この記事では、電気工事士の履歴書を書く際に押さえておくべきポイントを採用担当者の視点で解説します。資格欄の正式名称・取得年月の書き方から、志望動機・自己PRの例文まで、未経験者・転職者の状況別に紹介します。
電気工事士が履歴書を書く前に知っておきたいこと
電気工事士の採用担当者は、毎日多くの履歴書を受け取ります。書類選考にかける時間は1枚あたり数十秒から数分程度。その短い時間で「この人に会いたい」と思わせるには、資格欄・職歴欄・志望動機の3箇所に集中して情報を凝縮することが最優先です。
採用担当者が資格欄で最初に確認する3つのポイント
電気工事士の採用担当者が資格欄を見るとき、まず3つのことを確認しています。この3点が正確に書かれているだけで、「几帳面で信頼できる人材」という第一印象を与えることができます。
👔 採用担当者が資格欄で最初に確認すること
- ①種別(第一種か第二種か):施工できる工事の範囲が異なるため、即戦力かどうかの判断材料になる
- ②取得年月:取得から年数が経っている場合は実務経験の豊富さを示す指標になる。取得予定の場合は入社後すぐに戦力として動けるかの判断に使う
- ③正式名称かどうか:略称や誤字が多い応募者は、現場でのヒューマンエラーを連想させる。資格名の正確さ=安全意識の高さとして見られている
手書きとPCどちらで作成するべきか
電気工事業界では、手書き・PC作成のどちらも広く受け入れられています。求人票や募集要項に指定がない限り、どちらを選んでも選考に影響することはありません。
| 方法 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 手書き | 「丁寧さ・誠実さ」をアピールしたい / 応募先が中小企業・地域密着型の工事会社 | 修正液・修正テープの使用は厳禁。間違えたら書き直す |
| PC作成 | 転職回数が多く職歴欄が長くなる / 応募先が大手・設備管理会社 | フォントは明朝体かゴシック体に統一。手書き欄(署名・捺印)は忘れずに |
どちらを選ぶにしても、誤字・脱字・情報の欠落がないかを提出前に必ず確認してください。採用担当者が最も印象を下げるのは、内容よりも「基本ミス」です。
【資格欄】第二種・第一種電気工事士の正式な書き方
資格欄は、電気工事士の履歴書で最も採用担当者の目が集まる箇所です。正式名称・表記方法・取得状況のステータスを正確に書くことで、資格への理解度と几帳面さを同時に示せます。
正しい名称と誤りやすい略称の比較
電気工事士の資格名には正式名称が定められています。履歴書には必ず正式名称で記載してください。
| 資格 | 正式名称(◎) | NG表記(×) |
|---|---|---|
| 第二種電気工事士 | 第二種電気工事士 | 電工2種 / 2種電工 / 電気工事士2種 / 電気工事士(2種) |
| 第一種電気工事士 | 第一種電気工事士 | 電工1種 / 1種電工 / 電気工事士1種 / 電気工事士(1種) |
「第2種電気工事士」のように算用数字を使っても間違いではありませんが、漢数字(第二種・第一種)で統一するのが最も無難です。試験センターの公式表記も漢数字を使用しています。
「取得」と「合格」の正しい使い分け
電気工事士の資格では「試験に合格する」と「資格を取得する(免状の交付を受ける)」は別のことです。履歴書への記載は、免状の交付を受けた(=資格を取得した)場合に「取得」と書くのが正しい使い方です。
✅ 正しい書き方(免状取得済みの場合)
第二種電気工事士 令和3年11月 取得
❌ NG例(「合格」と書いてしまうケース)
第二種電気工事士 令和3年11月 合格
「合格」は試験に受かった事実を指す言葉。免状の交付前であれば「取得予定」と書くのが正解。
「合格=取得」と誤解している応募者は多く、採用担当者からすると「資格制度への理解が浅い」という印象を与えてしまいます。この1点だけで合否が変わることはありませんが、細部の正確さが積み重なって評価につながります。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →免状交付前の段階別書き方(3パターン)
試験に合格してから免状が手元に届くまでには、いくつかの段階があります。それぞれの状況に応じた正確な書き方を確認してください。
| 状況 | 履歴書への記載例 |
|---|---|
| 筆記試験に合格・技能試験はこれから | 第二種電気工事士 取得予定(令和〇年〇月 筆記試験合格済み) |
