この記事では、教員の履歴書フォーマットの選び方を公立・私立・採用試験別に解説します。教員免許の正式名称の書き方、学歴・職歴欄で使う正しい用語、採用担当者が減点するNG例まで、採用担当者視点で具体的に紹介します。
教員の履歴書フォーマットは4種類から選ぶ
「どの履歴書を使えばいいのか」——これが教員採用を目指す方が最初につまずくポイントです。市販の履歴書を使っていいのか、それとも指定の様式があるのか。教員の場合、応募先の種別によって使うべきフォーマットが明確に異なります。
| 応募先 | 使うべきフォーマット | 入手先 |
|---|---|---|
| 公立学校(都道府県・市区町村) | 教育委員会の指定様式 | 各教育委員会のウェブサイト |
| 私立学校(中学・高校・大学等) | JIS規格の市販履歴書 or 学校指定様式 | 市販書店・各校の指定様式 |
| 塾・予備校・教育系企業 | 一般企業向け履歴書(JIS規格) | 市販・Web無料テンプレート |
| 国公立大学・高専教員 | 各機関の統一履歴書フォーマット | 各大学・機関のウェブサイト |
公立教員採用試験は「教育委員会の指定様式」を使う
公立学校の教員採用試験では、都道府県または市区町村の教育委員会が専用の様式を指定しています。この指定様式を使わずに市販の履歴書を提出した場合、応募要件を確認していない・書類を丁寧に扱っていないと判断され、選考の入口で不利になることがあります。
様式は各教育委員会のウェブサイトからダウンロードできます。都道府県立と市区町村立では別々の採用試験があり、様式も異なるため、必ず応募先の教育委員会のサイトを直接確認することが必要です。
採用担当者はここを見ている
- 指定様式が守られているか(書類確認力の有無)
- 学歴・職歴・免許が正確な年月と正式名称で記載されているか
- 空欄がないか(本人希望欄・特記事項欄も必ず記入)
私立学校・塾は「JIS規格の市販履歴書」が基本
私立学校や塾・予備校に応募する場合、指定様式がなければJIS規格の市販履歴書を使います。ただし学校によっては独自の様式を指定することもあるため、募集要項を必ず確認してから購入・ダウンロードするのが鉄則です。
私立学校の採用では、学校の建学の精神や教育方針との合致度が重視されます。フォーマット自体より記述内容の質が問われるため、空欄のない丁寧な記載と、応募校の理念を反映した志望動機が必要です。PC作成の場合はJIS規格準拠の無料テンプレートの選び方も参考にしてください。

大学・高専教員は「統一履歴書フォーマット」を確認する
国公立大学や高等専門学校の教員採用では、各機関が独自の統一履歴書フォーマットを定めています。東京大学をはじめ主要大学では機関のウェブサイトでフォーマットを公開しており、そのまま使用することが前提です。
学術業績書・研究業績書を別途求められる場合が多く、一般の転職用履歴書とは記載項目が大きく異なります。応募先機関のウェブサイトで採用情報を確認し、指定の書式一式を正確に揃えることが必要です。
フォーマット選びで採用担当者が見るポイント
指定様式を無視すると「確認不足」とみなされる
教員採用の選考は、一般企業以上に「書類の正確さ」と「指示への対応力」が見られます。採用担当者は履歴書を確認するとき、加点ではなく減点方式でチェックします。指定様式の違反は、最初のチェックポイントで即減点です。
教育現場では生徒や保護者への説明責任・書類作成能力が求められます。採用担当者が「この人は細かい指示を守れるか」を書類の段階で確認していることを理解しておく必要があります。
手書きかPC作成か——指定がない場合の正解
応募要項に「手書き必須」と記載がある場合は手書きが絶対条件です。指定がない場合はPC作成のPDFが現在の標準です。特に私立学校や塾への応募では、読みやすく整ったPC作成の履歴書が主流になっています。
