この記事では、理学療法士の職務経歴書の書き方を採用担当者の視点から解説します。急性期・回復期・訪問リハ別の施設情報の書き方から自己PR例文、書類選考で落とされやすいNG例と改善策まで、書類通過率を上げるポイントをまとめています。
職務経歴書は「採用担当者が確認する順番」を知ると書き方が変わる
履歴書と職務経歴書は、採用担当者が「何を確認するために読むか」が異なります。履歴書は氏名・学歴・資格などの基本情報を確認するための書類ですが、職務経歴書は「この人物がどれだけの実力を持ち、自院で即戦力になれるか」を判断するための書類です。
多くの採用担当者は、書類が届いた時点でまず数十秒のスクリーニングを行います。この時点で「読む価値がある」と判断されなければ、どれだけ丁寧に書いても精読されません。採用担当者が最初に確認する3か所を意識した書き方が、書類通過率の分かれ道になります。
採用担当者が職務経歴書でスクリーニングする3つのチェックポイント
採用担当者はここを見ている
- ①施設の種類・規模:急性期か回復期か生活期か、病床数・スタッフ数が記載されているかを確認する。施設形態が不明な書類はスクリーニング段階で比較対象から外れやすい
- ②担当疾患・数値:どんな疾患の患者を何名担当し、1日何単位こなしていたか。数字がない書類は印象に残らない
- ③自己PRの具体性:「コミュニケーション能力があります」のような抽象表現ではなく、経験に基づく具体的な強みが書かれているか
この3か所がスクリーニング段階で伝わる書類は、精読のフェーズに進みます。逆に言えば、この3点が不明確な書類は詳細を読まれないまま候補から外れる可能性があります。
理学療法士の職務経歴書の基本フォーマット
用紙サイズと枚数の基準
職務経歴書はA4サイズの用紙を使用し、枚数はA4で1〜2枚が標準です。経験年数が少ない場合は1枚でも問題ありませんが、「書くことがない」という理由でスペースを余らせるのは避けてください。空白が多い書類は、採用担当者に「自己分析が不十分」という印象を与えます。
反対に3枚以上になる場合は、情報を絞り込む必要があります。施設が変わるたびに同じ内容を繰り返しているケースが多いため、直近の職歴と応募先で最も活かせる経験に集中して記載しましょう。
編年体形式とキャリア形式の選び方
職務経歴書の書き方には、「編年体形式」と「キャリア形式(職能別形式)」の2種類があります。
| 形式 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 編年体形式 | 時系列順に職歴を記載する | 転職回数が少ない・一貫したキャリアを歩んできた場合 |
| キャリア形式 | 担当業務や専門領域ごとに整理して記載する | 転職回数が多い・複数の専門領域にまたがるスキルを強調したい場合 |
理学療法士の転職では、編年体形式が一般的です。採用担当者がどの施設でどのような経験を積んできたかを時系列で追いやすく、施設の種類・在籍期間・業務の変化が伝わりやすいためです。ただし、複数の専門領域にまたがるスキルを前面に出したい場合や転職回数が多い場合は、キャリア形式のほうが効果的な場合があります。
各項目の書き方と例文
職務経歴書は①職務要約、②職務経歴、③資格、④自己PRの4項目で構成されます。それぞれの書き方と、採用担当者に響く表現を解説します。
①職務要約:3〜4行でキャリアを伝える
職務要約は職務経歴書の冒頭に置く100〜150文字程度のサマリーです。省略可能な項目ですが、記載することで採用担当者の最初の印象が大きく変わります。「この人は何ができる人なのか」を一目で伝えることが目的です。
職務要約に盛り込む要素は以下の3つです。
- 勤務した施設の種類(急性期・回復期・訪問リハなど)と経験年数
- 主に担当した疾患領域(脳血管疾患・整形外科疾患・内科系など)
- 最も強調したいスキルと、応募先でどう活かしたいか
良い例文
