この記事では、経理職への転職・就職時に書く履歴書の職歴欄について、採用担当者が確認するポイントと具体的な書き方を解説します。経理補助・月次決算担当・ブランクありの状況別例文と、よくあるNG例も紹介します。
経理の職歴欄で採用担当者が最初に確認する3つのこと
採用担当者が経理職の履歴書を手に取ったとき、職歴欄を確認する時間は多くの場合30秒程度です。限られた時間のなかで、採用判断の軸となる情報を拾い読みしています。
採用担当者はここを見ている
- 在籍期間と会社規模(一人経理か組織経理か)
- 担当業務の具体性(「経理事務」だけでは業務範囲を判断できない)
- 退職理由の表記(転職回数が多い場合はとくに重要)
①在籍期間と会社の事業規模
経理は会社の規模によって担当業務の範囲が大きく変わります。従業員10名の中小企業で一人経理を担当していた場合と、上場企業の経理部に所属していた場合では、習得スキルも業務の深さも異なります。
採用担当者はこの背景を読み解くために、会社名の直後に「(製造業・従業員約200名)」のように事業内容と規模をカッコ書きで補足すると、職歴欄の情報量が格段に上がります。履歴書は事実を簡潔に示す書類ですが、経理職では業務環境の背景が評価に直結します。
②担当業務の具体性
「経理事務 担当」の1行だけでは、採用担当者は業務範囲を判断できません。伝票入力だけなのか、月次決算まで担当していたのか、まったく読み取れません。
履歴書の職歴欄は職務経歴書ほどのスペースはありませんが、担当業務を箇条書きで2〜3行補足するだけで、採用担当者の第一印象が変わります。職務経歴書への橋渡し情報として機能する重要な記載です。
③退職理由の書き方
履歴書の職歴欄では、退職理由は「一身上の都合により退職」の1行が原則です。ただし、在籍期間が1年未満の会社が複数ある場合や、会社側の事情で退職した場合は記述を工夫する必要があります。
リストラ・倒産・契約満了など会社側の事情で退職した場合は「会社都合により退職」と明記します。これによって採用担当者に「定着意欲がない」という誤解を与えずに済みます。
経理の職歴欄の基本的な書き方ルール
会社名・部署名の正しい表記
会社名は正式名称を使います。「株式会社」を「(株)」と省略するのはNGです。前株(株式会社〇〇)か後株(〇〇株式会社)かも正確に記載します。
| 項目 | 正しい書き方 | NGな書き方 |
|---|---|---|
| 会社名 | 株式会社〇〇商事 | (株)〇〇商事 |
| 部署名 | 経理部 財務グループ | 経理担当 |
| 入社時の表記 | 入社 | 就職・勤務開始 |
| 退社時の表記 | 一身上の都合により退職 | 退職(理由の記載なし) |
採用担当者は部署名からも業務規模を推測します。「経理担当」ではなく「経理部 財務グループ」と正確に書くことで、組織の規模感が伝わります。
入社・退社の書き方(雇用形態別)
雇用形態によって書き方が異なります。とくに派遣・契約社員として経理業務に携わっていた場合は、正社員と区別して記載することが重要です。
| 雇用形態 | 入社時の表記 | 退社時の表記 |
|---|---|---|
| 正社員 | 入社 | 一身上の都合により退職 |
| 契約社員 | 契約社員として入社 | 契約期間満了につき退職 |
| 派遣社員 | 派遣社員として就業 | 派遣期間満了につき終了 |
派遣の場合は雇用元(派遣会社)と実際に業務を行った会社(派遣先)の両方を記載します。派遣元での雇用関係を明記したうえで、就業先を「〇〇株式会社 経理部へ派遣」と補足するのが正式な書き方です。
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経理の業務内容は経験年数によって大きく異なります。自分の経験に合った業務内容を正確に記載することが、採用担当者に即戦力かどうかを判断してもらうための最短ルートです。
なお、職歴欄でアピールした内容は職務経歴書でさらに詳しく展開します。職務経歴書の書き方と構成については別記事で解説しています。

経理事務・補助業務(経験1〜3年の場合)
経理キャリアの入口となる業務群です。「経理補助」「経理事務」と記載するだけでは情報不足です。担当した具体的な業務を箇条書きで記載します。
- 伝票起票・会計ソフトへの入力(弥生会計・freeeなど使用ソフト名を明記)
- 請求書・領収書の管理・整理
- 経費精算処理(月平均○件)
- 振込・支払業務(インターネットバンキング操作)
- 月次試算表の補助作成
この段階では使用した会計ソフト名(弥生会計・freee・MFクラウドなど)と使用期間を具体的に記載することが、採用担当者の目に止まるポイントです。「どのツールが使えるか」は経理採用で必ず確認される項目です。
月次決算・年次決算補助(経験3〜5年の場合)
経理の核心業務に関わる段階です。採用担当者は「単体決算補助か連結決算か」「どの業種・規模の会社での経験か」を重視します。
