この記事では、経理の職務経歴書で経験の浅さをカバーする書き方を、採用担当者が実際に落とすNG例と対比しながら解説します。業務範囲の正確な明示から数字の使い方、自己PRの構成まで、経験1〜2年でも書類選考を通過できる具体的な方法を例文付きで紹介します。
経理経験が浅いと書類で落とされるのか
「経験が浅いから書類で落とされる」と思い込んでいる方が多いですが、採用担当者が書類選考で見ているのは経験年数ではなく、職務経歴書に書かれた「業務の密度」と「表現の正確さ」です。経験1〜2年でも通過する人と、3〜4年でも落とされる人がいる理由はここにあります。
採用担当者が「経験が浅い=NG」と判断するのはどういう書き方か
採用担当者が書類を見た瞬間に「この人は経理の実務が分かっていない」と判断するのは、業務内容が曖昧で範囲が不明な書き方です。次のような表現が典型例です。
採用担当者が「浅い」と判断する書き方の特徴
- 「経理業務全般を担当」——範囲が分からず、何ができるか判断できない
- 「決算業務補助」——どの決算?どのフェーズ?規模は?が不明
- 「各種伝票処理を実施」——件数・種別・使用システムが何も書かれていない
- 「経費精算等の対応」——「等」で逃げた書き方はかえって「何もない」印象を与える
これらの書き方に共通しているのは、「自分がどこまで担当したか」が採用担当者に伝わらないことです。経験年数が短くても、業務範囲が正確に書かれていれば「この範囲なら任せられる」と採用担当者は判断できます。
経験1年でも書類通過できる人の職務経歴書の特徴
書類選考を通過できる経験が浅い応募者の職務経歴書には、共通して「業務の解像度が高い」という特徴があります。処理件数・チーム規模・使用システム・担当範囲がすべて明示されており、採用担当者が「入社後に何を任せられるか」をイメージできる内容になっています。
経験年数は1年でも、書かれた内容に具体性があれば採用担当者は「会ってみたい」と判断します。逆に経験3年でも曖昧な書き方をしていれば、「何ができるのか分からない」として通過しません。職務経歴書で勝負しているのは「経験の長さ」ではなく「伝え方の正確さ」です。
採用担当者が経理の職務経歴書で必ずチェックする5項目
経理の書類選考で採用担当者が実際に確認しているポイントを整理します。これらすべてを職務経歴書に盛り込むことで、経験が浅くても「採用担当者が会いたくなる書類」になります。
採用担当者が経理の書類で確認する5つのポイント
- ①業務範囲の明示(どこからどこまで担当したか)
- ②具体的な数字(処理件数・管理金額・チーム規模)
- ③使用したシステム・ツール名
- ④決算業務への関与度
- ⑤資格と今後の学習姿勢
①業務範囲の明示(どこからどこまで担当したか)
採用担当者が最初に確認するのは「この応募者は実際に何をやっていたのか」という業務範囲です。経理業務は伝票入力から連結決算まで幅が広く、「経理を担当していた」だけでは情報がほとんどありません。
「月次の仕訳入力・請求書発行・入金消込まで一人で担当」「月次決算は5名体制で、私は売上・原価の集計を担当」のように、自分がどのフェーズを・どんな役割で・どの範囲まで担当したかを明示することが最初の課題です。
②処理件数・管理金額・チーム規模の数字
経理の職務経歴書で数字がまったくないと、業務の規模感が伝わりません。特別な実績でなくても、日常業務の処理件数を書くだけで採用担当者の印象が変わります。次の表で具体的な違いを確認してください。
| 業務 | NG例 | 改善例 |
|---|---|---|
| 伝票入力 | 伝票入力を担当 | 仕訳入力・伝票承認処理 月平均250件 |
| 請求書処理 | 請求書発行を担当 | 売上請求書の発行・入金消込 月30〜50件 |
| 月次決算 | 月次決算補助 | 月次決算補助(5名体制・担当:固定費集計) |
| 経費精算 | 経費精算対応 | 従業員経費精算 月平均120件・Concur使用 |
③使用したシステム・ツール名
経理の採用担当者は、「うちのシステムと近いか」を書類段階で確認します。弥生会計・freee・MFクラウド・SAP・Concurなど、実際に使ったシステム名を明記するだけで採用担当者の目が止まります。
「PC操作が得意」という抽象的な記述より、「弥生会計21を使用。入力から試算表出力まで一人で対応」のほうが何倍も伝わります。Excelも「VLOOKUP・ピボットテーブルを日次業務に活用」のように具体的に書いてください。
④決算業務への関与度
