この記事では、経理の履歴書に書く自己PRの書き方を採用担当者の視点で解説します。経験者・未経験者・転職者の状況別に使える例文5パターンと、採用担当者が実際に書類選考で落とすNG例も具体的に紹介します。
採用担当者が経理の自己PRで実際に見ている3つのポイント
経理の自己PR欄に何を書くか迷う人のほとんどは、「正確に仕事をします」「数字が得意です」という言葉に頼ってしまいます。しかしこれらは、採用担当者が選考で求めている情報とはズレがあります。
採用担当者が経理の書類選考で実際に確認しているのは、業務を通じて何を改善・達成したかという点です。以下の3つのポイントを意識することが、書類選考を通過するための出発点になります。
「数字が得意」より業務改善のエピソード
採用担当者が履歴書の自己PR欄を読む時間は、1件あたり数十秒程度です。「数字への強さ」「正確さへのこだわり」といった抽象的な言葉は、その短時間では印象に残りません。
代わりに評価されるのは、「月次決算の処理スピードを○%改善した」「仕訳ミスを前年比○件削減した」など、具体的な数字と行動がセットになったエピソードです。「何をしたか」だけでなく「その結果どうなったか」まで書けると、採用担当者の目に止まりやすくなります。
経理職でも「調整力・報告力」は重視される
経理は「黙々と数字を処理する仕事」というイメージを持つ人が多いですが、実際の現場では営業・総務・経営層と連携する場面が多くあります。
採用担当者が自己PRから読み取ろうとしているのは、「この人は経理の専門知識だけでなく、社内の他部署と連携しながら仕事を進められるか」という点です。決算書類の作成や監査対応で他部門と調整した経験、経営層への報告を担った実績があれば、積極的に盛り込みましょう。
資格は自己PR欄では補足的に使う
日商簿記2級・1級、税理士科目合格などの資格は、履歴書の資格欄で伝えることが基本です。自己PR欄で資格名だけを羅列しても、採用担当者は「資格は欄が別にあるのに…」と感じる場合があります。
自己PR欄に資格を書くとすれば、「日商簿記2級の知識を活かして〇〇を改善した」というように、資格+実務での活用実績をセットで書くことで意味を持たせることができます。
採用担当者はここを見ている
- 「何をやったか」ではなく「どんな成果があったか」が書かれているか
- 他部署・経営層との連携経験など、経理に閉じない働き方が見えるか
- 自己PRと職歴欄・資格欄の内容が矛盾していないか
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採用担当者に伝わる自己PRは、感覚や文章力ではなく「構造」で書くことが大切です。経理の自己PR欄(目安150〜200文字)は、以下の3ステップで組み立てると書きやすくなります。
ステップ1: 強みを1つに絞る
最初に決めるのは「伝える強みを1つだけ選ぶ」ことです。「正確さ」「スピード」「改善力」「マネジメント力」など、自分が経理で発揮してきた強みはいくつかあるはずですが、自己PR欄でそのすべてを伝えようとすると印象が薄くなります。
応募先の会社が経理に何を求めているか(求人票の「求める人物像」「業務内容」)を確認し、最もマッチする1つの強みを選んで軸にすることが、採用担当者に刺さる自己PRへの近道です。
ステップ2: 数字で裏付けるエピソードを選ぶ
選んだ強みを裏付けるエピソードを1つ選びます。このとき重要なのは、数字を使えるか否かです。
- 処理件数(月○件の仕訳処理を担当)
- 削減実績(ミス件数を前年比○%削減)
- 業務規模(売上○億円規模の決算を担当)
- 時間短縮(作業時間を週○時間削減)
数字が思い浮かばない場合は、「業務の規模感(部門人数・管理対象の件数・関わった期間)」を使うだけでも、相手に伝わる情報量が格段に変わります。
ステップ3: 志望企業での活かし方で締める
最後は「この強みを貴社でどう活かすか」で締めます。「転職後も○○で貢献したい」という一文があるかないかで、採用担当者が感じる入社意欲の印象が大きく変わります。
志望動機欄と同じ内容にならないよう注意しながら、「自分の強みが貴社でどう使えるか」という視点で短く添えましょう。
【状況別】経理 履歴書 自己PRの例文集(5パターン)
経理の自己PRは、自分の状況(経験年数・資格・雇用形態)によって伝えるべき強みが異なります。以下に5つの状況別例文を示します。それぞれ良い例とNG例のセットで確認してください。
なお、他職種の自己PR例文の書き方については、市役所の自己PRやスーパーの自己PRの書き方と比較して読むと、構造の共通点と経理特有のポイントがより明確になります。

例文1: 経理経験3年の転職者
月次・四半期決算補助から一歩進んで、独立した業務担当者として実績を積んだ方向けの例文です。
良い例文(経験3年・転職者)
前職では3年間、月次・四半期決算の補助業務から仕訳入力・伝票処理・入出金管理まで担当しました。なかでも月次締め処理を独立して担うようになった2年目以降は、処理ミスを前年比40%削減しました。転職後も迅速かつ正確な決算対応で、経営判断に役立つ数字を提供し続けます。
