介護職の職務経歴書は、施設形態と利用者数を数字で示すことが正解です。「介護業務全般」とだけ書くと、経験者かどうか採用担当者に伝わりません。この記事では特養・デイサービス・訪問介護など施設形態別の例文と、書類選考で差がつく自己PRの作り方、そのまま直せるNG例の改善法まで紹介します。
介護職の職務経歴書 例文|施設形態別にそのまま使える書き方
結論:具体的な数字と施設情報を書けば通過率は上がる
介護の仕事は「毎日同じことの繰り返し」に見えて、書くことがないと感じる人が多いものです。しかし実際には、担当した利用者数、要介護度の範囲、夜勤の回数、看取りケアの経験といった数字にできる情報の宝庫です。人手不足の施設であっても、「経験者に見えない」書類は選考を通過しません。数字と施設形態を具体的に書くだけで、他の応募者との差は大きく開きます。
以下の例文は、施設形態や状況ごとに分けています。自分の在籍施設・利用者数・取得資格に置き換えて使ってください。
特別養護老人ホーム(特養)勤務の例文
採用担当者はここを見ている
- 重度介護(要介護3〜5)への対応経験があるか
- 夜勤・オンコール対応の実績
- 看取りケアへの理解と関与の有無
良い例文
社会福祉法人〇〇会 〇〇特別養護老人ホーム(2019年4月〜現在)
定員80名のユニット型特養。要介護3〜5の入所者を担当。
- 食事・入浴・排泄介助、移乗・移動支援、バイタルチェックおよびケア記録
- 夜勤月6回、急変時のオンコール対応経験あり
- 2021年4月よりユニットリーダーに就任。スタッフ5名の指導とシフト管理を担当
- 看取りケア対応(年間3〜5名)と家族への説明補助
デイサービス勤務の例文
良い例文
医療法人〇〇会 〇〇デイサービスセンター(2021年4月〜現在)
定員40名。要支援1〜要介護3の通所利用者を担当。
- 送迎業務(普通自動車免許保有、担当エリア:〇〇市内)
- 入浴介助(個別浴・機械浴)、食事介助、レクリエーション企画(月10回程度)
- 認知症利用者への個別ケアプラン立案の補助
デイサービスは送迎・レクリエーションなど特養にはない業務があります。運転業務の有無や実施頻度は、応募先が同形態の施設なら特に重視されるポイントです。
訪問介護・グループホーム勤務の例文
良い例文
株式会社〇〇 〇〇訪問介護ステーション(2022年3月〜現在)
担当利用者数:月45名前後(身体介護・生活援助)。
- 身体介護(入浴・排泄・食事介助)および生活援助(掃除・調理・買い物代行)
- 独居高齢者の見守りを兼任。緊急時の初期対応手順を整備
- サービス提供責任者の補佐として利用者アセスメントに参加
訪問介護は1人で複数件を回るため、1日あたりの訪問件数や移動範囲を書くと、体力面・時間管理能力の裏付けになります。
未経験・無資格から介護職に転職する場合の例文
介護職未経験の場合、前職の経験を介護職に結びつけて書きます。接客・医療補助・保育など「人と関わる仕事」の経験は特に評価されます。資格取得中・取得済みの研修も忘れず記載してください。
良い例文(未経験)
株式会社〇〇(小売業)販売スタッフ(2019年4月〜2023年3月)
高齢者を含むお客様への接客・販売業務を4年間担当。
- シニア層への商品案内・困りごと対応を通じ、高齢者とのコミュニケーションに慣れ親しむ
- チームリーダーとして5名のスタッフをマネジメント
- 転職に備え介護職員初任者研修を修了(2023年9月取得)
初任者研修などの資格を取得済みの方は、ハローワーク経由での応募も選択肢に入ります。書式に迷う場合はハローワーク用の職務経歴書テンプレートから書き始めると項目の抜け漏れを防げます。
転職回数が多い・在籍期間が短い場合の例文
在籍期間が1年未満でも、そこで得た経験を具体的に書くことで「何もしていなかった期間ではない」と伝わります。転職回数が多い場合は、各施設の職歴を簡潔にまとめつつ、キャリアの軸を一貫して示すことが効果的です。
良い例文(在籍期間が短い場合)
〇〇介護老人保健施設(2023年4月〜2023年12月・9ヶ月)
法人の経営統合に伴うサービス縮小により退職。
- 在宅復帰支援を目的としたリハビリテーション補助(理学療法士・作業療法士との連携)
- 短期在籍でも入所者の生活リズム把握と日常的なモニタリングを担当
NG例(転職回数が多い場合)
〇〇施設(3ヶ月で退職)〇〇施設(5ヶ月で退職)〇〇施設(2ヶ月で退職)と職歴だけを並べる書き方。在籍期間の短さだけが目立ち、何を積み上げてきたかが伝わりません。
転職回数の多さそのものより、それぞれの経験をどう積み上げてきたかの説明が採用担当者の判断材料になります。書類作成に不安がある場合は介護業界の職務経歴書テンプレートを土台にすると項目のバランスが整いやすくなります。

