人材・派遣営業の職務経歴書は、人材紹介か人材派遣かでビジネスモデルが違うため、記載すべき実績の見せ方も変わります。担当領域と数字による実績を軸に、採用担当者が評価する3つのポイントと状況別の例文、NG例をまとめました。
人材・派遣営業の職務経歴書の書き方と記載例【結論】
結論:紹介か派遣かで「見せる実績」を変える
人材紹介営業は候補者と企業のマッチングを成立させる仕事のため、成約数・成約率・年収レンジで実績を示すのが基本です。一方の人材派遣営業は、法人への提案と派遣スタッフの稼働管理を両立させる仕事のため、稼働スタッフ数・定着率を軸に実績を示します。
同じ「人材業界の営業」でも、収益モデルが違えば採用担当者が確認したい数字も変わります。両方の経験がある場合は、業務の比率を明示したうえで両方の実績を記載してください。
基本の書き方(職務要約・職務内容)
職務要約では、担当していた領域(紹介・派遣・両方)と在籍年数、最も際立った実績を200〜300文字でまとめます。職務内容では、法人への提案活動と、候補者または派遣スタッフへの対応活動を分けて記載すると、採用担当者に業務の全体像が伝わりやすくなります。
良い例文(人材紹介営業)
「IT・Web業界特化の人材紹介会社にて4年間、キャリアアドバイザー営業として従事。企業への求人ヒアリングと候補者面談を両面で担当し、年間成約数42名(入社後3か月定着率92%)を達成。直近2年は個人成約目標を平均118%で達成しました。」
NG例
「人材業界の営業として、企業様と求職者様の橋渡しを行い、コミュニケーションを大切にしながら業務にあたってきました。」
→ 紹介・派遣どちらの業務か判別できず、成約数・定着率などの数字もなく、採用担当者には何も伝わりません。
人材派遣営業として稼働管理の実績を書く場合は、項目の抜け漏れを防ぐために派遣の職務経歴書テンプレートを参考にすると項目を洗い出しやすくなります。
採用担当者が最初に確認する3つのポイント
採用担当者が職務経歴書1通にかける時間は、平均30秒〜1分程度と言われています。最初の数行で「この人は何ができるか」を判断するため、以下の3点が先頭から読み取れることが重要です。
どちらのビジネスモデルを主に担当していたかが伝わるか
人材業界の営業には「人材紹介(転職エージェント型)」「人材派遣(稼働管理型)」「両方を兼務」の3パターンがあります。冒頭で「どちらの営業か」がわからないと、採用担当者は残りの文章を評価軸に落とし込めません。
実績が数字で示されているか
「多くの求職者様をサポートしました」という表現では、どれほどの規模で貢献したかが一切伝わりません。成約数・稼働人数・売上達成率など、数字で示せる実績は積極的に記載してください。目標未達の場合も、達成率とその後の改善行動を添えると評価につながります。
法人営業力と候補者・スタッフへの対応力の両立が見えるか
人材業界の営業は、企業(クライアント)への提案・交渉と、候補者や派遣スタッフへの対応という2つの側面を持ちます。どちらか一方しか書かれていない職務経歴書は「営業力が弱いのか」「対人対応しかしていないのか」と誤解されるリスクがあります。
採用担当者はここを見ている
- 人材紹介・人材派遣・両方のうち、どの業務を主に担当していたか
- 担当していた業界・職種と、クライアント企業の規模感
- 法人向けの提案活動と、個人(候補者・スタッフ)対応の比率
人材紹介と人材派遣、書き方はここが違う
「人材・派遣営業」という同じ肩書きでも、収益モデルが異なれば職務経歴書で強調すべき実績も変わります。まずは両者の違いを整理してください。
| 項目 | 人材紹介営業 | 人材派遣営業 |
|---|---|---|
| 収益モデル | 成功報酬(想定年収の30〜35%程度) | 稼働時間に応じたマージン収益 |
| 主な実績指標 | 成約数・成約率・年収レンジ | 稼働スタッフ数・定着率・売上達成率 |
| 向き合う相手 | 候補者(求職者)と企業の両面 | 派遣スタッフと発注企業の両面 |
| アピールすべき力 | マッチング精度とスピード | 稼働管理力とトラブル対応力 |
人材紹介営業は「1人の転職を成功させる」単発型の成果が中心になるのに対し、人材派遣営業は「複数人の稼働を継続させる」運用型の成果が中心になります。この違いを理解せずにどちらか一方の指標だけで書くと、業務内容と実績がかみ合わない書類になります。
人材紹介と人材派遣の両方を兼務していた場合は、「紹介6割・派遣4割」のように比率を明示したうえで、それぞれの指標を分けて記載するのが最もわかりやすい書き方です。
職務経歴書の各項目の書き方
ここでは職務経歴書の主要な項目ごとに、採用担当者に評価される書き方を解説します。
職務要約の書き方
