この記事では、介護福祉士として転職・就職活動をする際の履歴書の書き方を解説します。資格欄の正式名称と登録日の記入方法、採用担当者が落とす志望動機のNGパターン、施設形態別(特養・老健・デイサービス・訪問介護)の志望動機例文と自己PR例文まで紹介します。
介護福祉士の履歴書を書く前に知っておくこと
履歴書を書き始める前に、介護業界特有のルールと一般的な注意点を整理しておきます。内容より先に「基礎的なマナーを知らない」と判断されないよう、以下の点を確認してください。
手書きかPC作成か
介護業界では手書きとPC作成のどちらも受け入れられています。求人票に「手書き」と指定がある場合はそれに従います。指定がない場合は、読みやすいPC作成を選んで問題ありません。
PC作成の場合でも、日付欄と捺印欄は手書き・押印が求められる場合があります。事前に応募先の指定を確認しておくと安心です。
手書きの場合に使う筆記用具
- 使うもの:黒のボールペンまたは万年筆
- 絶対NG:鉛筆・シャープペンシル・消せるボールペン・修正液・修正テープ
- 書き間違えた場合:修正テープで直さず、新しい用紙に書き直す
採用担当者は、修正液を使った履歴書を「ミスを隠した書類」として見ることがあります。手書きの場合は時間をかけて丁寧に書き上げることが、採用評価への間接的なアピールにもなります。
資格欄の正しい書き方|採用担当者が最初にチェックする箇所
介護施設の採用担当者は、履歴書を受け取ったとき資格欄を先に確認する傾向があります。資格の正式名称や日付の誤記は、基礎的な丁寧さの欠如として判断されます。以下のルールを正確におさえておきましょう。
正式名称は「介護福祉士」、書く日付は「登録日」
介護福祉士の正式名称は「介護福祉士」です。シンプルですが、この記載には2つのよくある間違いがあります。
採用担当者はここを見ている
- 「介護福祉士(国家資格)」と括弧書きで補う必要はない。「介護福祉士」だけで伝わる
- 書く日付は「合格日」ではなく「登録年月日」が正しい。資格者証(登録証)に記載された登録年月日を転記する
- 「令和〇年〇月 介護福祉士 登録」という形式が一般的な記載方法
国家試験の合格発表は3月下旬ですが、登録手続きが完了して資格者証が届くのは4月以降になります。合格日ではなく、資格者証に記された登録年月日を書くことが正しいルールです。この違いを知らない応募者は「資格制度をきちんと把握していない」と見られることがあります。
良い例
令和5年4月 介護福祉士 登録
NG例
令和5年3月 介護福祉士 取得
→「取得」ではなく「登録」が正しい。また3月(合格発表月)ではなく、登録手続き完了後の登録年月日を書く必要がある。
初任者研修・実務者研修も記載する、書く順番は取得順
介護福祉士だけを書けばよいと考えている方もいますが、関連する研修や資格をすべて記載することで「介護職としてのキャリアの積み重ね」が採用担当者に伝わります。取得しているものはすべて書いておきましょう。
| 資格・研修の種類 | 資格欄の正式記載 | 使う表記 |
|---|---|---|
| 介護職員初任者研修 | 介護職員初任者研修 | 修了 |
| 介護職員実務者研修 | 介護職員実務者研修 | 修了 |
| 介護福祉士 | 介護福祉士 | 登録 |
| 介護支援専門員(ケアマネ) | 介護支援専門員 | 登録 |
記載順は取得した時系列順(古いものから新しいものへ)が基本です。初任者研修→実務者研修→介護福祉士の順で書くと、段階的にスキルを高めてきた経緯が一目でわかります。
なお、「介護職員初任者研修」の旧称は「ホームヘルパー2級」ですが、現行の正式名称で記載します。以前にホームヘルパー2級を取得した方も「介護職員初任者研修」と書いて問題ありません。「研修修了」という表記も誤りではありませんが、「修了」の一語で統一するのが最もシンプルです。
登録変更・住所変更をした場合の書き方
結婚などで氏名が変わった場合や、都道府県を越えて転居した場合、介護福祉士登録の変更手続きが必要です。変更手続き済みであれば、変更後の情報を資格欄に記載します。変更手続き中の場合は、備考欄または面接時に「登録変更手続き中」とひと言添えておくと採用担当者の混乱を防げます。
学歴・職歴欄の書き方と記載例