- 月次決算補助(仕訳入力・残高確認・期末調整)
- 年次決算補助(棚卸資産の評価・固定資産管理)
- 税務申告補助(法人税・消費税)
- 支払管理・資金繰り表の作成補助
- 決算書(損益計算書・貸借対照表)の作成補助
採用担当者はここを見ている
- 「補助」なのか「単独担当」なのかを必ず明記する(評価の差が大きい)
- 対象会社の規模(単体か連結か、売上高・従業員数の規模感)
- 使用システム(SAP・Oracle・勘定奉行など)の記載があると即戦力感が増す
連結決算・財務管理(経験5年以上の場合)
経理のシニア〜管理職レベルに相当する業務群です。このクラスになると、採用担当者は「マネジメント経験の有無」「どこまで主体的に業務を担ってきたか」を重視します。
- 連結決算業務(連結パッケージ作成・子会社管理)
- 税務申告(法人税申告書作成・税務調査対応補助)
- 開示業務(有価証券報告書・四半期報告書の作成補助)
- 内部統制対応(J-SOX対応)
- 経理メンバーのマネジメント(○名)
5年以上の経験者がよく犯すミスは、業務の深さを省略してしまうことです。「連結決算担当」という1行は、採用担当者には何社規模の連結か、どの工程を担当したかが伝わりません。「5社連結の連結パッケージ作成・照合」のように具体性を持たせます。
経理の職歴欄 状況別の書き方とNG例
短期離職・転職回数が多い場合
在籍期間が1年未満の会社や、転職回数が3回以上ある場合は職歴欄の書き方に注意が必要です。採用担当者は「定着性に問題があるのでは」と感じやすいため、事実を正確に記載したうえで書類選考への影響を最小化します。
NG例
〇〇株式会社 入社
〇〇株式会社 退職
△△株式会社 入社
△△株式会社 退職
業務内容・退職理由の記載が一切ないと、採用担当者は「何か問題があったのでは」と推測しやすくなります。
良い例文
〇〇株式会社(IT・従業員50名) 入社
経理担当として伝票処理・請求書管理・経費精算を担当
会社の業績悪化に伴う組織縮小のため、会社都合により退職
会社都合の退職であれば、その旨を正直に書くことが最善策です。むしろ「一身上の都合」で統一して書くほうが採用担当者に不信感を与えるケースがあります。
経理経験が浅い場合(1年未満・補助経験のみ)
経理経験が1年未満でも、担当した業務を具体的に記載することで採用担当者の評価は変わります。「補助業務しかしていない」と感じて業務内容を省略してしまうと、かえって印象が悪くなります。
経験が浅い場合は「何の業務を、どのくらいの件数・頻度で担当していたか」を数字で補足すると説得力が増します。たとえば「経費精算処理(月平均150件)」「請求書入力・照合(日次)」のように記載します。
派遣・契約社員として経理をしていた場合
派遣・契約社員として経理業務に従事していた場合は、雇用元(派遣会社)と実際に業務を行った会社(派遣先)の両方を記載します。
良い例文(派遣社員の記載例)
〇〇株式会社(人材派遣業) 登録・就業開始
□□株式会社(製造業・従業員300名)経理部へ派遣
・伝票入力・経費精算業務を担当(弥生会計使用)
・月次試算表の補助作成
派遣期間満了につき終了
派遣社員の雇用契約は派遣会社との間にあります。そのため「〇〇株式会社(派遣先)を退職」とは書かず、「派遣期間満了につき終了」または「雇用契約終了につき退職」と表記することが正確な書き方です。
採用担当者が通過させたくなる経理の職歴欄 例文3選
採用現場で評価されやすい職歴欄の書き方を、3つの状況別に紹介します。コピーして使うのではなく、自分の業務内容・会社規模・在籍期間に合わせて数字や業務名を置き換えてください。
例文①:経理補助3年の転職者
良い例文
〇〇株式会社(小売業・従業員80名)
20XX年4月 入社
経理部 経理担当
・伝票起票・会計ソフト入力(弥生会計使用・2年間)
・経費精算処理(月平均200件)
・銀行振込・支払管理業務
・月次試算表作成補助
20XX年3月 一身上の都合により退職
採用担当者が評価するのは、業務内容が具体的に記載されていること、使用ソフト名が明記されていること、件数などの数字で業務規模がイメージできることの3点です。この3点を満たすだけで、「経理事務担当」の1行しか書いていない応募者と明確に差がつきます。
例文②:月次決算担当5年の転職者
良い例文
〇〇株式会社(製造業・上場企業・従業員500名)
20XX年6月 入社
財務経理部 経理担当
・月次・四半期・年次決算業務(単体)
・仕訳作成・勘定科目別残高確認
・固定資産管理・減価償却処理
・税務申告補助(法人税・消費税)
・使用システム:勘定奉行(5年)
20XX年5月 一身上の都合により退職
上場企業での経験はそれだけで採用担当者の目に止まります。加えて使用システム名と年数を明記することで、即戦力としてのイメージが具体的になります。「単体」と明記しているのも重要な点で、「連結決算は未経験」という情報も正直に伝えることで面接でのミスマッチを防げます。
