派遣バイトの職歴は、1行目に派遣元(派遣会社)、2行目に派遣先を分けて書くのが正解です。「入社」ではなく「登録」「就業」と書く点も、正社員の履歴書とは違います。この記事では、そのまま写せる記入例と、単発を書くか書かないかの線引き、複数社をまとめる方法までを採用担当者の視点で解説します。
履歴書の派遣バイトの書き方|職歴欄は「派遣元→派遣先」の2行が正解
派遣バイトの履歴書でつまずくポイントは、ほぼ職歴欄に集中しています。給与を払っているのは派遣会社、実際に働いた場所は派遣先。この二重構造をどう1枚に落とすかが分からず、手が止まります。
派遣元を1行目、派遣先を2行目に分けて書く
雇用契約を結んでいる相手は派遣会社です。したがって先に書くのは派遣元で、実際に働いた派遣先はその次の行に置きます。業務内容はさらに次の行に添えると、3行で1つの就業経験が完結します。
| 行 | 書く内容 |
|---|---|
| 1行目 | ◯◯株式会社(派遣元)に派遣スタッフとして登録 |
| 2行目 | △△株式会社(派遣先)にて就業 |
| 3行目 | 担当した業務内容を1行で |
| 4行目 | 派遣期間満了につき退職 |
用紙が手元にない方は、アルバイト用の履歴書テンプレートをダウンロードして、職歴欄の行数を確認しながら書くと配分を間違えません。
そのまま使える基本の記入例
良い例文
令和6年4月 株式会社スタッフワークスに派遣スタッフとして登録
令和6年5月 三葉物流株式会社にて就業
倉庫内でのピッキング・検品業務を担当
令和7年3月 派遣期間満了につき退職
NG例
令和6年5月 三葉物流株式会社 入社
令和7年3月 一身上の都合により退職
派遣元が抜けているため、三葉物流に直接雇われていたと読まれます。契約期間を終えて辞めたのに「一身上の都合」と書くと、自分から途中で辞めた人に見える点も損です。
「登録」「就業」「派遣期間満了につき退職」の使い分け
派遣では「入社」「退社」を使いません。使う言葉が3つに決まっているので、覚えてしまえば迷いません。
- 登録:派遣会社に登録したとき
- 就業:派遣先で実際に働き始めたとき
- 派遣期間満了につき退職:契約期間を終えて終了したとき
- 一身上の都合により退職:契約途中で自分から辞めたときだけ使う
採用担当者はここを見ている
- 派遣元と派遣先を書き分けられているか。ここが混ざっている応募書類は、就業の仕組みを理解していないサインとして読まれます
- 辞めた理由が契約上の区切りなのか、自己都合なのかが表記で判別できるか
- 短い就業でも、何をしていた期間なのかが1行で読み取れるか
単発・短期の派遣バイトは書く?書かない?線引きは社会保険で決まる
「1ヶ月以内なら書かなくていい」という説明をよく見かけますが、期間だけで判断すると危険です。判断に使える基準がひとつあります。
判断基準は社会保険に加入していたかどうか
健康保険・厚生年金は、2ヶ月以内の期間を定めて雇われた人を原則として適用除外にしています。裏を返すと、社会保険に加入していた派遣バイトは、記録が公的に残っている職歴ということです。入社手続きで年金記録や源泉徴収票を出す場面があるため、書かなければ後から食い違いが出ます。
| 状況 | 履歴書への記載 |
|---|---|
| 社会保険に加入していた | 必ず書く |
| 1日〜数日の単発を数件 | 職種でまとめて書く |
| 2ヶ月以内で保険加入なし・空白も出ない | 省略しても問題になりにくい |
| 短期でも1ヶ月以上の空白になる | 期間を埋めるために書く |
なお2ヶ月以内の契約でも、更新される可能性が契約書に書かれている場合は最初の日から加入対象になります。自分の保険証が発行されていたかどうかで確認するのが確実です。
空白期間ができるなら短くても書く
職歴を書かずに空けた期間は、働いていなかった期間として読まれます。実際には毎週のように派遣バイトに出ていたのに、履歴書の上では半年間の無職に見える。これがいちばんもったいないパターンです。1ヶ月を超える隙間ができるなら、まとめてでも書いておいてください。
書く職歴を選ぶと期間のズレが出る
NG例
印象が良さそうな派遣先だけを3件選んで書き、間に挟まっていた単発を全部省いた。結果、令和6年8月〜令和7年1月が空欄になった。
