広告宣伝の職務経歴書は、担当施策の予算規模・自分の関与工程・数字成果の3点を職務要約の冒頭に明記するのが正解です。イベント企画や広報対応など数字にしづらい業務が多い職種ですが、定量化の視点を押さえれば実績は十分に伝わります。事業会社と広告代理店で異なる書き方のポイントや、業種別の例文まで解説します。
広告宣伝の職務経歴書はこう書く|結論と例文
結論:予算規模・関与工程・数字成果の3点を職務要約の冒頭で明示する
採用担当者が職務経歴書の初回スクリーニングにかける時間は、1通あたり数十秒程度といわれています。広告宣伝職は担当領域が「販促」「広告出稿」「イベント」「広報」など幅広く、この短時間で何をしてきた人か伝わらなければ読み飛ばされます。判断材料になるのは次の3点です。
| 項目 | 書く内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 予算規模 | 担当した施策の年間・案件別予算 | 年間販促予算1.2億円のうち、Web広告枠3,000万円を担当 |
| 関与工程 | 企画・制作進行・媒体選定・効果測定のどこを担当したか | 企画立案から代理店ディレクション、効果測定まで一気通貫 |
| 数字成果 | 施策の目標に対する達成度 | 来場者数目標に対し118%達成、Webサイト流入数1.6倍 |
この3点が職務要約に入っていない書類は、採用担当者にとって「どんな広告宣伝の仕事をしてきたのか」が像を結びません。以降の項目でも、この3点を軸にした組み立て方を使います。
職務要約の例文
職務要約は職務経歴書の冒頭に置く、経歴の概要文です。160〜200文字程度で、予算規模・関与工程・数字成果の3点を圧縮してまとめるのが基準です。
良い例文
化粧品メーカーの宣伝部で6年間、新商品のプロモーション企画と広告出稿管理を担当しました。年間販促予算8,000万円のうち、Web広告とSNS施策の予算配分・効果測定を一貫して担い、直近2年はキャンペーン経由のECサイト流入数を前年比1.6倍に伸ばしています。
NG例
広告宣伝部で6年間、プロモーションの企画や広告物の制作進行を担当しました。多くの案件に携わり、会社の売上に貢献できるよう努めてきました。この経験を貴社でも活かしたいと考えています。
NGの理由:予算規模・担当媒体・数字の実績がすべて抜けています。「努めてきました」だけでは、他の応募者と何が違うのか採用担当者に伝わりません。
採用担当者はここを見ている
採用担当者はここを見ている
- 職務要約の最初の2〜3行だけで「何を・どんな規模で・どこまで担当したか」が読み取れるか
- 数字の隣に目標値や前年比など、比較できる基準が添えられているか
- 「広告宣伝」を名乗りながら、実態が伝票処理や発注だけの事務作業になっていないか
事業会社(インハウス)と広告代理店で書き方は変わる
「広告宣伝」の求人は、事業会社(インハウス)の宣伝部・マーケティング部門と、広告代理店側の営業・プランナー職の両方で使われます。求められる経験とアピールすべき内容が異なるため、混同したまま書き始めると求人が求める情報と職務経歴書の内容がずれてしまいます。
求人票で立場を見極める
| 立場 | 主な役割 | 職務経歴書でアピールすべき点 |
|---|---|---|
| 事業会社(インハウス) | 自社商品・ブランドの広告予算管理、代理店へのディレクション | 予算管理力、代理店・制作会社への発注管理、社内調整力 |
| 広告代理店 | クライアント企業の広告戦略立案、媒体提案、進行管理 | 提案力、クライアント折衝力、複数案件の同時進行管理力 |
求人票に「自社ブランドの広告戦略」と書かれていれば事業会社側、「クライアントへの提案・進行管理」が中心であれば代理店側の求人です。応募前に求人票の職務内容を読み込み、どちらの立場が求められているかを確認してから書き始めてください。書式に迷う場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートに沿って項目を埋めていくと、必要な要素が自然に揃います。
