結論、家族状況欄の「扶養家族数」「配偶者」「配偶者の扶養義務」は別々の基準で判断して記入します。この記事では2026年時点の年収基準にもとづき、独身・共働き・親を扶養しているケースなど状況別の記入例と、採用担当者が実際に確認しているポイントをあわせて解説します。
【結論】家族状況欄の書き方とケース別記入例
家族状況欄でつまずく人の多くは、3つの項目を同じ基準で考えてしまっています。まず結論を押さえてから、自分の状況に近いケースを確認してください。
結論:3項目は別々の基準で判断する
家族状況欄に記入する3つの項目
- 扶養家族数(配偶者を除く):配偶者以外で自分が経済的に養っている家族の人数。0人でも数字で記入
- 配偶者:婚姻関係にある夫・妻がいるかどうか(有・無)
- 配偶者の扶養義務:配偶者を自分の扶養に入れているかどうか(有・無)
「配偶者:有」でも「配偶者の扶養義務:無」になるケースは珍しくありません。3項目を混同したまま記入するミスが最も多い落とし穴です。
【早見表】ケース別記入例
| 状況 | 扶養家族数(配偶者を除く) | 配偶者 | 配偶者の扶養義務 |
|---|---|---|---|
| 独身・扶養なし | 0人 | 無 | 無 |
| 独身・親1人を扶養 | 1人 | 無 | 無 |
| 既婚・配偶者が専業主婦(夫) | 0人 | 有 | 有 |
| 既婚・配偶者が専業主婦(夫)+子ども1人(収入なし) | 1人 | 有 | 有 |
| 共働き・子ども2人を自分が扶養 | 2人 | 有 | 無 |
| 共働き・子ども2人をそれぞれ1人ずつ扶養 | 1人 | 有 | 無 |
該当する状況が見つかったら、以下でそれぞれの欄の詳しい判断基準と、2026年時点の年収基準を確認しておくと記入ミスを防げます。旧様式の履歴書を使う場合は、転職用の履歴書テンプレートを使うと欄の位置や書式で迷いません。
履歴書の「家族状況」欄とは何か
履歴書によっては、個人情報欄の下に「家族状況」あるいは「家族欄」と呼ばれるセクションが設けられています。表形式で家族を列挙する欄とは異なり、数字や〇で完結する点が特徴です。
「家族構成」欄との違い
「家族構成」欄は、同居している家族の氏名・続柄・年齢・職業を列挙するスペースです。一方「家族状況」欄は、扶養の有無と人数を数字や〇で記入するコンパクトな形式です。
| 欄の名称 | 記入内容 | 記入形式 |
|---|---|---|
| 家族状況 | 扶養家族数・配偶者の有無・扶養義務 | 数字・〇をつける |
| 家族構成 | 同居家族の氏名・続柄・年齢・職業 | リスト形式で記述 |
どちらが掲載されているかは履歴書のフォーマットによって異なるため、書き始める前に手元の欄がどちらの形式か確認してください。同居家族を列挙する形式の場合は、書き方が大きく変わります。

厚生労働省の新様式では記載不要になったが…
2021年4月、厚生労働省は履歴書の新様式を公開し、「配偶者」「扶養家族数」「配偶者の扶養義務」「通勤時間」の欄を削除しました。プライバシー保護と就職差別の防止が主な理由です。
ただし、旧様式の履歴書を使っている企業・採用担当者は現在も多く存在します。市販の履歴書にもまだ家族状況欄が残っているものが多いため、書き方を理解しておく必要があります。
旧様式の家族状況欄が残る履歴書を使う場合は、JIS規格に沿った履歴書テンプレートを使うと欄の並びに沿って迷わず記入できます。
反対に、家族状況欄そのものをなくして応募したい場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートに切り替える方法もあります。
「扶養家族数(配偶者を除く)」の書き方【2026年最新の年収基準】
家族状況欄の中で、最も間違いが多いのが「扶養家族数(配偶者を除く)」です。「だいたいこれくらい」で書いてしまいがちですが、採用担当者は誤記入を「確認不足」として捉えることがあります。
扶養家族に含まれる人・含まれない人
扶養家族とは、自分の収入で生計を同一にしている家族のうち、一定の年収基準を下回る人を指します。括弧書きの「配偶者を除く」に注意が必要です。
扶養家族数に含める・含めないの判断基準
- 含める:年収基準以下の子ども・親・兄弟姉妹など(配偶者を除く)
- 含めない:配偶者(別欄で管理する)
- 含めない:年収基準を超える家族、別居で生計が別の家族
0人でも必ず「0」と記入する
扶養している家族がいない場合、欄を空白にするのはNGです。空欄のままでは「書き忘れ」と判断され、書類全体の丁寧さへの疑問につながります。
NG例
扶養家族数(配偶者を除く):(空欄)→ 書き忘れと見なされる可能性があります