| 技能試験に合格・免状申請手続き中 | 第二種電気工事士 取得予定(令和〇年〇月 技能試験合格済み、免状申請中) |
| 免状交付済み | 第二種電気工事士 令和〇年〇月 取得 |
取得予定を記載することは「未取得を隠さない誠実さ」と「取得への意欲」を同時に示します。特に転職・就活の直前に試験を受けた場合は、積極的に進捗を記載してください。
第一種電気工事士の場合——実務経験と免状申請のタイミング
第一種電気工事士は、試験に合格しただけでは免状を取得できません。免状の交付には一定の実務経験が必要です(詳細は一般財団法人電気技術者試験センターの公式サイトで確認してください)。
👔 採用担当者はここを見ている
- 第一種の試験合格者は、即時に免状取得できないことを採用担当者は理解している
- 「試験合格済み・実務経験取得中」と明示することで、誠実さと向上心を評価してもらえる
- 第二種しか持っていなくても、第一種の試験合格を記載するだけで大きな差別化になる
| 状況 | 記載例 |
|---|---|
| 試験合格・免状未取得(実務経験取得中) | 第一種電気工事士 令和〇年〇月 試験合格(免状取得に向けて実務経験を積んでいます) |
| 実務経験充足・免状交付済み | 第一種電気工事士 令和〇年〇月 取得 |
複数資格がある場合の記載順と優先順位
電気工事士の資格と合わせて複数の資格を持っている場合は、取得日順(古い順)に記載するのが基本です。ただし、応募先の仕事内容と最も関係性が高い資格を目立つ位置に持ってきたい場合は、「関連性の高い資格を先」にする方法も認められています。
- 取得日順の例(標準):第二種電気工事士(令和〇年)→ 第一種電気工事士試験合格(令和△年)→ 電気工事施工管理技士2級(令和×年)
- 普通自動車免許:応募先への通勤・現場移動で必要な場合は忘れずに記載する
- 関係のない資格:欄が埋まらない場合でも、仕事に全く関係のない資格を無理に書く必要はない
【職歴欄】現場経験を採用担当者に伝える書き方
職歴欄は「この人はどんな工事ができるのか」を判断する最重要項目です。電気工事業界では特に、工事の種別・現場の規模・担当した業務範囲の3点が採用担当者の判断材料になります。
採用担当者に刺さる職歴欄のポイント
👔 採用担当者はここを見ている
- 「どんな種類の工事か」(住宅・ビル・工場・公共施設など)
- 「どの程度の規模か」(戸建て数件/月 → 中規模ビル → 大型工場・プラントなど)
- 「一人でできるのか、補助なのか」(施工リーダー / 単独施工 / 補助・見習い)
- 「退職理由がポジティブか」(規模拡大・キャリアアップ → 問題なし。人間関係・条件不満 → 言い換えが必要)
未経験者と経験者では、職歴欄の書き方が大きく異なります。自分の状況に合った書き方で、採用担当者に「この人と話してみたい」と思わせる職歴欄を作りましょう。
未経験者(前職が別業種)の書き方
電気工事士として未経験の場合でも、職歴欄を「電気工事に活かせる経験」の視点で書き直すことで印象が変わります。
✅ 良い例文(前職が建設現場作業員の場合)
〇〇建設株式会社(従業員数150名、戸建て住宅の大工工事請負)
入社:平成〇年〇月 退職:令和〇年〇月
・木造住宅の新築・リフォーム工事に従事(年間施工数:約40棟)
・工具の取り扱い・現場安全管理・作業手順書の作成を担当
・チームリーダーとして4名のメンバーをマネジメント
一身上の都合により退職
❌ NG例(情報が薄い書き方)
〇〇建設株式会社
入社:平成〇年 退職:令和〇年
建設現場で働いていた。
一身上の都合により退職
会社規模・業務内容・担当範囲が不明では採用担当者が能力を判断できない。
経験者(同業種)の書き方——工事種別・現場規模を数値で示す
電気工事の経験がある場合は、「何ができるか」を数値と具体的な工事種別で示すことが最大のアピールになります。
✅ 良い例文(電気工事経験者の職歴)
〇〇電気工業株式会社(従業員数80名、住宅・店舗の電気設備工事)
入社:令和〇年〇月 退職:令和〇年〇月
・住宅新築の電気設備工事(内線工事・分電盤設置・照明器具取付)を担当
・月平均8〜10棟の施工を単独で担当(第二種電気工事士として低圧工事全般)
・令和〇年〇月から後輩2名の現場指導を担当、施工品質チェックも兼任
・施工後の安全確認記録の作成・提出を徹底し、3年間無事故を達成
会社都合(事業縮小)による退職