NG例
前職では経理部門で仕訳処理・月次決算補助・入出金管理などを担当していました。3年間しっかりと業務をこなしてきました。「しっかりこなした」だけでは成果が伝わらず、採用担当者の印象に残らない。
例文2: 未経験・日商簿記2級取得者
現職が事務職や別職種で、経理への転換を目指して資格を取得した方向けの例文です。日商簿記については履歴書への簿記の書き方も参考にしてください。
良い例文(未経験・資格保有)
現職は事務職ですが、経理部門への転換を目指して1年かけて日商簿記2級を取得しました。学習を通じて貸借対照表・損益計算書の読み方から仕訳処理の流れまで体系的に習得しています。現職での書類管理・データ入力の正確さも強みとして、即戦力に近い形で経理業務に貢献します。
NG例
経理未経験ですが、日商簿記2級を持っています。数字が得意で正確に作業できます。学習意欲もあります。資格名と性格の羅列だけでは「実際に使えるか」が採用担当者に伝わらない。
例文3: 経理チームリーダー・マネジメント経験者
経理部門でチームを率いた経験がある、またはサブリーダーとして後輩育成に関わってきた方向けです。
良い例文(チームリーダー経験)
10年間の経理経験を経て、直近3年間は4名のチームリーダーを務めています。月次決算スケジュールを見直し、残業時間を月平均15時間削減した実績があります。メンバーの育成と業務の仕組みづくりを並行して進めてきた経験を、貴社の経理体制強化に活かしたいと考えています。
例文4: 派遣・契約社員から正社員を目指す
経理派遣・契約社員としての実務経験はあるものの、正社員としての転職が初めてという方に向けた例文です。
良い例文(派遣・契約社員から正社員へ)
これまで2社で計5年間、経理事務の派遣・契約社員として仕訳処理・月次補助業務を担当してきました。現職では支払処理フローの改善案を提案し、処理時間を週4時間短縮する成果に貢献しました。正社員として長期的に経理部門の継続的な業務改善に携わっていきたいと考えています。
例文5: 経理5年以上・専門性でアピールする
決算業務だけでなく税務・監査対応・システム導入など幅広い経理業務を経験してきた方向けの例文です。他職種での自己PRの書き方も参考になります。農業の自己PR例文のような状況別構成の作り方は、経理でも応用できます。

良い例文(経理5年以上・専門性アピール)
5年以上にわたり、年商50億円規模の会社で月次・年次決算、税務申告補助、会計監査対応まで経理業務全般を担当してきました。昨年は会計ソフトの移行プロジェクトにも参加し、移行後のデータ整合性確認を主担当として行いました。貴社の経理基盤の強化と専門的な業務改善に貢献できると考えています。
採用担当者はここを見ている
- 業務規模(売上○億円・処理件数○件など)が明記されているか
- 通常業務の範囲を超えた取り組み(プロジェクト参加・改善提案)があるか
- 転職先への貢献イメージが具体的に書かれているか
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →採用担当者が落とす自己PRのNG例5パターン
どれだけ経験があっても、自己PRの書き方を誤ると書類選考で落とされます。採用担当者が実際に「これでは判断できない」と感じるNG例を5つ紹介します。自分の書いた自己PRと照らし合わせてみてください。
NG1: 業務内容の羅列で終わっている
NG例文
「仕訳処理・月次決算補助・入出金管理・給与計算補助など経理業務全般を担当してきました。」これは自己PRではなく職歴欄の内容。採用担当者は何の強みがあるか読み取れない。
「何をやったか」の羅列は職歴欄で書くことです。自己PR欄には「その業務を通じて何を達成したか・何が得意か」を書く必要があります。
NG2: 「丁寧」「正確」だけの性格アピール
NG例文
「私は正確で丁寧な仕事ができます。細かいことも見落とさず、コツコツと作業を続けるのが得意です。」経理以外のほぼすべての職種でも使える内容で、差別化ができていない。
「正確さ」「丁寧さ」は経理職として当然求められる最低ラインです。この言葉だけでは採用担当者に「だからどうした」と感じさせてしまいます。数字とエピソードを使って裏付けることが必須です。
NG3: 「数字が好き」だけで終わっている
NG例文
「学生のころから数字を扱うことが好きで、経理の仕事をずっとやりたいと思っていました。」採用担当者が知りたいのは「好きか」ではなく「実際に何ができるか」。好意だけでは採用理由にならない。
仕事への興味・関心は志望動機欄で伝えるべき内容です。自己PR欄は「自分の何が会社の役に立つか」を具体的に示す場と割り切って書きましょう。
NG4: 志望動機と同じ内容を書いている
NG例文
「貴社のグローバルな事業に魅力を感じており、これまでの経理経験を活かして貢献したいと考えています。」志望動機欄と同じ内容になっている。自己PR欄は「自分の強み」を語る場所。
