営業事務の職務経歴書は、担当した業務の規模感と、営業担当をどう動きやすくしたかを具体的に示すことが通過の分かれ目です。売上のような数字がなくても、処理件数や継続年数で実績は言語化できます。この記事では経験者・未経験者別の例文と、採用担当者が実際に見ているポイントを解説します。
営業事務の職務経歴書の書き方と例文|まず押さえる基本構成
結論:業務量と調整力を数字と行動で示す
営業事務の職務経歴書で押さえるべき結論はシンプルです。「何人の営業をサポートし、月に何件処理し、その結果どう業務が回ったか」を一文で説明できる状態にすることです。営業事務は本人が売上を作る職種ではないため、実績を「営業担当が動きやすくなった事実」に置き換えて書く発想が必要になります。
職務経歴書全体は、職務要約・職務経歴(担当業務)・スキル・自己PRの4項目で構成するのが基本です。このうち営業事務で採用担当者の目に留まりやすいのは、担当業務の「規模感」と自己PRの「調整力」の2箇所です。
経験者向けの例文
良い例文
営業事務として4年間、営業担当6名の見積書・受注書作成、納期管理、顧客からの一次対応を担当しました。案件ごとの進捗を一覧化した管理表を独自に作成し、営業が外出中でも進捗確認ができる体制を整備。納期の行き違いによるクレームをゼロに抑え、営業担当から「安心して外に出られる」と評価をいただいています。
NG例
営業事務として、見積書作成や電話対応など営業のサポート業務を幅広く担当しました。担当した営業の人数や処理件数が書かれておらず、業務の規模が伝わらないため、他の応募者との差がつきません。
採用担当者はここを見ている
- 担当した営業の人数、1日・1ヶ月あたりの処理件数が明記されているか
- 「トラブルを防いだ」「業務を止めなかった」という結果が具体的に書かれているか
未経験者向けの例文
営業事務が未経験でも、前職の経験の中に「数字」「書類」「電話対応」に関わった要素があれば、そのまま転用できます。転職用の履歴書テンプレートもあわせて準備しておくと、職務経歴書との内容の整合が取りやすくなります。
良い例文(未経験の場合)
前職は飲食店のホールスタッフとして3年間勤務し、日次売上のExcel集計とシフト表の作成を担当していました。数字の入力・集計を毎日行う中でミスを出さない確認習慣が身につき、閉店時の売上金額が合わないことは3年間で一度もありませんでした。正確な数字管理と書類作成が求められる営業事務の業務に、この習慣を直接活かせると考え応募しました。
NG例
未経験ですが、コミュニケーションが得意で覚えが早いので営業事務でも役に立てると思います。前職での具体的な業務経験が一切書かれておらず、意欲だけをアピールしている状態で、採用担当者は入社後の姿を想像できません。
事務そのものの経験がなくても、数字・書類・電話対応のいずれかに関わった経験があれば、営業事務の業務との接点として書けます。より詳しい状況別の例文は事務の職務経歴書テンプレートでも確認できます。

採用担当者が営業事務の職務経歴書で見ているポイント
営業事務は「営業のサポート役」と見られがちですが、採用担当者は決して軽く見ているわけではありません。むしろ営業チーム全体の生産性を左右するポジションとして、業務の正確さと調整力を細かく確認しています。
採用担当者はここを見ている
- 正確性:見積・請求などの金額を扱う業務でミスなく処理できるか
- スピード:営業からの急な依頼に、どの程度のレスポンスで対応できるか
- 調整力:営業・顧客・他部署の間で情報を止めずに動かせるか
- 定着性:教育コストがかかる職種のため、長く働き続けてくれそうか
この4点は、派手な実績がなくても日々の業務の中に必ず存在します。「営業事務は誰にでもできる仕事」だと思われるのを避けたいなら、この4点のうち自分が最も強い1つを選び、次の見出しで具体的な業務内容に落とし込んでいきます。
業務内容欄の書き方|営業事務ならではの業務をどう言語化するか
営業事務の業務内容欄は、業務名を並べるだけでは評価されません。「何を・どのくらいの規模で・どんなツールで」担当したかまで書くことで、採用担当者が入社後の働きぶりを具体的にイメージできるようになります。
| 抽象的な書き方 | 通る書き方 |
|---|---|
| 見積書作成を担当 | 営業4名分の見積書・契約書作成を月60件対応 |
| 電話応対をしていた | 代表電話・顧客からの一次問い合わせを1日20〜30件対応 |
| 受注処理をしていた | 社内システムで受注入力・納期調整を月100件処理 |
良い例文
【担当業務】
・営業4名分の見積書・契約書作成(月60件)
・受注処理・納期調整(社内システム利用)
・顧客からの一次問い合わせ対応(電話・メール)
・営業会議の資料作成、議事録作成
【PCスキル】
Excel:VLOOKUP・SUMIF・ピボットテーブル
使用システム:kintone、Salesforce(一部利用)
NG例
・見積書作成 ・電話対応 ・データ入力 ・来客対応
業務名の羅列のみで、規模も使用ツールも書かれていないため、採用担当者は実務レベルを判断できません。
PCスキルも同様です。「Excel使えます」という記載は営業事務の応募者ほぼ全員が書くため、差別化になりません。使用した関数名や機能名まで書くことで、実務でどこまで対応できるかが一目で伝わります。
実績・数字がない場合の書き方|「頻度・規模・継続」で言語化する
営業事務は営業職と違い、売上のような分かりやすい数字を持ちません。ただし、「頻度・規模・継続」の3軸に置き換えれば、数字の実績がなくても十分にアピールできます。
| 軸 | 抽象的な表現 | 通る表現に変えると |
|---|---|---|
| 頻度 | 電話対応を担当 | 1日平均25件の電話対応を担当 |
| 規模 | 見積書作成を担当 | 営業5名分・月80件の見積書作成を担当 |
| 継続 | 正確に処理していた | 3年間、納期管理のミスによる差し戻しゼロを継続 |
良い例文
営業3名分の受注処理と見積書作成を担当し、月間80件の処理を3年間ミスなく継続しました。案件ごとの進捗を一覧化する管理表を自作し、営業からの確認依頼を待たずに状況を共有できる体制を整えたことで、納期遅延によるクレームをゼロに抑えています。
NG例
営業のサポート業務を担当し、正確に業務を遂行しました。量も期間も工夫も書かれておらず、誰が書いても同じ内容になっています。
「実績がない」のではなく、日々の業務を言葉に変換できていないだけのケースがほとんどです。今担当している業務を1つ選び、頻度・規模・継続のいずれかに当てはめるところから始めてください。
自己PR欄の書き方と例文|コミュニケーション力を具体的に見せる
営業事務の自己PRで「コミュニケーション能力があります」とだけ書いても、他の応募者と同じ内容になり印象に残りません。誰と、どんな場面で、どう連携して業務を進めたかまで書くことで、初めて説得力が生まれます。
経験者の場合
良い例文
営業・物流・経理の3部門をまたぐ調整業務を担当してきました。受注から納品までの情報連絡を一手に引き受け、部門間の確認漏れによるトラブルをゼロに抑えた経験があります。「この件はあの人に聞けばわかる」と社内で頼られる役割を担ってきました。貴社でも部門間の橋渡し役として貢献したいと考えています。
未経験の場合
良い例文
アパレル販売員として接客業務と並行し、店舗の在庫データ管理と発注業務を担当していました。Excelでの在庫集計を独学で習得し、発注ミスを月2〜3件からゼロに削減した経験があります。数字を正確に扱う姿勢と改善への意識を、営業事務の業務でも活かしたいと考えています。
採用担当者はここを見ている
- 「誰と」「どんな場面で」連携したかが具体的に書かれているか
- 未経験の場合、前職の経験と営業事務の業務の接点が示されているか
自己PRの型や職種別の例文をさらに増やしたい場合は、営業の職務経歴書テンプレートも参考になります。

