職務経歴書の2社分は、時系列の羅列でなく「共通する強みの一文」を先頭に置くのが正解です。「たった2社」で見劣りしないか不安な方も多いですが、採用担当者が重視しているのは社数ではなく経歴のつながりです。この記事では、フォーマットの選び方や職務要約の書き方、状況別の記載例を、実際の良い例・NG例とあわせて解説します。
職務経歴書2社の書き方【結論】と記載例
結論:2社の経歴は「時系列の羅列」でなく「共通の強みの軸」でまとめる
2社分の職歴を「A社で〇〇を担当し、B社で△△を担当しました」と時系列で並べるだけでは、採用担当者に「何ができる人か」が伝わりません。まず2社に共通する強み・スキル・姿勢を1つ見つけ、その軸を職務要約の冒頭に置いてから、各社の実績を続ける構成が書類通過につながる書き方です。
NG例(時系列の羅列)
株式会社Aで法人営業を3年担当後、株式会社Bに転職し、現在ルート営業を2年担当しています。どちらの職場でも営業として働いてきました。「何ができる人か」が伝わらないのが最大の問題です。採用担当者は「2社で営業をしてきた」という事実しか読み取れません。
良い例文(強みの軸を冒頭に置いた職務要約)
法人営業を中心に計5年の実務経験があります。1社目(株式会社A)では新規開拓を担当し、年間30件の新規契約を獲得。2社目(株式会社B)では既存顧客のアカウント管理に注力し、解約率を前年比15%改善しました。新規開拓から関係構築まで営業の全工程を経験した強みを活かし、御社でも即戦力として貢献できます。
採用担当者はここを見ている
- 冒頭の一文で「何ができる人か」が3秒でわかるか
- 2社を通じた具体的な数字・実績が最低1つ以上あるか
- 2社の経験がバラバラでなく1本の軸でつながっているか
状況別の書き出し例(同業種の場合/異業種の場合)
1社目と2社目の関係性によって、職務要約の冒頭に置く一文は変わります。自分の状況に近い例を確認してください。
| 状況 | 冒頭の書き出し例 |
|---|---|
| 同業種・同職種でキャリアアップ | 「法人営業として計5年、新規開拓から既存顧客管理まで一貫して経験してきました」 |
| 異業種・異職種へのキャリアチェンジ | 「接客業で培った提案力を武器に、法人営業として2年間で〇〇の実績を残しました」 |
職務経歴書に2社分の経歴を書くとき、採用担当者が見ている3つのこと
「2社しかない」と感じていても、採用担当者が社数そのものを直接評価することはほとんどありません。実際に確認しているのは、次の3点です。
- 即戦力として活躍できるスキルと経験があるか
- 自社でも継続して働いてもらえるか(定着性・継続意欲)
- これまでの2社の経験が、応募先の仕事とどう結びつくか
2社の職歴は「少ない」のではなく、「各社での経験が深い」とも言えます。転職回数が多い人と比べると1社あたりの在籍期間が長くなるため、担当業務の専門性や継続的な実績を示しやすい立場にあります。大切なのは、2社の経験を「バラバラな職歴」ではなく「一本の軸を持ったキャリア」として見せることです。
履歴書の職歴欄と職務経歴書は目的が異なります。書き分け方に迷う場合は、履歴書と職務経歴書の書き方の違いもあわせて確認しておくと、内容の重複を避けられます。

2社分の職歴に合ったフォーマットの選び方
職務経歴書のフォーマットには「編年体式」「逆編年体式」「キャリア式」の3種類があります。フォーマットの選択を誤ると経歴がわかりにくくなり、採用担当者に読まれにくくなります。まず比較表で自分の状況に合うものを確認してください。
| フォーマット | 特徴 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 編年体式 | 古い順に時系列で記載 | 同業種・同職種でキャリアアップしてきた場合 |
| 逆編年体式 | 新しい順に時系列で記載 | 直近の職歴を最大限アピールしたい場合 |
| キャリア式 | 職種・スキル別に整理して記載 | 異業種・異職種で幅広いスキルをアピールしたい場合 |
編年体式|同業種・職種でキャリアアップしてきた場合
1社目から時系列順に記載するフォーマットです。同じ職種・業種でキャリアを積んできた場合、成長の流れが自然に伝わります。採用担当者が最も読み慣れている形式のため、余計な説明なしに経歴が伝わりやすい点がメリットです。1社目の在籍期間が長く2社目が短い場合は、2社目の担当業務と実績を具体的な数字とともに書き込み、分量の差を補ってください。