隠すつもりがなくても、選んで書いた時点で期間の辻褄が合わなくなります。面接で「この半年は何を?」と必ず聞かれ、その場で説明を組み立てることになります。
省略の可否をもう少し細かく確かめたい方は、次の記事で線引きとリスクを整理しています。

派遣バイトが複数あるときの職歴欄のまとめ方
派遣バイトを続けていると、就業先はすぐ二桁になります。全部を1件ずつ並べる必要はありません。まとめ方には型があります。
同じ派遣会社から複数の派遣先に行った場合
派遣元は最初に1行書くだけで足ります。その下に派遣先を時系列で並べ、最後に退職の行を置きます。同じ派遣会社の名前を何度も繰り返すと、それだけで欄が埋まってしまいます。
派遣会社が複数ある場合
派遣元ごとにブロックを分けます。A社に登録して2社で就業、B社に登録して1社で就業、という単位でかたまりを作ると、読む側が経歴を追いやすくなります。
書ききれないときは「ほか◯社」でまとめる
単発を何十件も経験している場合は、期間をひとまとめにして件数を明示します。数を隠さずに開示しながら、行数は節約できます。
良い例文(まとめ書き)
令和6年4月 株式会社スタッフワークスに派遣スタッフとして登録
令和6年4月〜令和7年3月 イベント運営・軽作業を中心に、単発派遣として計18件に従事
(主な派遣先:幕張メッセ内催事、三葉物流株式会社 倉庫部門)
令和7年3月 派遣期間満了につき退職
それでも収まらない場合は、履歴書には要点だけを書き「詳細は職務経歴書に記載」と添えます。詳細側は派遣の職務経歴書テンプレートを使うと、派遣元・派遣先・業務内容の枠が最初から分かれているので整理が早く済みます。
採用担当者はここを見ている
- 件数の多さそのものではなく、まとめ方に意図があるか。職種でくくられていれば「整理できる人」として読まれます
- 応募先の仕事につながる経験が、まとめの中に具体名で残っているか
- 「ほか◯社」と件数を明示しているか。数をぼかすと、隠している印象に転びます

派遣登録用の履歴書と応募用の履歴書は書き分ける
同じ「派遣バイトの履歴書」でも、派遣会社に登録するために出す1枚と、正社員やパートの求人に応募するために出す1枚では、力を入れる欄が変わります。
派遣会社への登録は履歴書が不要なことも多い
大手派遣会社の多くは、登録をWeb上のフォーム入力で完結させています。紙の履歴書を求められないケースが主流で、求められる場合も職歴と資格の確認が目的です。登録前に、その会社の案内ページで提出物を確認しておくと無駄がありません。
登録用に志望動機はいらない
派遣会社は仕事を紹介する窓口であって、働く場所そのものではありません。登録用の履歴書に「御社の理念に共感し」と書いても評価対象になりません。欄がある場合は「幅広い業務を経験したく登録いたしました」程度の一文で十分です。
| 欄 | 派遣登録用 | 求人への応募用 |
|---|---|---|
| 志望動機 | 不要または一文 | 企業ごとに書き分ける |
| 本人希望欄 | 最重要。稼働条件を具体的に | 「貴社規定に従います」で可 |
| 職歴欄 | できる業務が伝わるように | 応募職種との関連を前に出す |
| 自己PR | スキル・資格中心 | 人物像と再現性を中心に |
本人希望欄が実質いちばん重要な欄になる
登録用の履歴書で担当者がまず見るのは、いつ・どこで・どれくらい働けるかです。ここが曖昧だと、条件の合う案件を探しようがありません。
良い例文(本人希望欄)
週3日程度(火・木・土)、9時から17時までの勤務を希望いたします。軽作業・イベント運営の経験があり、立ち仕事も対応可能です。勤務地は自宅から60分圏内を希望いたします。
NG例
「貴社規定に従います」とだけ書く。
応募用なら問題ありませんが、登録用ではこれが最悪手です。条件が分からない登録者には、担当者も案件を回せません。曜日・時間帯・エリアの3点は必ず書いてください。
派遣バイトを経て正社員の求人に応募する段階になったら、書式そのものを切り替えます。学歴・職歴の行数配分が変わるので、転職用の履歴書テンプレートで書き直すのが確実です。
日雇い派遣は原則禁止|履歴書より先に自分が働ける立場かを確認する
意外に知られていませんが、単発の派遣バイトは誰でも自由にできるわけではありません。書類の準備より先に確認しておく必要があります。
