この記事では、新卒・学生の立場で職務経歴書の提出を求められた場合の書き方を解説します。アルバイト・インターンシップ経験のみでも書ける構成と例文を、採用担当者の評価基準をもとにパターン別に紹介します。
学生に職務経歴書が必要なケースとは
新卒採用では、履歴書とエントリーシートが書類選考の中心です。職務経歴書は転職者向けの書類という位置づけが一般的で、多くの学生は就活で提出を求められることはありません。
ただし、近年は新卒採用にも職務経歴書を求める企業が一部存在します。長期インターンシップの普及やスタートアップ企業の増加により、実務経験を重視する採用方針をとる企業では、学生であっても職務経歴書の提出を求めるケースが増えています。
新卒採用で職務経歴書が求められる背景
企業が新卒学生に職務経歴書の提出を求める主な場面は以下のとおりです。
- 長期インターンシップや業務委託での実務経験がある学生を採用したい場合
- IT系・スタートアップ企業が即戦力採用を進めている選考
- 既卒・第二新卒を新卒枠で採用している企業の選考
- 採用ページに「職務経歴書(任意)」と記載されているケース
採用担当者はここを見ている
- 「学生時代に何をしていたか」よりも「その経験を通じて何を学び、どう行動したか」を重視する
- 職歴がないことは最初から想定内。評価の軸は経験の「向き合い方」と「継続した意思」
- 書類の見やすさ・文章の丁寧さから「入社後の仕事の姿勢」を推測する担当者も多い
提出を求められたら最初にすること
職務経歴書の提出を求められたとき、まず採用担当者に提出の意図を確認することをおすすめします。どの程度の分量・内容が期待されているかを把握することで、準備の方針が定まります。
確認すべき点は以下の3つです。
- 書類の分量:A4用紙何枚程度か(学生の場合は1枚が基本)
- 記載してほしい経験の種類:インターン・アルバイト・学業・資格など
- 提出期限と方法:PDF・郵送・メール添付のいずれか
確認を取ることで採用担当者への誠実さも伝わります。「提出を求められたからとりあえず書く」ではなく、意図を理解した上で準備することが書類の質にも影響します。
学生の職務経歴書に書ける内容【3パターン】
「書ける職歴がない」と感じる学生ほど、この点が不安になりやすいです。ただ、職務経歴書は「正社員としての就業履歴」だけを書く書類ではありません。アルバイト・インターンシップ・学業活動など、仕事に近い経験はすべて記載対象になります。
アルバイト経験の書き方
アルバイト経験を職務経歴書に記載する場合、「どこで何をしていたか」の羅列では採用担当者の評価は変わりません。重要なのは、担当した業務・工夫した点・得られた成果をセットで記述することです。
| 記載要素 | 記述の例 |
|---|---|
| 勤務先・業種 | ○○チェーン(飲食業) |
| 雇用形態・期間 | アルバイト・20XX年4月〜20XX年3月(約2年間) |
| 業務内容 | ホールスタッフとして接客・注文受付・会計業務を担当 |
| 役割・工夫 | シフトリーダーとして5名のスタッフのシフト管理を担当 |
| 成果・学んだこと | クレーム対応の対応フローを整備し、翌月のリピート客比率が上昇 |
数字を使えるなら積極的に入れてください。「週3日・1日5時間勤務」「約2年間継続」という継続性の数字も、採用担当者に「やり切る力がある人材」という印象を与えます。
インターンシップ経験の書き方
インターンシップ経験は、職務経歴書の中でもアピール効果が高いコンテンツです。特に3ヶ月以上の長期インターンや業務委託に近いプロジェクト参加経験は、採用担当者の関心を引きやすい実績になります。
記載するべき情報は以下の4点です。
- 参加したプロジェクト・業務の内容:どんな課題に取り組んだか
- 自分の役割:チーム内での担当範囲(例:SNS運用担当、データ分析補助など)
- 成果・数値:「SNS投稿数を月30本から50本に増加」「商談資料を5件作成」など