「3年間無事故」「月平均8〜10棟」のような具体的な数字は、曖昧な表現より何倍も説得力があります。電気工事では安全管理の実績が特に高く評価されるため、「無事故」「ゼロ災害」などの実績は積極的に記載してください。
転職回数が多い・ブランクがある場合の対処法
電気工事業界は転職率が高い業界でもあります。転職回数が多い場合でも、それぞれの現場で積み上げてきた「工事の種別」「現場規模の変化」「資格・スキルの成長」を丁寧に記述することで、採用担当者は「経験の幅が広い人材」と評価します。
- 転職回数が多い場合:それぞれの職場で得た「工事種別の違い」「技術の幅の拡大」を前向きな言葉で示す
- ブランクがある場合:「育児のため休職」「資格取得のため準備期間」など理由を簡潔に記載する。理由がない場合でも、勉強・独学の事実があれば記述する
- 前職が短期間の場合:「会社都合(経営不振・倒産)」であれば正直に記載する。自己都合の場合は面接で理由を説明できる準備をしておく
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →【志望動機】採用担当者の心を動かす書き方
電気工事士の採用担当者が志望動機を読む目的は一つです。「この人は本気でこの仕事をやり続けてくれるか」を見極めること。転職回数が多い業界だからこそ、継続意欲・安全意識・成長ビジョンの3点が書かれているかどうかが通過の分岐点になります。
採用担当者が「通したくなる」志望動機の3条件
👔 採用担当者はここを見ている
- 条件①「なぜ電気工事士か」に仕事の魅力を語れているか:「給与が良いから」「安定しているから」は評価されない。「社会インフラを支える仕事に魅力を感じた」「電気設備の仕組みを学ぶことが好き」など、仕事内容への興味が伝わる言葉を使う
- 条件②「なぜこの会社か」が具体的か:「御社の事業に共感しました」では弱い。「住宅・マンションの内線工事を専門とする御社で、第二種電気工事士として低圧工事の技術を磨きたい」など、事業内容に紐づけた理由を書く
- 条件③「入社後の具体的な目標」が書かれているか:資格取得・技術習得・キャリアパスなどの成長ビジョンを示す。第二種所持者なら「第一種取得を目指す」ことを明記するだけでも評価が上がる
未経験者向け志望動機例文
✅ 良い例文(前職:建設業・未経験での応募)
前職では木造住宅の大工工事に携わり、電気設備業者との連携作業を通じて電気工事の専門性に強く興味を持ちました。電気設備は建物の安全と快適さを支える根幹であり、社会インフラを支える仕事として長く続けたいと考え、第二種電気工事士の資格を取得しました。
御社が手掛ける住宅・集合住宅の内線工事分野で、現場経験を積みながら技術を習得したいと考えています。入社後は一日も早く戦力となれるよう努め、将来的には第一種電気工事士の取得と施工管理への挑戦を目指しています。
❌ NG例(未経験者にありがちな薄い志望動機)
電気工事士に興味があり、将来性を感じたため応募しました。第二種電気工事士の資格を取得しています。一生懸命頑張ります。
「興味がある」「頑張ります」だけでは採用担当者に伝わらない。なぜこの仕事か・なぜこの会社かの2点が必要。
転職者(経験者)向け志望動機例文
✅ 良い例文(住宅工事経験者がビル・設備管理会社へ転職する場合)
前職では住宅・店舗の新築内線工事を中心に、第二種電気工事士として約5年間の実務を経験しました。施工件数は累計200件以上、後半の2年間は後輩2名への現場指導も担当し、品質管理と安全管理に注力してきました。
今後はより規模の大きいビル・工場設備の電気工事に携わることで、さらに専門性を高めたいと考えています。御社はオフィスビルの電気設備施工・メンテナンスを手掛けており、第一種電気工事士の実務経験を積める環境として最適と判断し応募いたしました。現在、第一種電気工事士の試験合格に向けて学習中です。
自己PRで差をつける書き方
自己PR欄は「志望動機で書けなかった強み」を補足する場所です。電気工事士としての自己PRで採用担当者の印象に残りやすいのは、安全への姿勢・チームワーク・資格取得への意欲の3点です。
✅ 自己PR例文(安全意識を強みにする場合)
私の強みは、安全確認を習慣化した施工姿勢です。前職では施工開始前のKY(危険予知)活動を毎朝5分間欠かさず実施し、チームとして3年間無事故を達成しました。電気工事は一つのミスが重大な事故につながる仕事であることを常に意識しており、スピードよりも「確実・安全な施工」を優先することを自分の行動基準としています。御社でもこの姿勢を最優先に、早期に現場を任せていただける存在になりたいと考えています。
