この記事では、履歴書で使ってはいけないNGワードを欄別に分類し、採用担当者がどこを見てマイナス評価するかを解説します。話し言葉・省略表記などの形式ミスから、志望動機・自己PRで使いがちな印象を下げる表現まで、言い換え例とセットでまとめています。
採用担当者は何を基準に「NG」と判断するのか
採用担当者が1枚の履歴書に目を通す時間は、平均30秒〜1分程度です。その短い時間の中で、言葉の使い方は「この応募者はビジネスマナーを理解しているか」を判断する最初のフィルターになります。
NGワードが評価を下げる理由は、大きく3つに分かれます。
採用担当者はここを見ている
- マナー意識:略称・話し言葉・ら抜き言葉などの誤りは「基本的なビジネス文書を書けない人」と判断される
- 主体性:「〜していただきたい」「〜と思います」のような受け身・自信のない表現は、入社後の仕事ぶりへの不安につながる
- 会社への貢献意識:「給料が良いから」「安定しているから」は本音であっても、「自社にどう貢献してくれるか」を読み取れず減点対象になる
この3つの軸を理解しておくと、「なぜこの表現がNGなのか」が腑に落ちます。ルールの暗記ではなく採用担当者の視点から逆算することが、NGワードを本当に避ける力につながります。
形式・書き方で使ってはいけないNGワード
まずは内容より先に目につく、形式上のNGワードです。採用担当者はこれらを「ビジネス文書の基礎が身についているか」の指標として見ています。転職・就活に関わらず、すべての応募者が確認すべき基本です。
略称・省略表記は正式名称に変える
履歴書は公式のビジネス文書です。日常会話で使う省略表現はそのまま書けません。学歴・職歴欄・資格欄で特に注意が必要です。
| NGの省略表記 | 正しい正式表記 |
|---|---|
| (株) | 株式会社 |
| (有) | 有限会社 |
| 高校 | 高等学校 |
| 普通免許 | 普通自動車第一種運転免許 |
| 英検2級 | 実用英語技能検定2級 |
| 簿記2級 | 日本商工会議所主催 簿記検定試験2級 |
学校名も「○大」「○○高」のような通称は使いません。正式名称で記載することが原則です。大学院の場合は「○○大学大学院 ○○研究科 修士課程 修了」のように、学位の種類まで記載します。
話し言葉・ら抜き言葉はNGワードの定番
志望動機欄や自己PR欄は文章を書く欄のため、普段の話し言葉が混入しやすいです。採用担当者は「文章力・言語能力」の目安として見ています。
| NGの話し言葉 | 書き言葉での正解 |
|---|---|
| なので | そのため |
| ですが | しかし / ただし |
| もっと | さらに / より一層 |
| 〜とか | 〜など |
| 〜っていう | 〜という |
| いろんな | さまざまな / 多様な |
ら抜き言葉も採用担当者が気にするポイントです。日常的に使っているため自分では気づきにくく、「国語力・文章力に問題がある」と判断されるリスクがあります。
| NGのら抜き言葉 | 正しい表記 |
|---|---|
| 見れる | 見られる |
| 食べれる | 食べられる |
| 出れる | 出られる |
| 起きれる | 起きられる |
| 来れる | 来られる |
「御社」は書き言葉ではNGワード
「御社」と「貴社」の使い分けは毎年多くの応募者が誤ります。書面に「御社」と記載されていると、採用担当者は「基本的なビジネス用語の使い分けができていない」と判断します。
採用担当者はここを見ている
- 「貴社」(きしゃ):書き言葉。履歴書・職務経歴書・メールでは必ず「貴社」を使う
- 「御社」(おんしゃ):口語。面接・電話などの会話でのみ使う
- 内容がどれだけ良くても、「御社」という記載が残っている履歴書はマナー意識を疑われる
志望動機欄で落とされるNGワードと言い換え
志望動機欄のNGワードは「形式ミス」ではなく「内容の問題」です。ありきたりな言葉・受け身のフレーズ・ネガティブな退職理由は、採用担当者に「また同じような文章だ」という印象を与えます。
ありきたりすぎて印象に残らないフレーズ
以下の表現は多くの応募者が使うため、採用担当者の記憶に残りません。内容として間違っていなくても、「どの会社にも言える文章」は選考の根拠にならないため、書類選考で通過しにくくなります。
NG例(ありきたりなフレーズ)
- 「貴社の将来性に魅かれて志望しました」
- 「貴社の企業理念に共感して応募しました」
- 「社会に役立つ仕事がしたいと考えています」