- 期間:「20XX年6月〜20XX年3月(9ヶ月間)」のように具体的に
短期のインターン(1〜5日間)の場合は、特に印象的な学びや担当したタスクがあれば記載して問題ありません。ただし、複数の短期インターンを羅列するだけでは逆効果になることもあるため、内容が薄い場合は省略するか、自己PR欄でまとめて触れる方法が現実的です。
バイト・インターン経験がほとんどない場合
「バイトもインターンも経験が少ない」という学生でも、職務経歴書を空白のまま提出することは避けてください。書ける経験はゼロではありません。
- ゼミ・研究室での取り組み:研究テーマ・担当役割・成果(発表・論文提出など)
- 資格・検定:取得年月とスコア(TOEICなど数値化できるものは必ず記載)
- PCスキル:Word・Excel・PowerPointの使用歴と習熟度の目安
- 課外活動:サークル・ボランティア・学生団体での役割と取り組み内容
「経験の量」ではなく「経験への向き合い方」が採用担当者の評価軸です。経験が少ない分、1つひとつの経験をより丁寧に言語化することで、むしろ思考の深さをアピールできます。
学生向け職務経歴書の基本構成と書き方
職務経歴書はA4用紙1〜2枚にまとめるのが基本です。学生の場合は1枚でも問題なく、無理に内容を増やして2枚にする必要はありません。以下の4つのブロックで構成すると、採用担当者が読みやすい書類に仕上がります。
| ブロック | 内容 | 分量の目安 |
|---|---|---|
| ①経歴要約 | 自分の経験を3〜5文でまとめる | 50〜100文字 |
| ②職務経歴 | アルバイト・インターン経験を時系列で記載 | 経験数×3〜6行 |
| ③スキル・資格 | 取得資格・PCスキル・語学力 | 箇条書き3〜8項目 |
| ④自己PR | 経験から得た強みと入社後の活かし方 | 100〜200文字 |
①経歴要約(キャリアサマリー)の書き方
経歴要約は職務経歴書の冒頭に置く、採用担当者が最初に目を通す部分です。自分の経験・強みを3〜5文にまとめ、「どんな経験をしてきた人材か」を一目で伝えることが目的です。
良い例文(経歴要約)
大学3年次より、IT系スタートアップにて週3日の長期インターンとして営業サポート業務に従事しました。商談資料の作成・顧客メールの対応・データ分析補助を担当し、約1年間で商談化率の改善に関わる提案を3件実施しました。課題発見から施策立案・実行のサイクルを実務の中で学んだことが強みです。
NG例(経歴要約)
大学でマーケティングを学んでいます。インターンにも参加したことがあります。「何をしたか」の具体性がなく、採用担当者に何も伝わりません。経験の種類ではなく、経験の内容と学びを書くことが必要です。
②職務経歴の書き方
職務経歴は以下の情報を時系列(新しい順でも古い順でも可)で記載します。複数の経験がある場合は、それぞれ区切りを設けて記載してください。
- 勤務先名・業種:(例:○○株式会社・小売業)
- 雇用形態と期間:(例:アルバイト・20XX年4月〜20XX年3月)
- 担当業務内容:箇条書きで3〜5項目。動詞で始める(「担当した」「対応した」「管理した」)
- 実績・学んだこと:できるだけ数字を使い、1〜2文で記述
③保有スキル・資格の書き方
スキル・資格は箇条書きで記載します。TOEICなどスコアが出るものは点数を必ず記載してください。PCスキルは「Excelが使える」という記載より、「Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル使用可)」のように具体的に書くと、採用担当者が実際のスキル水準をイメージしやすくなります。
資格や語学力がない場合でも、「Canva・Figmaを使ったデザイン作業経験あり」「Googleスプレッドシートでのデータ整理経験あり」のように、実務で使用したツールを記載することで印象が変わります。
④自己PRの書き方
