退職届は「私事、一身上の都合により退職いたします」という定型文に沿って書けば、多くの場合問題なく受理されます。とはいえ、フォーマットを間違えて突き返されないか不安な方も多いはずです。この記事では自己都合・パート・アルバイトなど状況別のコピペ例文と、封筒や提出タイミングのマナー、人事・総務担当者が実際に確認しているポイントをあわせて解説します。
退職届テンプレート|そのまま使える例文
結論:退職届はこのフォーマットで書けば大丈夫
退職届に決まった様式はありませんが、①表題「退職届」②「私儀」または「私事」③退職理由と退職日④提出日⑤所属部署・氏名・押印⑥宛先(会社の代表者名)の6つを、この順番で記載すれば実務上ほぼ問題になりません。理由は詳しく書かず「一身上の都合により」で統一するのが基本です。会社独自のフォーマットが用意されている場合は、そちらを優先してください。
【状況別】退職届の例文(自己都合・パート/アルバイト)
良い例文(正社員・自己都合退職)
退職届
私儀
この度、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。
令和〇年〇月〇日
〇〇部〇〇課 山田太郎 印
株式会社〇〇 代表取締役〇〇〇〇殿
良い例文(パート・アルバイト)
退職届
私事
一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。
令和〇年〇月〇日
〇〇店 鈴木花子 印
株式会社〇〇 店長〇〇〇〇様
パート・アルバイトの場合も書式は正社員と同じです。宛名は雇用契約書に記載された事業主名や、日頃やり取りしている店長・エリアマネージャーの名前を使うと自然です。次の応募に向けて、アルバイト用の履歴書テンプレートもあわせて確認しておくと、退職後の動きがスムーズになります。
NG例
退職届
私事、御社の対応に不満があり、〇〇部〇〇課の人間関係にも耐えられなくなったため退職します。
不満や愚痴を具体的に書くのはNGです。退職届は事実を一方的に通知する書類であり、感情的な理由を書くと引き継ぎや退職後の関係にも影響しかねません。理由は「一身上の都合により」の一文で十分です。
パソコン作成用・手書き用の使い分け
退職届はパソコンで作成しても失礼にはあたりません。氏名欄だけは本人確認の意味を込めて手書きにし、押印するのが一般的です。会社に指定の様式がある場合や、就業規則で手書きを求められている場合はそちらに従います。
- パソコン作成が向く場合:会社に指定フォーマットがある、字に自信がない、枚数を複数用意する必要がある
- 手書きが向く場合:会社の慣習が手書き中心、上司や人事から手書きを求められた
在職中に次の転職先を探しながら退職届の準備を進める方も少なくありません。応募書類の書き方に不安がある場合は、あわせて確認しておくと安心です。

退職届の書き方6項目【見本つき】
退職届の本文は、以下の6項目を上から順に並べるだけで完成します。項目ごとの記載内容と注意点を表にまとめました。
| 項目 | 記載内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| ①表題 | 「退職届」 | 用紙の1行目中央に大きめに書く |
| ②書き出し | 「私儀」または「私事」 | 2行目の下寄せに配置する |
| ③本文 | 「一身上の都合により、〇年〇月〇日をもって退職いたします」 | 理由は詳細に書かない |
| ④退職日 | 会社と合意した最終出社日または契約終了日 | 就業規則・上司との合意を優先する |
| ⑤所属・氏名 | 部署名とフルネーム+押印 | 認印を使用しシャチハタは避ける |
| ⑥宛名 | 会社の代表者(社長・施設長など)の役職名とフルネーム | 敬称は「殿」または「様」で統一 |
人事・総務担当者はここを見ている
- 退職日が就業規則・引き継ぎスケジュールと矛盾していないか
- 押印が認印になっているか(シャチハタは無効扱いにする会社が多い)
- 宛名の役職・氏名が現在の代表者と一致しているか
退職届と退職願の違い|どちらを出すべきか
結論から言うと、まだ上司に退職の意思を伝えていない段階なら「退職願」、上司と退職について合意済み、または会社の意向にかかわらず退職の意思を確定させたい場合は「退職届」を選びます。
| 書類 | 役割 | 撤回 |
|---|---|---|
| 退職願 | 退職を「お願い」する意思表示。会社の承諾が前提 | 会社が承諾する前なら可能な場合が多い |
| 退職届 | 退職を一方的に「通知」する書類。会社の承諾は不要 | 提出後は原則撤回できない |
| 辞表 | 役員・公務員など、雇用契約でない立場の人が使う言葉 | 役職や立場によって扱いが異なる |
在職中に転職活動を進めている場合、退職届を出したあとの履歴書には「現在○○株式会社に在籍中」といった書き方が必要になります。応募書類の職歴欄の書き方に迷ったら、あわせて確認しておくと安心です。