学歴・職歴欄は時系列順(古いものから新しいものへ)で記載します。介護業界では施設の種類や担当業務を具体的に書くかどうかで採用担当者に与える印象が大きく変わります。
介護施設での職歴の正しい書き方
職歴欄には勤務先の正式名称・入社年月・退職年月・業務内容を記載します。施設の種類(特養・老健・デイサービス等)と担当業務を具体的に書くと、採用担当者が即戦力かどうかを判断しやすくなります。
良い記載例
平成31年4月 社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇園 入職
介護福祉士として入居者の日常生活支援(入浴・排泄・食事介助等)、認知症ケア、ケース記録の作成・管理を担当。後輩スタッフ3名のOJT指導も兼任。
令和5年3月 同法人 一身上の都合により退職
「何人規模の施設で、どのような利用者に、どんな役割を担っていたか」がわかる記載にすると採用担当者への訴求力が増します。介護業務の列挙だけでなく、指導経験・委員会活動・ユニットリーダーなどの役割があればあわせて記載しましょう。
複数の施設・法人での経験がある場合
複数施設に勤めた場合は、それぞれについて同様の形式で記載します。転職理由は職歴欄には書かず「一身上の都合により退職」または「会社都合により退職」と記載し、詳しい理由は面接で説明するのが基本です。
採用担当者はここを見ている
- 在職期間が1年未満の施設が連続していると「定着しない人材」と見られるリスクがある。面接で説明できる準備をしておく
- 空白期間がある場合は、その理由を面接で伝えられるよう整理しておく
- 施設の種類が複数にまたがる(特養→訪問→グループホーム等)経験は、多様な利用者への対応力として評価される場合が多い
採用担当者が落とす志望動機のNGと施設別例文
介護施設の採用担当者が書類選考で最も時間をかける項目が志望動機です。「なぜ他ではなくこの施設なのか」が見えない志望動機は、どれだけ丁寧に書いても通過が難しくなります。
採用担当者が重視する3つのポイント
採用担当者はここを見ている
- この施設を選んだ理由が具体的か:法人理念・施設のケア方針・規模・対象者層など、求人票や公式サイトで得た情報を組み込む
- 介護観が見えるか:「なぜ介護職を選び続けているのか」「どのような介護を大切にしているのか」という専門職としての姿勢が伝わるかどうか
- この施設に何を貢献できるか:自分の経験・スキルをどのように活かせるかという視点があるかどうか
志望動機のNG例と改善パターン
NG例①:「人の役に立ちたい」だけの志望動機
「高齢者の方の役に立ちたいという気持ちから、介護職を希望しています。貴施設でお役に立てるよう努力いたします。」
→ 介護職を選んだ理由にはなっても、この施設を選んだ理由になっていない。どの施設にも使える「使いまわし」と判断される。
NG例②:「家から近い」「給与が良い」が理由の場合
勤務条件への希望を志望動機に書くと、採用担当者は「条件が変わればすぐ辞める」と判断します。勤務条件への希望は本人希望欄に記載し、志望動機には施設のケア方針と自分の介護観との一致を書きます。
NG例③:「貴施設で学びたい」という表現
採用担当者は「うちを学校だと思っている」「貢献する気がない」と受け取ります。学びたい気持ちを伝えたい場合は「利用者様への貢献を通じてさらに成長したいと考えております」のように、貢献する姿勢とセットで書きます。
施設形態別の志望動機例文
同じ介護福祉士でも、施設の種類によって求められる役割や雰囲気は異なります。応募先の施設形態に合わせて内容を書き直すことが選考通過のポイントです。
特別養護老人ホーム(特養)向け例文
「前職では認知症専門ユニットの特養に5年間勤務し、重度認知症の方の個別ケアとターミナルケアに携わってきました。貴施設がユニットケアを導入し、一人ひとりの生活リズムを尊重する体制をとっている点に強く共感しています。利用者様の『その人らしい生活』を最後まで支えることを大切にしており、これまでの経験を貴施設のチームケアに活かしたいと考え、応募いたしました。」(約175文字)
老人保健施設(老健)向け例文