自己PRは職務経歴書の最後に記載します。「自分の強みが、その企業でどう活かせるか」を100〜200文字で具体的に記述するのがポイントです。
「コミュニケーション力があります」という抽象的な記述ではなく、「チームのメンバーが動きやすいよう情報共有のタスク管理シートをつくり、業務の抜け漏れを防いだ経験があります」という具体例とセットで書くことで、採用担当者に「実際に仕事で再現できる力」として伝わります。
採用担当者が本当に見ている3つのポイント
採用担当者が書類を確認する時間は平均5〜10分程度とされています。その短い時間で読まれる学生の職務経歴書が、評価を左右するポイントは以下の3つです。
採用担当者が見ている評価軸
- ①継続性:アルバイトを複数の短期間で辞め続けた経歴より、1つの職場を1〜2年続けた記録のほうが評価される。継続した理由を添えるとさらに説得力が増す
- ②主体性:「業務をこなした」ではなく「自分から提案した・工夫した」という記述があるかどうか。受け身でなく動いた経験が採用担当者の目を引く
- ③再現性:「この人の強みは入社後に活かせるか」という視点で読まれる。経験の種類より、その経験で得た力が職場で汎用的に使えるかを判断している
裏を返せば、書き方を変えるだけで同じ経験でも評価はまったく変わります。「どこで何をしたか」だけを書く書類から、「何を考え、どう動き、何が変わったか」を伝える書類にすることが、書類選考の通過率を高める最短ルートです。
採用担当者がNG判定を下しやすいのは、「業務内容の羅列」「具体性のない強み」「読みにくいフォーマット」の3パターンです。これらはどれも内容ではなく、伝え方の問題で起きています。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →職務経歴書の例文【アルバイト・インターン別】
以下に、学生が職務経歴書を書く際によくある2つのパターンの例文を紹介します。自分の状況に近い方を参考に、実際の経験に合わせて書き換えてください。
アルバイト経験のみの職務経歴書 例文
コンビニや飲食店でのアルバイト経験だけでも、書き方次第で採用担当者に響く職務経歴書を作れます。ポイントは「業務内容 + 数字 + 工夫した点」の3セットです。
アルバイト経験のみ 職務経歴書 例文
【経歴要約】
大学1年次より飲食チェーン店にてアルバイトとして約2年半勤務しました。ホールスタッフとして接客・オーダー受付・会計業務を担当するほか、2年目からはシフトリーダーとして5名のスタッフのシフト調整と業務指示を担いました。チームで動くことの難しさと面白さを実務の中で学んでいます。
【職務経歴】
○○フードチェーン(飲食業)
雇用形態:アルバイト 期間:20XX年4月〜20XX年9月(約2年6ヶ月間)
- ホールスタッフとして接客・オーダー管理・レジ対応を担当
- ピーク時間帯(昼・夜)のオペレーション管理を担当
- 2年目よりシフトリーダーとして5名のシフト管理・新人トレーニングを担当
- クレーム対応の標準フローを整備し、対応時間の短縮に貢献
【スキル・資格】
普通自動車運転免許(20XX年取得)/TOEIC 610点(20XX年取得)
【自己PR】
チームで動く環境でリーダーとして動いた経験から、「誰が何をどのタイミングで動くか」を先読みして調整する力を培いました。情報共有の仕組みを整えることで、チーム全体の動きをスムーズにした経験を、入社後のチームワークにも活かしたいと考えています。
インターン経験がある場合の職務経歴書 例文
長期インターン経験がある場合は、担当したプロジェクト・数字で示せる成果・役割を明確に記載することで、実務に近い経験として採用担当者に伝わります。
インターン経験あり 職務経歴書 例文
【経歴要約】
大学3年次より、BtoB向けSaaSを提供するスタートアップ企業にてマーケティングインターンとして9ヶ月間勤務しました。コンテンツSEO・SNS運用・データ分析レポートの作成を担当し、担当したSNSアカウントのフォロワー数を3ヶ月で800名から1,500名に増加させた実績があります。