- 「貴社の事業内容に魅力を感じました」
採用担当者が知りたいのは「なぜ他社ではなく自社に応募したのか」です。自社の強みと、応募者自身の経験・スキルの接点を具体的に書くことが求められます。
良い例文
前職では○○の業務を3年間担当し、△△という課題に直面してきました。貴社が取り組む□□の事業領域はその課題を解決できる場だと判断し、これまでの経験を直接活かせると確信して志望しました。
受け身・依存型フレーズ
「成長させていただきたい」「学ばせていただきたい」のような表現は、入社後に何をしてくれるかが伝わりません。採用担当者は「会社は自分を成長させてくれる場所」という前提で書かれた文章に、積極的な選考理由を見つけられません。
| NGの受け身フレーズ | 主体的な言い換え例 |
|---|---|
| 成長させていただきたい | ○○の経験を活かして△△の分野で成果を出したい |
| 学ばせていただきたい | ○○の知識をさらに深め、即戦力として貢献する |
| ご指導いただきたい | 貴社の環境でスキルを発揮し、チームに貢献したい |
| チャンスをいただきたい | ○○の実績を活かして貴社の課題解決に取り組みたい |
退職理由のネガティブワードは言い換えが必須
転職者が志望動機欄に前職の不満をそのまま書くと、採用担当者に「うちの会社でも同じことを言うのでは」という不安を与えます。本音であっても、記載する場合は必ず書き方を変えます。
NG例(退職理由のネガティブワード)
- 「給料が低かったので転職を決意しました」
- 「人間関係が悪く、職場環境に問題がありました」
- 「残業が多くワークライフバランスが取れなかったため」
- 「会社の将来性に不安を感じました」
退職理由はポジティブな目的志向に転換します。「より専門性を高めるため」「新しい領域に挑戦するため」のように、「次にやりたいこと」を軸に書き換えるのが基本です。
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自己PR欄は最も個人差が出る欄であると同時に、最もNGワードが集中しやすい欄でもあります。抽象的な自己評価と自信のなさを示す表現は、採用担当者に何も伝わりません。
根拠のない自己評価は「NG中のNG」
以下の表現は、履歴書の自己PR欄で最も多いNGワードです。どれも社会人なら「持っていて当然」のスキルや姿勢であり、根拠となるエピソードなしに書いても採用担当者には何も伝わりません。
- 「コミュニケーション能力があります」
- 「責任感があります」
- 「やる気があります / やる気には自信があります」
- 「努力家です」
- 「チームワークを大切にしています」
採用担当者はここを見ている
- 「コミュ力がある」→ 具体的にどんな場面で、何人を相手に、どんな成果を出したか
- 「責任感がある」→ どんな業務で、どんな責任を担い、どう対応したか
- 「努力家」→ 何に向けて、どのくらいの期間、どんな行動をしたか(数字があるとなお良い)
採用担当者の本音は「それを証明するエピソードを見せて」です。自己評価の言葉単体では選考に使う材料にならないため、書類選考で足切りされます。
良い例文(コミュニケーション能力の場合)
前職では20名規模の営業チームで顧客との交渉役を担当しました。月次の商談件数は平均15件で、そのうち契約につながったのは68%です。顧客の課題を引き出すヒアリングと解決策の提案を組み合わせることで、チーム内の個人目標達成率で3年連続1位を維持しました。
「〜と思います」は自信のなさのサイン
自己PR欄で「貢献できると思います」「力になれると思います」のように書くと、採用担当者は「自信がない人」と受け取ります。自己PRは強みを売り込む場所です。断定的な文末表現に変えることで、同じ内容でも受け取られ方が大きく変わります。
| NGの弱気表現 | 断定的な言い換え |
|---|---|
| 貢献できると思います | 貢献します / 貢献できます |
| 向いていると思います | 向いています / 適性があります |
| 頑張りたいと思います | 全力で取り組みます |
| 活かせると思います | 活かせます / 活かす自信があります |
趣味・特技欄と本人希望欄のNGワード
趣味・特技欄や本人希望欄は「書かなくても良い欄」と思われがちですが、採用担当者は必ず確認します。特にNGワードが集中しやすい欄のひとつです。
「特になし」は積極的なマイナス評価になる