逆編年体式|直近の実績を前面に出したい場合
最新の2社目から記載するフォーマットです。採用担当者が最初に目にするのが最も伝えたい直近の経験になるため、2社目の実績が応募先の業務と特に関連がある場合に効果的です。2社目の在籍期間が短い場合は経歴の薄さが目立つ可能性があるため、その場合は編年体式を選ぶ方が安全です。
キャリア式|異業種・スキルの幅をアピールしたい場合
「営業職として〇年」「マネジメントとして〇年」のように職能別に整理するフォーマットです。ただし在籍期間や社数が把握しにくくなるデメリットがあるため、2社だけの職歴なら編年体式または逆編年体式の方がシンプルで読みやすいケースが大半です。キャリア式を選ぶ場合は、各社の在籍期間を括弧書きで必ず明記してください。
どの応募先にも対応できる汎用フォーマットを先に用意しておきたい場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートから自分に合う形式を選んで書き始めるとスムーズです。
職務経歴を1社ごとに書く4つの項目
職務要約の次は、1社ごとの職務経歴を詳しく記載します。各社について以下の4項目を漏れなく書いてください。
- 企業概要:社名・業種・事業内容・従業員数規模
- 在籍期間と雇用形態:〇年〇月〜〇年〇月(正社員・契約社員など)
- 担当業務の内容:箇条書きで3〜5項目
- 実績・成果:できる限り数字で表す
業務内容は「何を」より「どう動いたか」で差がつく
業務内容の記載で最も多い失敗は、担当業務を一言で終わらせてしまうことです。採用担当者が知りたいのは「何を担当していたか」だけでなく、「どのように動いて、どんな結果を出したか」です。
NG例(一言で終わらせた業務内容)
営業業務全般を担当。「全般」という言葉は何も伝えていません。採用担当者は担当規模も役割も責任範囲も読み取れません。
良い例文(担当規模・動き・結果まで書いた業務内容)
新規法人顧客の開拓を担当。テレアポ・訪問・提案から契約締結まで一貫して対応し、月間訪問件数20件を維持。担当エリアの新規契約数は前任者比140%を達成。
営業職の職務経歴の書き方をさらに詳しく確認したい場合は、営業の職務経歴書テンプレートも参考にしてください。
実績の書き方|数字がない場合でも具体化できる方法
実績は数字で書くのが原則ですが、職種によっては数字での表現が難しい場合もあります。数字がない場合は、以下のような代替表現で具体化できます。
| 状況 | 具体化の方法 | 表現例 |
|---|---|---|
| 売上・件数がある | そのまま数字で書く | 「年間新規契約30件」「前年比120%達成」 |
| 数字がない(事務・サポート系) | 担当範囲・改善前後の変化で示す | 「月次請求書500件の処理を主担当」「処理時間を従来比30%短縮」 |
| チーム・プロジェクト系 | 関わった規模・役割で示す | 「10名チームのリーダーとして3名をマネジメント」 |
事務職で数字の実績が出しにくいと感じる場合は、事務の職務経歴書テンプレートにある業務内容の書き方を先に確認しておくと項目を埋めやすくなります。
ケース別|状況に合わせた2社の書き方
2社の職歴にはさまざまなパターンがあります。自分の状況に合わせた書き方のコツを確認してください。
1社目と2社目で業界・職種が異なる場合
「一貫性がない」と心配する方が多いですが、採用担当者に本当に伝えるべきは「なぜキャリアチェンジしたか」という選択の主体性です。職務要約に「1社目での〇〇の経験を通じて〇〇へのキャリアに転換しました」という一文を入れるだけで、バラバラな印象を大きく払拭できます。業界・職種が違っても「接続できるスキル」を見つけることが書類通過のカギです。
- コミュニケーション力・ヒアリング力(営業→人事、接客→営業など)
- 課題発見・改善の姿勢(業種を問わず評価される)
- 数字の管理・分析経験(職種をまたいでアピール可能)
2社目の在籍期間が短い場合(1年未満)
在籍期間が短くても、省略は絶対に避けてください。採用担当者がリファレンスチェックや各種確認を行った際に発覚するとマイナスになります。正直に記載したうえで、短期在籍の理由を前向きに添えることが正しい対処法です。
- 会社都合(倒産・部門閉鎖・希望退職)の場合:その旨を明記する。マイナス評価にはなりません
- 自己都合の場合:「〇〇を実現するため」という目的と、在籍中に学んだことを1〜2行添える
- 健康・家族の事情の場合:「一身上の都合」と記載し、現在は問題なく稼働できる旨を添える