急性期総合病院および回復期リハビリテーション病院にて計7年間、理学療法士として勤務。主に脳血管疾患・整形外科疾患の患者を担当し、早期離床支援および在宅復帰支援に従事しました。多職種連携チームでのリーダー経験を活かし、在宅リハビリ分野でのさらなる専門性向上を希望しています。
NG例
病院でリハビリ業務を担当していました。患者さんのために一生懸命取り組んできました。施設の種類・担当疾患・経験年数がいずれも不明で、採用担当者が次の文章を読む動機が生まれない。
②職務経歴:施設情報と業務内容を数値で書く
職務経歴は採用担当者が最も詳しく確認する項目です。勤務先ごとに「施設情報」と「業務内容」の2段階で記載します。
施設情報に記載する内容
- 施設の正式名称と施設形態(急性期・回復期・外来・訪問など)
- 病床数(入院施設の場合)またはスタッフ数・登録利用者数(通所・訪問の場合)
- リハビリスタッフの人数(PT・OT・STの内訳があるとなお良い)
- 在籍期間と雇用形態
業務内容に記載する内容
- 担当した疾患(脳血管疾患・整形外科疾患・呼吸器疾患・心大血管疾患など)
- 1日の平均担当単位数または担当患者数
- 使用した治療アプローチや機器(徒手療法・物理療法・義肢装具評価など)
- チームでの役割(リーダー・新人教育担当・カンファレンス進行など)
数値の記載は「説得力の証明」です。「脳血管疾患の患者を担当」だけでは、「何名くらい?どの程度の重症度?」という疑問が採用担当者の頭に残ります。1日平均15〜18単位、脳血管疾患・整形外科疾患を中心に月30〜40症例を担当のように数値で示すことで、実務の規模感が伝わります。

③資格欄:正式名称と書き方
理学療法士の免許は「理学療法士免許」が正式名称です。資格欄には「理学療法士免許 取得」と記載し、取得年月を明記します。「PT」や「PT免許」は正式名称ではないため使用しないでください。
認定資格・専門資格がある場合は、その後に続けて記載します。記載順は取得年月の古い順(時系列順)が基本ですが、応募先での関連性が高い資格を上位に持ってくる形式でも問題ありません。
| 資格名 | 記載例 |
|---|---|
| 理学療法士免許 | 理学療法士免許 取得(登録番号:第〇〇〇〇〇号) |
| 認定理学療法士 | 認定理学療法士(運動器)取得 |
| 専門理学療法士 | 専門理学療法士(神経)取得 |
| 3学会合同呼吸療法認定士 | 3学会合同呼吸療法認定士 取得 |
| 心臓リハビリテーション指導士 | 心臓リハビリテーション指導士 取得 |
④自己PR:スキル・経験・活かし方の3軸で書く
自己PRは書類の中で最も差がつくセクションです。「コミュニケーション能力があります」「患者さんへの思いやりを大切にしています」という表現は、ほぼすべての応募者が書いています。採用担当者はこうした抽象的な表現から、あなたの実力を読み取ることができません。
「活かし方」を書く応募者は非常に少なく、記載するだけで他の候補者と大きく差別化できます。自己PRは「スキル・経験・活かし方」の3軸で構成し、3〜4つの箇条書きで整理します。
- スキル:どんな専門的なスキルを持っているか(例:運動器リハ・心大血管リハ・徒手療法・新人指導)
- 経験:そのスキルをどんな場面・規模で発揮してきたか(例:急性期300床病院で5年間、脳血管疾患を中心に担当)
- 活かし方:応募先でそのスキルをどう活用できるか(例:在宅での早期リハ提供と多職種連携に活かしたい)
自己PR例文(急性期→訪問リハへの転職)
急性期病院での5年間、脳血管疾患・整形外科疾患の急性期リハを担当し、術後早期離床からリスク管理まで一貫して経験しました。担当単位数は1日平均17〜18単位を維持しながら、医師・看護師・MSWと連携した退院支援にも積極的に参加。急性期で培ったリスク管理の視点と多職種連携のスキルを、在宅での訪問リハビリ提供に活かしたいと考えています。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →施設タイプ別の職務経歴書の書き方と例文