経理の仕事は日常業務より決算業務の経験が評価されます。月次・四半期・年次それぞれについて「関与したか・どんな役割だったか」を正確に書くことが重要です。「補助しかやっていない」という場合でも、補助の内容と役割を具体的に書けば加点対象になります。
決算業務の関与度を正確に書く表現例
- 「月次決算補助(売上集計・固定費仕訳入力担当)を12回経験」
- 「年次決算は補助のみ(領収書整理・科目別集計表の作成担当)2回経験」
- 「決算業務は未経験。月次の数字まとめまで担当、決算は見学・補助の段階」
3つ目の例のように未経験を正直に書くことも、採用担当者には好印象です。「できないことを隠していた」と後で判明するほうが信頼を損ないます。
⑤資格と今後の学習姿勢
経理の転職で評価される主な資格は日商簿記です。2級以上は多くの求人で評価対象になります。取得済みの場合は必ず記載し、取得中・受験予定の場合は「日商簿記2級 取得に向けて学習中(〇年〇月受験予定)」と記載することで、学習姿勢をアピールできます。
経験の浅さが露呈する職務経歴書のNG表現3パターン
採用担当者が書類を見た瞬間に「この書き方は経験が浅い」と判断するNG表現を、実際の改善例とセットで紹介します。
NG例1:「経理業務全般を担当」
NG例
【業務内容】
・経理業務全般を担当(「全般」では何ができるのか採用担当者に伝わらない)
「経理業務全般」は何も言っていないのと同じです。採用担当者は「全般といっても伝票処理だけかもしれない。決算は本当にやったのか?」と疑います。経理業務は幅が広いため、具体的に何をやったかを列挙する必要があります。
改善例
【業務内容】
・仕訳入力・伝票承認処理(月平均250件)
・売上請求書発行・入金消込(月30〜50件)
・支払処理(月次振込・小口現金管理)
・月次決算補助(固定費集計・試算表確認、5名体制)
NG例2:数字がまったくない業務説明
NG例
・経費精算の対応をしていました
・請求書の受け取りと支払い処理
・会計ソフトへのデータ入力(件数・金額・頻度がなく業務規模がまったく伝わらない)
業務の規模感がまったく伝わらない書き方です。経費精算が月5件なのか500件なのかでは、担当者の経験値が大きく異なります。特別な実績がなくても、件数・金額・頻度の数字を入れるだけで書類の説得力が変わります。
改善例
・従業員経費精算の受付・確認・処理(月平均120件・Concur使用)
・仕入請求書の受取・内容確認・支払処理(月40〜60件・3営業日以内処理)
・弥生会計での仕訳入力(月平均300件)
NG例3:システム名が未記載
経理の採用担当者にとって、会計ソフト・経費精算システムの名前は即戦力判断の材料です。「会計ソフトを使った業務経験あり」「PCを使った経理事務」のような表現では、どのシステムを使えるかが分からず、面接に進む動機が採用担当者に生まれません。
| NG例 | 改善例 |
|---|---|
| 会計ソフトを使って仕訳処理 | 弥生会計21を使用して仕訳入力(月300件) |
| 経費精算システムで処理 | Concurで経費精算処理(月120件) |
| 給与計算ソフトで給与処理 | 給与奉行V22で給与計算(50名分・月次) |
| エクセルで管理 | Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル)で月次集計表を作成 |
採用担当者が通過させたくなる経理の職務経歴書の書き方
職務要約:最初の3行で採用担当者を引きつける
職務経歴書の最初に来る「職務要約」は、採用担当者が最初に読む部分です。ここで「経験が浅い」という印象を与えると、その後の業務内容を丁寧に読んでもらえません。経験の浅さを正直に書きつつ、「今できること」と「次に何を学びたいか」を3行で示すことがポイントです。
良い例:職務要約(経験1年・月次補助メイン)
株式会社〇〇にて経理担当として1年2ヶ月(2024年4月〜現在)勤務。主な業務は仕訳入力(月250件)・請求書発行・入金消込・月次決算補助(固定費集計担当)です。弥生会計21を日次で使用し、試算表の出力・確認まで一人で対応できます。年次決算は未経験ですが、転職先での習得を目標に日商簿記2級を学習中(2026年11月受験予定)。
この要約の構成:①在籍期間と会社 → ②具体的な担当業務(数字あり) → ③使用システム → ④未経験部分の正直な開示 → ⑤学習意欲。この流れで書くと採用担当者に「会ってみたい」という印象を与えられます。
業務内容:「どこまでやったか」を数字で示す