2社のどちらかが契約社員・アルバイトだった場合
契約社員・アルバイト・派遣社員も職歴として記載が必要です。雇用形態は社名の後に括弧書きで明記してください。業務内容と実績の書き方は正社員と同様で、雇用形態ではなく「何を担当し、どんな成果を出したか」を書くことで印象の差を最小化できます。
| 雇用形態 | 記載方法 |
|---|---|
| 正社員 | (特記なし)または「正社員として勤務」 |
| 契約社員 | 社名の後に「(契約社員)」と記載 |
| 派遣社員 | 「〇〇派遣会社より派遣 配属先:△△株式会社」と記載 |
| アルバイト | 短期・単発でなければ「アルバイトとして勤務」と記載 |
雇用形態が正社員以外だった場合の詳しい書き方は、職務経歴書の雇用形態の書き方で誤解されない表現を確認しておくと安心です。職務経歴書とあわせて履歴書も見直す場合は、転職用の履歴書テンプレートで書式を揃えておくと提出書類全体の印象が統一されます。

自己PRで2社の経験を「強み」に変換する
自己PRは職務経歴書の最後に置く120〜200文字程度の文章です。採用担当者に「この人に会いたい」と思わせる最後の一押しになります。2社の経験を「事実の列挙」で終わらせず、「強みへの変換」を意識してください。「2社の経験から言えること」を1つだけ選んで深掘りするのが基本です。複数の強みを並べると、何が一番の強みかが伝わらなくなります。
NG例(事実の列挙で終わった自己PR)
A社とB社で営業を経験してきました。どんな環境にも適応できる力があります。「どんな環境にも適応できる」は根拠が伴わない抽象的な表現で、採用担当者の記憶には残りません。
良い例文(強みを根拠で支えた自己PR)
法人営業として新規開拓と既存顧客管理を計5年担当してきました。A社では年間30件の新規契約獲得、B社では担当顧客の解約率を前年比15%改善と、数字での成果を積み重ねてきました。「攻め」と「守り」の両面を経験した営業としての強みを、御社でも即日から発揮できると考えています。
職種別にそのまま活用できる例文をまとめて確認したい場合は、職務経歴書のサンプルも参考にしてください。

まとめ
- 職務経歴書は「何社か」より「何を・どのくらい達成したか」で評価が決まる
- フォーマットは自分のキャリアパターン(同業種型・直近重視型・スキル幅型)で選ぶ
- 職務要約は2社を時系列で並べるのではなく、「共通の強みの軸」を冒頭に置く
- 業務内容には担当規模・アクション・実績をセットで書く
- 在籍期間が短い職歴も省略せず、理由と在籍中の学びを添えて記載する
- 自己PRは複数の強みを並べず、1つを根拠とともに深掘りする
職務経歴書の完成度は、書類通過率に直結します。2社という職歴の少なさを補おうとするより、2社で培った経験の質を正確に伝えることに集中してください。
職務経歴書(2社)に関するよくある質問
- 職務経歴書の枚数はA4何枚が適切ですか?
-
2社の場合はA4用紙1〜2枚が目安です。記載内容が多い場合でも3枚を超えると読まれにくくなるため、応募先と関係の薄い業務は思い切って省略してください。優先的に書くのは「応募先で活かせる経験」と「数字で示せる実績」です。
- 2社目の在籍期間が1年未満でも職務経歴書に書くべきですか?
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書く必要があります。在籍期間が短くても省略は避けてください。採用担当者がリファレンスチェック等で確認した際に発覚するとマイナスになります。短期在籍の理由と、その期間に学んだことを正直に記載することで誠実さが伝わります。
- フォーマット(編年体・逆編年体・キャリア式)はどれを選べばよいですか?
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2社の職種・業種が同じであれば編年体式が基本です。直近の2社目の実績を特に見てほしい場合は逆編年体式を選んでください。業種・職種が異なりスキルの幅を強調したい場合のみキャリア式を検討してください。迷ったら編年体式を選ぶのが最も無難です。
- 職務経歴書と履歴書の「職歴欄」は同じ内容を書けばよいですか?
-
目的が異なるため、内容は重複させないでください。履歴書の職歴欄は入社・退社の年月日を公式に記録するもので、職務経歴書はスキル・担当業務・実績の詳細を伝えるものです。2社分の詳細な業務内容・実績・自己PRはすべて職務経歴書に記載してください。

