この記事では、臨時職員の職歴を履歴書に書く際の基本フォーマットと状況別の記入例を解説します。「会計年度任用職員と臨時職員、どちらで書くべきか」「複数年度更新の扱い」「退職理由の正しい表現」など、採用担当者が実際に確認するポイントをふまえた書き方を、具体的な記入例とあわせて説明します。
臨時職員の履歴書でよく迷う3つのポイント
臨時職員の職歴を書く際、多くの方が最初に迷うのが「正式な表記」「入退職の動詞」「退職理由の書き方」の3点です。ここを間違えると採用担当者に「情報が不正確」という印象を与えかねないため、まず整理しておきます。
①「臨時職員」か「会計年度任用職員」か—制度改正の前後で変わる正式名称
2020年4月の地方公務員法改正により、多くの自治体では「臨時職員」「非常勤職員」が「会計年度任用職員」に移行しました。この制度改正をまたいで勤務していた場合、在籍期間に応じて正式名称が異なります。
| 在籍期間 | 正式名称 | 職歴欄への書き方 |
|---|---|---|
| 2020年3月以前のみ | 臨時職員(または非常勤職員) | 「臨時職員として就業」 |
| 2020年4月以降のみ | 会計年度任用職員 | 「会計年度任用職員として就業」 |
| 制度改正をまたいで在籍 | 前半:臨時職員、後半:会計年度任用職員 | 2行に分けて記載するか、現在の正式名称で統一 |
民間企業への応募であれば、「臨時職員」という表記でも伝わります。ただし、公的機関や自治体への再応募の場合は制度上の正式名称(会計年度任用職員)を使うことで、採用担当者に「制度を正確に理解している」という印象を与えられます。
②「入社」「入庁」「任用」—正しい動詞の選び方
職歴欄に使う動詞は、働いた組織の種類によって変わります。民間企業では「入社・退社」が標準ですが、公的機関では別の表現が適切です。
- 市区町村・都道府県(地方自治体):「採用・退職」または「任用・退職」
- 国の機関(国土交通省・税務署等):「採用・退職」
- 公立学校・公立病院:「採用・退職」または「入職・退職」
- 民間企業の臨時職員:「入社・退社」
迷った場合は「採用・退職」を使えばどの機関でも通用します。「入社」だけは、民間企業以外の組織には使わないよう注意してください。
③退職理由は「任期満了」か「一身上の都合」か
臨時職員・会計年度任用職員は1年ごとの更新制が基本です。期間終了で退職した場合は、「任期満了のため退職」と明記するのが正確で好印象です。
退職理由の書き方比較
| 退職の経緯 | 正しい表記 |
|---|---|
| 契約期間が終了した | 任期満了のため退職 |
| 転職活動のため自ら更新しなかった | 任期満了・転職活動のため退職 |
| 自己都合(家庭事情・健康理由等) | 一身上の都合により退職 |
| 雇用継続されず(役所側の都合) | 任期満了のため退職(実情と同じ表現で問題なし) |
「一身上の都合により退職」は自己都合退職の際に使う表現です。任期制の契約が終わって退職した場合に「一身上の都合」と書くと、事実と異なる説明になってしまうため注意が必要です。採用担当者は退職理由の表現から雇用形態の理解度を確認していることがあります。
臨時職員の職歴欄の基本的な書き方と記入例
基本のフォーマットを確認します。職歴欄は「入職」と「退職(または在籍中)」の2行1セットで記載するのが原則です。
標準パターンの記入例(市区町村窓口業務の場合)
良い書き方(会計年度任用職員の場合)
令和2年 4月 〇〇市役所 市民課 会計年度任用職員として採用
令和3年 3月 任期満了のため退職
良い書き方(制度改正前の臨時職員の場合)
平成31年 4月 △△町役場 福祉課 臨時職員として採用
令和2年 3月 任期満了のため退職
NG例
令和2年 4月 〇〇市役所 入社
令和3年 3月 一身上の都合により退社
「入社・退社」は民間企業に使う表現。役所・公的機関には「採用・退職」を使うこと。
採用担当者はここを見ている
採用担当者はここを見ている
- 「任期満了」の表記があるか:自己都合と任期終了の区別がついているか確認している
- 組織名の正式表記:「〇〇市役所」ではなく「〇〇市」が正式名称の場合もある。公式サイトで確認すること
- 部署名の有無:部署名を記載することで「どんな業務をしていたか」が伝わりやすくなる
- 業務内容の補足:「〜として採用」のあとに「(主に窓口対応・書類管理を担当)」と括弧書きで補記すると評価されやすい
【状況別】臨時職員の職歴の書き方パターン4選
臨時職員の経歴は在籍状況によって書き方が変わります。自分の状況に合ったパターンを確認してください。