すでに転職先が決まっている方は、退職の手続きと並行して応募書類の準備を進めておくと退職後にあわてずに済みます。転職用の履歴書テンプレートも参考にしてください。
退職届の用紙・封筒・折り方マナー
用紙は白無地のシンプルなものを使い、封筒も同じく白無地・郵便番号枠なしのものを選びます。サイズの組み合わせは以下のとおりです。
| 用紙 | 封筒 | 備考 |
|---|---|---|
| B5 | 長形4号(90mm×205mm) | 手書き・PC作成どちらにも対応 |
| A4 | 長形3号(120mm×235mm) | 会社の指定がなければA4が無難 |
正式なフォーマットに自信がない場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートのように、公的な様式に沿って整えられた書類を参考にすると迷いにくくなります。
三つ折りにして封筒へ入れる
- 退職届を下から3分の1を折り上げる
- 上からも3分の1を折り下げ、三つ折りにする
- 表題「退職届」が封筒を開けたときに正面から読める向きで封入する
- 封筒の表中央に「退職届」、裏左下に所属部署とフルネームを書く
手渡しする場合は封をしなくても問題ありませんが、郵送する場合は封をしたうえで「親展」の記載を添えると、担当者以外に開封されるのを防げます。
退職届はいつ・誰に出す?提出のタイミングと渡し方
民法627条により、無期雇用の場合は退職を申し入れてから2週間が経過すれば雇用契約は終了します。就業規則で「1ヶ月前まで」などと定められていても、法律上は2週間ルールが優先されます。ただし引き継ぎを考えると、就業規則に沿って早めに動くのが実務上は無難です。
提出の基本ステップ
- まず直属の上司に口頭で退職の意思を伝える
- 退職日と引き継ぎスケジュールについて合意する
- 合意した内容をもとに退職届を作成し、上司に手渡しする
- 上司が不在がちで直接渡せない場合のみ、郵送を検討する
退職日がまだ確定しておらず、履歴書の職歴欄をどう書けばよいか迷っている場合は、あわせて以下も参考にしてください。

人事・総務担当者はここを見ている|受理されない退職届のNG例
退職届は「一方的な意思表示」のため法的には受理を拒否できませんが、実務上は書式の不備があると差し戻され、手続きが余計に長引くことがあります。総務・人事担当者が実際に困る書き方を知っておくと、余計なやり取りを避けられます。
NG例
- 退職日が空欄、または「〇月中」のようにあいまいな表現になっている
- 会社都合退職なのに「一身上の都合により」と書き、後で本人と会社の認識がずれる
- 押印がシャチハタ、または押印そのものが抜けている
- 提出方法がチャットやメール本文への書き込みだけで、書面が残っていない
特に会社都合退職の場合は「一身上の都合により」と書かないのが原則です。離職票の離職理由と食い違うと、本人が受け取れるはずの給付に影響することがあるためです。退職理由が会社都合に該当する可能性がある場合は、書き方を人事に確認してから作成すると安心です。
体裁を整える自信がない場合は、JIS規格に沿った履歴書テンプレートのようなレイアウトの整った書類を一度見ておくと、退職届の見た目のバランスも取りやすくなります。
まとめ
- 退職届は「表題・私儀・一身上の都合により・退職日・所属氏名と押印・宛名」の6項目を順番に書けば問題ない
- 上司にまだ相談していない段階は「退職願」、意思を確定させる段階は「退職届」を使い分ける
- 用紙は白無地のB5またはA4、封筒は長形4号または長形3号、押印はシャチハタ以外の認印を使う
- 退職日はあいまいにせず、会社都合の場合は「一身上の都合により」と書かない
退職届は書式さえ守れば難しい書類ではありません。状況に合った例文を選び、上司との合意内容を正確に反映させれば、余計なやり取りなく手続きを進められます。
退職届に関するよくある質問
- 退職届はボールペンで書いても良いですか?
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問題ありません。ただし消せるフリクションボールペンや鉛筆は改ざんの疑いを招くため避けてください。黒の油性ボールペンか万年筆で、消えない筆記用具を使うのが基本です。
- 退職届を出したあとに撤回できますか?
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退職届は会社への一方的な意思表示のため、提出後の撤回は原則できません。まだ気持ちが固まっていない場合は、先に「退職願」を提出し、会社が承諾する前であれば撤回できる余地を残しておく方法もあります。
- 退職届はパソコンで作成しても失礼になりませんか?
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失礼にはあたりません。多くの会社でパソコン作成が一般的になっています。氏名欄だけ手書きにして押印すれば、本人の意思表示として十分な体裁になります。
- 退職届を上司に直接渡せない場合はどうすれば良いですか?
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できる限り直属の上司に手渡しするのが基本ですが、上司が長期不在などやむを得ない事情がある場合は、内容証明郵便で送付する方法もあります。郵送する際は「親展」と明記し、必ず控えを手元に残してください。

