この記事では、JIS規格の履歴書テンプレートの特徴と入手先、2020年の廃止経緯、厚生労働省の新様式との違い、採用担当者が今推奨する書式の選び方を解説します。
JIS規格の履歴書テンプレートとは
JIS規格とは、日本産業規格(Japanese Industrial Standards)の略称です。かつて履歴書の様式も「JIS Z 8303」という規格として定められており、企業の採用選考で受け取る書類の共通フォーマットとして長年使われてきました。
旧JIS規格が定めていた書式の特徴
旧JIS規格(JIS Z 8303)の履歴書には、学歴・職歴・資格欄に加え、通勤時間・扶養家族数・配偶者の有無・配偶者の扶養義務の記載欄が設けられていました。これらは現在の厚生労働省新様式では削除されています。
| 項目 | 旧JIS規格様式 | 厚生労働省新様式(2021年〜) |
|---|---|---|
| 性別欄 | 男・女を選択(必須) | 任意記載 |
| 通勤時間 | 記載欄あり | 削除 |
| 扶養家族数 | 記載欄あり | 削除 |
| 配偶者の有無 | 記載欄あり | 削除 |
| 配偶者の扶養義務 | 記載欄あり | 削除 |
JIS規格テンプレートの無料ダウンロード先
旧JIS規格に準じたフォーマットは、現在もハローワーク公式サイトや大手転職サイトから無料でダウンロードできます。Word形式・Excel形式・PDF形式から選べます。
- ハローワーク(厚生労働省公式):A4・B5サイズのテンプレートを提供
- リクナビNEXT・マイナビ転職などの大手転職サイト:複数形式のテンプレートを無料配布
- Vectorなどのフリーソフト配布サイト:Excel・PDF形式が入手可能
無料テンプレートの選び方を状況別に整理した記事も参考にしてください。

JIS規格の履歴書様式は2020年に廃止されている
2020年7月、JIS Z 8303の改訂により、履歴書の様式規格が削除されました。それ以前は「JIS規格の履歴書」が採用選考の標準様式として広く普及していましたが、現在は法的な拘束力はありません。
廃止の背景:採用と人権の問題
廃止の直接のきっかけは、LGBT当事者団体による「性別欄の削除」を求める要請でした。同時に、採用選考に直接関係のない項目を求めることへの問題が社会的に注目されました。
- 通勤時間は業務能力と無関係なため、採用判断に使うべきでないという指摘が相次いだ
- 扶養家族数・配偶者の有無は私的情報であり、採用差別につながる可能性がある
- 性別欄の「男・女」選択はLGBTQ+当事者への配慮に欠けるとして見直しが求められた
厚生労働省が2021年4月に公表した新様式
JIS規格廃止を受け、厚生労働省は2021年4月に「履歴書の様式例」を新たに策定・公表しました。公正な採用選考を推進する観点から設計されており、現在は多くの企業・転職サービスがこの新様式に準拠したフォーマットを採用しています。
採用担当者が「今使うべき書式」として新様式を選ぶ理由
旧JIS規格のテンプレートを提出しても、採用担当者が即座に不採用とするわけではありません。ただし、採用現場では新様式への移行が進んでいることを理解しておく必要があります。
採用担当者はここを見ている
- 旧様式の「通勤時間」欄に記入があると、削除されたはずの項目に担当者が戸惑うことがある
- 「扶養家族数」を記載されると、採用担当者が確認してはいけない情報として対応に困る場合がある
- 新様式が普及した現在、旧様式の提出は「情報が古い」印象を与える可能性がある
採用担当者が書式選びよりも重視していること
採用の現場で聞こえてくるのは、書式の新旧よりも「記載内容の具体性と正確さ」のほうが選考に与える影響が大きいという声です。どのテンプレートを使うかよりも、職歴欄と志望動機をどう書くかの差が書類通過率を左右します。
良い例
厚生労働省の新様式テンプレートを使い、職歴欄には「〇〇株式会社・△△部門・2020年4月〜2024年3月」と在籍期間・部門を明確に記載。志望動機には応募先の事業内容に触れた具体的な一文を入れている。
NG例
旧JIS様式を使い、通勤時間や扶養家族数の欄に丁寧に記入してしまうパターン。採用担当者は確認してはいけない情報のため、対応に困ることがある。書式よりも志望動機が「貴社の発展に貢献したい」の一行で終わっていることが書類落ちの本当の原因。
転職・新卒・アルバイト別テンプレートの選び方
厚生労働省の新様式には複数のバリエーションがあります。自分の状況に合ったものを選ぶことで、書類の読みやすさと採用担当者への伝わりやすさが変わります。
転職者(職歴が多い方)には職歴欄拡張版
複数社の職歴がある場合、標準テンプレートでは職歴欄が不足することがあります。職歴欄が多いタイプのテンプレートを選ぶか、書ききれない場合は2枚目に続けて記載する方法も有効です。
新卒・第二新卒には標準様式
新卒・第二新卒は職歴よりも学歴欄と自己PR・志望動機欄が重視されます。厚生労働省の標準様式をそのまま使用するのが適切です。余白が多くても埋めようとせず、内容を絞り込む判断が評価されます。
アルバイト・パートには1枚型の簡易版
アルバイト・パート応募向けには、A4用紙1枚に収まるシンプルなテンプレートが使いやすいです。大手転職サイトや求人サイトが状況別の簡易版を無料で提供しています。
Web上で完結する作成サービスを使う方法もあります。どのサービスを選ぶべきか迷う場合は下記の比較記事を参照してください。