「前職のデイサービスでは、リハビリ職員と連携しながら利用者様の残存機能を活かしたケアを実践してきました。貴施設は在宅復帰率の高さと多職種連携に定評があると伺っており、リハビリと介護が連動した支援に取り組める環境に魅力を感じています。利用者様が自宅に戻るための過程を支えるケアを実践したく、応募いたしました。」(約153文字)
デイサービス向け例文
「介護福祉士として特養に勤務するなかで、在宅生活を続ける利用者様を地域で支える役割に強い関心を持つようになりました。貴施設は機能訓練と個別活動プログラムを組み合わせた支援で地域に根ざしていると伺っており、利用者様が『通うことが楽しい』と感じられる関わりを一緒につくりたいと考えています。日常的なコミュニケーションを大切にしてきた経験を活かせると感じ、応募いたしました。」(約190文字)
訪問介護向け例文
「施設介護で培った生活支援・身体介護のスキルを、利用者様の自宅という生活の場で直接活かしたいと考え、訪問介護への転向を決意しました。貴事業所が利用者様との長期的な関係を重視し、独立して判断できるスタッフを育てる研修制度を持っている点を高く評価しています。一人ひとりの生活環境に寄り添いながら、その方の望む暮らしを支えるケアを実践したいと考えております。」(約180文字)
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →自己PRの書き方と状況別例文
自己PRは「この人を採用するとチームにどんな変化があるか」を採用担当者にイメージさせる文章です。介護経験の羅列ではなく、自分の強みがどのように施設で機能するかという視点で書くことが通過のポイントになります。
採用担当者が自己PRで確認していること
採用担当者はここを見ている
- チームとの協調性:介護は複数スタッフ・多職種でのチームワークが不可欠。「自分がいるとチームが動きやすくなる」エピソードがあると説得力が増す
- 利用者への向き合い方:「高齢者が好き」では弱い。どのような状況でどう対応したかという具体的な姿勢が読み取れるかどうか
- 専門職としての成長意欲:資格取得の背景や今後の目標があると専門性の高さと継続意志が伝わる
経験者・転職者向けの例文
良い例文(経験者)
「特養での5年間を通じて、認知症ケアと多職種との連携スキルを培いました。特に行動・心理症状(BPSD)のある入居者に対して、生活歴をもとにした個別対応で落ち着きを取り戻していただいた経験が自信となっています。ケアプランへの意見出しや新人スタッフへの指導も積極的に行い、チームケアの質向上に貢献してきました。貴施設でもこの経験をチームに還元したいと考えています。」(約190文字)
ブランクあり・未経験転職の方向けの例文
育児・家族の介護・病気療養などでブランクがある場合、その期間を隠す必要はありません。「なぜ今、介護の仕事に戻るのか・始めるのか」を正直に伝えることで採用担当者の不安を解消できます。
良い例文(ブランクあり・復職)
「前職では老健に3年間勤務しましたが、家族の介護を理由に退職しました。この期間に家族の介護に向き合うなかで、専門職として支える介護の意味を改めて実感し、復職を決意しました。介護福祉士の資格と実務経験は変わらずあります。技術的なブランクは早期に回復できる自信がある一方、この期間に介護に関する文献を継続的に読み続けてきたことも伝えたいと思います。」(約180文字)
求職活動で職務経歴書の提出も求められる場合があります。福祉・介護系の職務経歴書の書き方については、福祉用具専門相談員の履歴書の書き方もあわせて確認してください。

その他の記載欄の注意点
本人希望欄は必ず記入する
本人希望欄を空欄のまま提出するのはマナー違反と見なされます。特に希望がない場合は「貴法人(貴施設)の規定に従います」と記載するのが一般的です。
夜勤の可否や勤務形態(常勤・非常勤)など条件がある場合は「可能であれば夜勤なし希望ですが、ご相談に応じます」のように柔軟な表現にとどめます。強い条件提示は「融通がきかない」と見られるリスクがあります。
敬称の使い分け(貴施設・貴法人・貴社)
介護施設への応募では敬称の使い方を間違えると、採用担当者に基本的な常識を疑われる可能性があります。応募先の運営母体を事前に確認してから書きましょう。
| 応募先の種類 | 書き言葉(履歴書) | 話し言葉(面接) |
|---|---|---|
