この記事では、履歴書の本人希望欄に「社会保険加入希望」を書く正しい方法と例文を解説します。採用担当者への印象・NG例・2026年制度改正の影響・扶養内希望との違いまで、書類選考を通過するために必要な情報をまとめています。
「社会保険加入希望」は履歴書のどこに書くのか
「社会保険に入りたいと伝えたいけど、履歴書のどの欄に書けばいいか分からない」という状況は、転職・パート就活のどちらでも起きやすい悩みです。まず記入場所を正確に把握しておきましょう。
本人希望欄が正しい記入場所
社会保険加入希望を伝える場所は、履歴書の「本人希望記入欄(本人希望欄)」です。入社・就労にあたって企業側に事前に知っておいてほしい条件・希望を記入する欄であり、社会保険の加入希望はここに書くのが正解です。
間違えやすいのは、志望動機欄や自己PR欄に書いてしまうケースです。これらは「なぜこの会社で働きたいのか」「自分の強みは何か」を伝える欄であり、待遇・条件の希望は記入場所が異なります。本人希望欄以外に書いた場合、採用担当者に「書き方のルールを理解していない」という印象を与えることがあります。
採用担当者はここを見ている
- 本人希望欄は「条件のすり合わせ」のために確認する欄。ここに書かれた内容は入社条件として扱われる
- 志望動機欄や自己PR欄に待遇希望が混入すると、書類の読みにくさにつながる
- 本人希望欄が空欄の場合、「記入漏れ」と判断されることがある。希望がなくても「貴社の規定に従います」と書くのが基本
記入前に知っておきたい2026年の社会保険制度の変化
社会保険加入希望を書く前に、2026年の制度改正の内容を押さえておく必要があります。パートやアルバイトの社会保険加入条件が変わっているためです。
| 改正内容 | 時期 |
|---|---|
| 賃金要件(月額8.8万円以上)の撤廃 | 2026年10月〜 |
| 週20時間以上の勤務で原則加入対象に | 2026年10月〜 |
| 企業規模要件が36人以上に拡大 | 2027年10月〜 |
| 企業規模要件が21人以上に拡大 | 2029年10月〜 |
2026年10月以降は、週20時間以上の勤務・2か月超の雇用見込み・学生でないという3つの条件を満たせば、収入額に関わらず社会保険の加入対象となります。以前は「月収8.8万円未満だから加入しなくてよかった」という人でも、加入対象になるケースが増えています。
社会保険加入を「希望する」立場であれば、この変化はプラスに働きます。一方で「加入したくない」場合は、勤務時間の設定を慎重に考える必要が出てきます。自分がどちらの立場なのかを確認した上で、本人希望欄の書き方を選びましょう。
社会保険加入希望の正しい書き方と例文
採用担当者に伝わる書き方の3つのポイント
社会保険加入希望を本人希望欄に書く際、3つのポイントを守ることで採用担当者への印象が大きく変わります。
- ① 「貴社の規定に従いますが」で前置きする:一方的な要求ではなく、企業の規定を尊重した上での希望として伝える
- ② 希望内容を1文で簡潔に書く:「社会保険への加入を希望します」のように要点だけを伝える。長文や複数条件の列挙は逆効果
- ③ 希望する理由を1文添える:「長期就労を希望しているため」「生活の安定を目的に」など、なぜ希望するのかを簡潔に
採用担当者はここを見ている
- 社会保険の仕組みを理解した上で書いているかどうか(「加入させてください」などの書き方で理解度がわかる)
- 希望に理由が添えられているかどうかで「本気度」が伝わる
- 企業の規定を尊重した書き方かどうかで「協調性・マナー感覚」が伝わる
状況別の例文
社会保険加入を希望する理由や立場は人によって異なります。自分の状況に合った例文を選んでください。
状況①:転職・正社員応募で社会保険の加入を確認・希望したい場合
良い例文
貴社の規定に従いますが、健康保険・厚生年金への加入を希望します。長期的に腰を据えて働くことを前提に転職活動をしているためです。
状況②:パート・アルバイトで社会保険加入を希望する場合(週20時間以上)
良い例文
週20時間以上の勤務を希望しているため、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入を希望します。貴社の規定に従いながら長期的に働くことを希望しています。
状況③:現在国民健康保険に加入しており、転職後は社会保険に切り替えたい場合
良い例文