手書きにする場合は、黒のボールペンまたはサインペンを使用し、修正液・修正テープの使用は厳禁です。誤記した場合は書き直しが原則で、修正液を使った履歴書は減点対象になります。
| 応募状況 | 推奨する作成方法 |
|---|---|
| 公立採用試験(指定様式あり) | 様式の指定に従う。多くは手書きが慣例 |
| 私立学校(指定なし) | PC作成(PDF)が現在の主流 |
| 塾・予備校 | PC作成を基本とし、各社の要項で確認 |
| 大学・高専(指定あり) | 各機関の指定に従う |
PC作成の場合、フォントは明朝体(游明朝・ヒラギノ明朝等)、文字サイズは10.5〜11ptが読みやすい標準サイズです。フォント選びの詳細は履歴書のフォントは明朝体が基本を参考にしてください。

教員免許の正式名称と資格欄の書き方
教員免許の記載は、採用担当者が最初にチェックする項目のひとつです。免許の正式名称を略したり間違えたりすると、それだけで「基本的な確認ができていない」と判断されます。
学校種別・免許種別の正式名称一覧
教員免許状の正式名称は「学校の種類」+「免許の種類」+「(教科名)」の組み合わせで構成されます。「第一種」という表記は誤りで、正しくは「一種」です。この誤記は採用担当者が必ず確認するポイントです。
| 学校種 | 専修免許状 | 一種免許状 | 二種免許状 |
|---|---|---|---|
| 幼稚園 | 幼稚園教諭専修免許状 | 幼稚園教諭一種免許状 | 幼稚園教諭二種免許状 |
| 小学校 | 小学校教諭専修免許状 | 小学校教諭一種免許状 | 小学校教諭二種免許状 |
| 中学校 | 中学校教諭専修免許状(教科名) | 中学校教諭一種免許状(教科名) | 中学校教諭二種免許状(教科名) |
| 高等学校 | 高等学校教諭専修免許状(教科名) | 高等学校教諭一種免許状(教科名) | なし |
| 特別支援学校 | 特別支援学校教諭専修免許状 | 特別支援学校教諭一種免許状 | 特別支援学校教諭二種免許状 |
| 養護教諭 | 養護教諭専修免許状 | 養護教諭一種免許状 | 養護教諭二種免許状 |
| 栄養教諭 | 栄養教諭専修免許状 | 栄養教諭一種免許状 | 栄養教諭二種免許状 |
資格欄への記載は以下の形式が正しい書き方です。
良い記載例
20XX年 X月 中学校教諭一種免許状(国語)取得
20XX年 X月 高等学校教諭一種免許状(国語)取得
NG例
中学校教諭免許(国語科)取得 ←「一種」「二種」「専修」の種別がない
中学校教諭第一種免許状 ←「第一種」は誤記。正しくは「一種」
中学校国語免許 ←正式名称になっていない略称
複数の免許を持つ場合の書き順
複数の教員免許を持っている場合は、1行につき1免許を記載します。書き順は取得年月の古い順(時系列)が基本です。
- 小学校教諭一種免許状(先に取得した場合は先に記載)
- 中学校教諭一種免許状(英語)
- 高等学校教諭一種免許状(英語)
採用担当者は全行を確認します。応募先で求めている教科・校種の免許は、時系列の中で自然に目に入る形で記載すれば問題ありません。
「取得見込み」の書き方——免許状がまだ交付されていない場合
大学卒業と同時に免許取得が予定されている場合や、国家試験に合格したが免許状がまだ交付されていない場合は以下のように記載します。
取得見込みの記載例
20XX年 3月 小学校教諭一種免許状 取得見込み
「取得予定」「申請中」といった表現は不正確になるため避けます。取得済みの場合は免許状の表面に記載された授与年月日を正確に転記することが必要です。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →学歴・職歴欄の書き方——公立・私立で変わる用語
学歴・職歴欄を時系列で記載するルールは一般企業と同じですが、教員には「赴任」「退任」など公教育特有の用語があります。これを間違えると採用担当者に「教育業界を理解していない」と判断されます。
公立教員は「赴任」「退任」——「入社」「退社」は絶対NG