採用担当者は志望動機欄と自己PR欄の両方を読みます。同じ内容が2か所にあると「書くことがなかったのか」という印象を与えかねません。自己PR欄は「強み・エピソード・活かし方」、志望動機欄は「なぜこの会社か」という明確な役割分担を意識してください。
NG5: 数字が一切入っていない
NG例文
「これまでたくさんの経理業務を担当してきました。どんな仕事にも積極的に取り組み、貢献できると思います。」「たくさん」「積極的」は情報ゼロ。量感も専門性も採用担当者に伝わらない。
数字が思い浮かばない場合は、「○年間担当」「月○件の仕訳処理」「○名のチームで」など、規模感を示す数字から始めてみてください。経理の実務を経験していれば、必ず使える数字はどこかにあります。
経理の自己PRで使える強みキーワード一覧
自己PRに盛り込む強みを探す際の参考として、経理職でアピールしやすい強みキーワードを整理しました。経験した業務と照らし合わせ、具体的なエピソードとセットで使ってください。
| 強みの軸 | 具体的なキーワード | 使いやすい状況 |
|---|---|---|
| 正確性・ミス削減 | 処理ミス削減・二重チェック体制の構築・仕訳精度の向上 | 経験3年以上の転職者 |
| 業務改善 | フロー見直し・処理時間短縮・ペーパーレス化推進 | 主体的に動いた実績がある人 |
| スピード・効率化 | 決算スケジュール短縮・月次決算の早期化 | 決算業務を独立して担った経験がある人 |
| コミュニケーション | 他部署との連携・経営層への報告・監査対応 | 経理部門に閉じない経験がある人 |
| マネジメント | 後輩育成・チームの業務設計・ルール整備 | チームリーダー経験者 |
| 専門知識・資格 | 税務申告補助・連結決算・IFRS対応・内部統制 | 経理5年以上・専門職志望 |
| 継続的な学習 | 日商簿記取得・資格取得中・業務外学習の継続 | 未経験者・スキルアップ転職 |
上記の強みを「自己PR欄に盛り込む」だけでなく、面接でも同じエピソードを話せるように準備しておくことが大切です。履歴書と面接で伝える内容が一致していると、採用担当者からの信頼度が上がります。
なお、経理以外の職種でも自己PRの書き方で悩む人は多くいます。たとえば歯科助手の自己PRのように、職種ならではのポイントを押さえた構成は参考になります。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 採用担当者が経理の自己PRで評価するのは「業務リストの羅列」ではなく「改善・成果のエピソード+数字」
- 自己PRは「強みを1つに絞る→数字のエピソード→志望企業での活かし方」の3ステップで構成する
- 未経験者は「資格取得の過程で習得した知識×現職での正確さ」を組み合わせると書きやすい
- 「丁寧・正確」だけ、「業務一覧」だけ、「志望動機と同じ内容」はNG。採用担当者の目には止まらない
- 自己PR欄に書いた内容は面接でも同じ話ができるよう準備しておく
経理の自己PRは、正しい構造と具体的なエピソードを組み合わせることで、採用担当者の目に止まる書類に変わります。
- 経理の自己PRは何文字で書けばいいですか?
-
一般的な履歴書の自己PR欄は150〜200文字が目安です。欄の大きさによって変わりますが、指定がない場合は200文字以内を目標に、強み・エピソード・活かし方の3点をコンパクトにまとめましょう。文字数より「採用担当者が読んで強みを理解できるか」を基準にしてください。
- 経理未経験でも自己PRに書けることはありますか?
-
あります。日商簿記などの資格取得を通じて習得した知識、現職での数字・書類管理の経験、継続的な学習姿勢は未経験でも有効なアピール材料です。「経理の実務はありませんが、学習を通じて習得した知識と現職での○○の経験を活かせます」という構成で書くと採用担当者に伝わりやすくなります。
- 自己PRと志望動機の違いは何ですか?
-
自己PR欄は「自分の強み・実績・スキルを伝える場」で、志望動機欄は「なぜこの会社を選んだかを伝える場」です。混同して同じ内容を両方に書いてしまうと、採用担当者に「書くことがなかったのか」という印象を与えます。自己PRは強みのエピソード、志望動機は応募先への関心・理由と明確に書き分けてください。
- 経理の自己PRに日商簿記の資格は書いていいですか?
-
資格名は資格欄に書くことが基本ですが、自己PR欄に書く場合は「資格を活かして○○を改善した」「資格取得の学習を通じて○○を習得した」のように、実務への活用や習得内容とセットで記述してください。資格名を自己PR欄に単独で書いてもほとんど効果はありません。
- 派遣・契約社員経験しかない場合、経理の自己PRはどう書けばいいですか?
-
派遣・契約社員での経理実務経験は十分なアピール材料です。携わった業務内容、担当した規模感(処理件数・管理対象の金額・関わった期間)、自ら提案や改善に取り組んだ実績があれば積極的に書いてください。「○社で計○年間の経理実務経験」という形で経験の連続性を示すことも有効です。


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