混同したまま書くと評価が下がる理由
事業会社の求人に対して代理店折衝の実績ばかりを書くと、採用担当者は「自社ブランドの予算を管理した経験が薄いのでは」と受け取ります。逆に代理店の求人に社内調整の話だけを並べても、クライアントへの提案力が伝わりません。応募先の求人内容に合わせて、職務経歴の書き方の重心を変えてください。
近い職種の書き方を比較したい場合は、以下も参考にしてください。

数字化しにくい業務を実績に変える書き方
「担当した施策の数字がほとんどない」という相談は、広告宣伝職の職務経歴書作成でよく出てくる悩みです。イベント運営や広報対応、クリエイティブディレクションなど、直接的な売上に紐づきにくい業務でも、採用担当者に伝わる書き方はあります。
定量化の視点
- 予算規模を明記する:「年間販促費のうち◯◯万円を担当」など、任された金額の大きさを数字にする
- 到達数・接触数を出す:「イベント来場者数◯◯名」「プレスリリース経由のメディア掲載◯件」など、施策が届いた範囲を数字にする
- 業務量を数値化する:「月間◯件の販促物を制作進行」「同時進行案件数◯件」など、日常業務のボリュームを数字にする
良い例・NG例
良い例
2024年度は主要取引先の予算縮小により、イベント予算が前年比70%に減少しました。予算内でリーチを維持するため、会場費のかかる大型イベントを縮小してSNS施策の比率を高める構成に変更し、来場者数を維持しながら施策単価を22%削減しています。
NG例
予算が減った中でも工夫しながら業務に取り組み、なんとかイベントを成功させることができました。
NGの理由:「工夫」の中身と数字の根拠がなく、何を変えたのかが分かりません。同じ状況が起きたときに再現できる人物かどうか、採用担当者は判断できません。
業種・状況別の例文集
消費財メーカー(BtoC)の例文
BtoC消費財メーカーの広告宣伝では「認知拡大から購買行動へどうつなげたか」というプロセスが、採用担当者が特に確認するポイントです。
職務要約例(化粧品メーカー)
化粧品メーカーの宣伝部で5年間、新商品のプロモーション企画とSNS広告の運用管理を担当しました。年間広告予算1億円のうち、デジタル施策3,000万円の配分と効果測定を一貫して担い、キャンペーン経由の新規購入者数を前年比1.4倍に伸ばしました。
BtoBメーカーの例文
BtoBメーカーの広告宣伝では、展示会やホワイトペーパーなど「見込み顧客の獲得数」が評価の軸になります。
職務要約例(産業機械メーカー)
産業機械メーカーの宣伝部で4年間、展示会の企画運営と技術資料の制作進行を担当しました。年間3回の主要展示会でブース設計から名刺獲得後のフォロー体制構築まで担い、展示会経由の商談化率を28%から41%に改善しています。
イベント・販促中心の例文
店頭販促やイベント運営が中心の場合は、「関わった拠点数」と「現場での調整力」が伝わる書き方にします。
職務要約例(小売チェーン販促担当)
アパレル小売チェーンの販促担当として3年間、全国42店舗のセール企画と店頭POP制作を担当しました。繁忙期は月間20案件の進行を一人で管理し、店舗からの発注ミスをチェックリスト導入により前年比60%削減しています。
未経験から広告宣伝を目指す場合の例文
一般事務や営業職から広告宣伝への転換を目指す場合でも、職務経歴書で後押しできます。採用担当者が未経験転換者に確認するポイントは次の3つです。
未経験転換者に求める3つの確認ポイント
- 企画・進行管理の経験:社内イベントや販促物の発注など、担当外でも近い業務に関わった経験を具体的に書く
- 数字への感度:業務改善や効果測定にどの程度関わってきたかを示す
- 複数関係者との調整力:他部署・外部業者とのやり取りをどう乗り越えたかを記載する
自己PR・志望動機で一貫性を出す
自己PRで使える3つの切り口
自己PRは「誰でも書けそうなこと」を書いても評価されません。広告宣伝特有の強みを、次の3つの軸から選んで組み立ててください。
