この記事では、無期雇用派遣の職歴を履歴書に書く方法を解説します。派遣会社への記載を「入社」とするか「登録」とするか、派遣先の会社名はどう書くか、採用担当者が見ているポイントまで、記入例とあわせて確認できます。
無期雇用派遣の履歴書で最初に確認すること|登録型派遣との違い
登録型派遣と無期雇用派遣、雇用契約の仕組みが根本的に違う
「派遣」という言葉でひとくくりにされますが、登録型派遣と無期雇用派遣では雇用関係の構造がまったく異なります。この違いを理解していないと、履歴書に誤った表記をしてしまい、採用担当者に「雇用形態を把握していない人」という印象を与えます。
| 項目 | 登録型派遣 | 無期雇用派遣 |
|---|---|---|
| 派遣会社との契約 | 登録のみ(雇用契約なし) | 雇用契約あり(期間の定めなし) |
| 派遣先が決まるまで | 原則として雇用関係なし | 雇用関係は継続 |
| 派遣先の変更 | 都度新しい雇用契約 | 会社に雇用されたまま異動 |
| 3年ルール(同一職場) | 適用あり | 派遣会社が同一のため適用外 |
| 履歴書の表記 | 「登録」が一般的 | 「入社」が正解 |
「入社」と「登録」のどちらを書くかで採用担当者の印象が変わる
無期雇用派遣の場合、派遣会社との間に期間の定めのない雇用契約があります。法的には派遣会社の社員として「入社」しているため、履歴書にも「入社」と書くのが正確です。「登録」という表記は、雇用関係がなく派遣会社に名簿を届けただけの登録型派遣に使うものです。
採用担当者は雇用形態の違いを把握しています。無期雇用派遣なのに「登録」と書いていると「雇用形態を正しく理解していない」と映る場合があります。書き方の前提として、自分の契約形態を正確に確認しておくことが出発点です。
【職歴欄の書き方】無期雇用派遣の正しい記載パターン
基本パターン:「入社」→「派遣就業」→「退職」の流れ
無期雇用派遣の職歴は、次の3ステップで記載します。
- ステップ1:派遣会社への入社を「入社」と記載する
- ステップ2:派遣先での就業開始を「〇〇株式会社へ派遣就業」と記載する
- ステップ3:退職時は「退職」と記載する(「派遣期間満了につき退職」は使わない)
良い書き方(基本パターン)
〇〇年〇月 〇〇株式会社(人材派遣)入社
〇〇年〇月 △△株式会社へ派遣就業(経理事務・伝票処理・月次集計業務担当)
〇〇年〇月 一身上の都合により退職
NG例
〇〇年〇月 〇〇株式会社(人材派遣)登録
〇〇年〇月 △△株式会社派遣就業
〇〇年〇月 派遣期間満了につき退職
「登録」と「派遣期間満了につき退職」はいずれも登録型派遣の表記です。無期雇用派遣には使いません。
派遣先が複数ある場合の書き方
無期雇用派遣で複数の派遣先を経験している場合は、それぞれの就業先と期間をすべて記載します。同一の派遣会社から配属が変わっただけなので、派遣会社の退職・再入社は書きません。派遣先の変更は「〇〇株式会社へ派遣就業」を行数分追加するだけです。
良い書き方(複数派遣先)
〇〇年〇月 〇〇株式会社(人材派遣)入社
〇〇年〇月 △△株式会社へ派遣就業(営業事務・受発注管理担当)
〇〇年〇月 □□株式会社へ派遣就業(人事・勤怠管理業務担当)
〇〇年〇月 一身上の都合により退職
採用担当者はここを見ている
- 派遣先ごとの業務内容:「〇〇業務担当」の一言があるだけで、スキルの把握が格段にしやすくなる
- 就業期間の長さ:短期間での異動が多い場合は、派遣会社の判断(配属変更)によるものかを確認する
- 派遣先の業種:応募先と同じ業種・業務経験があるかを最初にチェックする
有期雇用から無期雇用に転換した場合の書き方
2018年の労働契約法改正(無期転換ルール)により、同一の使用者との間で通算5年を超えて更新した場合、労働者の申し込みにより無期雇用に転換できるようになりました。登録型派遣として就業を開始し、途中で無期雇用に転換した経歴がある場合は、その事実を職歴に記録します。
良い書き方(無期転換を経験した場合)
〇〇年〇月 〇〇株式会社(人材派遣)登録
〇〇年〇月 △△株式会社へ派遣就業(総務・庶務業務担当)
〇〇年〇月 労働契約法に基づき無期雇用転換
