この記事では、履歴書をエクセルで作る手順を、テンプレートの入手からフォントの統一、証明写真の貼り付け、PDF変換、印刷までまとめて解説します。エクセルは表計算ソフトのため、セルのはみ出しや罫線のズレといった体裁の崩れが起きやすく、ここでつまずく人が少なくありません。採用担当者が実際にどこを見ているかを踏まえ、書類選考を通過する履歴書に仕上げるコツをお伝えします。
履歴書はエクセルで作っても採用に不利にならない
「エクセルで作った履歴書は手抜きに見えて、印象が悪くなるのではないか」と迷う方は多いです。結論として、パソコンで作成すること自体が評価を下げることはありません。採用担当者は作成手段よりも、記載内容の正確さと読みやすさを見ています。むしろ入力ミスの修正がしやすく、応募先ごとに志望動機を書き分けやすい点は、エクセル作成ならではの利点です。
採用担当者はここを見ている
- 手書きかPCかではなく、誤字脱字がないか・内容が具体的かを見ている
- 事務職やIT職では、PC作成そのものが基本的な操作スキルの証明になる
- 減点対象になるのは作成手段ではなく、セルのはみ出しや罫線のズレなど体裁の崩れ
注意したいのは、応募先が「手書き必須」と指定しているケースです。求人票や募集要項に手書き指定がある場合はそれに従います。指定がなければ、エクセルでの作成で問題ありません。作成ツールの選び方に迷う場合は、履歴書作成ツールの比較もあわせて確認しておくと判断しやすくなります。

エクセルが向いている人・手書きが向く場面
どちらで作るか迷ったときは、自分の状況に当てはめて選びます。以下の整理を目安にしてください。
| エクセルが向いている | 手書きが向いている |
|---|---|
| 複数社に応募し、内容を使い回したい | 求人票で手書きを指定されている |
| 字に自信がなく、読みやすさを重視したい | 職人・伝統業種など手書き文化が根強い職場 |
| 事務・IT職でPCスキルを示したい | 短時間で1社だけ手早く仕上げたい |
| メールやWebでデータ提出する | その場で記入を求められる面接持参 |
スマートフォンしか手元にない場合は、スマホで履歴書を作成する方法という選択肢もあります。手元の環境に合わせて作成手段を決めれば問題ありません。

履歴書をエクセルで作る5つの手順
エクセルでの作成は、白紙のシートに一から罫線を引く必要はありません。テンプレートを土台にすれば、次の5ステップで完成します。
- テンプレートをダウンロードする
- フォントと文字サイズを統一する
- 上から順に項目を記入する
- 証明写真を貼り付ける
- PDFに変換して保存する
①テンプレートをダウンロードする
まずは信頼できる配布元からエクセル形式(.xlsx)のテンプレートを入手します。厚生労働省は2021年4月に履歴書の様式例を公表しており、性別欄は任意記載、通勤時間・扶養家族数・配偶者などの欄を設けない構成になっています。迷ったらこの厚労省様式をベースにすると、項目の過不足で悩みません。
テンプレートは用途によって職歴欄の広さや自己PR欄の有無が異なります。転職なら職歴欄が広いもの、アルバイトなら志望動機欄が大きいものといった具合に、応募先に合わせて選びます。配布先ごとの違いは無料テンプレートの選び方で比較できます。

②フォントと文字サイズを統一する
記入を始める前に、シート全体のフォントを統一します。ビジネス文書として読みやすいのは明朝体で、游明朝やMS明朝が無難です。文字サイズは項目名と本文で使い分けつつ、本文は10.5〜11ポイントを目安にそろえます。欄によってフォントや大きさがバラバラになると、それだけで雑な印象を与えます。
- フォント:明朝体で統一(游明朝・MS明朝など)
- 本文サイズ:10.5〜11ポイントを基準にそろえる
- 文字色:黒のみ。色文字やマーカーは使わない
フォント選びで印象がどう変わるかは、PC・手書き別の書体の選び方で詳しく解説しています。

