この記事では、履歴書の趣味・特技欄に書くことがない人に向けて、空欄が不利になる理由と、無趣味やインドアでも書ける具体的な方法を採用担当者の視点から解説します。日常の習慣を趣味・特技として言語化する手順と、そのまま使える例文、面接で聞かれても困らない準備までまとめました。
履歴書の趣味・特技欄を空欄で出すとどうなる?
他の欄は埋まったのに、趣味・特技欄だけ手が止まる。よくある状況です。ただ、書くことがないからと空欄のまま提出するのは避けたほうが無難です。この欄は「特別な趣味を持っているか」を試すものではなく、あなたの人柄や価値観を知るために設けられています。
「特になし」「空欄」が不利になる理由
趣味・特技欄を空欄や「特になし」で提出すると、内容がマイナス評価になるというより、自己開示を避けた人という印象が残ります。応募書類は自分を知ってもらうための資料なので、埋められる欄を空けたままにすると、意欲や準備不足を疑われるきっかけになりかねません。
- 面接で会話を広げる材料がなくなり、印象に残りにくい
- 「書くことを探す手間を惜しんだ」と受け取られる場合がある
- 他の応募者が具体的に書いていると、相対的に見劣りする
特別な内容である必要はありません。ありふれた習慣でも、書き方を工夫すれば十分に伝わる欄です。
採用担当者はこの欄で何を見ているのか
採用担当者は、趣味・特技そのものの珍しさを評価しているわけではありません。短い記述の中から、その人の人柄や物事への向き合い方、自社との相性を読み取ろうとしています。
採用担当者はここを見ている
- 人柄・価値観:何を楽しいと感じ、何を続けられる人なのか
- 継続力・探究心:一つのことにどう向き合うか
- 仕事への活かせる素養:習慣の中に業務で役立つ要素があるか
- 職場との相性:社風やチームになじめそうか
この視点がわかると、「珍しい趣味を用意しなきゃ」という発想から抜け出せます。必要なのは、あなたの日常から仕事につながる要素を見つけて言葉にすることです。
「趣味がない」は思い込み|書けることを見つける4つの視点
趣味がないと感じる人の多くは、「趣味=人に自慢できる特別な活動」と思い込んでいます。実際には、毎日の習慣や過去の経験の中に、書ける材料は眠っています。次の4つの視点で自分を棚卸ししてみてください。
視点1:日常の習慣・ルーティンから探す
休日の過ごし方や毎日続けていることを書き出してみます。散歩、料理、ゲーム、動画鑑賞、コーヒーを淹れること、家計簿をつけること。どれも立派な材料です。ポイントは「なぜ続いているのか」「どこにこだわっているのか」を一言添えられるかどうかです。
視点2:過去の経験を棚卸しする
今は続けていなくても、学生時代の部活動やアルバイト、一時期はまっていたことも思い出してみます。人から褒められたこと、頼られたことは特技のヒントになります。「昔、写真をよく撮っていた」「人の話を聞くのが得意だった」といった記憶が、書ける一文につながります。
視点3:趣味と特技の違いを使い分ける
趣味と特技は別物です。片方しか思いつかなくても問題ありません。両方の枠がある場合は、探す入り口を変えると埋めやすくなります。
| 項目 | 定義 | 探し方 |
|---|---|---|
| 趣味 | 好きで、続けていること | 休日・空き時間に自然としていること |
| 特技 | 人に説明できるレベルで得意なこと | 人から頼られる・褒められること |
特技は「資格レベルの技能」でなくて構いません。「早起きが得意」「道をすぐ覚えられる」なども、仕事の姿勢に結びつけられれば十分に通用します。
視点4:やってはいけない「嘘・盛りすぎ」
書くことがないからと、やっていない趣味を書くのは危険です。履歴書の趣味・特技は、面接で高確率で質問されます。実体験のない内容は、少し掘り下げられただけで答えに詰まり、かえって信頼を損ないます。
NG例
特技:英会話(実際はほとんど話せない)。面接で「では英語で自己紹介を」と言われた瞬間に破綻します。背伸びした一行より、事実に基づいた地味な一行のほうが安全です。
趣味・特技がない人向けの書き方の型
材料が見つかったら、あとは伝わる形に整えるだけです。趣味・特技欄は長文にする欄ではありません。「項目+一言補足」のセットで書くと、ありふれた内容でも印象に残ります。
- 項目名だけで終わらせず、括弧書きなどで一言添える
- 「どのくらい・どうこだわっているか」を具体的に書く
- 可能なら仕事に活きる姿勢(継続力・集中力など)につなげる
良い例文
趣味:料理(週末に作り置きをしています。段取りを考えて効率よく仕上げるのが好きです)
特技:整理整頓(使ったものを元に戻す習慣があり、身の回りを常に片付いた状態に保てます)
NG例
趣味:読書 特技:料理
項目名を並べただけでは、他の応募者と差がつきません。一言の補足があるかどうかで印象が大きく変わります。
無趣味・インドアでも使える趣味・特技の例文集
ここからは、そのまま参考にできる状況別の例文を紹介します。自分に近いものを選び、括弧内を自分の言葉に置き換えて使ってください。さらに多くのパターンを見たい場合は、趣味・特技欄の例文をまとめた記事もあわせて確認すると選びやすくなります。