状況別の応用|未経験・派遣から営業事務を目指す場合
未経験から営業事務を目指す場合
未経験で営業事務に応募する場合、職務経歴書では「事務業務と重なる経験」を前面に出します。以下のような経験があれば、営業事務でそのまま評価される要素になります。
- 電話・メール対応:接客業や営業補助で培った顧客とのやり取り
- PCスキル:前職でExcelや業務システムを使っていた経験
- 正確性の求められる作業:在庫管理・伝票処理・帳票作成など
- 資格:日商簿記、MOS、秘書検定など事務系の資格
派遣から正社員の営業事務を目指す場合
派遣での営業事務経験は、正社員採用と同じ基準で評価されます。雇用形態を隠す必要はなく、複数の職場・システムに適応してきた経験自体がアピール材料になります。
良い例文
派遣社員として大手メーカーの営業部で受発注入力・見積書作成補助を担当しました。着任1ヶ月で独立して業務を任され、前任者が残していた紙の書類をフォルダ整理し検索性を改善。派遣先の社員から「必要な書類がすぐ出てくる」と評価され、契約を2度更新いただいています。
採用担当者はここを見ている
- 契約更新や業務範囲の拡大など、派遣先から信頼された事実が書かれているか
- 未経験の場合、前職の業務と営業事務の業務の共通点が具体的に示されているか
実績がない状態からの書き方をさらに詳しく知りたい場合は、状況別の例文を紹介している記事もあわせて確認してください。

まとめ
- 営業事務の職務経歴書は「担当した営業の人数・処理件数」を明記することが基本
- 数字の実績がなくても「頻度・規模・継続」の3軸で言語化できる
- 未経験・派遣の場合も、前職や派遣先での経験を営業事務の業務に接続して書く
営業事務は数字で語りにくい仕事だからこそ、業務の規模感と継続してきた事実を丁寧に言葉にすることが通過への近道になります。
営業事務の職務経歴書に関するよくある質問
- 営業事務の職務経歴書に売上目標を達成した実績がなくても大丈夫ですか?
-
問題ありません。営業事務は本人が売上を作る職種ではないため、採用担当者も数字での実績を前提にしていません。担当した営業の人数、月間の処理件数、ミスなく継続してきた期間などを具体的に書くことで、十分に評価される実績になります。
- 営業事務未経験の場合、職務経歴書の職務要約はどう書けばいいですか?
-
前職の経験から、営業事務に通じる要素(数字管理・電話対応・書類作成)を1〜2文で要約します。「〇年間、△△として□□を担当。数字管理と正確な書類作成の経験を営業事務でも活かしたい」という構成にすると、未経験でも業務との接点が伝わります。
- 営業事務の職務経歴書に使用システム名を書く必要はありますか?
-
使用経験があれば必ず書いてください。SalesforceやkintoneなどのCRM・SFAツール、受発注システムの操作経験は、営業事務の即戦力性を判断する材料になります。使ったことがない場合は、Excelの具体的な関数名や機能名で実務レベルを補ってください。
- 営業事務の職務経歴書はA4何枚が適切ですか?
-
A4用紙1〜2枚が目安です。経験年数が3年未満であれば1枚にまとめる方が読まれやすく、複数社での経験や実績が多い場合は2枚で詳細を書いた方が伝わりやすくなります。