③上から順に項目を記入する
日付・氏名・住所などの基本情報から順に埋めていきます。年号は西暦か和暦のどちらかに統一し、学歴・職歴・免許資格の欄でバラつかせないことが大切です。空欄のまま提出せず、該当がなければ「特になし」と記入します。学歴・職歴欄は中央に「学歴」「職歴」と見出しを置き、入学・卒業や入社・退職を1行ずつ正確に記載します。
④証明写真を貼り付ける
写真は「挿入」タブから画像を取り込み、写真欄の枠に合わせてサイズを調整します。履歴書用のサイズは縦40mm×横30mmが基本です。縦横比を保たずに引き伸ばすと顔がゆがむため、角をドラッグして比率を固定したまま縮小します。画像を選択した状態で「配置」から前面に設定しておくと、印刷時に欄からずれにくくなります。
写真貼り付けの手順
- 「挿入」→「画像」で証明写真データを取り込む
- 四隅のハンドルをドラッグし、縦横比を保って枠に合わせる
- 右クリック→「サイズとプロパティ」で位置を固定する
⑤PDFに変換して保存する
記入が終わったら、提出前に必ずPDFに変換します。エクセル形式のまま送ると、相手の環境で罫線や文字位置がずれて表示されることがあり、せっかく整えた体裁が崩れて届くおそれがあるためです。「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPSの作成」で変換できます。保存時のファイル名は後述のとおり、応募先が分かる形にしておきます。
エクセルならではの操作でつまずかないコツ
エクセルは本来が表計算ソフトのため、文書作成ソフトのワードとは操作の勝手が違います。多くの人がつまずくのは、文字がセルからはみ出す・改行できない・位置がそろわないといった点です。代表的なトラブルと対処法を先に整理します。
| つまずきやすい操作 | 対処法 |
|---|---|
| 文字がセルからはみ出す・隠れる | セル内改行(Alt+Enter)か行の高さ調整 |
| 文の途中で改行したい | Alt+Enterで任意の位置に改行 |
| 文字の位置がそろわない | 左寄せ・中央揃えのボタンで統一 |
| 選択欄に〇をつけたい | 図形の楕円(塗りつぶしなし)を重ねる |
セル内で改行する(Alt+Enter)
志望動機や自己PRなど長めの文章を入れると、文字がセルの外にあふれたり、隣のセルに隠れたりします。文の途中で改行したいときは、改行したい位置でキーボードのAlt+Enterを押します。ただEnterだけ押すと下のセルに移動してしまうため、この操作を覚えておくと入力が一気に楽になります。
文字の位置をそろえる(左寄せ・中央揃え)
住所や志望動機など文章の欄は左寄せ、日付や「学歴」「職歴」の見出し行は中央揃えにすると、全体が整って見えます。対象のセルを選択し、ツールバーの配置ボタンで切り替えます。欄ごとに寄せ方が混在していると、印刷したときに雑然とした印象になるため、同じ種類の欄は寄せ方をそろえます。
選択欄に〇をつける(図形の楕円)
テンプレートによっては、通学・通勤や扶養の有無など選択式の欄が残っている場合があります。エクセルにはワードのような囲い文字機能がないため、「挿入」→「図形」で楕円を選び、塗りつぶしを「なし」に設定して対象の文字に重ねます。この方法なら文字が隠れず、どんな欄でも囲めます。なお厚労省の新様式では性別欄が任意記載のため、〇での選択は不要です。
採用担当者が減点するエクセル履歴書のNG
内容が良くても、エクセル特有の体裁ミスがあるだけで印象は下がります。実際に採用担当者が「作り込みが甘い」と感じるのは、次のようなポイントです。良い例と見比べて、提出前にチェックしてください。
NG例
- 文字がセルからはみ出し、一部が隠れて読めない
- 欄ごとにフォントや文字サイズがバラバラ
- 学歴は西暦、職歴は和暦など年号が混在している
- 強調のつもりで色文字やマーカーを使っている
- PDF化せず.xlsxのまま送り、相手先で体裁が崩れる
良い例
- 全欄が枠内に収まり、Alt+Enterで改行位置を整えている
- フォントは明朝体、本文サイズも統一されている
- 年号は西暦か和暦のどちらかにそろえている
- 文字色は黒のみで、装飾は使っていない
- PDFに変換し、体裁を固定して提出している
とくに見落とされやすいのが年号の統一です。テンプレートに元から入っていた例と、自分で入力した部分で西暦と和暦が混ざるケースが起こりがちなので、提出前に学歴・職歴・資格の全欄を通しで確認します。
エクセルで作った履歴書を印刷・提出するときの注意点
作成の最後に待っているのが、印刷と提出です。ここでの体裁崩れは採用担当者の目に直接触れるため、提出方法に合わせて確認します。
紙で提出する場合の印刷
用紙はA4二枚か、A3一枚を二つ折りにする形が一般的です。両面印刷は避け、1ページずつ片面に印刷します。印刷前にプレビューで、文字が枠内に収まっているか・写真がずれていないかを必ず確認します。インクのかすれや線の途切れがないかも見ておきます。片面印刷が推奨される理由は、両面印刷がNGな理由で詳しく解説しています。

