志望動機は入社後の未来、自己PRはこれまでの過去を語る文章です。「未来」か「過去」かという視点の違いを意識すれば、同じエピソードを使っても内容が重なることはありません。欄が一緒になっている履歴書でも、この違いを踏まえれば迷わず書き分けられます。ここでは採用担当者が実際に見ているポイントと、状況別の例文を紹介します。
志望動機と自己PRの違い【結論】
結論:志望動機は「未来」、自己PRは「過去」を語る
志望動機で伝えるのは「入社後に何を実現したいか」という未来の話です。一方、自己PRで伝えるのは「これまでどんな経験や強みを積んできたか」という過去の話です。時制を意識するだけで、書く内容は自然と分かれます。両者を混同すると、志望動機のはずなのに企業への言及がなくなったり、自己PRのはずなのに強みが曖昧になったりします。
一目でわかる違い比較表
| 項目 | 志望動機 | 自己PR |
|---|---|---|
| 時制 | 未来(入社後にやりたいこと) | 過去(これまでの実績・強み) |
| 伝える内容 | 企業への理解と入社意欲 | 培ってきたスキル・経験 |
| 採用担当者が見る点 | 志望度の高さ・企業研究の深さ | 活躍できるかという実務適性 |
| 書き出しの型 | 「貴社を志望した理由は〜」 | 「私の強みは〜」 |
同じエピソードでも視点を変えれば書き分けられる
使えるエピソードが1つしかない場合でも、焦点をずらせば志望動機と自己PRの両方に使えます。同じ経験からどの部分を切り出すかを変えるだけで、内容の重複は防げます。
- 自己PR:そのエピソードで「何を身につけたか」という結果を語る
- 志望動機:同じエピソードで得た力を「この会社でどう使いたいか」に接続する
- 結論を変える:自己PRの結論は「経験から得た強み」、志望動機の結論は「その強みを活かしたい理由」にする
なお、応募書式によっては志望動機欄自体が設けられていないケースもあります。その場合の書き方は志望動機なしの履歴書テンプレートで解説しています。
志望動機と自己PRが同じ内容になってしまう理由
志望動機と自己PRが似た内容になるのは、どちらも「自分の強み」を起点に考えてしまうためです。しかし採用担当者は、この2つの欄をまったく別の観点で読んでいます。
採用担当者はここを見ている
- 志望動機と自己PRの内容が重複していないか=企業研究の深さを見ている
- 自己PRで語った強みが、志望動機の「実現したいこと」に自然につながっているか
- 抽象的な言葉だけで終わらず、具体的なエピソードや数字があるか
よくあるNGパターン
NG例
志望動機の欄に「私の強みは責任感の強さです。前職では〜」とだけ書いてしまう例です。これでは自己PRと変わらず、なぜこの会社を選んだのかがまったく伝わりません。結論の一文まで自己PRと同じになっていると、使い回しと判断されやすくなります。
志望動機の書き方とコツ【例文つき】
基本構成(企業理解→将来像)
志望動機は、以下の3ステップで組み立てると企業への理解度と意欲が伝わりやすくなります。
- 応募のきっかけ(求人のどこに惹かれたか)
- その企業ならではの魅力(他社ではなくこの会社を選ぶ理由)
- 入社後に実現したいこと(自分の強みをどう活かすか)
志望動機の良い例文とNG例
良い例文
「貴社の求人を拝見し、地域密着で長年顧客との信頼関係を築いてきた姿勢に共感し志望いたしました。前職の接客業務で培った傾聴力と課題把握力を活かし、貴社でもお客様一人ひとりに寄り添った提案を行いたいと考えております。」
NG例
「貴社は業界大手で安定しているため志望しました。」だけで終わる例文です。企業のどこに魅力を感じたのか、入社後に何をしたいのかが書かれておらず、どの会社にも使い回せる内容だと受け取られてしまいます。

自己PRの書き方とコツ【例文つき】
基本構成(強み→エピソード→活かし方)
自己PRは、抽象的な長所の羅列にせず、具体的な裏付けをセットで示すことが評価につながります。
- 強みを一言で(例:課題解決力、傾聴力など)
- 裏付けとなる具体的なエピソード(数字や成果があるとなお良い)
- 入社後、その強みをどう活かすか
自己PRの良い例文とNG例
良い例文
「私の強みは課題解決に向けて周囲を巻き込む行動力です。前職の販売職では、客数減少という課題に対し自ら改善案を提案し、スタッフ間で共有した結果、半年で来店数を1.2倍に伸ばしました。この経験で培った実行力を、貴社の業務にも活かしていきたいと考えております。」
NG例
「私の長所は真面目でコツコツ努力できるところです。」で終わる例文です。具体的なエピソードがないため、その強みが本当かどうか採用担当者は判断できません。

