損害保険上級資格は、取得した当時の名称のまま「損害保険上級資格」と履歴書に書くのが正解です。この資格は2001年4月に廃止された旧制度の等級のため、現行の名称に置き換える必要はありません。免許・資格欄の記載例、旧制度と現行制度の対応関係、採用担当者が実際にどこを見ているかまでまとめました。
損害保険上級資格の履歴書での書き方と記載例
結論:取得当時の名称のまま書く
免許・資格欄には「取得年月」「損害保険上級資格」「取得」の3点を並べます。すでに廃止された制度の資格ですが、合格した事実そのものは消えません。当時交付された認定証・合格証に記載されている名称をそのまま転記してください。
良い例文
平成11年6月 損害保険上級資格 取得
令和3年4月 損害保険募集人一般試験 基礎単位 合格
旧資格と現行資格を並べて書くことで、損保実務の経験年数と現在の資格状況が1行ずつで伝わります。
NG例
平成11年6月 損害保険プランナー 取得
上級資格を現行制度の称号に読み替えた書き方です。損害保険プランナーは損保大学課程専門コースの認定者にのみ与えられる称号で、上級資格から自動的に移行するものではありません。保険業界の採用担当者はこの違いをすぐ見抜きます。
採用担当者はここを見ている
- 資格の等級そのものより、いつ取得し、その後どれだけ損保実務に携わったか
- 現行の損保一般試験(基礎単位・商品単位)を保有しているかどうか
- 旧制度の名称を正確に書けているか。制度理解の正確さがそのまま実務の丁寧さの印象につながる
旧制度の等級別・記載例一覧
旧代理店試験には上級のほかにも等級がありました。手元の証書がどれに当たるか確認したうえで、次のとおり記載してください。
| 証書の名称 | 履歴書での記載例 |
|---|---|
| 上級資格 | 平成〇年〇月 損害保険上級資格 取得 |
| 普通資格 | 平成〇年〇月 損害保険普通資格 取得 |
| 初級資格 | 平成〇年〇月 損害保険初級資格 取得 |
| 特級(一般)資格 | 平成〇年〇月 損害保険特級資格(一般) 取得 |
| 特級(工場)資格 | 平成〇年〇月 損害保険特級資格(工場) 取得 |
日付は西暦・和暦のどちらでも構いませんが、学歴欄・職歴欄と表記を揃えてください。古い資格ほど和暦の証書が多いため、履歴書全体を和暦で統一したほうが転記ミスが減ります。用紙の様式に迷う場合は転職用の履歴書テンプレートを使うと、免許・資格欄の行数に余裕があるため旧資格と現行資格を並記しやすくなります。
損害保険上級資格とは?廃止された旧制度での位置づけ
旧代理店試験は5つの等級に分かれていた
損害保険の販売が自由化される以前、募集人は損害保険各社の講習を受けたうえで日本損害保険協会が運営する試験に合格し、個人資格を取得する必要がありました。この個人資格が次の5等級です。
- 特級(一般)資格
- 特級(工場)資格
- 上級資格
- 普通資格
- 初級資格
上級資格は特級に次ぐ位置づけで、初級・普通を経て段階的に取得するものでした。当時は等級が上がるほど扱える商品や代理店内での役割が広がる仕組みだったため、上級資格の保有は「一定年数以上、損保実務に従事してきた証拠」として機能していました。
2001年4月に等級制度は廃止された
金融監督庁の方針を受け、日本損害保険協会は従来の等級制の試験を廃止しました。制度の移り変わりは次のとおりです。
| 時期 | 制度の動き |
|---|---|
| 〜2001年3月 | 初級・普通・上級・特級の等級制(現在の上級資格はここ) |
| 2001年4月 | 等級制を廃止。損害保険募集人試験と損害保険代理店専門試験(コンプライアンス・法律・税務)の2本立てへ |
| 2011年10月 | 損保一般試験を創設。基礎単位に合格しなければ募集人届出ができない仕組みに |
| 2012年7月 | 代理店専門試験と保険大学校を統合し、損害保険大学課程を創設 |
| 2013年12月〜 | 取り扱う商品に応じた商品単位の合格が必要に |
出典:日本損害保険協会「損害保険代理店制度の自由化」ほか公表資料
つまり損害保険上級資格は、2001年4月より前に取得した人だけが持っている資格です。新たに取得する手段はありません。裏を返せば、この資格を書けること自体が損保業界での在籍年数を示すシグナルになります。
現行の損保一般試験・損保大学課程との違いと書き分け
旧制度と現行制度の対応関係
| 項目 | 旧制度(〜2001年3月) | 現行制度 |
|---|---|---|
| 基礎レベル | 初級資格・普通資格 | 損保一般試験 基礎単位 |
| 中位レベル | 上級資格 | 損保一般試験 商品単位(自動車・火災・傷害疾病) |
| 上位レベル | 特級資格 | 損保大学課程 専門コース/コンサルティングコース |
| 称号 | なし | 損害保険プランナー/損害保険トータルプランナー |
| 有効期限 | なし | 5年ごとの更新制 |
表はあくまで難易度・位置づけのイメージであり、公式に定められた読み替え表ではありません。履歴書で旧資格を現行名称に置き換えることは認められていません。
「損害保険プランナー」と書き換えてはいけない理由