良い例
扶養家族数(配偶者を除く):0人 ※独身・扶養なしの場合も必ず「0」と数字で記入する
収入基準は2026年に変わっている(旧103万円→現在136万円)
扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があり、履歴書の「扶養家族数」は税法上の扶養(配偶者控除・扶養控除の対象となる年収)を基準にするのが一般的です。この基準は2025年・2026年の税制改正で段階的に引き上げられており、旧来の「103万円」のまま覚えていると年収の近い家族を数え間違えるおそれがあります。
| 年分 | 税法上の扶養の年収基準 | 備考 |
|---|---|---|
| 2024年分以前 | 103万円以下 | 旧基準(すでに終了) |
| 2025年分(令和7年分) | 123万円以下 | 税制改正の経過措置 |
| 2026年分(令和8年分)以降 | 136万円以下 | 現在の最新基準 |
社会保険上の扶養(130万円未満)は基準自体に変更はありませんが、2026年4月以降は「労働契約書に記載された賃金からの年間見込み収入」で判定する運用に変わりました。繁忙期の残業代などで一時的に収入が増えても、契約上の見込みが130万円未満であれば扶養から外れにくくなっています。
| 種類 | 収入基準 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 税法上の扶養 | 136万円以下(2026年分) | 所得税の扶養控除・履歴書の扶養家族数 |
| 社会保険上の扶養 | 130万円未満(2026年4月から契約書ベースで判定) | 健康保険の被扶養者・配偶者の扶養義務欄 |
採用担当者はここを見ている
- 企業独自の家族手当・扶養手当の支給基準は税制改正と連動せず、旧来の103万円のまま据え置いている会社も多い
- 履歴書の扶養家族数は税法上の基準で記入し、家族手当の対象かどうかは入社後に別途会社の基準で判断される
- 年収基準の勘違いによる記入ミスよりも、欄を空白にしたまま提出することの方が印象を下げる

「配偶者」欄の書き方
配偶者欄は、婚姻届を提出した法律上の夫・妻がいるかどうかを「有」「無」で回答するシンプルな形式です。記入自体は簡単ですが、記入忘れが多い箇所のひとつでもあります。
有・無の判断基準
- 有:婚姻届を提出済みで、現在も婚姻関係が続いている
- 無:未婚・離婚済み・死別した場合
「有」か「無」のどちらかに必ず〇をつけてください。どちらでもない中間の状態はありません。
事実婚・内縁関係の場合は「無」
事実婚や内縁関係は法律上の婚姻とは異なります。社会保険の手続きで認められるケースもありますが、履歴書の配偶者欄では「無」と記入するのが原則です。
「配偶者の扶養義務」欄の書き方
配偶者の扶養義務欄は、「配偶者:有」の人だけが判断を求められる項目です。配偶者がいない場合は「無」と記入してください。
「有」になる条件
配偶者があなたの扶養に入っている(あなたが配偶者を経済的に支えている)状態が「有」です。以下のいずれかに当てはまる場合です。
- 配偶者の年間収入が130万円未満で、かつ勤務先の社会保険に加入していない
- 配偶者があなたの勤務先の健康保険の被扶養者になっている
共働き・配偶者に収入がある場合は「無」
配偶者が正社員として働いており、自分の収入で生計を立てている場合は「無」となります。配偶者の年収が130万円以上あるか、社会保険に独自に加入しているケースも「無」です。
採用担当者はここを見ている
- 「配偶者の扶養義務:有」の場合、入社後の家族手当の支給対象かどうかを確認するために使われる
- 「有」なのに空欄のままでは、手当の手続きが必要かどうかの判断ができない
- 「配偶者あり・扶養義務有」の組み合わせから、育児や介護との両立に関する勤務条件を事前に検討することがある

【状況別】家族状況欄の詳しい記入例
結論の早見表で自分の状況に近いケースを確認したら、以下の詳細を読んで判断の理由まで押さえておくと、面接で家族の話題が出た際にも慌てません。
独身・一人暮らしの場合
記入例:独身・扶養なし
扶養家族数(配偶者を除く):0人 配偶者:無 配偶者の扶養義務:無
扶養家族がいない場合でも、扶養家族数の欄は必ず「0人」と記入します。配偶者欄と配偶者の扶養義務欄も忘れずに「無」をつけてください。
既婚・配偶者が専業主婦(夫)の場合
記入例:既婚・配偶者が専業主婦(夫)
扶養家族数(配偶者を除く):0人 配偶者:有 配偶者の扶養義務:有