趣味・特技欄に「特になし」と書いた場合、採用担当者は「自己表現力が低い」「自己分析ができていない」と受け取ります。趣味が特にない場合でも、「読書(ビジネス書)」「ウォーキング(週3回)」「料理」のように、具体的に書ける内容は誰にでもあります。
NG例
「趣味:特になし」「特技:特に無し」
良い例文
「趣味:読書(月4〜5冊、主にビジネス・マーケティング分野)。前職では読書で得た知識をチームの勉強会で共有し、業務改善のアイデアにつなげていました。」
本人希望欄で注意すべき表現
本人希望欄は「入社意欲」と「条件のバランス」を見られます。以下の表現は「条件にうるさい人」「自分の都合しか考えていない」という印象を与え、選考前に評価が下がるリスクがあります。
- 「給与は月○○万円以上を希望します」(条件交渉は内定後・面接で)
- 「土日祝日は必ず休みを希望します」(業種によっては選考から外れる)
- 「残業は一切できません」(理由を添えないと否定的に映る)
本人希望欄の基本は「貴社の規定に従います」です。転勤不可など選考の可否に関わる条件がある場合は、理由を添えた上で1つに絞って記載します。
欄別NGワード早見表
履歴書の各欄で注意すべきNGワードと言い換え例を一覧にまとめました。提出前の最終確認に活用してください。
| 欄 | NGワード・表現 | 言い換え・対処法 |
|---|---|---|
| 学歴・職歴欄 | (株)・高校・普通免許 | 株式会社・高等学校・普通自動車第一種運転免許 |
| 全体(文体) | なので・ですが・〜とか | そのため・しかし・〜など |
| 全体(敬語) | 御社・見れる・食べれる | 貴社・見られる・食べられる |
| 志望動機欄 | 貴社の将来性に魅かれて・成長させていただきたい | 自社の強みと自分の経験の接点を具体的に記述 |
| 自己PR欄 | コミュ力がある・責任感がある・〜と思います | 具体的なエピソード+数字+断定表現 |
| 趣味・特技欄 | 特になし・特に無し | 小さなものでも具体的に1〜2つ記述する |
| 本人希望欄 | 給与〇〇万円以上・残業不可・絶対に〇〇希望 | 貴社の規定に従います(条件は面接・内定後に) |
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 採用担当者は「マナー意識」「主体性」「会社への貢献意識」の3軸でNGワードを判断する
- 形式面のNG(略称・話し言葉・「御社」)は内容を読む前の段階でマイナス評価につながる
- 志望動機のNGはありきたり・受け身・ネガティブの3パターン。前向きな貢献視点に言い換える
- 自己PRの「根拠なし自己評価」と「〜と思います」は、具体的なエピソード+断定表現で解決できる
- 趣味・特技欄の「特になし」と本人希望欄の条件ばかりの記載も、採用担当者の評価を下げる
履歴書のNGワードを1つ修正するだけでは書類選考通過率は大きく変わりません。ただし、複数のNGが重なった状態では採用担当者の評価は一気に下がります。提出前に上記の早見表と照らし合わせて確認してください。
履歴書のNGワードに関するよくある質問
- 「御社」と「貴社」はどちらを使えばいいですか?
-
履歴書や職務経歴書などの書き言葉では「貴社」を使います。「御社」は面接や電話などの口語でのみ使う表現です。書面に「御社」と書くと、基本的なビジネス用語の使い分けができていないと判断されます。
- 自己PR欄に「責任感があります」と書いてはいけませんか?
-
「責任感があります」という表現自体が禁止されているわけではありませんが、根拠となるエピソードがなければ採用担当者に何も伝わりません。「前職で○○の業務を一人で担当し、△△という成果を出した」のような具体的な内容とセットで書くことが必須です。
- 本人希望欄は「貴社の規定に従います」だけで大丈夫ですか?
-
基本的には「貴社の規定に従います」が最も無難な記載です。ただし、転勤不可など選考の可否に関わる条件がある場合は、理由を添えた上で記載します。給与・休日などの条件は、面接や内定後に確認するのが適切です。
- ら抜き言葉はそこまで気にされますか?
-
採用担当者によって異なりますが、コーポレート系・士業・教育・官公庁など文書を重視する職種では確実にマイナス評価になります。口頭ではよく使う表現なので自分では気づきにくいです。提出前に意識して音読確認するクセをつけてください。


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