損保大学課程が創設された際、移行認定措置が設けられました。対象として案内されていたのは認定保険代理士、旧特級(一般)資格、代理店専門資格の取得者であり、上級資格はこの対象に含まれていません。したがって上級資格しか持っていない場合、損害保険プランナーを名乗ることはできません。
いま募集人として働くなら現行資格の記載が必須
現在の保険募集業務は、損保一般試験の基礎単位に合格していなければ従事できません。保険代理店や損保会社の営業職に応募する場合、採用担当者がまず確認するのは上級資格ではなく現行資格の有無です。
保険業界へ応募する場合の書き方
- 現行資格が有効:損保一般試験の単位を先に書き、その下に損害保険上級資格を添える
- 現行資格が失効:上級資格を書いたうえで、職歴欄や自己PRで再取得の意思を一文添える
- 異業種へ応募:上級資格のみで問題なし。金融知識の裏付けとして評価される
保険営業の実績を数字で示したい場合は、履歴書とは別に職務経歴書を用意すると評価が変わります。営業の職務経歴書テンプレートに、担当した契約種目と年間契約件数を落とし込んでください。
採用担当者は損害保険上級資格をどう見ているか
「廃止された資格を書いても意味がないのでは」と迷う方は少なくありません。実際の書類選考では、上級資格は資格そのものより経歴の一貫性を裏づける材料として読まれています。
採用担当者はここを見ている
- 取得年月から逆算した損保業界のキャリア年数。平成一桁〜10年代の取得なら20年以上の実務歴と読める
- 職歴欄に書かれた在籍企業と、資格の取得時期に矛盾がないか
- 制度が変わったあとも学び続けているか(損保一般試験・損保大学課程・FPなどの記載)
差がつくのは、旧制度の資格であることを応募者自身が理解している姿勢を見せられるかどうかです。面接で「制度が変わる前の等級制の資格です」と一言添えられる人は、業界の変遷を踏まえて仕事をしてきた印象を残せます。逆に、聞かれて答えられないと「証書があるから書いただけ」と受け取られます。
損害保険上級資格を書くときによくある失敗
NG例
損害保険上級資格(現・損害保険プランナー)
親切に補足したつもりでも、保有していない称号を併記した状態になります。旧制度の資格であることを伝えたいなら「損害保険上級資格(旧代理店試験)」までにとどめてください。
そのほか、次のような書き方も見落とされがちです。
| よくある失敗 | 正しい対応 |
|---|---|
| 取得年月を書かず資格名だけ並べる | 年月は必ず記入する。不明なら証書を再確認する |
| 「損保上級」と略す | 略称は使わず「損害保険上級資格」と正式に書く |
| 証書を確認せず記憶で書く | 普通資格と混同しやすい。手元の証書で等級を確認する |
| 現行の損保一般試験を書き忘れる | 保険業界へ応募するなら現行資格を上に書く |
厚生労働省が示す様式では免許・資格欄の行数が限られています。書ける資格が多い場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートか、資格欄が広めのJIS規格に沿った履歴書テンプレートを選ぶと収まりが良くなります。
保険関連の資格をまとめて書く場合は、次の記事も参考にしてください。



まとめ
- 損害保険上級資格は「平成〇年〇月 損害保険上級資格 取得」と当時の名称のまま書く
- 旧代理店試験の等級(初級・普通・上級・特級)は2001年4月に廃止され、新規取得はできない
- 損害保険プランナーへの移行認定措置の対象は旧特級資格などで、上級資格は含まれない
- 保険業界へ応募するなら、損保一般試験の単位を上に書き、その下に上級資格を添える
証書が手元にあるなら、まず等級と取得年月を確認してから資格欄に転記してください。20年以上前の1行が、損保実務の厚みを伝える材料になります。
損害保険上級資格に関するよくある質問
- 損害保険上級資格は今でも履歴書に書いて問題ありませんか?
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問題ありません。制度が廃止されても合格・認定を受けた事実は変わらないため、経歴詐称にはあたりません。取得年月と正式名称を正確に書いてください。
- 損害保険上級資格は今から取得できますか?
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取得できません。等級制の試験は2001年4月に廃止されています。現在は損保一般試験に合格したうえで、上位資格として損保大学課程の専門コース・コンサルティングコースを目指す流れになります。
- 上級資格に有効期限はありますか?
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旧制度の等級資格に更新制はありませんでした。5年ごとの更新が必要なのは現行の損保一般試験と損保大学課程です。上級資格は失効を気にせず記載できます。
- 証書が見つからず等級がはっきりしません。どうすればいいですか?
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記憶だけで書くのは避けてください。在籍していた損害保険会社や代理店に記録が残っている場合があります。確認が取れないときは資格欄に書かず、職歴欄で損保営業の担当業務と年数を具体的に記載する方法が確実です。