公立学校の教員は「採用」ではなく「赴任」、「退職」ではなく「退任」と表記するのが正しい書き方です。学校名(正式名称)と職種(常勤講師・教諭等)も明記します。
| 状況 | 正しい表現 | NGな表現 |
|---|---|---|
| 公立学校に採用されたとき | ○○県立△△高等学校 赴任 | ○○県立△△高等学校 入社 |
| 公立学校を辞めたとき | 一身上の都合により退任 | 一身上の都合により退社 |
| 公立学校で任期満了 | 期間満了につき退任 | 期間満了につき退職 |
採用担当者はここを見ている
- 「赴任」「退任」の正しい用語が使われているか
- 学校名(正式名称)・担当教科・職種(教諭/常勤講師/非常勤講師)が明記されているか
- 在職期間(年月)が正確に記載されているか
私立学校に勤務していた場合は、一般企業と同様に「採用」「退職」で問題ありません。過去の勤務先の性質(公立/私立)に合わせた用語を使うのが正確な書き方です。
非常勤講師・教育実習の書き方
非常勤講師としての勤務は職歴欄に記載できます。「非常勤講師」であることを明示し、担当した教科・学年・週の担当コマ数を加えると採用担当者が実績を正確に把握できます。
非常勤講師の職歴欄 記載例
20XX年 4月 ○○市立△△中学校 非常勤講師(国語・週12コマ)赴任
20XX年 3月 期間満了につき退任
教育実習は「職歴」ではなく「学歴」の流れの中で記載するのが一般的です。ただし、自己PR欄で実習中に取り組んだ授業改善の経験などを具体的に述べることで、採用担当者の印象に残る記述にすることができます。
民間企業からの転職——教員外の職歴をどう整理するか
民間企業から教員を目指す場合、企業での職歴は通常通り「入社」「退社」と記載します。採用担当者は職歴欄を通して「なぜ教員に転向したのか」を確認しています。
民間での経験を教育現場にどう活かすかを志望動機・自己PRと連動させることが重要です。職歴に担当業務を簡潔に添える(「営業担当・年間300社の顧客折衝」など)と、採用担当者が経験を具体的にイメージできます。
採用担当者が「ここで落とす」6つのNG例
教員採用の書類選考は減点方式です。以下のNG例は採用担当者が実際に確認するチェックポイントで、1つでも該当すれば選考が不利になります。
- 教員免許を略称・略記で記載している——「中学国語免許」や「中1種(国語)」などの略称は、資格欄の基本ルール違反と判断されます
- 指定様式以外のフォーマットで提出している——採用要項の確認不足と判断され、入り口で減点されます
- 空欄が複数ある——本人希望欄・通勤時間欄を空白にしている場合、丁寧さや意欲が疑われます
- 志望動機が学校の教育理念と無関係な内容——「安定した職業だから」「地元に戻りたかったから」は採用担当者が最もNG視する記述です
- 手書き履歴書に修正液・修正テープを使っている——誠実さを問われる書類で修正液を使うことは、それ自体が減点対象です
- 証明写真がスマホ自撮り・背景が乱れている——私立学校や塾の採用でも、証明写真のクオリティは必ず確認されます
証明写真の撮影にスマホアプリを使う場合は、背景・服装・加工の範囲に注意が必要です。採用担当者が見る証明写真のNGポイントと対策も確認しておくと安心です。

採用で差がつく志望動機・自己PRの書き方(例文付き)
フォーマットや免許の記載が正確でも、志望動機・自己PRが弱ければ書類は通過しません。採用担当者が志望動機で確認するのは「なぜこの学校・自治体なのか」と「この人がここで何を実現しようとしているか」の2点です。
公立向け志望動機の良い例・NG例
良い例文(公立中学校・国語教諭)
非常勤講師として3年間、中学2〜3年生の国語を担当してきました。授業改善に取り組む中で、読解力の低下が語彙の少なさではなく「何を問われているかわからない」状態から来ていると気づき、発問設計を見直すことで定期考査の平均点が12点上昇しました。貴県では「考える力を育む授業改革」を重点施策として掲げており、この経験を体系化して現場で実践したいと考え、正規採用を志望しました。