〇〇年〇月 □□株式会社へ派遣就業(同業務継続)
〇〇年〇月 一身上の都合により退職
「無期雇用転換」の一文を入れることで、同じ会社で5年以上継続就業してきた実績を自然に示せます。単なる長期派遣として見られるのではなく、継続性・信頼性として読み取ってもらえる記載方法です。
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注意点①「派遣期間満了につき退職」は書いてはいけない
「派遣期間満了につき退職」という表記は、登録型派遣が契約終了時に使う定型文です。無期雇用派遣は期間の定めのない雇用契約であるため、「満了」という概念自体がありません。それにもかかわらずこの表記を使うと、採用担当者に「雇用形態を正しく理解していない」という印象を与えます。
自己都合退職なら「一身上の都合により退職」、会社都合なら「会社都合により退職」が正確な表記です。迷ったときは、「なぜその雇用関係が終わったのか」の実態に合った表現を選ぶのが原則です。
注意点②派遣先の会社名と業務内容を必ず書く
「派遣就業」とだけ書いて派遣先の社名を省略する方がいますが、これは採用担当者にとって情報不足です。採用担当者は職歴欄から「どの業種・規模の企業で、どんな業務を担当してきたか」を読み取ろうとしています。派遣先の会社名(もしくは業種・規模)と担当業務を具体的に書くことで、書類選考を通過しやすくなります。
採用担当者はここを見ている
- 派遣先の業種・規模:「大手メーカー向け事務」「IT系ベンチャー」など業種が見えると経験の文脈がわかる
- 担当業務の具体性:「事務」だけでなく「月次決算補助・Excelでのデータ集計」など具体的な業務名を書くと評価しやすい
- 就業期間の継続性:1年以上の就業が確認できると「定着して働ける人材」という安心感につながる
注意点③職歴が多くても省略しないほうがいい
複数の就業先を経験していると「職歴が多すぎて印象が悪くなるから省略したい」と考える方がいます。しかし、職歴を意図的に省略することは経歴詐称にあたる可能性があります。内定後や入社後に発覚した場合、取り消しや解雇のリスクもゼロではありません。
むしろ、複数の派遣先で継続して就業してきた実績は「さまざまな環境に適応できる人材」として評価される側面があります。省略より、業務内容を明確に書いてアピールするほうが選択として優れています。
無期雇用派遣から正社員を目指す場合の書き方戦略
「なぜ正社員を目指すのか」を志望動機で自然に補う
無期雇用派遣から正社員への転職を目指す場合、採用担当者が必ず気にするのは「なぜ今のタイミングで正社員を目指すのか」という点です。この問いへの答えが志望動機の中に自然に組み込まれていないと、「正社員になれなかったから仕方なく応募している」という印象を与えかねません。
志望動機では、派遣期間を通じて積み上げたスキル・経験を前提に、「その経験を活かして貴社でより深く貢献したい」という文脈で書くのが有効です。「派遣から脱したい」ではなく、「〇〇の経験を通じて御社の〇〇に貢献できると確信している」というポジティブな動機設計が重要です。
採用担当者はここを見ている
- 退職理由がネガティブでないか:「安定を求めた」「派遣を辞めたかった」は志望動機として弱い。前向きな理由が必要
- スキルの一貫性:派遣先での経験が応募職種と繋がっているかを確認する。無関係な業務の羅列は評価されにくい
- 自社・業界への理解:「正社員ならどこでもよい」ではなく、「この会社でなければならない理由」があるかを見ている
職務経歴書との連携で強みをアピールする
履歴書の職歴欄はあくまで「事実の記録」です。スペースが限られているため、派遣先での具体的な成果・工夫・習得スキルは職務経歴書で補います。
- 履歴書の職歴欄:派遣会社名・派遣先・就業期間・担当業務の概要を記載
- 職務経歴書:担当業務の詳細・使用ツール・成果数値・改善実績・スキルを記載
面接で「それって正社員ではなくて派遣ですよね?」と確認されることがあります。その際に「はい、無期雇用派遣として〇年間〇〇株式会社に在籍し、△△の業務を担当しておりました。その経験を通じて〇〇のスキルを身につけました」と自信を持って説明できる準備をしておくことが、選考突破への実際的な対策です。