インドア派・出不精の人向け
良い例文(インドア派)
- 趣味:映画鑑賞(同じ監督の作品を続けて見て、作り手の意図を考えるのが好きです)
- 趣味:ゲーム(協力プレイで役割分担を考えるのが得意です)
- 特技:PC操作(表計算ソフトで家計を管理し、関数も自分で調べて使えます)
ゲームは書き方を迷いやすい題材です。仕事への活かし方や職種との相性は、趣味「ゲーム」の書き方を解説した記事で具体例を確認できます。

日常の習慣をベースにする
良い例文(日常習慣)
- 趣味:散歩(毎朝30分歩くのが習慣で、体調管理と気分の切り替えに役立っています)
- 趣味:読書(月に2冊、実用書を中心に読み、仕事に使える知識を取り入れています)
- 特技:早起き(数年間、平日は同じ時間に起きており、遅刻がありません)
読書はジャンルによって伝わる印象が変わります。書き方の細かなコツは趣味「読書」の書き方と例文を解説した記事が参考になります。
特技がどうしても思いつかない人向け
特技の枠が埋まらないときは、「他人より少しだけ得意なこと」を探します。誰かに頼られた経験を思い出すと見つけやすくなります。
良い例文(特技)
- 特技:人の名前と顔を覚えること(一度会った方はほぼ忘れません)
- 特技:暗算(買い物や集計の場面で役立っています)
- 特技:整理整頓(探し物をせずに済むよう、物の定位置を決めています)
状況別のさらに幅広い文例は、趣味・特技の例文15選をまとめた記事にも掲載しています。

書かないほうがいい趣味・特技
欄を埋めることは大切ですが、何でも書けばよいわけではありません。内容によっては、かえって印象を悪くするものもあります。次のテーマは避けるのが無難です。
| 避けたいテーマ | 理由 |
|---|---|
| ギャンブル(パチンコ・競馬など) | 金銭感覚や自己管理を不安視されやすい |
| 政治・宗教に関わる活動 | 価値観の押し付けと受け取られる恐れがある |
| 「お酒に強い」などの自己申告 | 特技としての具体性がなく、印象に残らない |
| 反社会的・違法性を連想させる内容 | 常識を疑われる |
迷ったときは、「面接でその話を掘り下げられても困らないか」を基準に判断すると失敗しません。
面接で「趣味は?」と聞かれても困らない準備
趣味・特技欄で見落とされがちなのが、履歴書と面接のつながりです。書いた内容は、面接で「もう少し詳しく教えてください」と質問される前提で考えておく必要があります。
面接前に用意しておくこと
- いつから、どのくらいの頻度で続けているか
- どこに面白さ・こだわりを感じているか
- そこで身についた姿勢が、仕事にどう活きるか
この3点を一言ずつ話せるようにしておけば、ありふれた趣味でも自分の言葉で語れます。履歴書に書ける内容と、面接で話せる内容が一致していることが、無理のない書き方の最大のメリットです。だからこそ、盛った一行より、事実に基づいた一行を選ぶ価値があります。
まとめ
- 趣味・特技欄の空欄・「特になし」は、自己開示不足の印象につながるため避ける
- 採用担当者が見ているのは趣味の珍しさではなく、人柄・価値観・仕事への素養
- 日常の習慣や過去の経験を棚卸しすれば、書ける材料は必ず見つかる
- 「項目+一言補足」で書き、面接で語れる範囲の事実だけを載せる
趣味・特技欄は、特別な人だけが埋められる欄ではありません。自分の日常を少し丁寧に言葉にすれば、あなたらしさが伝わる一行になります。
履歴書の趣味・特技が「ない」ときのよくある質問
- 趣味・特技欄は空欄でも大丈夫ですか?
-
避けたほうが無難です。内容がマイナス評価になるというより、埋められる欄を空けたままにすると、意欲や自己開示の不足を疑われるきっかけになります。ありふれた習慣でも、一言添えて書けば十分です。
- 「特になし」と書くのはありですか?
-
おすすめしません。「探す手間を惜しんだ」と受け取られることがあります。日常の習慣や過去の経験を振り返れば、書ける材料はほぼ見つかります。まずは休日の過ごし方を書き出してみてください。
- 趣味と特技は両方書く必要がありますか?
-
欄が両方ある場合は、できれば両方埋めるほうが印象は良くなります。ただし無理にひねり出す必要はありません。趣味は「続けていること」、特技は「人より少し得意なこと」と入り口を分けて探すと見つけやすくなります。
- 読書や映画鑑賞などありきたりな趣味でも書いていいですか?
-
問題ありません。大切なのは珍しさではなく、一言の補足です。「実用書を月2冊読み、仕事に使える知識を取り入れている」のように具体を添えれば、ありふれた趣味でも十分に印象を残せます。


コメント