メール・Webで提出する場合
データで提出するときは、必ずPDFに変換してから送ります。エクセル形式のまま送ると、相手の環境によっては罫線や写真の位置がずれるためです。ファイル名は中身がすぐ分かるように整えます。
データ提出で差がつくポイント
- ファイル形式はPDFに変換して送る
- ファイル名は「履歴書_氏名_応募先名」の形にする
- 「履歴書.xlsx」のままなど、相手が管理しにくい名前は避ける
まとめ
エクセルでの履歴書作成は、テンプレートを土台にすれば難しくありません。採用担当者はPC作成そのものを減点しないため、体裁の崩れさえ防げば十分に通用します。
- 厚労省様式などのテンプレートを土台にし、フォントは明朝体で統一する
- セル内改行(Alt+Enter)と配置ボタンで、はみ出しと位置ずれを防ぐ
- 年号の統一・写真の比率固定・色文字の不使用を提出前に確認する
- 提出時はPDFに変換し、ファイル名を応募先が分かる形にする
作った履歴書データは保存しておけば、次の応募でも志望動機だけ書き換えてすぐ使えます。体裁を一度整えておくことが、そのまま今後の応募の効率化につながります。
履歴書のエクセル作成に関するよくある質問
- エクセルで作った履歴書は手書きより印象が悪くなりますか?
-
作成手段そのものが評価を下げることはありません。採用担当者が見ているのは内容の正確さと読みやすさです。むしろ事務職やIT職では、PCで整った書類を作れること自体が基本スキルの証明になります。ただし求人票で手書きを指定されている場合は指定に従ってください。
- エクセルとワードはどちらで作るのがよいですか?
-
どちらでも問題ありません。文章主体のためワードのほうが改行や配置はしやすいですが、エクセルを使い慣れているならエクセルで十分整えられます。エクセルの場合はセル内改行(Alt+Enter)と文字揃えを押さえておけば、体裁の崩れは防げます。
- エクセルのまま提出しても大丈夫ですか?
-
提出前にPDFへ変換することをおすすめします。エクセル形式のまま送ると、相手の環境で罫線や文字位置、写真がずれて表示されることがあります。PDFに変換すれば体裁が固定され、作成時の見た目のまま相手に届きます。
- 証明写真はエクセルにどう貼り付ければよいですか?
-
「挿入」タブから写真データを取り込み、四隅のハンドルをドラッグして縦横比を保ったまま写真欄に合わせます。中央のハンドルで引き伸ばすと顔がゆがむため、必ず角から調整します。位置を固定しておくと、印刷時に欄からずれにくくなります。


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