理学療法士の職場は施設タイプによって業務内容が大きく異なります。応募先の採用担当者は、自院と同じタイプの施設での経験を最重視します。ただし、施設タイプが異なる転職でも「移植できるスキル」を明示することで評価されます。施設タイプ別に書き方のポイントと例文を解説します。
急性期病院・回復期リハ病棟の場合
急性期病院では、術後早期離床・リスク管理能力・多職種連携のスキルが重視されます。回復期リハ病棟では、在宅復帰支援・ADL指導・家族指導・退院調整の実績が評価されます。いずれも患者数・在宅復帰率・担当単位数を数値で示すことが差別化のカギです。
急性期病院の職務経歴例文
○○総合病院(急性期、480床、PT8名・OT6名)/20XX年4月〜20XX年3月(5年間)
主に脳血管疾患・整形外科疾患の急性期リハビリテーションを担当。術後翌日からの早期離床介入を行い、1日平均17〜18単位を取得。医師・看護師・MSWと連携した退院支援にも参加し、担当患者の在宅復帰調整を多数経験しました。
回復期リハ病棟の職務経歴例文
○○リハビリテーション病院(回復期リハ病棟、150床、PT12名・OT8名)/20XX年4月〜現在(4年間)
脳血管疾患・脊椎疾患の患者を中心に担当。ADL訓練・家屋調査・ご家族への介助指導まで一貫して担当し、担当患者の在宅復帰率85%を維持。病棟カンファレンスのリーダーを3年間経験しました。
外来クリニック・通所リハ(デイケア)の場合
外来クリニックでは、整形外科疾患・スポーツ外傷の患者を短時間で多数対応するスピードと、患者との継続的なコミュニケーションが求められます。通所リハ(デイケア)では、生活機能の維持・向上・認知症対応の経験が重視されます。
外来クリニックの職務経歴例文
○○整形外科クリニック(外来専門、PT3名)/20XX年4月〜20XX年3月(3年間)
整形外科疾患(変形性膝関節症・腰椎椎間板ヘルニア・スポーツ外傷)を中心に担当。1日平均患者数15〜20名。徒手療法・物理療法を組み合わせた個別リハを実施し、長期通院患者の症状改善に継続的に取り組みました。
訪問リハ・居宅介護支援の場合
訪問リハでは、単独での判断力・家屋環境に合わせた柔軟な対応力・多職種(ケアマネ・ヘルパー・医師)との連携スキルが求められます。採用担当者は「病院の設備なしに患者宅で安全に介入できるか」を見ています。
訪問リハの職務経歴例文
○○訪問看護ステーション(PT・OT・ST5名体制)/20XX年4月〜現在(2年間)
脳血管疾患・骨折後の後遺症を持つ利用者の在宅リハを担当。1日平均7〜8件訪問し、家屋状況に合わせたADL指導と福祉用具の提案を実施。ケアマネジャーとの定期カンファレンスにも参加し、サービス調整に貢献しました。

書類選考で止まるNG例と採用担当者が通す書き方の違い
理学療法士の書類選考で落とされるケースの多くは、内容が悪いのではなく「伝え方が曖昧」なことが原因です。採用担当者の視点から見た代表的なNG例と改善後の書き方を解説します。
NG①「リハビリ業務全般を担当」で終わっている
NG例
○○病院にて3年間、リハビリ業務全般を担当しました。患者さんのリハビリテーションを行い、日常生活動作の改善に取り組みました。「全般」「取り組みました」だけでは、担当疾患・規模・役割がまったく伝わらない。採用担当者は次の文章を読む動機が生まれない。
良い例文
○○病院(急性期・回復期混合病棟、200床、PT6名)にて3年間勤務。脳血管疾患・整形外科疾患の急性期〜回復期患者を担当し、1日平均15単位を取得。退院後の生活を見据えたADL評価・家族指導まで一貫して担当しました。
NG②施設規模が不明で採用担当者が比較できない
「病院で勤務した」という記載だけでは、採用担当者は規模感・スタッフ体制・業務密度を把握できません。同じ「病院」でも、数十床のクリニックと500床の大学病院では求められるスキルと業務量が大きく異なります。施設の大きさが伝わらない書類は、スクリーニング段階で判断を保留されやすくなります。
採用担当者はここを見ている
- 施設形態(急性期・回復期・外来・訪問・通所)が明記されているか
- 病床数・スタッフ数・患者規模など、施設の「大きさ」が伝わるか