職務要約は採用担当者が最初に読む箇所です。以下の情報を3〜5文・200〜300文字程度でまとめてください。
- 在籍期間と会社の特化領域(業界特化・総合型など)
- 担当業務の中心(紹介・派遣・両方の比率)
- 最も際立った実績(必ず数字で)
職務内容の書き方
職務内容は、法人向けの活動と個人向けの活動を分けて記載すると採用担当者に伝わりやすくなります。営業の実務経験を書く際は営業の職務経歴書テンプレートの項目立てもあわせて確認しておくと、記載漏れを防げます。
| 業務区分 | 記載すべき内容の例 |
|---|---|
| 法人営業(紹介・派遣共通) | 担当業種・企業規模、新規vs既存の比率、提案手法(テレアポ・既存深耕など) |
| 候補者対応(紹介) | 面談件数、キャリア面談の深さ、マッチング後のフォロー |
| スタッフ対応(派遣) | 稼働スタッフ数、定期面談の頻度、トラブル対応・配置調整の経験 |
取引先企業名は守秘義務がある場合、「大手製造業メーカー(従業員2,000名以上)」のように業種と規模で示すのが一般的です。
実績・成果の数値化の方法
実績の数値化に迷う方は多いですが、使える指標は紹介・派遣それぞれに複数あります。
- 成約数・成約率:人材紹介の年間成約人数、目標達成率(例:年間42名 / 達成率118%)
- 定着率:紹介後・派遣後の一定期間の就業継続率(例:3か月定着率92%)
- 稼働スタッフ数:人材派遣で担当していた最大稼働数(例:常時80〜120名)
- 売上・達成率:年間売上額や対目標比の達成率(例:年間売上3,200万円 / 達成率108%)
- 新規開拓件数:月あたりの新規クライアント獲得数(例:月平均3社)
法人向けの提案営業として実績を伝える基本フォーマットは、法人営業の職務経歴書の考え方も共通する部分が多いため、あわせて参考にしてください。

人材・派遣営業の職務経歴書|状況別の例文
担当していた業務の内容によって、職務経歴書の書き方は変わります。以下の3パターンの例文を参考に、自分の経験に置き換えてください。
人材紹介営業の場合
職務要約(例文)
IT・Web業界特化の人材紹介会社にて4年間、キャリアアドバイザー営業として従事。企業への求人開拓と候補者面談を両面で担当し、年間成約数42名(入社後3か月定着率92%)を達成。直近2年は個人成約目標を平均118%で達成し、社内表彰を2回受賞。
職務内容(例文)
【法人営業】新規求人開拓(月平均3〜4社)と既存クライアントの求人条件のすり合わせを担当。年収レンジ・求める人物像のヒアリング精度を高め、面接通過率を前年比10ポイント改善。
【候補者対応】月平均20〜25名の候補者と面談を実施。キャリアの棚卸しと求人とのマッチング度の見極めを行い、内定後の年収交渉・入社日調整まで一貫して対応。入社後3か月の早期離職率を5%以下に抑制。
人材派遣営業の場合
職務要約(例文)
製造業・軽作業系に特化した人材派遣会社にて5年間、中堅〜大手製造業メーカーへの法人提案営業に従事。担当クライアント数は最大30社、常時稼働スタッフ数は120名規模。新規開拓を中心に月3〜4社のペースで新規案件を獲得し、3年連続で売上目標を達成(最高達成率113%)。
職務内容(例文)
【法人営業】担当エリアの製造業・物流業を中心とした中堅〜大手企業への提案営業。新規:既存=4:6の比率で担当し、テレアポと既存紹介を組み合わせて新規案件を獲得。
【スタッフフォロー】常時80〜120名の派遣スタッフの就業管理。月1回の定期面談でスタッフとクライアント双方の課題を早期把握し、ミスマッチによる早期離職を防止。担当スタッフの3か月定着率85%を維持(部門平均75%)。
履歴書の職歴欄で派遣就業の期間が多い場合の書き方は、派遣が多い場合の履歴書の書き方もあわせて確認しておくと安心です。

人材紹介と人材派遣、両方の経験がある場合
職務要約(例文)
総合人材サービス会社にて4年間、人材紹介と人材派遣の両方を担当(紹介6割・派遣4割)。紹介では年間成約数25名(定着率90%)、派遣では常時40〜60名の稼働管理を並行して実施し、両事業の連携によりクライアント単価を前年比15%向上。
両方の経験を書く場合は、「どちらが主業務か」を先に明示し、比率と実績を分けて書くと、採用担当者が業務内容を誤解しにくくなります。
採用担当者が落とす職務経歴書のNGパターン4選
実際に採用担当者が確認する際、「このパターンは即見送り」と判断しやすい書き方があります。以下の4つに該当していないかチェックしてください。
NG① 紹介か派遣か判別できない
「人材業界の営業をしていました」とだけ書かれ、紹介・派遣どちらの業務かが読み取れないケースです。採用担当者はビジネスモデルが違えば求めるスキルも変わると考えているため、先頭で明示する必要があります。