業務内容欄は、採用担当者が「この人は実際に何ができるか」を確認する核心部分です。経理は業務フローが分業されていることが多く、「どこからどこまでが自分の担当か」を明確にすることが最重要です。業務内容の書き方は、箇条書きと補足説明のセットが最も読みやすい構成です。
業務内容欄の書き方テンプレート
- 【日常業務】仕訳入力・伝票確認(月250件)、売上請求書発行・入金消込(月40件)
- 【月次】月次決算補助(5名体制・担当:固定費科目の仕訳・集計)×12回経験
- 【ツール】弥生会計21・Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル)・Concur(経費精算)
- 【規模】売上規模 年間約2億円の中小企業・経理担当3名(うち私は一般業務担当)
この書き方のポイントは、業務の種類ごとにカテゴリを分けて、それぞれに数字を入れていることです。読んだだけで「日次業務から月次補助まで経験があり、弥生会計を使えて、中小企業の経理3名体制の中で動いていた」ことが採用担当者にすぐ伝わります。
自己PR:経験の浅さを学習意欲に変換する
経験が浅い状態での自己PRで最も避けるべきことは、「経験が浅いですが頑張ります」という書き方です。採用担当者には「伸びしろだけで今は使えない人材」という印象を与えます。代わりに有効なのは、「今できること」と「次に取り組みたいこと」を具体的にセットで書く構成です。
NG例
経理経験はまだ浅いですが、几帳面で数字の正確さには自信があります。早く一人前の経理担当者になれるよう頑張ります。「几帳面」はすべての応募者が書く表現。「頑張ります」は意志の表明であり、採用担当者が必要な「今何ができるか」の情報がない。
改善例
現職では月次決算補助(固定費集計・仕訳入力)を12回経験し、弥生会計での日次業務を一人で完結できる状態です。年次決算・税務申告の経験はまだありませんが、日商簿記2級を学習中(2026年11月受験予定)であり、税務周りの基礎知識は独学で補っています。入社後は決算業務全般を担当できる経理担当者として3年以内に自立することを目標にしています。
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月次決算補助・伝票処理メイン(経験1〜2年)の例文
経理担当として1年前後の経験がある場合の例文です。日次業務から月次補助まで、処理件数とシステム名をセットで書くことで、経験の浅さをカバーしています。
職務経歴書 例文(経理担当 在籍1年3ヶ月)
【会社概要】製造業・社員数80名・年間売上約3億円
【在籍期間】2025年3月〜2026年6月(1年3ヶ月)
【部署・役職】経営管理部 経理担当(3名体制のうち1名)
【業務内容】
・仕訳入力・伝票承認(月平均280件)
・売上請求書発行・入金消込(月50件)
・仕入請求書の受取・内容確認・支払処理(月40件)
・従業員経費精算の確認・処理(月120件・Concur使用)
・月次決算補助(5名体制・担当:売上原価集計・試算表確認)×15回経験
・小口現金管理(上限10万円)
【使用ツール】弥生会計21・Excel(VLOOKUP・IF関数・ピボットテーブル)・Concur・kintone
【資格】日商簿記3級(2024年6月取得)、日商簿記2級 学習中(2026年11月受験予定)
【自己PR】月次決算補助を15回経験し、固定費・原価集計の工程は一人で対応できます。年次決算は未経験ですが、転職先で習得することを第一目標に転職を決意しました。弥生会計の日次業務は入社3ヶ月で一人立ちしており、新しいシステムへの習熟は早いほうです。
経費精算・請求書処理メイン(経理関連業務から転職)の例文
「経理専任ではないが、経理に関連する業務をしていた」という場合も、実績を具体的に書けば書類選考で評価されます。経費精算・請求書処理・入金管理などは経理の基礎業務であり、採用担当者にとっては「日常業務は問題なくできる」という判断材料になります。
職務経歴書 例文(総務・経理兼務から経理専任への転職)
【会社概要】IT系・社員数40名・年間売上1億円
【在籍期間】2024年4月〜2026年6月(2年2ヶ月)
【部署・役職】総務部 総務・経理兼務担当
【経理関連の業務内容】
・従業員経費精算の受付・確認・処理(月平均150件・freee経費使用)
・売上請求書の作成・発行(月20〜30件・freee会計で管理)
・支払処理(月末振込対応・30〜40件)
・入金確認・消込(freee会計)