【記入例】実際の職歴欄の書き方サンプル
記入例①:1社のみへの派遣就業
記入例① 単一派遣先の場合
〇〇年〇月 株式会社〇〇ヒューマンリソース(人材派遣業)入社
〇〇年〇月 △△製造株式会社へ派遣就業(生産管理補助・データ入力・在庫管理業務担当)
〇〇年〇月 一身上の都合により退職
記入例②:複数の派遣先を経験した場合
記入例② 派遣先2社を経験
〇〇年〇月 株式会社〇〇スタッフィング(人材派遣業)入社
〇〇年〇月 □□商事株式会社へ派遣就業(輸出入書類管理・社内問い合わせ対応担当)
〇〇年〇月 △△テクノロジーズ株式会社へ派遣就業(社内ヘルプデスク・IT機器管理担当)
〇〇年〇月 一身上の都合により退職
記入例③:有期雇用から無期転換後に退職した場合
記入例③ 有期→無期転換を経て退職
〇〇年〇月 株式会社〇〇パートナーズ(人材派遣業)登録
〇〇年〇月 △△物流株式会社へ派遣就業(受注処理・問い合わせ対応・配送手配業務担当)
〇〇年〇月 労働契約法に基づき無期雇用転換
〇〇年〇月 一身上の都合により退職
有期から無期への転換は「5年以上継続して就業した実績」の証明です。採用担当者には、長期にわたって同じ組織に貢献できる人物として映ります。転換の事実は積極的に記載してください。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 派遣会社への記載は「入社」:無期雇用派遣は雇用契約があるため、「登録」ではなく「入社」が正確
- 派遣先の記載は「〇〇株式会社へ派遣就業」:会社名と担当業務を必ず書く
- 退職は「一身上の都合により退職」:「派遣期間満了につき退職」は登録型派遣の表記であり使わない
- 複数の派遣先はすべて記載する:省略は経歴詐称のリスクがある。業務内容を明確にすればアピール材料になる
- 無期転換の経験は積極的に記載する:長期継続就業の実績として評価される
正しい記載方法で書かれた履歴書は、採用担当者に「雇用形態を正確に理解している人物」という印象を与えます。
無期雇用派遣の履歴書に関するよくある質問
- 無期雇用派遣の職歴を履歴書に書くとき、「登録」と「入社」どちらが正しいですか?
-
「入社」が正しい表記です。無期雇用派遣は派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結んでいるため、法的には派遣会社の社員として入社しています。「登録」は雇用契約がない登録型派遣の場合に使う表記です。
- 派遣先の会社名は履歴書に書いても問題ありませんか?
-
書いて問題ありません。派遣先の会社名を記載することで、採用担当者がどの業種・企業規模での経験かを正確に把握できます。守秘義務の観点から会社名を出しにくい場合は「大手メーカー(自動車業界)」のように業種と規模で代替することも可能です。
- 無期雇用派遣を退職した理由は「派遣期間満了」と書いていいですか?
-
書いてはいけません。「派遣期間満了につき退職」は、雇用期間が決まっている登録型派遣の表記です。無期雇用派遣は期間の定めがないため「満了」という概念が存在しません。自己都合退職なら「一身上の都合により退職」、会社都合なら「会社都合により退職」と書いてください。
- 複数の派遣先を経験しています。すべて書かなくてはいけませんか?
-
すべて記載することを推奨します。意図的に職歴を省略することは経歴詐称につながる可能性があります。複数の派遣先経験は「さまざまな環境に適応できる実績」として評価されることもあります。業務内容と就業期間を明確に記載することで、スキルのアピールにつながります。
- 有期派遣から無期雇用に転換した経歴はどう書けばいいですか?
-
転換した事実を職歴に記載するのがおすすめです。「〇〇年〇月 労働契約法に基づき無期雇用転換」と一行追加することで、5年以上継続して就業してきた実績として採用担当者に伝わります。転換前は「登録」、転換後の雇用終了時は「退職」と記載する流れになります。


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