| 軸 | 概要 | 採用担当者が見るポイント |
|---|---|---|
| 企画力・課題発見力 | ターゲットの反応から施策の狙いを設計する力 | 企画の背景説明と数字の変化 |
| ディレクション力 | 代理店・制作会社・関係部署をまとめて進行する力 | 同時進行案件数、関係者の人数 |
| 数字への感度 | 施策の効果を測定し、次に活かす力 | KPIの設定と改善サイクルの有無 |
良い例
新商品のSNSキャンペーンにおいて、ターゲットの反応が伸び悩んでいた要因を投稿データから分析し、訴求内容を再設計しました。この改善により、キャンペーン後半の投稿エンゲージメント率が2.3倍になっています。
NG例
お客様のニーズを的確に把握し、効果的な広告を提案することで成果を上げてきました。チームと連携しながら常に目標達成を意識して取り組んできました。
NGの理由:「的確に把握」「常に意識」は誰でも書ける内容で、具体的なエピソードがありません。採用担当者にとって判断材料がない状態です。
自己PR欄をどう埋めればいいか迷う場合は、以下のテンプレートも参考にしてください。

志望動機との整合性チェック
自己PRと志望動機が矛盾していると、採用担当者は一貫性のない人物という印象を持ちます。自己PRは「過去の再現性」、志望動機は「応募先を選んだ理由」と役割を分けて考えると、内容の重複を防げます。志望動機欄を設けない書式を使う場合は志望動機なしの履歴書テンプレートも参考にしてください。応募書類全体の形式を揃えたい場合は、転職用の履歴書テンプレートも確認しておくと安心です。
まとめ
- 広告宣伝の職務経歴書は、予算規模・関与工程・数字成果の3点を職務要約の冒頭で明示する
- 事業会社(インハウス)と広告代理店では求められる経験が異なる。求人票の職務内容を確認してから書き始める
- 数字が出せない場合は「予算規模」「到達数・接触数」「業務量」の数値化で代替できる
- 自己PRは企画力・ディレクション力・数字への感度の3軸から1〜2つ選び、具体的なエピソードで厚みを出す
- 自己PRと志望動機は役割を分けて書くと一貫性が生まれる
書き上げた内容を土台に、下書きの精度を上げたい場合は自動作成ツールも活用できます。

広告宣伝の職務経歴書に関するよくある質問
- 広告宣伝の職務経歴書と、広告代理店の営業職の職務経歴書は書き方が違いますか?
-
違います。広告宣伝(事業会社側)は自社ブランドの予算管理や代理店へのディレクション経験を中心に書き、代理店側はクライアントへの提案力や複数案件の進行管理力を前面に出します。求人票で「自社ブランドの広告戦略が中心か、クライアントへの提案が中心か」を確認し、書く内容の重心を変えてください。
- 職務経歴書に書ける数字がほとんどありません。どうすればいいですか?
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数字がなくても書けます。担当した施策の予算規模やイベントの来場者数、業務の件数など、日常業務のボリュームを数字に置き換えるのが最初のステップです。それでも難しい場合は、企画の背景や工夫した点を具体的に書く方法で代替できます。
- 広告宣伝の職務経歴書の適切な文字数はどのくらいですか?
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A4用紙1〜2枚(2,000〜3,000文字程度)が目安です。担当した施策が複数になりやすいため、案件単位で整理し、採用担当者が全体像を把握できる構成にすることを優先してください。
- GRPやSOVなどの専門用語は職務経歴書に使ってもいいですか?
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使う場合は、初出時に簡単な説明を添えてください。広告宣伝の採用担当者であれば通じますが、事業部門や人事が最初に確認するケースもあるため、専門用語だけに頼らず「何を測るための指標か」が伝わる書き方を心がけてください。