職務経歴書と履歴書の違い|介護転職で両方提出すべき理由
職務経歴書と履歴書は、役割がまったく異なります。履歴書が「学歴・職歴の年表」だとすれば、職務経歴書は採用担当者に自分の実力を伝えるための提案書です。
| 書類 | 主な目的 | フォーマット |
|---|---|---|
| 履歴書 | 学歴・職歴・資格の基本情報を伝える | JIS規格など統一フォーマット |
| 職務経歴書 | 具体的な業務経験・スキルをアピールする | 自由形式(A4・1〜2枚が目安) |
介護職の転職では、多くの施設が職務経歴書の提出を求めます。履歴書の職歴欄だけでは「どんな施設でどんな利用者と関わってきたか」が伝わらないためです。複数施設での勤務経験やリーダー経験がある人ほど、職務経歴書の出来が書類通過率を左右します。
採用担当者が職務経歴書で判断する3つのこと
採用担当者はここを見ている
- 即戦力性:施設形態・利用者規模・担当業務が具体的に書かれているか
- 応募先との適合性:自分の強みが応募先施設のニーズと合致しているか
- 文章の丁寧さ:表現の熱量から読み取れる人柄
介護職の求人は人手不足の施設が多く、「経歴があれば誰でもいい」と思われがちです。しかし実際の選考では、同じ職歴年数でも書類の書き方次第で評価が分かれます。数字のない経歴書は、経験者と未経験者の区別すらつかないためです。
介護職の職務経歴書の書き方|5項目の記入ルール
職務経歴書に決まったフォーマットはありませんが、介護職の転職では以下の5項目を押さえると読みやすい書類になります。
| 項目 | 内容 | 必須度 |
|---|---|---|
| 職務要約 | キャリア全体を3〜5行で要約 | ◎ |
| 職務経歴 | 施設名・在籍期間・担当業務を詳述 | ◎ |
| 保有資格・免許 | 介護資格・普通免許など取得日付きで記載 | ◎ |
| 活かせる能力・スキル | 実務で習得した技術・対応経験 | 〇 |
| 自己PR | 応募先へのアピール(施設ごとにカスタマイズ) | ◎ |
職務要約の作り方
職務要約は書類の「顔」です。採用担当者が最初に目を通す部分で、ここが曖昧だと残りを読んでもらえないことがあります。職歴全体を3〜5行(100〜150文字)にまとめ、どんな施設で・何年・何をしてきたかを一読で伝えることが鉄則です。
職務経歴の書き方
職務経歴は在籍した施設ごとに区切って記載します。採用担当者が「この人はうちで通用するか」を判断できるよう、以下の要素は必ず含めてください。
- 在籍期間:〇年〇月〜〇年〇月(年月単位で記載)
- 法人・施設の正式名称と施設形態(特別養護老人ホーム、訪問介護ステーションなど)
- 利用者数・要介護度の範囲(定員80名、要介護3〜5を担当など)
- 具体的な担当業務(身体介助・生活援助・夜勤・送迎など)
- 役職・リーダー経験(ユニットリーダー、サービス提供責任者など)
夜勤回数やオンコール対応など、他の求職者と差がつく経験は漏らさず記載します。パート勤務の場合も同様で、パート用の職務経歴書テンプレートを使うと勤務時間帯や日数を整理しやすくなります。
自己PRの書き方
自己PRは履歴書と職務経歴書の両方に記載しますが、内容を同じにするのは避けてください。採用担当者が2枚を見比べたとき、コピペはすぐに判明します。
職務経歴書の自己PRでは、応募先施設が求める人物像に合わせて内容をカスタマイズすることが通過率を上げる最大のポイントです。認知症ケアに力を入れている施設なら認知症対応の経験を前面に、夜勤対応可の求人なら夜勤経験と体力面のアピールを加えます。派遣での就業を検討している場合は派遣の職務経歴書テンプレートも参考になります。
介護職の自己PR例文|採用担当者に響く4パターン
自己PRは「自分にはこういう強みがある」だけでなく、だから応募先施設のこの部分に貢献できるという論理を添えることが重要です。応募先を調べたうえで、施設のニーズと自分の強みを一致させることが書類通過の決め手になります。
身体介助・生活支援の経験を強みにする場合
良い例文
特別養護老人ホームでの6年間、要介護3〜5の利用者への身体介護を中心に担当してきました。移乗・移動介助では利用者の残存機能を活かすことを意識し、担当ユニットでの転倒事故は3年間ゼロを継続しています。貴施設でも安全で質の高いケアを提供したいと考えています。
認知症ケアの専門性をアピールする場合
良い例文
デイサービスで3年間、認知症の利用者を中心に担当しました。認知症ケアの研修受講を機に、施設内で月1回の勉強会を企画・実施。利用者の行動・心理症状への対応力が評価され、難しい事例を任される機会が増えました。認知症ケアに力を入れている貴施設で、その経験を活かしたいと考えています。