テンプレートを選んだ後に差がつく書き方のポイント
書類選考で採用担当者が実際に見ているのは、テンプレートの新旧よりも「記載内容の質」です。テンプレートを選んだ後は、書き方の精度が書類通過を左右します。
採用担当者が最初の10秒で確認する3か所
採用担当者はここを見ている
- 写真の印象:清潔感があるか、背景がシンプルか。スマホ撮影の場合は画質・明るさを確認
- 職歴の一貫性:在籍期間と会社名が正確に記載されているか。空白期間の扱いも確認
- 志望動機の具体性:「貴社に貢献したい」などの抽象表現ではなく、応募先に向けた内容が書かれているか
テンプレートを問わず守るべき書き方の基本
- 日付は面接日(持参)または投函日(郵送)に合わせる
- 学歴は「入学」「卒業(修了)」を省略せずに記載する
- 資格欄は正式名称で記載し、略称は使わない
- 現在進行中の職は「現在に至る」と記載する(「在職中」は不正確)
スマートフォンで作成を完結させたい場合は、下記の専用サービス比較も参考にしてください。

まとめ
- JIS規格の履歴書様式(JIS Z 8303)は2020年7月に廃止されており、現在は法的拘束力がない
- 厚生労働省が2021年4月に策定した新様式が現在のスタンダード。性別欄の任意化・通勤時間など4項目の削除が行われた
- 旧JIS規格テンプレートはネット上でダウンロードできるが、削除された項目(通勤時間・扶養家族数など)には記入しないことを推奨
- 自分の状況(転職・新卒・アルバイト)に合ったテンプレートのバリエーションを選ぶと書類の読みやすさが上がる
- テンプレートを選んだ後は、職歴欄の正確さ・志望動機の具体性が書類通過率を左右する
テンプレート選びに迷ったら、まず厚生労働省の新様式をベースに自分の職歴量や応募先に合ったバリエーションを選択することから始めてください。
JIS規格の履歴書テンプレートに関するよくある質問
- JIS規格の履歴書と厚生労働省の新様式、どちらを使えばいいですか?
-
現在は厚生労働省の新様式(2021年4月策定)の使用を推奨します。JIS規格の履歴書様式は2020年7月に廃止されており、旧様式には現在の採用選考では記入不要な項目(通勤時間・扶養家族数など)が含まれているためです。
- 旧JIS規格の履歴書テンプレートを提出しても選考に不利になりますか?
-
提出しても即座に不採用にはなりませんが、廃止された項目(通勤時間・扶養家族数など)に記入してしまうと採用担当者が扱いに困るケースがあります。特段の指定がなければ、厚生労働省の新様式の使用を勧めます。
- 厚生労働省の新様式はどこでダウンロードできますか?
-
厚生労働省の公式サイト(ハローワークインターネットサービス)からWord・Excel・PDF形式で無料ダウンロードできます。リクナビNEXTやマイナビ転職など大手転職サイトでも同様式に準拠したテンプレートを配布しています。
- 履歴書の性別欄は書かなくてもいいですか?
-
厚生労働省の新様式では性別欄は任意記載になっています。記入しなくても問題ありません。ただし企業が独自フォーマットを指定しているケースもあるため、応募先の指示に従って対応してください。


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