現在は国民健康保険に加入していますが、入社後は社会保険への加入を希望します。加入条件・手続きについては、採用後にご案内いただければ幸いです。
「貴社の規定に従いますが」を前置きに入れる理由
この一文を入れるかどうかで、採用担当者の受け取り方が変わります。「社会保険加入希望」という事実は同じでも、前置きの有無で印象が異なります。
| 書き方 | 採用担当者の印象 |
|---|---|
| 「社会保険に加入させてください」 | 命令口調。社会保険の仕組みをわかっていない印象を与える |
| 「社会保険加入希望」のみ | 理由・文脈がなく、条件の多い人に見える可能性がある |
| 「貴社の規定に従いますが、社会保険への加入を希望します」 | 礼儀正しく、仕組みを理解した上で希望していると伝わる |
採用担当者は本人希望欄を「条件交渉の場」としてではなく、「条件のすり合わせのための情報」として読んでいます。企業の規定を尊重する姿勢を示すことで、「協調性があり、入社後に柔軟に対応してくれそうだ」という印象につながります。
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「希望の多い人」と思われるリスクは本当にあるのか
「社会保険加入希望と書いたら、条件が多い人と思われて落とされるのでは」という不安はよく聞かれます。書き方を間違えなければ、マイナス評価になることはほとんどありません。
採用担当者が本人希望欄を確認する目的は「候補者の就労条件と募集要項がマッチするかどうか」の確認です。社会保険加入という希望そのものより、「希望の内容が募集要項と合っているか」「書き方が適切かどうか」の方が重視されます。
むしろ、本人希望欄が空欄だったり「特になし」のみ記載されている場合は、「記入漏れ」や「書き方を知らない」と思われるリスクがあります。適切な書き方で希望を伝えることは、積極性として評価されることもあります。
社会保険の希望で選考に影響するケースとは
記載内容によって選考に影響するケースも実際に存在します。以下のような状況では注意が必要です。
- 募集要項に「社会保険なし」と明記されているのに加入希望を書いた場合:企業の条件と明確に矛盾するため、ミスマッチとして判断される
- 扶養範囲内での採用を想定している求人で「社会保険加入希望」と書いた場合:企業が想定している雇用形態と一致しないため、調整が難しいと判断されることがある
- 正社員・フルタイム求人で「社会保険には加入したくない」と書いた場合:社会保険加入は義務であるため、「働き方への理解不足」と見られるリスクがある
共通して言えるのは、応募前に募集要項を確認し、希望内容が応募先の条件と矛盾していないかを確かめることが最も重要だということです。
やりがちなNG例と修正パターン
採用担当者が困る書き方4パターン
実際の採用現場で見られるNG例を4つ取り上げます。どれも悪意はないものの、採用担当者の印象を下げる可能性があります。
NG例①:命令口調
「社会保険に加入させてください」
→ 「〜させてください」は依頼のように見えて命令的に受け取られる場合があります。採用担当者への敬意が伝わらず、「書き方のルールを知らない」という印象にもつながります。
NG例②:理由なしの一行記載
「社会保険加入希望」のみ
→ 理由・文脈がないと、採用担当者は「なぜこの人は希望しているのか」が読み取れません。希望の背景が見えないと「条件が多い」印象だけが残ることがあります。
NG例③:条件交渉的な書き方
「社会保険に加入できない場合は入社を検討し直します」
→ 本人希望欄は条件交渉の場ではありません。このような記述は「入社の意欲が低い」「条件が絶対優先の人」という印象を与えます。
NG例④:入社の意思決定を保留にした書き方
「社会保険の加入条件を確認後、入社を決定します」
→ 意思決定を保留にした書き方は「採用を検討してほしい側がすることではない」として、選考意欲の低さと受け取られます。疑問点は本人希望欄より面接の場で確認するのが適切です。
「社会保険に入りたくない」場合の正しい伝え方
配偶者の扶養範囲内で働きたい場合、社会保険への「加入を希望しない」旨を伝える必要があります。ただし、単に「社会保険不要」と書くのはNGです。
良い例文(扶養範囲内を希望する場合)
配偶者の扶養範囲内(年収130万円未満)での勤務を希望します。貴社のシフト調整において、ご配慮いただけますと幸いです。
NG例(扶養範囲内希望の場合)
「社会保険不要」「社会保険には加入したくない」
