しない「業務スタイル・協働経験・志望理由」を書くと補完関係になります。
- デザイン未経験でも履歴書に自己PRは書けますか?
-
書けます。スクールでの学習期間・取り組んだ制作物の種類・本数・前職で活かせる経験(マーケティング・営業・プロジェクト管理等)を具体的に記載することが重要です。「なぜデザイナーを目指したか」の動機も、実体験に基づいて書くと採用担当者に伝わりやすくなります。
- 自己PRの文字数が少ないと印象が悪くなりますか?
-
欄の8割を目安に記載することが理想です。文字数が少なすぎると「準備不足」の印象を与える可能性があります。一方で、無理に文字数を増やすために水増しすると読みにくくなるため、200〜300文字の範囲で具体的な情報を凝縮させることを優先してください。


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