証明写真・基本情報——細部で差をつけるチェックリスト
資格欄・職歴欄・志望動機に集中するあまり、基本項目のミスで台無しにしてしまうケースは少なくありません。提出前のチェックリストとして活用してください。
証明写真のポイント
- 撮影時期:3ヶ月以内に撮影したものを使用する(それ以上古いものは印象と一致しないリスクがある)
- 服装:スーツまたはジャケット着用が基本。電気工事業界では作業服での撮影を求める会社もあるため、求人票を確認する
- 撮影場所:証明写真機でも問題ないが、スタジオ撮影の方が印象がよい。自撮りは避ける
- 貼り方:裏面に氏名を鉛筆で記入してから貼る。はがれ防止のため、のりを全面に均一に塗る
日付・印鑑・住所・連絡先の記入ルール
| 項目 | 正しい書き方 | よくあるミス |
|---|---|---|
| 日付 | 郵送日・持参日を記入する(元号または西暦に統一) | 記入日と郵送日がズレる / 使い回しで日付が古いまま |
| 印鑑 | シャチハタ不可。認印(三文判可)を丁寧に押す | 薄い・かすれ・斜め押し |
| 住所 | 都道府県から番地・マンション名・部屋番号まで省略せず記入 | 「〇〇市以下同」などの省略表記 |
| 連絡先 | 日中に連絡がとれる番号を記入。メールアドレスも記載する | キャリアメール(@docomo等)のみ記載で迷惑メール扱いになるリスク |
メールアドレスはGmail等のフリーメールアドレスを記載するのが現在の標準です。採用担当者からの連絡が届きやすい環境を整えておくことも、選考を有利に進める準備の一つです。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 資格欄は正式名称(第二種電気工事士 / 第一種電気工事士)+取得年月を記載。略称・「合格」表記はNG
- 免状取得前の場合は「取得予定」+進捗状況(筆記合格済み・技能合格済みなど)を明記する
- 職歴欄には工事種別・現場規模・担当範囲を具体的な数値で記述する
- 志望動機には「なぜ電気工事士か」「なぜこの会社か」「入社後の目標」の3点を必ず盛り込む
- 写真・日付・印鑑などの基本項目のミスは提出前のチェックリストで必ず確認する
採用担当者の目に止まる履歴書は「丁寧に書かれた書類」ではなく、「読んだだけで仕事ぶりが伝わる書類」です。資格の正確な記載と具体的な実績の記述が、あなたの書類選考通過率を大きく左右します。
電気工事士の履歴書に関するよくある質問
- 第二種電気工事士の試験に合格しましたが、免状がまだ手元にありません。履歴書にどう書けばいいですか?
-
「第二種電気工事士 取得予定(令和〇年〇月 技能試験合格済み、免状申請中)」のように、現在の状況を正直に記載してください。免状がないことを隠すより、「取得予定+進捗状況」を明記する方が採用担当者から好印象を持たれます。筆記試験のみ合格の場合は「筆記試験合格済み、令和〇年〇月技能試験受験予定」と記載します。
- 第一種電気工事士の試験には合格していますが、免状がありません。どう記載すればよいですか?
-
「第一種電気工事士 令和〇年〇月 試験合格(免状取得に向けて実務経験を積んでいます)」のように記載してください。採用担当者は第一種の免状取得に実務経験が必要なことを理解していますので、試験合格の事実を正確に記載することが重要です。成長意欲のアピールにもなります。
- 「第二種電気工事士」と「第2種電気工事士」どちらで書けばいいですか?
-
どちらでも間違いではありませんが、漢数字(第二種)で書くのが最も無難です。試験を主催する一般財団法人電気技術者試験センターの公式表記も漢数字を使用しています。同じ履歴書内で「第二種」と「第2種」を混在させることだけは避けてください。
- 電気工事士の資格がない状態で未経験として応募できますか?履歴書にはどう書けばいいですか?
-
資格なしでも採用している企業は多くあります。その場合、資格欄は空欄にするのではなく「現在、第二種電気工事士取得に向けて勉強中(令和〇年〇月受験予定)」と記載することで、向上心と入社後の成長意欲をアピールできます。普通自動車免許など現場で役立つ資格は忘れずに記載してください。


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