30日以内の派遣は法律で原則禁止されている
2012年の労働者派遣法改正により、契約期間が30日以内の派遣(日雇い派遣)は原則として禁止されています。雇用が不安定になりやすいことが理由です。31日以上の契約であれば日雇い派遣にはあたりません。
求人サイトで見かける「単発バイト」の多くは、派遣ではなく直接雇用のアルバイトです。派遣なのか直接雇用なのかで、履歴書の職歴欄の書き方も変わります。
例外として働ける4つのケース
| 例外に該当する人 | 登録時に求められる書類の例 |
|---|---|
| 60歳以上の方 | 運転免許証・マイナンバーカードなど |
| 昼間学生 | 学生証 |
| 副業として働き、生業収入が500万円以上ある方 | 源泉徴収票・課税証明書など |
| 主たる生計者ではなく、世帯収入が500万円以上ある方 | 世帯全員分の収入証明書類 |
夜間部の学生は昼間学生に含まれないなど、細かい条件があります。自分が該当するか判断しにくい場合は、登録前に派遣会社へ確認してください。
例外要件は登録時に証明書類を求められる
履歴書を完璧に書いても、証明書類がそろわなければ単発の案件には入れません。学生証や源泉徴収票は、履歴書と一緒に準備しておくと登録がその日のうちに終わります。

採用担当者が落とす派遣バイト履歴書のNG例
書き方そのものより、細部の処理で評価を落としている応募書類が少なくありません。提出前に次の5点を見直してください。
- 派遣先だけを書いている:直接雇用と誤認され、在籍確認の段階で話が食い違います
- 「入社」「退社」を使っている:派遣の仕組みを理解していないと判断されます
- 単発を1日ずつ羅列している:職歴欄が埋まり、肝心の経験が読み取れません
- 業務内容が「軽作業」の一語だけ:何ができる人なのかが伝わりません
- 派遣先名を無断で書いている:守秘義務がある案件は、業種と規模の表現に置き換えます
採用担当者はここを見ている
- 派遣歴の長さより、業務内容と応募職種のつながり
- 短期が続いた理由を、面接で前向きに説明できそうかどうか
- 守秘義務への配慮ができているか。取引先の情報を扱える人かの判断材料になります
派遣バイトの経験しかない状態から正社員を狙う場合は、履歴書だけでは伝えきれる情報量が足りません。アルバイト用の職務経歴書テンプレートを使って、担当業務と身についたことを1枚に整理して添えてください。
まとめ
- 職歴欄は派遣元を1行目、派遣先を2行目に分け、業務内容を次の行に添える
- 「入社」ではなく「登録」「就業」「派遣期間満了につき退職」を使う
- 書くか迷う単発は、社会保険に加入していたか・空白期間が出るかで判断する
- 件数が多いときは職種でまとめ「ほか◯社に従事」と件数を明示する
- 派遣登録用の履歴書では志望動機より本人希望欄に力を入れる
派遣バイトの経歴は、整理して見せれば十分に評価されます。まずは手元の就業履歴を派遣元ごとに並べ直すところから始めてください。
履歴書の派遣バイトの書き方に関するよくある質問
- 派遣バイトの職歴は、派遣元と派遣先のどちらを先に書きますか。
-
派遣元を先に書きます。雇用契約を結んでいるのは派遣会社だからです。1行目に「◯◯株式会社に派遣スタッフとして登録」、2行目に「△△株式会社にて就業」と分けて記載し、その次の行に担当業務を添えます。
- 1日だけの単発派遣も履歴書に書く必要がありますか。
-
1日単位の単発は、社会保険に加入しておらず空白期間も生じないのであれば省略しても問題になりにくいです。同じような単発を何件も経験している場合は、職種でまとめて「ほか◯社に従事」と件数を明示すると、隠している印象を与えずに整理できます。
- 派遣会社に登録するとき、履歴書は必ず必要ですか。
-
会社によります。大手ではWebフォームへの入力だけで登録が完結し、履歴書の提出を求めない運用が主流です。紹介予定派遣の場合や、一部の派遣会社では提出を求められます。登録前に案内ページで確認してください。
- 派遣先の会社名を書けない場合はどうすればいいですか。
-
守秘義務で派遣先名を出せない案件があります。記載してよいか迷うときは派遣元に確認し、書けない場合は「大手食品メーカー」「都内の物流センター」など業種と規模がわかる表現に置き換えたうえで、業務内容を具体的に書いてください。

