職務経歴書は、古い経歴も省略せずすべて記載し、直近の職歴ほど詳しく書くのが正解です。転職回数が多い場合やキャリアが長い場合は、全部を同じ密度で書くと分量が増えすぎてしまいます。記載範囲の目安と、古い職歴を要約する具体的な書き方を、採用担当者の視点とあわせて紹介します。
職務経歴書はどこまで書く?結論は「全職歴記載」が原則
結論:省略ではなく「詳しさに差をつける」
職務経歴書には、これまでのすべての職歴を記載します。ただし全社を同じボリュームで書く必要はありません。直近10年前後の職歴は担当業務や実績を具体的に、それより前の経歴は社名・在籍期間・職種を1〜2行にまとめる形で書けば、正確さと読みやすさを両立できます。
- 直近10〜15年:担当業務・実績を具体的に記載
- それ以前の経歴:社名・在籍期間・職種を1〜2行で要約
- アルバイトや関連性の低い職歴:省略せず簡潔にまとめる
【転職回数が多い場合】良い例文とNG例
転職回数が多い人ほど、直近と過去で書き分ける意識が重要です。古い経歴を消すのではなく、要約して残すことがポイントです。
良い例文
株式会社〇〇(2012年4月〜2016年3月)
営業職として法人向けルート営業に従事。
株式会社△△、株式会社□□(2016年4月〜2019年3月)
販売職を経験。接客・在庫管理を担当。
株式会社◇◇(2019年4月〜現在)
営業職として新規開拓を担当し、直近2年間で担当エリアの売上を前年比115%に伸長。
NG例
2012年〜2016年、2016年〜2019年の職歴は割愛し、株式会社◇◇(2019年4月〜現在)から記載。職歴に3年以上の空白ができ、採用担当者に経歴詐称や無職期間を疑われるリスクがあるため、要約であっても省略はしないほうが安全です。
先ほどの例のように複数の職歴を書き分ける際は、営業の職務経歴書テンプレートのように職種別のフォーマットを使うと、項目の抜け漏れを防ぎやすくなります。
アルバイト・パート・海外経験はどう書く?
正社員経験の合間に入っていたアルバイトやパートも、期間が数ヶ月以上あるものは記載します。応募職種との関連が薄い場合は、以下のように扱いを変えれば問題ありません。
- 応募職種と関連が高いアルバイト:業務内容を簡潔に記載
- 関連が低いアルバイト:社名・期間・職種のみを1行で記載
- 海外での就業経験:勤務先・期間に加え、担当業務を日本語で明記
なぜ「省略」ではなく「全職歴記載+要約」が正解なのか
職歴を丸ごと省略すると、入社後に提出する年金手帳や雇用保険被保険者証の記録と食い違い、意図しなくても経歴詐称とみなされる可能性があります。また履歴書の職歴欄と職務経歴書の内容が一致していないと、書類の正確性そのものを疑われてしまいます。
採用担当者はここを見ている
- 退職から次の入社までの間隔が1ヶ月以上空いていないか
- 履歴書の職歴欄と職務経歴書の在籍期間が一致しているか
- 古い経歴が「省略」ではなく「要約」で処理されているか
ここで多くの人が引っかかるのは、「省略」と「要約」を同じものだと考えてしまう点です。省略は経歴そのものを消す行為で発覚時のリスクを伴いますが、要約は事実を残したまま情報量だけを圧縮する行為で、リスクを負わずに読みやすさを確保できます。
【年代・状況別】職務経歴書の記載範囲の目安
記載範囲の目安は年代によっても変わります。以下の表を参考に、自分の職歴の長さに合わせて詳しさを調整してください。
| 年代 | 詳しく書く範囲 | 要約する範囲 |
|---|---|---|
| 20代 | すべての職歴 | 該当なし(経歴が短いため) |
| 30代 | 直近5〜7年 | それ以前は1〜2行で要約 |
| 40代以上 | 直近10年 | 10年以上前は社名・期間・役職のみ |
転職回数が多い人はキャリア式が有利
20代で3回以上、30代で5回以上の転職は「回数が多い」と見られやすい目安です。この場合、時系列で会社ごとに書く編年体式よりも、経験を職務分野別にまとめる書き方のほうが、転職回数よりスキルの積み上げを伝えやすくなります。