| 特養・老健・グループホームなど施設単体 | 貴施設 | 御施設 |
| 社会福祉法人・医療法人など法人全体 | 貴法人 | 御法人 |
| 株式会社運営の介護サービス事業者 | 貴社 | 御社 |
株式会社が運営するデイサービスや訪問介護事業者に応募する場合は「貴社」を使います。医療法人が運営する介護施設も多く、その場合は「貴法人」が適切です。医療法人の履歴書の書き方も合わせて確認しておくと役立ちます。

証明写真の注意点
証明写真は「3cm×4cm」が標準サイズです。介護職の場合も、清潔感と誠実さが伝わる写真が求められます。
- 服装:スーツまたは清潔感のある私服。介護の制服・スクラブでの撮影はNG
- 背景:白・グレー・青の無地が基本
- 表情:口を閉じた自然な表情。無表情すぎると印象が暗くなる
- 撮影時期:3ヶ月以内に撮影したもの
提出前のセルフチェックリスト
提出前に以下の項目を確認してください。採用担当者は書類の丁寧さから「仕事の丁寧さ」を想像します。
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 資格欄 | 正式名称・登録日が正確か、「取得」ではなく「登録」と書いているか |
| 志望動機 | この施設を選んだ具体的な理由が書かれているか |
| 職歴欄 | 勤務先の正式名称・入退職年月が正確か、空白期間の対応はできているか |
| 本人希望欄 | 空欄になっていないか |
| 敬称 | 貴施設・貴法人・貴社の使い分けが運営母体と合っているか |
| 証明写真 | 3ヶ月以内撮影・清潔感のある服装か |
| 誤字脱字 | 声に出して読んで確認したか |
| 日付 | 郵送なら投函日、手渡しなら面接当日の日付が書かれているか |
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 資格欄は「介護福祉士」の正式名称と資格者証に記載された「登録年月日」を正確に記載する(合格日ではなく登録日)
- 初任者研修・実務者研修は取得した時系列順で記載し、介護職としてのキャリアの積み重ねを見せる
- 志望動機は「なぜこの施設なのか」が具体的に伝わる内容にする。施設形態(特養・老健・デイ・訪問)によって書き分けることが選考通過のポイント
- 自己PRは経験の羅列ではなく「チームへの貢献」「利用者への向き合い方」を具体的なエピソードで書く
- 本人希望欄は空欄にせず、敬称(貴施設・貴法人・貴社)は運営母体に合わせて使い分ける
転職活動で書類選考の通過率を上げたい場合は、介護専門の転職エージェントに履歴書の添削を依頼することも有効な選択肢です。介護に特化したアドバイザーは施設ごとの選考傾向も把握しており、施設別の志望動機の書き方についても具体的なアドバイスを受けられます。
介護福祉士の履歴書に関するよくある質問
- 介護福祉士の資格欄に「国家資格」と書く必要はありますか?
-
不要です。「介護福祉士」という正式名称だけで採用担当者に伝わります。「(国家資格)」と括弧書きで補う必要はなく、正式名称と登録年月日を記載すれば問題ありません。
- 資格欄には合格日と登録日のどちらを書きますか?
-
資格者証(登録証)に記載された「登録年月日」を書くのが正しいルールです。国家試験の合格発表日(3月下旬)ではなく、登録手続き完了後に発行される資格者証の登録年月日を記載してください。合格日を書くのは誤りです。
- 初任者研修や実務者研修は履歴書に書いた方がいいですか?
-
取得している場合は記載することを推奨します。採用担当者はこれらの研修歴を「介護職としてのキャリアの積み重ね」として評価します。記載順は取得した時系列順(古いものから)が基本で、表記は「修了」を使います。
- グループホームへの応募で「貴施設」と「貴法人」はどちらを使いますか?
-
施設単体(グループホームや特養など)に言及する場合は「貴施設」、運営する社会福祉法人・医療法人全体に言及する場合は「貴法人」を使います。株式会社が運営している場合は「貴社」です。求人票や公式サイトで運営母体を確認してから書くと間違いを防げます。


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