NG② 実績がすべて抽象的な表現で終わっている
「多くの方の転職を支援しました」「クライアントの信頼を獲得しました」という表現は、評価の根拠が何もありません。成約数・定着率・稼働人数など、具体的な数値に置き換えてください。
NG③ 対人対応のみで法人営業が見えない
候補者面談やスタッフフォローばかりが書かれており、法人への提案・交渉・新規開拓の経験が一切記載されていないパターンです。「営業職」として応募する場合、法人向けの提案力が伝わらないと書類選考を通過できません。
NG④ 自己PRが「コミュニケーション力があります」のみ
人材業界の営業経験者の多くが「コミュニケーション力」「人と接することが好き」をアピールします。これは差別化にならず、採用担当者の印象に残りません。具体的な場面・数字・成果をセットで提示して初めてアピールとして機能します。
自己PR|人材・派遣営業ならではのアピールポイント
人材・派遣営業の経験者が持つ強みは、他の営業職にはない独自性があります。ただし「コミュニケーション力」で終わらせると採用担当者には刺さりません。以下の3つの軸で具体化してください。
課題発見・マッチング力
企業の採用課題や候補者・スタッフのキャリア志向を短時間で引き出し、最適な組み合わせを提案する力は、人材業界の営業で磨かれる固有のスキルです。「表面的な条件だけでなく、背景にある課題まで把握して提案した」というエピソードで具体化できます。
両面調整力
企業側と候補者・スタッフ側、それぞれ異なる要望を同時に満たす調整は、人材業界特有の難しさです。「双方の希望条件にギャップがあった案件を、どう折り合わせて成約・定着につなげたか」を具体的な数字とともに示してください。
新規開拓型の営業力
テレアポ・既存紹介・展示会など、新規クライアントや新規候補者を継続的に獲得するプロセスは異業種でも高く評価されます。「月あたりの新規開拓件数」と「最終的な成約・契約化率」を記載すると、数字の根拠が明確になります。
履歴書もあわせて用意する場合は、転職用の履歴書テンプレートを使うと項目の抜け漏れを防げます。
職務経歴書の作成に時間がかかる場合は、職務経歴書の自動作成ツールを活用して効率化する方法もあります。

まとめ
- 人材紹介営業は成約数・定着率、人材派遣営業は稼働人数・定着率を軸に実績を書く
- 両方を経験している場合は、業務比率を明示して指標を分けて記載する
- 採用担当者は「どちらの業務か・数字の実績・法人営業力と対人対応力の両立」の3点を最初に確認する
- 職務要約は200〜300文字に絞り、担当領域・比率・実績を凝縮して記載する
- 自己PRは「コミュニケーション力」で終わらせず、具体的な場面・数字・成果をセットで示す
職務経歴書は提出前に第三者の視点でチェックすることで、採用担当者に伝わりにくい箇所を発見しやすくなります。転職エージェントの無料添削サービスを活用するのも有効な手段です。
人材・派遣営業の職務経歴書に関するよくある質問
- 人材紹介と人材派遣、どちらの用語で職務経歴書のタイトルを書けばいいですか?
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実際に担当していた業務の呼び方に合わせてください。人材紹介の割合が多ければ「人材紹介営業」、人材派遣の割合が多ければ「人材派遣営業」、両方を同程度担当していた場合は「人材・派遣営業」のように併記すると、採用担当者が業務内容を誤解しにくくなります。タイトルよりも、職務要約の冒頭で紹介・派遣の比率を明記することの方が重要です。
- クライアント名や候補者情報は書いても大丈夫ですか?
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守秘義務がある場合は、具体的な社名ではなく「大手製造業メーカー(従業員2,000名以上)」のように業種と規模で示すのが一般的です。候補者や派遣スタッフの個人情報についても、氏名や特定できる詳細は記載せず、「20代の営業職候補者」のような属性表現にとどめてください。採用担当者もこの書き方に慣れているため、評価には影響しません。
- 成約数や稼働人数が少ない場合はどう書けばいいですか?
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数が少なくても、成約率・定着率・担当クライアント数・新規開拓件数など、別の指標で実績を示せます。「少ない人数でも定着率90%以上を維持した」「担当クライアント15社を獲得した」など、数の少なさを質の高さでカバーする表現を検討してください。数字が少なかった理由(入社1年以内の実績、特定分野への絞り込みなど)を補足すると誤解が生じにくくなります。