職歴が長いベテランはこう整理する
20年以上のキャリアがある場合は、直近の2〜3社を厚く書き、それより前は「株式会社〇〇 ほか2社(1998年4月〜2010年3月)/営業職として法人営業に従事」のように会社名を並記してまとめると、量を抑えながら空白を作らずに済みます。
エンジニア職のように担当技術が多岐にわたる場合は、エンジニアの職務経歴書テンプレートのようにスキル一覧欄が独立したフォーマットを使うと、古い経歴を圧縮しても技術の幅は伝えられます。
古い職歴を要約するときの書き方とNG例
要約とひと言でいっても、書き方次第で印象は大きく変わります。ここでは実際の書き方をNG例とあわせて確認します。
良い要約例
株式会社〇〇(2005年4月〜2012年3月)
販売職として店舗運営・在庫管理・新人教育を担当。在籍期間と担当業務を1〜2行に凝縮しつつ、空白は作らない。
NG例
2005年〜2012年:株式会社〇〇 在籍、のみで担当業務の記載なし。業務内容が一切分からないと「何をしていたか説明できない期間」と受け取られ、面接で深掘りされたときに答えに詰まりやすい。
採用担当者はここを見ている
採用担当者が実際にチェックしているのは、記載の長さそのものではなく退職日と次の入社日の間隔です。要約した経歴の間に1ヶ月以上の空白が生まれていないかを確認し、空白があれば理由を面接で確認しようとします。要約する際も年月は必ず正確に記載してください。
職務経歴書の他の項目で迷ったときのチェックリスト
記載範囲以外にも、職務経歴書には判断に迷いやすい項目があります。あわせて確認しておくと、書類全体の完成度が上がります。
- 退職理由の書き方に迷ったら、転職回数が多い場合の伝え方を確認する
- 基本のフォーマット選びに迷ったら、3種類の書式の違いを確認する
- 提出先がハローワークの場合は、専用の書式を使う


事務職の場合は、事務の職務経歴書テンプレートを使うと、古い経歴を要約する欄と直近を詳しく書く欄が最初から分かれているため迷いにくくなります。ハローワーク経由で応募する場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートのように指定様式に近いフォーマットを選ぶと安心です。
まとめ
- 職務経歴書はすべての職歴を記載し、直近ほど詳しく書くのが原則
- 古い経歴は「省略」ではなく「社名・期間・職種」の要約で残す
- 採用担当者は文章量より、退職〜入社の間隔に空白がないかを見ている
記載範囲の判断基準を押さえておけば、職歴が多くても迷わず書類を仕上げられます。
職務経歴書の記載範囲に関するよくある質問
- 職務経歴書に古いアルバイト歴も書くべきですか?
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応募職種との関連が薄いアルバイトでも、期間が数ヶ月以上あるものは社名・期間・職種だけでも記載してください。省略すると職歴に空白ができ、採用担当者に無職期間があったと誤解される原因になります。
- 職務経歴書は何年前まで書けばいいですか?
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年数の上限はなく、原則としてすべての職歴を記載します。目安として直近10年前後は詳しく、それより前は社名・期間・役職のみに要約すると、正確さと読みやすさを両立できます。
- 古い職歴を省略したら経歴詐称になりますか?
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意図的でなくても、職歴の空白が入社後に提出する年金手帳や雇用保険被保険者証の記録と食い違えば、経歴詐称と受け取られるおそれがあります。省略はせず、要約という形で残すことをおすすめします。