志望動機と自己PRの欄が一緒になっている場合の書き方
一体欄での構成テンプレート
履歴書のフォーマットによっては「志望動機・自己PR」が1つの欄にまとめられていることがあります。この場合も内容を混ぜて書くのではなく、前半で志望動機、後半で自己PRと役割を分けて書くと、読み手にとって整理された文章になります。
- 志望動機パート(前半120字程度):応募理由と入社後の展望
- 接続文(30字程度):「そのために、これまで培った〇〇を活かしたいと考えています」
- 自己PRパート(後半150字程度):具体的な強みとエピソード
良い例文(一体欄・400字程度)
良い例文
「貴社が掲げる『地域のお客様に寄り添う』という姿勢に共感し、志望いたしました。前職の接客業務では、来店されるお客様の声に耳を傾け、要望を先回りして提案することを心がけてまいりました。そのために、これまで培った傾聴力と提案力を活かし、貴社でもお客様一人ひとりに合わせた対応を行っていきたいと考えております。前職では新人スタッフの指導も担当し、チーム全体の接客品質向上にも貢献してまいりました。」
このように接続文を挟むことで、志望動機と自己PRが1つの文章の中でも自然につながり、内容が重複している印象を避けられます。採用担当者は限られた文字数の中で「志望理由」と「強み」の両方が読み取れるかを見ているため、役割を分けて書くことがそのまま評価につながります。
転職と新卒・アルバイトで変わる書き分けのニュアンス
転職の場合
転職では、自己PRに前職での実績や成果を具体的に盛り込めるため、数字を用いた説得力のあるアピールがしやすくなります。採用担当者は「前職の不満」ではなく「入社後の貢献」が語られているかを見ているため、志望動機では前職を辞める理由よりも「この会社でなければならない理由」に重点を置くことが重要です。テンプレートを使って全体のバランスを整えたい場合は転職用の履歴書テンプレートを活用してください。
新卒・アルバイトの場合
新卒や未経験の場合は、実務経験の代わりに学生時代の活動やアルバイト経験を自己PRの根拠にします。志望動機では業界研究の深さを見せることがポイントです。新卒用の履歴書テンプレートを使うと、書くべき項目を漏れなく確認できます。
アルバイト・パートの場合は、志望動機と自己PRが1つの短い欄にまとまっていることが多く、簡潔さがより求められます。アルバイト用の履歴書テンプレートもあわせて参考にしてください。

まとめ
- 志望動機は「未来」、自己PRは「過去」を語る文章
- 同じエピソードでも、切り出す視点を変えれば書き分けられる
- 欄が一緒の場合は、前半に志望動機、後半に自己PRを配置する
時制の違いを意識して書き分ければ、志望動機と自己PRの内容が重なる不安は解消できます。
志望動機・自己PRに関するよくある質問
- 志望動機と自己PRは同じ内容でも大丈夫ですか?
-
結論の一文まで同じ内容にするのは避けてください。同じエピソードを使う場合でも、志望動機では「入社後にどう活かすか」、自己PRでは「これまで何を得たか」というように焦点を変えれば、内容が重複している印象は避けられます。
- 志望動機と自己PRの文字数の目安は?
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それぞれ200〜300字程度が目安です。欄が一緒になっている場合は、志望動機と自己PRを合わせて300〜400字程度にまとめると読みやすくなります。
- アルバイトやパートの履歴書でも書き分けは必要ですか?
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正社員応募ほど厳密でなくても、志望動機(なぜこの職場か)と自己PR(自分に何ができるか)を意識して分けると、担当者に意欲が伝わりやすくなります。欄が短い場合は1〜2文ずつでも構いません。
- 志望動機と自己PRの欄が1つしかない場合、どちらを先に書けばいいですか?
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志望動機を先に書くことをおすすめします。応募理由を先に示したうえで、その理由を裏付ける根拠として自己PRを続けると、文章全体の流れが自然になります。