→ なぜ加入したくないのかが伝わらず、企業側での調整が困難になります。「扶養内希望」であることを明記し、年収の目安も合わせて書くことで、企業側がシフト設計しやすくなります。
2026年10月以降、週20時間以上の勤務では収入額に関わらず社会保険に加入する制度に変わっています。扶養内希望を伝える際は「週〇時間程度の勤務を希望しています」と合わせて勤務時間の上限を書くことで、企業側の理解が得られやすくなります。
社会保険に関する本人希望欄の記載ケース
「扶養範囲内で働きたい」場合との違いを整理する
社会保険加入希望と扶養範囲内希望は、真逆の意味を持ちます。この2つを混在させて書くと採用担当者が混乱するため、注意が必要です。
| 希望の種類 | 意味 | 本人希望欄の書き方例 |
|---|---|---|
| 社会保険加入希望 | 勤務先の健康保険・厚生年金に加入したい | 「社会保険への加入を希望します(週20時間以上の勤務を希望)」 |
| 扶養範囲内希望 | 配偶者の健康保険の扶養に残り、自ら社会保険に加入したくない | 「配偶者の扶養範囲内(年収130万円未満)での勤務を希望します」 |
自分がどちらを希望しているのかを明確にした上で、本人希望欄の文章を作成することが重要です。どちらが自分に当てはまるか迷っている場合は、面接の場で直接確認するのが最も確実です。
勤務時間の希望と合わせて書く効果
社会保険の加入条件は「週の勤務時間」に直結しています。そのため、社会保険加入希望を書く際に「希望勤務時間」も合わせて記載すると、企業側が雇用条件を調整しやすくなります。
勤務時間と合わせた例文
週20〜30時間程度の勤務を希望しています。社会保険(健康保険・厚生年金)への加入も希望しますので、ご対応いただける勤務条件で採用いただければ幸いです。
勤務時間と社会保険希望をセットで書くことで、採用担当者は「この人は社会保険の加入条件(週20時間以上)を理解した上で希望している」と読み取ることができます。制度への理解度が伝わるため、信頼感につながる書き方です。
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- 社会保険加入希望は、履歴書の本人希望欄に記入する
- 書き方の基本は「貴社の規定に従いますが」の前置き→希望内容→理由の3ステップ
- 2026年10月以降、週20時間以上の勤務では収入額に関わらず社会保険加入対象となる
- 採用担当者は希望そのものより「書き方・募集要項との整合性」を見ている
- 扶養範囲内希望と社会保険加入希望は逆の意味。混在させないよう注意する
- 希望勤務時間と合わせて書くと、採用担当者が雇用調整しやすくなる
本人希望欄は「自分の働き方の意思を伝える場所」です。適切な書き方で社会保険の希望を伝えることが、採用担当者との条件ミスマッチを防ぎ、入社後のトラブルを減らすことにつながります。
社会保険加入希望の書き方に関するよくある質問
- 社会保険加入希望を本人希望欄に書かないとどうなりますか?
-
書かなかったからといって、採用に直接影響するわけではありません。ただし、入社後に「社会保険に加入したかった」という認識のズレが生じる可能性があります。希望がある場合は事前に明記しておく方が、企業側との条件確認がスムーズです。
- パート応募で社会保険加入希望を書くと採用されにくくなりますか?
-
募集要項の条件と一致している場合は、採用への影響はほとんどありません。問題になるのは「社会保険なし」で募集しているのに加入希望を書いた場合です。応募前に求人票をよく確認し、社会保険の有無をチェックした上で記入することを推奨します。
- 2026年の制度改正で履歴書の書き方は変わりますか?
-
履歴書の書式そのものは変わりません。ただし、2026年10月以降は週20時間以上の勤務で原則社会保険加入対象となるため、「加入したくない」場合は週の勤務時間を20時間未満に抑える必要があります。扶養範囲内希望を書く際は、この点を踏まえて勤務時間の希望も合わせて記載することをおすすめします。
- 本人希望欄に特に希望がない場合は何と書けばよいですか?
-
「貴社の規定に従います」と記入してください。空欄や「特になし」は記入漏れと誤解される場合があります。この一文を書くだけで、採用担当者に「書き方のルールを理解している」という印象を与えることができます。


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