パターン①:同じ職場で複数年度更新した場合
同じ職場で年度更新を繰り返した場合、1行にまとめるか複数行に分けるかで迷う方が多いです。基本的な考え方は「業務内容・担当部署が変わっていなければ1行でまとめてよい」です。
良い書き方(3年間同じ職場で年度更新)
令和2年 4月 〇〇市役所 市民課 会計年度任用職員として採用
(窓口対応・住民票・印鑑証明等の証明書発行業務を担当)
令和5年 3月 任期満了のため退職
在籍期間を正確に伝えるため、採用年月と退職年月の両方を記載します。「令和2年4月〜令和5年3月(3年間)」のように括弧で期間を補足する書き方も可能です。部署異動があった場合は、異動のタイミングで1行追加して記載するのが正確です。
パターン②:複数機関を渡り歩いた場合
複数の自治体・機関で臨時職員として働いた場合は、すべての職歴を省略せず記載するのが原則です。職歴を隠すと「何をしていたか不明な空白期間」と判断され、かえって不利になります。
良い書き方(2機関にわたる場合)
令和2年 4月 〇〇市役所 税務課 会計年度任用職員として採用
令和3年 3月 任期満了のため退職
令和3年 4月 △△町立△△小学校 事務補助員として採用
令和4年 3月 任期満了のため退職
職歴欄が多くなることを気にして省略すると、採用担当者が「この期間は何をしていたのか」という疑問を抱えたまま面接に臨むことになります。正確に記載したうえで、面接で「それぞれの経験から〜を学びました」と伝える準備をする方が得策です。
パターン③:現在も在職中の場合
在籍中の場合は退職年月の代わりに「現在に至る」と記載します。職歴欄の末行に「以上」と記入することも忘れないでください。
良い書き方(在職中の場合)
令和4年 4月 〇〇市役所 健康増進課 会計年度任用職員として採用
(特定保健指導補助・データ入力・電話対応を担当)
現在に至る
以上
在職中に転職活動をしている場合、採用担当者から「現在の雇用形態は?」と質問されることがあります。会計年度任用職員であることを伝えたうえで、「現在の任期終了後(または早期退職で)転職を希望しています」と説明できるよう準備しておくとスムーズです。
パターン④:民間企業の臨時職員の場合
民間企業の臨時職員は、正規雇用ではない有期雇用という点では会計年度任用職員と同じですが、職歴の書き方は通常の「入社・退社」表現を使います。
良い書き方(民間企業の臨時職員)
令和3年 4月 株式会社〇〇 総務部 臨時職員として入社
(受付・来客応対・電話対応・書類整理を担当)
令和4年 3月 契約期間満了のため退社
民間企業の場合は「任期満了」より「契約期間満了」という表現が自然です。また、雇用形態が気になる場合は括弧内に「(契約社員・臨時雇用)」と補足することで、採用担当者が理解しやすくなります。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →臨時職員の経験を「強み」に変える書き方
「臨時職員の経歴は評価されない」と思い込んでいる方が多いですが、書き方次第で評価は大きく変わります。採用担当者が見ているのは「雇用形態」ではなく「何をやってきたか・何ができるか」です。
業務内容を数字と固有名詞で具体化する
職歴欄の業務補足には、できる限り数字や具体的な業務名を入れることが重要です。「窓口対応」という一言より、「月間約300件の窓口対応」の方が業務規模と経験量が伝わります。
NG例
〇〇市役所 市民課 会計年度任用職員として採用
(窓口業務全般を担当)
「全般」は何もしていないのと同じ印象。業務の中身が採用担当者に伝わらない。
良い書き方
〇〇市役所 市民課 会計年度任用職員として採用
(住民票・印鑑証明・戸籍謄本の証明書発行窓口を担当。1日平均50〜80件の対応)
「1日何件」「月間何件」「何名のチームで」など、働いたスケールを数字で示すだけで説得力が大きく増します。正確な数字が思い出せない場合は「1日平均〇〇件程度」のように概算でも構いません。
担当業務をスキルで言語化する
臨時職員として経験する業務は、採用担当者に刺さる言葉に言い換えられます。業務内容をそのまま書くのではなく、「どんなスキルを使っていたか」の視点で整理してみてください。
| 業務内容(そのままの表現) | スキルに言い換えた表現 |
|---|---|
| 電話対応 | 電話応対・クレーム対応(年間〇件規模) |
| 書類整理 | 文書管理・ファイリング・スキャン処理 |
| データ入力 | Excel・専用システムを使ったデータ入力(1日〇件) |