配偶者を扶養しているため「配偶者の扶養義務:有」となります。しかし配偶者は扶養家族数には含めません。「配偶者を除く」という文言を見落とし、「扶養家族数1人」と書いてしまうのが最も多いミスです。
共働きで子どもあり(子どもを自分の扶養に)
記入例:共働き・子ども2人を自分が扶養
扶養家族数(配偶者を除く):2人 配偶者:有 配偶者の扶養義務:無
共働きで配偶者が自立した収入を持つ場合、「配偶者の扶養義務:無」となります。子どもは収入がなく自分の扶養に入っているため、扶養家族数は子どもの人数分を記入します。
親・兄弟を扶養している場合
記入例:独身・親1人を扶養
扶養家族数(配偶者を除く):1人 配偶者:無 配偶者の扶養義務:無
年収136万円以下(2026年分)の親を扶養している場合は扶養家族数に含めます。別居の場合でも、仕送りなどによって生計を一にしていれば扶養家族に該当します。親の年金収入がこの基準を超えている場合は含めません。
採用担当者が家族状況欄でチェックすること
家族状況欄は選考の合否を直接左右する情報ではありません。ただし、記入の仕方によって採用担当者の印象が変わることは事実です。
記入漏れ・空欄が評価に与えるダメージ
家族状況欄の空欄は「書き忘れ」として見なされます。選考担当者は書類全体の丁寧さを確認しています。本来は些細な欄であっても、記入漏れが目立つと「細部への注意力が低い」という印象を残しかねません。
「自分には関係ない欄だから放置した」という意識が、書類全体の精度を下げる原因になります。「0人」や「無」であっても、すべての欄を埋めることが書類選考を突破する最低条件です。
採用担当者が確認する本当の理由
採用担当者が家族状況欄を確認する実務的な理由は主に2つです。年収基準を間違えたことそのものより、欄が空白かどうかを見ています。
- 入社後の福利厚生手続きの参考:家族手当・扶養手当の支給対象になるかどうかを事前に把握するため
- 勤務形態の調整:小さい子どもや介護が必要な家族がいれば、急な休暇への対応を入社前に検討するため
「家族がいるから不利になる」という心配は基本的に不要です。ただし、履歴書に記載した内容と実態が大きくずれていると、入社後の手続きトラブルにつながります。事実を正確に記入してください。
まとめ
- 「扶養家族数(配偶者を除く)」には配偶者を含めない。0人でも必ず「0」と記入する
- 税法上の扶養の年収基準は2026年分で136万円以下(2025年分は123万円、2024年以前は103万円)
- 配偶者欄は戸籍上の婚姻関係に基づいて「有」「無」を選ぶ。事実婚は「無」
- 配偶者の扶養義務は、配偶者の年収が130万円未満かつ社会保険非加入であれば「有」
- 記入漏れ・空欄は書き忘れと見なされる。全欄を必ず埋めること
書き方に不安が残る場合は、正しいフォーマットの履歴書を使いながら記入例を確認するのが確実です。
家族状況の書き方に関するよくある質問
- 扶養家族数の年収基準が103万円から変わったと聞きました。今はいくらですか?
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2025年・2026年の税制改正で段階的に引き上げられています。2025年分(令和7年分)は123万円以下、2026年分(令和8年分)以降は136万円以下が税法上の扶養の年収基準です。旧基準の103万円のまま記入すると、年収が103万円〜136万円の家族を数え漏らすおそれがあります。
- 配偶者と子どもがいる場合、扶養家族数は何人と書きますか?
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配偶者は扶養家族数に含めません。「扶養家族数(配偶者を除く)」の欄には、子どもの人数のみを記入します。たとえば配偶者と子ども2人がいて、子ども2人を自分が扶養している場合は「2人」と記入します。
- 共働きですが、配偶者の扶養義務は「有」「無」どちらですか?
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配偶者が正社員として働き、年収130万円以上ある場合は「無」となります。配偶者が自分の勤務先の社会保険に加入しているケースも「無」です。一方、配偶者の年収が130万円未満でパート・アルバイトなどで社会保険に加入していない場合は「有」と記入します。
- 家族状況欄が空欄の履歴書を提出してしまいました。どうすればよいですか?
-
提出前に気づいた場合は書き直してください。すでに提出済みの場合は、選考が進んだ段階で担当者に確認・訂正を申し出ることが誠実な対応です。記入漏れそのものより、黙ったままにしておく方が印象を悪くします。

