退職届の本文に書く内容は、表題・私儀・退職理由・退職日・提出日・署名の6項目です。便箋を前に何をどの順番で書けばいいか分からず手が止まっている人に向けて、そのまま使える例文と、押印や宛名の抜け漏れなど総務や上司が実際にチェックしているポイント、さらに縦書き・横書きや手書き・パソコンでの違いまで詳しく解説します。
退職届に書く内容は6項目|そのまま使える例文
結論:退職届の本文に書く6つの項目
退職届の便箋には、次の6項目さえ入っていれば内容として不足はありません。それ以外の情報を付け足す必要はないため、まずは全体像を押さえておきます。
- ①表題:中央に大きく「退職届」
- ②書き出し:「私儀」(わたくしぎ)
- ③退職理由:「このたび一身上の都合により」など
- ④退職日:実際に退職する日付
- ⑤提出日:届を提出する日付
- ⑥所属・氏名・押印:宛名(社長名)と自分の署名捺印
良い例文(そのまま使える見本)
良い例文
退職届
私儀
このたび、一身上の都合により、令和8年9月30日をもって退職いたします。
令和8年8月20日
営業部 山田 太郎 印
〇〇株式会社
代表取締役社長 〇〇 〇〇様
NG例(項目の抜け漏れ)
NG例
- 押印を忘れて名前だけで提出してしまう
- 宛名(社長名)を書かず、自分の署名だけで終わらせる
- 退職理由に不満や本音を具体的に書いてしまう(例:「人間関係が悪いため」)
- 提出日と退職日を取り違えて記入する
総務・上司はここを見ている
総務・上司はここを見ている
- 6項目に抜けがないか(特に押印と宛名)
- 退職理由が定型的な表現でまとめられているか
- 提出日と退職日の整合性が取れているか
退職届の6項目をひとつずつ解説
全体像がつかめたところで、それぞれの項目で迷いやすいポイントを確認します。言葉遣いの正解を知っておくだけで、書き直しの手間を防げます。
①表題(退職届)
便箋の1行目、中央にやや大きめの字で「退職届」と書きます。「退職願」と書き間違えると意思表示の強さが変わってしまうため、退職の意思が確定している場合は表題を間違えないよう注意してください。
②書き出し「私儀」
本文の1行目、行末寄りに小さく「私儀」と書きます。「私事にわたり恐縮ですが」という意味を持つ謙譲表現で、退職届の慣例的な書き出しです。省略すると形式が整わない印象を与えるため、必ず入れておきます。

③退職理由
自己都合退職の場合、詳しい理由は不要です。「このたび一身上の都合により」の一文で十分で、本当の退職理由(人間関係や待遇への不満など)を書く必要はありません。会社都合の場合は表現が変わるため、状況に応じた書き方を個別に確認しておくと安心です。

④退職日
実際に会社を辞める日付です。上司との話し合いで決まった退職日を、和暦・西暦どちらでも構わないので正確に記入します。会社が和暦を使う慣習であれば、それに合わせておくと違和感がありません。
⑤提出日
退職届そのものを提出する日付です。退職日とは別の日付になるのが通常で、この2つを混同すると書類全体の信ぴょう性が下がって見えます。提出する当日の日付を書くのが基本です。
⑥所属部署・氏名・押印
提出日の下に所属部署とフルネームを書き、名前の下に押印します。シャチハタは避け、朱肉を使う認印を用意してください。最後の行には会社名と代表者の役職・氏名を「様」付けで書きます。
状況別の書き方の違い(縦書き・横書き/手書き・パソコン)
縦書きと横書きで書く内容は変わるか
結論として、縦書きでも横書きでも書く内容そのものは変わりません。変わるのは文字の配置と数字の表記だけです。迷ったときは、日本の書類として馴染みのある縦書きを選んでおけば失敗しません。
| 項目 | 縦書きの場合 | 横書きの場合 |
|---|---|---|
| 日付・年数 | 漢数字が基本 | 算用数字でも可 |
| 表題の位置 | 用紙上部の中央 | 用紙上部の中央 |
| 私儀の位置 | 本文1行目の下寄せ | 本文1行目の右寄せ |
手書きとパソコン作成で書く内容は変わるか
これも書く項目自体は同じです。パソコンで作成した場合でも、氏名の欄だけは本人の手書き署名にするのが一般的とされています。会社によって指定のフォーマットがある場合もあるため、事前に総務へ確認しておくと二度手間になりません。
6項目を反映した縦書き・横書き両方の完成例文は、以下の記事にまとめています。

退職届に書いてはいけないこと・書かなくていいこと
退職理由を詳しく書く必要はない
退職届は退職の意思を会社に伝える正式な書類であり、理由を詳細に説明する場ではありません。自己都合退職であれば「一身上の都合により」の一文だけで、書類としての体裁は十分に整います。
会社への不満・退職の背景は書かない
NG例(退職理由)
- 「上司や同僚との人間関係が悪化したため」
- 「給与や評価に納得できないため」
- 「会社の方針に不満があるため」
本音の退職理由は、退職届ではなく退職の意思を伝える面談の場で口頭にとどめておくのが無難です。書面に本音を残すと、後々トラブルに発展した際に不利な材料として扱われる可能性があります。
退職届の提出が済んだあとは、転職活動の書類準備も並行して進めておくとスムーズです。
- 応募先の形式に合わせて転職用の履歴書テンプレートを用意しておくと、退職日が決まり次第すぐに応募へ動ける
- 公的な様式で統一したい場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートが便利
- 企業によってはJIS規格に沿った履歴書テンプレートを求められることもある
- 職務経歴書もあわせて必要になる場合はハローワーク用の職務経歴書テンプレートで記載項目の抜け漏れを防げる
まとめ
- 退職届に書く内容は、表題・私儀・退職理由・退職日・提出日・署名の6項目
- 退職理由は「一身上の都合により」で十分、本音や不満は書かない
- 縦書き・横書き、手書き・パソコンでも書く項目自体は変わらない
- 押印・宛名の抜け漏れが総務・上司から指摘されやすいポイント
6項目を押さえておけば、退職届の内容で迷うことはなくなります。
退職届に書く内容に関するよくある質問
- 退職理由は「一身上の都合」以外の書き方でもいいですか?
-
自己都合退職であれば「このたび一身上の都合により」で問題ありません。会社都合退職の場合は表現が異なるため、退職の背景に合わせて書き方を確認してください。
- 「私儀」を書き忘れたら退職届は無効になりますか?
-
私儀を書き忘れても法的な効力に影響はありません。ただし、退職届の慣例的な形式から外れるため、書き直しを求められる可能性があります。
- 押印を忘れて提出してしまった場合はどうすればいいですか?
-
気づいた時点で速やかに総務や上司に申し出て、押印し直すか書類を差し替えます。押印がないまま放置すると、正式な書類として扱われない場合があります。
- パソコンで作成しても書く内容は変わりませんか?
-
変わりません。表題・私儀・退職理由・退職日・提出日・署名の6項目は、手書きでもパソコン作成でも共通です。氏名欄のみ手書き署名にするのが一般的です。