- 自分の担当範囲(担当疾患・担当単位数)が数値で示されているか
経験年数別の書き方のポイント
職務経歴書は経験年数によって強調すべきポイントが変わります。新人・若手と中堅・ベテランでは、採用担当者が期待することが異なるためです。
経験1〜3年(新人・若手)の場合
経験が浅い段階では実績の数値が少ないため、「どんな環境で、何を吸収してきたか」を丁寧に記載することが重要です。採用担当者は若手候補者に対して「今後の成長可能性」と「基礎的なスキルの習得状況」を見ています。
- 担当疾患・症例数:少なくても正直に記載する。「整形外科疾患を中心に月15〜20症例担当」のように書けば実態が伝わる
- 研修・勉強会の参加実績:院内外のセミナーや勉強会への参加歴を記載し、学習意欲を示す
- 担当した業務の幅:書類記載・患者評価・家族指導など担当した業務の範囲を具体的に記載する
経験5年以上(中堅・ベテラン)の場合
中堅・ベテランに対して採用担当者が見るのは「即戦力性」と「組織への貢献度」です。単に経験年数が長いことより、その経験が応募先でどう活かせるかが明確かどうかが評価の分かれ目になります。
- 専門性の明示:認定・専門資格の取得状況、得意疾患領域の具体的な記載
- 管理・教育の実績:新人指導・チームリーダー・症例検討会の担当経験があれば記載する
- 転職の軸を明示:「なぜ今の施設から離れるのか」ではなく「なぜ次の施設でその経験を活かしたいのか」を自己PRに盛り込む

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 採用担当者は職務経歴書を受け取った時点でスクリーニングを行う。施設規模・担当疾患の数値・自己PRの具体性が最初の判断基準になる
- 職務経歴は「施設情報(形態・病床数・スタッフ数)」と「業務内容(担当疾患・担当単位数・役割)」を数値で書くことで、採用担当者が規模感を把握できる
- 自己PRは「スキル・経験・活かし方」の3軸で構成する。「活かし方」を書く応募者は少なく、ここで差別化できる
- 施設タイプ(急性期・回復期・外来・訪問リハ)ごとに強調すべきポイントが異なる。応募先の施設形態に合わせて記述を調整する
- 経験年数が少ない場合は学習意欲と担当業務の幅を、経験5年以上の場合は専門性と組織貢献を前面に出す
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理学療法士の職務経歴書に関するよくある質問
- 職務経歴書はA4何枚まで書いていいですか?
-
A4で1〜2枚が標準です。経験年数が1〜3年であれば1枚でも問題ありません。3枚以上になる場合は情報を絞り込み、直近の経験と応募先に関連する内容に集中して記載してください。空白が多いより内容を凝縮するほうが採用担当者に好印象を与えます。
- 施設タイプが異なる転職では職務経歴書の書き方は変わりますか?
-
書き方の基本構成は変わりませんが、自己PRの「活かし方」を応募先の施設タイプに合わせて調整することが重要です。急性期から訪問リハへの転職であれば、「急性期で培ったリスク管理能力と早期離床の経験を、在宅でのリハ提供に活かしたい」という形で移植可能なスキルを明示します。
- 理学療法士免許の資格欄への正しい書き方を教えてください。
-
「理学療法士免許 取得」が正式な記載方法です。取得年月と登録番号も併記すると信頼性が高まります。「PT」「PT免許」などの略称は書かないでください。認定理学療法士・専門理学療法士がある場合は、その後に続けて記載します。
- 転職回数が多い場合、職務経歴書はどう書けばいいですか?
-
転職回数が多い場合は「キャリア形式(職能別形式)」の検討をおすすめします。施設ごとに繰り返す記述を避け、専門領域やスキルを軸に整理することで「豊富な経験を持つ人物」として伝わります。各施設の在籍期間は職務要約に簡潔に記載し、詳細は経験の深い2〜3か所に絞って記述してください。


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