| 窓口対応 | 住民・来客への窓口サービス(問い合わせ対応・証明書発行) |
| 庶務・雑務 | 備品管理・郵便処理・会議室予約管理 |
特に「Excel・Word・専用システムの操作」「文書作成・管理」「多数の住民・顧客と対面での業務経験」は、民間企業の事務・サービス職でも評価されるスキルです。職歴欄の補足や職務経歴書で積極的に記載してください。
履歴書を書く前に確認したいルールとマナー
手書きとパソコン、どちらで書くべきか
求人票や採用要件に「手書き指定」と記載がある場合を除き、パソコンで作成した履歴書でも問題ありません。公的機関や自治体への応募の場合は手書きを求めるケースが残っていますが、民間企業への転職ではパソコン作成が主流です。
- 手書きが必要な場合:求人票・案内文に「自筆」「手書き」と指定がある場合
- パソコン作成でよい場合:指定がない一般的な民間企業への応募
- 注意:手書きの場合は修正液・二重線の使用不可。間違えたら新しい用紙に書き直すこと
西暦・和暦の統一と提出時のチェック
臨時職員の職歴は複数年にわたるケースが多く、和暦・西暦が混在しやすいという特徴があります。提出前に必ず全欄を通しで確認し、どちらかに統一してください。
提出前チェックリスト
- 職歴欄の年号が和暦または西暦のどちらかに統一されているか
- 組織名が略称(市役所→市など)でなく正式名称で書かれているか
- 「入社」「退社」を使うべきでない箇所に使っていないか
- 退職理由が実態(任期満了/自己都合)と一致しているか
- 在職中の場合、職歴欄の末尾に「現在に至る」「以上」が記載されているか
- 業務内容の補足に具体的な業務名・数字が含まれているか
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 制度改正の前後で名称が変わる:2020年4月以降は「会計年度任用職員」が正式名称。在籍時期に合わせた表記を使う
- 動詞は「採用・退職」が基本:自治体・公的機関では「入社・退社」を使わない
- 任期終了は「任期満了のため退職」:一身上の都合と混同しない
- 複数年度更新は在籍期間をまとめて記載できる:部署・業務内容が同じなら1セットにまとめてよい
- 省略より正確な記載:職歴を隠すと空白期間として疑念を持たれる。全て正直に書いた方が有利
- 業務内容の具体化が採用率を上げる:数字・固有名詞・スキルに言い換えた表現で経験値を伝える
履歴書の職歴欄で採用担当者に正確さと誠実さを伝えることが、書類選考を通過するための基本です。
臨時職員の履歴書に関するよくある質問
- 臨時職員は「会計年度任用職員」と書くべきですか?
-
2020年4月以降に就業した場合は「会計年度任用職員」が正式名称です。同年3月以前に就業・退職していた場合は「臨時職員」や「非常勤職員」で問題ありません。在籍期間が制度改正をまたいでいる場合は、現在の正式名称(会計年度任用職員)に統一するか、前半・後半で分けて記載する方法があります。民間企業への応募では「臨時職員」という表記でも十分に伝わります。
- 同じ役所で3年間年度更新して働いた場合、職歴欄は何行書けばよいですか?
-
担当部署・業務内容が同じであれば、採用年月と退職年月をそれぞれ1行ずつ、合計2行にまとめて記載できます。例:「令和2年4月 〇〇市役所 市民課 会計年度任用職員として採用」「令和5年3月 任期満了のため退職」。途中で部署異動や担当業務の大きな変化があった場合は、そのタイミングで1行追加して記載するとより正確です。
- 臨時職員のみで正社員経験がない場合でも職歴欄に書いてよいですか?
-
正社員以外の雇用形態でも、仕事として報酬を得て働いた経験は職歴として記載するのが原則です。臨時職員・会計年度任用職員・パート・アルバイトは、いずれも職歴欄に記載してください。省略すると「この期間は何をしていたのか」という空白期間と見なされる可能性があります。書き方次第では臨時職員の経験も評価される強みになります。
- 現在も臨時職員として在籍中の場合、退職理由はどう書きますか?
-
在職中は退職理由を書く必要はありません。職歴欄の退職年月の欄には「現在に至る」と記載し、職歴欄の末尾に「以上」と書いて完了です。退職する予定の時期がある場合(例:次の任期終了時)は、面接で「〇〇年〇月に任期満了を迎える予定で、そのタイミングでの転職を希望しています」と説明できるよう準備しておくとよいでしょう。


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