・月次決算のサポート(数値入力・ファイリング・税理士への資料作成を担当)
【使用ツール】freee会計・freee経費・Excel(ピボットテーブル・SUMIF関数)
【転職理由】経理業務の専門性を深めるため、経理専任のポジションを希望しています。月次決算の全工程を担当できる環境を求めています。
経理専任でなくても、使用ツール・処理件数・具体的な業務内容を書き出すことで「日常業務はできる」ことが採用担当者に伝わります。職務経歴書の基本的な書き方と合わせて確認することで、より完成度の高い書類が作れます。

職務経歴書を仕上げる前にやること
提出前の自己チェックリスト5項目
書き上げた職務経歴書を提出する前に、次の5項目を確認します。経験が浅い方が特に陥りやすいポイントに絞っています。
提出前チェックリスト
- □ 業務内容に「全般」「等」「各種」という曖昧な表現を使っていないか
- □ 処理件数・管理金額・チーム規模などの数字が少なくとも1つ以上入っているか
- □ 使用した会計システム・経費精算システムの名前が明記されているか
- □ 決算業務について「経験あり・補助のみ・未経験」を正直に区別して書いているか
- □ 自己PRが「頑張ります」で終わらず、「今できること」と「次に取り組むこと」がセットになっているか
無料で添削を受ける方法
自己チェックの後は、第三者の目で添削を受けることで通過率が上がります。転職エージェントは書類添削を無料で行っており、経理・財務に特化した担当者であれば「採用担当者がどこを見るか」という視点で具体的なアドバイスをもらえます。
経験が浅いほど、第三者に「この書き方でちゃんと伝わるか」を確認してもらう意味が大きくなります。自分では当たり前に見えている情報が、採用担当者には伝わっていないケースが多いためです。職務経歴書の添削サービスを活用すると、プロの視点でより効果的なフィードバックを得られます。

また、作成から提出まで一括してサポートしてほしい場合は、職務経歴書代行サービスという選択肢もあります。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 経理経験が浅くても、業務範囲・数字・システム名を正確に書けば書類選考を通過できる
- 採用担当者が落とすのは「経験が浅い人」ではなく「業務内容が曖昧な書類」
- 「経理業務全般を担当」「決算補助」などの曖昧表現は、すべて具体的な記述に置き換える
- 処理件数・使用システム・チーム規模の3点セットを書くだけで書類の説得力が大きく上がる
- 自己PRは「頑張ります」ではなく「今できること」と「次に取り組むこと」のセットで書く
経理の職務経歴書は「何年やったか」より「何をどこまでやったか」が問われます。書き方を変えることで書類通過率は変わります。
経理の職務経歴書(経験が浅い)に関するよくある質問
- 経理経験が半年しかありません。職務経歴書に書けることはありますか?
-
半年でも書けることは十分あります。日次の仕訳入力・請求書処理・入金消込のうち担当したものを処理件数と使用システムとセットで書いてください。たとえば「弥生会計で仕訳入力 月平均200件・3ヶ月で独立して対応できるようになった」という書き方で、採用担当者には「基本業務は問題なくできる」と伝わります。月次決算は未経験なら未経験と正直に書き、学習姿勢を自己PRで補足するのが効果的です。
- 決算業務の経験がまったくない場合、書類で落とされますか?
-
採用する企業の規模や体制によります。決算未経験でも「日次業務を一人でこなせる」「簿記2級取得済み」「学習意欲がある」という条件が揃っていれば書類通過するケースは多いです。中小企業では日次業務を確実にこなせる人材を優先することも多く、決算経験がなくても採用されるケースがあります。一方で上場企業や大手の経理職では決算経験が必須条件になることもあるため、求人票の必須・歓迎条件を確認してから応募することをおすすめします。
- 経理の職務経歴書はA4何枚にまとめるべきですか?
-
経験が浅い場合はA4 1枚が適切です。経験年数が少ない状態で2枚にしても読む価値のある情報量にならず、かえって採用担当者の時間を奪います。1枚の中に「職務要約・業務内容・使用ツール・資格・自己PR」を収め、それぞれの情報に具体性を持たせることを優先してください。枚数より「1枚の中に何を書いたか」のほうが重要です。


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