NG例(落とされやすい志望動機)
子どもが好きで教育に関わる仕事がしたいと思い、貴県の教育方針に共感したため志望しました。
↑ 「どこに共感したのか」が一切書かれておらず、他の自治体にも使い回せる内容です。採用担当者には必ず見抜かれます。
私立向け志望動機の良い例・NG例
良い例文(私立高校・英語教諭)
貴校が掲げる「4技能統合型の英語教育」は、私が大学院で研究した英語習得理論と方向性が重なります。前職の塾講師時代に、スピーキング機会を月8回設けるだけで英検準2級合格率が23ポイント上がった経験があります。この実績を基に、貴校で4技能の指導カリキュラム開発に携わりたいと考えています。
NG例(落とされやすい志望動機)
英語教育に情熱を持っており、貴校の伝統と教育環境に魅力を感じました。
↑ 「伝統」「環境」という言葉は具体性がゼロです。採用担当者は「HPのコピーを貼り付けただけ」と判断します。
自己PRで「採用担当者が思わず読み進める」書き方
自己PRは「自分がどんな特徴を持つ人間か」を具体的なエピソードで示す欄です。「コミュニケーション能力があります」「生徒思いです」では採用担当者の記憶に残りません。
採用担当者が注目する自己PRの3要素
- 具体的な行動(何をしたか)→ 変化(どう変わったか)→ 自分の役割(何が貢献したか)の流れがあるか
- 部活動・学級担任・行事運営など「授業外の関わり」のエピソードが含まれているか
- 数字・固有名詞など、他の応募者と差がつく具体性があるか
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 教員の履歴書フォーマットは応募先(公立・私立・大学・塾)によって異なり、公立教員採用試験は教育委員会の指定様式が必須
- 教員免許は「○○教諭一種免許状(教科)取得」の形式で正確に記載し、「第一種」などの誤記や略称は減点対象
- 公立学校の職歴は「赴任」「退任」が正しい用語。「入社」「退社」は絶対NG
- 採用担当者は減点方式で確認するため、空欄・修正液・指定様式違反・略称が即減点につながる
- 志望動機は「なぜこの学校・自治体なのか」を具体的な教育実績と紐づけて書くことで、他の応募者と差がつく
書類を正確に整えることは合格の前提条件です。その上で志望動機・自己PRに具体性を加えることが、採用担当者の心を動かす履歴書につながります。
教員の履歴書フォーマットに関するよくある質問
- 公立と私立の教員採用試験で同じ履歴書を使い回せますか?
-
使い回しはできません。公立教員採用試験は都道府県・市区町村の教育委員会が指定する様式が必須であるため、市販の履歴書は使用不可です。私立学校への応募と公立の採用試験は書類を別々に準備してください。
- 教員免許が複数ある場合、どの免許を優先して書けばいいですか?
-
取得年月の古い順(時系列)で記載するのが基本です。1行につき1免許を記載し、全ての免許を漏れなく書くことが原則です。応募先で求めている教科・校種の免許は、時系列の中で自然に目に入る形で記載すれば問題ありません。
- 教育実習の経験は職歴欄に書いてもいいですか?
-
教育実習は一般的に「職歴」ではなく「学歴」の流れの中で記載します。ただし実習先・期間・担当教科を学歴欄の末尾に付記することはできます。非常勤講師として有償で働いた経験は職歴として記載が可能です。
- 手書きとPC作成どちらにすべきか迷っています。
-
募集要項に「手書き必須」の指定がある場合は手書きが絶対条件です。指定がない場合、私立学校・塾・民間教育機関ではPC作成(PDF)が現在の主流です。公立採用試験は都道府県によって異なるため、各教育委員会の要項を必ず確認してください。


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