リーダー・後輩育成経験がある場合
良い例文
3年間のユニットリーダー経験を通じ、新人スタッフへのOJT指導とシフト管理を担ってきました。スタッフの定着が課題だったユニットで週1回の個別面談を導入し、離職につながる相談を早期に拾い上げる体制を作りました。管理職候補を求めている貴施設でも、チームの安定稼働に貢献できると考えています。
ブランクあり・資格なしをカバーする書き方
ブランクや無資格は弱みとして書く必要はありません。ブランク中に何をしていたか、資格なしをどう補っているかを具体的に書くことで、前向きな姿勢が伝わります。
良い例文(ブランクあり)
育児のため2年間のブランクがありますが、この期間に介護職員初任者研修を修了し(2024年3月取得)、基礎的な介護技術と知識を身につけました。家族の介護を身近で経験したことで、利用者一人ひとりの生活リズムと自立支援への理解が深まっています。入職後は早期に現場に馴染めるよう、事前の見学・実習も希望しています。

採用担当者が読む気を失うNG例と改善法
採用担当者の視点で見ると、確実に印象が下がる書き方があります。よくある4パターンを確認してください。
NG1:業務内容が「介護業務全般」の一言
施設規模・利用者層・担当業務が伝わらない最たる例です。採用担当者は即戦力かどうか判断できず、通過させる根拠がなくなります。改善するには「定員〇名の特養で要介護〇〜〇の入所者を担当。食事・入浴・排泄介助を中心に夜勤月〇回対応」のように具体化します。
NG2:履歴書と職務経歴書の自己PRが一字一句同じ
採用担当者が2枚を並べて読んだとき、コピペは即座に判明します。書類に向き合っていない印象を与え、志望度の低さを疑われます。履歴書の自己PRは3〜4行で強みを簡潔にまとめ、職務経歴書では200〜300文字で具体的なエピソードを加えて膨らませてください。
NG3:長文の作文形式(箇条書き・見出しなし)
職務経歴をびっしり文章で書くと、採用担当者は読む気をなくします。採用担当者は多数の応募書類を短時間で読む必要があるため、箇条書き・見出し・余白を使い、スキャン読みに耐える構造にすることが必須です。施設ごとに区切り、業務内容は箇条書きで整理してください。
NG4:ネガティブな退職理由をそのまま記載
「人間関係が悪く退職」「夜勤が体力的に限界で退職」とそのまま書くと、採用担当者に不安を与えます。事実を書くことは必要ですが、次のステップに向かう転職という前向きな文脈に変換します。「一施設での経験を深めたうえで、より専門性を高めたいと考え転職を決意しました」のように、次への意欲を前面に出してください。

まとめ
- 職務経歴書は「実力を証明する提案書」。採用担当者は施設形態・利用者規模・担当業務の具体性で即戦力かどうかを判断する
- 職務要約は3〜5行で「どこで・何年・何をしてきたか」を一読で伝え、職務経歴は箇条書きで具体的に整理する
- 自己PRは応募先施設のニーズに合わせてカスタマイズする。履歴書と同一内容は避ける
- 未経験・ブランクありの場合は、前職の経験や取得資格を介護職に結びつけて前向きに記載する
- 「業務内容一言」「長文作文」「コピペ自己PR」「ネガティブな退職理由」の4つのNGを避け、スキャン読みできる構造にする
職務経歴書は書き方ひとつで通過率が変わります。例文を参考に、自分の経験・施設・資格に置き換えた職務経歴書を仕上げてください。
職務経歴書(介護職)に関するよくある質問
- 職務経歴書は手書きとパソコン、どちらで作成すべきですか?
-
特段の指定がなければパソコン作成が一般的です。修正が容易で読みやすく、採用担当者にも好印象を与えやすいためです。「手書き必須」と明示されている求人では、その指示に従ってください。
- 在籍期間が3ヶ月と短い職歴も職務経歴書に記載すべきですか?
-
原則として記載が必要です。短期在籍を隠すと経歴詐称になる場合があります。退職理由を「法人の合併によるサービス変更のため」など客観的な事実で補足しつつ、そこで得た経験を簡潔に記載すると印象が和らぎます。
- 職務経歴書は何枚まで書いていいですか?
-
A4用紙1〜2枚以内が目安です。経験が豊富でも3枚を超えると採用担当者の負担になります。アピールしたい実績に優先順位をつけ、2枚に収めることを目標にしてください。
- 介護未経験でも職務経歴書の提出は必要ですか?
-
求人票で提出を求められている場合は必要です。未経験の場合は、前職で培ったコミュニケーション能力や体力、チームワークなどを介護職に結びつけて記載します。介護職員初任者研修などを取得済みであれば必ず記載してください。