例文③:ブランクあり・経理職復帰者
良い例文
〇〇株式会社(IT・従業員120名)
20XX年4月 入社
管理部 経理担当
・伝票起票・請求書管理
・月次決算補助・試算表作成
・給与計算補助
20XX年3月 育児のため一身上の都合により退職
(空白期間:20XX年4月〜20XX年3月)
育児に専念。日商簿記2級の取得に向けて学習し、20XX年11月に合格
ブランク期間は隠さず正直に記載します。ブランク中に資格取得や学習をしていた場合はそれを明記することで、採用担当者への好印象につながります。「空白期間が不安」という方は、ブランク期間の正直な書き方について詳しく解説した記事も参考にしてください。

経理の資格・スキルを履歴書で正しくアピールする方法
簿記資格の書き方(2級・3級)
簿記資格は経理求人でもっとも求められる資格のひとつです。履歴書の資格欄と、職歴欄の業務補足の両方で活用できます。
| 資格名 | 正式名称(資格欄への記載) | 採用での評価目安 |
|---|---|---|
| 日商簿記2級 | 日本商工会議所簿記検定試験2級 合格 | 経理中級〜上位求人で重視 |
| 日商簿記3級 | 日本商工会議所簿記検定試験3級 合格 | 経理補助・未経験可求人で評価 |
| 全商簿記1級 | 全国商業高等学校協会主催 簿記実務検定試験1級 合格 | 日商3級相当として評価されることが多い |
資格の正式名称を略して書くのは避けましょう。「簿記2級取得」と記載する方が多いですが、採用担当者は「どの主催団体の検定か」を確認しています。正式名称の詳細については検定の書き方・正式名称ガイドも参照してください。

会計ソフトのスキルを職歴欄に含める方法
会計ソフトの操作経験は、経理求人において採用担当者が最初に確認するスキルのひとつです。履歴書の資格欄ではなく、職歴欄の業務内容の中に「弥生会計使用・3年」のように自然な形で記載するのが最も効果的です。
- 弥生会計:中小企業での使用が多い。3〜5年の実務経験があれば必ず記載する
- freee・マネーフォワードクラウド:スタートアップ・ベンチャーで多い。使用経験があれば強みになる
- SAP・Oracle:大企業・外資系企業で使用。経験があると上位求人で差がつく
- 勘定奉行(OBC):中堅企業に多い。操作経験は採用担当者に伝わりやすい
「Excelスキル(VLOOKUP・ピボットテーブル・IF関数)」も経理では高く評価されます。使用経験があれば職歴欄または資格・スキル欄に記載します。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 経理の職歴欄では「在籍期間・事業規模・担当業務の具体性・退職理由」の4点が評価の核心
- 「経理事務」の1行だけでなく、業務内容を2〜3行の箇条書きで補足することで採用担当者の印象が大きく変わる
- 使用した会計ソフト名とExcelスキルを業務内容に含めることが即戦力アピールの近道
- 短期離職・ブランク・派遣経験がある場合でも、事実を正直に記載したうえで補足することが最善策
履歴書の職歴欄は、採用担当者が職務経歴書を読む前の「予告編」です。職歴欄で業務内容の全体像を伝えておくことで、職務経歴書との一貫性も生まれます。
経理の履歴書 職歴欄に関するよくある質問
- 経理の職歴欄に「経理事務」と一言だけ書いてもいいですか?
-
採用担当者は「経理事務」だけでは業務範囲を判断できません。伝票入力・請求書管理・月次決算補助など、実際に担当した業務を2〜3行の箇条書きで補足することをお勧めします。使用した会計ソフト名も一緒に記載すると採用担当者への印象が格段によくなります。
- 経理の転職で、履歴書の職歴欄と職務経歴書はどう使い分ければいいですか?
-
履歴書の職歴欄は「いつ・どこで・何を担当したか」を事実として記載する場所です。職務経歴書はその詳細(業務の深さ・成果・スキル)をアピールする場所です。履歴書で業務の全体像を示し、職務経歴書でその詳細を掘り下げる構成が基本です。
- 経理の職歴欄に会計ソフトを書く必要はありますか?
-
経理求人では「どの会計ソフトが使えるか」は採用担当者が必ず確認する項目です。弥生会計・freee・SAP・勘定奉行など、使用経験があるソフト名は職歴欄の業務内容に含めて記載することをお勧めします。使用年数も添えると即戦力感がより伝わります。
- ブランク期間がある場合、経理の履歴書の職歴欄はどう書けばいいですか?
-
ブランク期間は隠さず記載します。育児・介護・療養などの理由を一言添えるだけで採用担当者の印象が変わります。ブランク中に簿記資格の取得や会計ソフトの学習をしていた場合は、その旨を職歴欄または資格欄で補足することで経理復帰への意欲が伝わります。


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