【職務経歴】
○○株式会社(IT・SaaS業界)
雇用形態:インターンシップ(長期) 期間:20XX年6月〜20XX年3月(9ヶ月間)
- コンテンツSEOの記事企画・執筆(月4〜6本担当)
- SNSアカウント(Instagram・X)の投稿計画・運用管理
- Googleアナリティクスを用いたサイトアクセス解析レポートの作成(週次)
- SNSフォロワー数:3ヶ月で800名→1,500名(約88%増)
【スキル・資格】
Google アナリティクス(GA4)使用経験あり/Canva・Figma(デザイン作業)使用可/TOEIC 720点
【自己PR】
インターンを通じて、数字の変化を見ながら仮説を立て、施策を修正するサイクルの面白さを実感しました。「なぜこの数字が動いたか」を分析する習慣が身についており、入社後もデータを根拠にした行動を続けたいと考えています。
書類選考を通過できない職務経歴書のNG例と修正
実際に採用選考で評価が下がる職務経歴書には、共通したパターンがあります。以下の3パターンに自分の書類が当てはまっていないかを確認してください。
NG例① 業務を羅列するだけの記述
NG例
・接客業務をしていました
・レジ対応をしていました
・清掃業務をしていました
これでは「バイトをしていた事実」しか伝わりません。採用担当者が知りたいのは「あなたがどう動いたか」です。
修正例
・ホールスタッフとして1日平均約50組の接客・オーダー管理を担当
・ピーク時間帯のレジ対応を一人で処理できるよう業務手順を習得
・開店前の清掃リードを担当し、作業時間を従来より10分短縮する手順を提案
NG例② 強みが抽象的すぎる自己PR
NG例
私の強みはコミュニケーション力と積極性です。どんな仕事も前向きに取り組める自信があります。根拠がなく、誰でも書ける内容です。採用担当者は「具体的にどんな場面でどう動いたか」を見ています。
修正例
アルバイトのシフトリーダーとして、スタッフ間の情報共有が属人的になっていた問題を改善するため、共有ノートの運用を提案しました。導入後、引き継ぎミスが月2〜3件から0件に減少しました。組織の課題を発見し、仕組みで解決する経験を積んでいます。
NG例③ フォーマットがバラバラで読みにくい
職務経歴書はA4用紙に収めることが基本ですが、フォント・行間・見出しのスタイルが統一されていない書類は、採用担当者に「細部への注意力が低い人物」という印象を与えます。以下の点を統一して作成してください。
- フォント:日本語はMS明朝かMSゴシック系で統一(混在禁止)
- 日付表記:「20XX年4月」か「R〇年4月」かどちらかに統一(混在禁止)
- 箇条書きの文末:「〜を担当」「〜を実施」のように動詞で統一
- 余白:上下左右15〜20mmを確保し、詰め込みすぎない
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 新卒採用で職務経歴書が必要なケースは一部の企業に限られるが、求められた場合はアルバイト・インターン経験で十分対応できる
- 採用担当者が見ているのは「経験の種類」ではなく「継続性・主体性・再現性」の3軸
- 業務の羅列ではなく「業務内容 + 工夫した点 + 成果(数字)」をセットで記述する
- バイト・インターン経験がほとんどない場合でも、ゼミ・資格・PCスキル・課外活動は書ける
- フォーマットの統一と読みやすさも評価の一部。細部の丁寧さが採用担当者に伝わる
書き方がわからず手が止まっているなら、まず自分の経験を箇条書きで書き出すところから始めてください。整理された経験は、必ず職務経歴書の材料になります。
職務経歴書の書き方に関するよくある質問
- 学生が職務経歴書を提出する場合、A4何枚が適切ですか?
-
アルバイト・インターン経験が少ない学生の場合、A4用紙1枚が基本です。無理に内容を増やして2枚にする必要はありません。1枚でも内容が充実していれば、採用担当者に十分な情報を伝えられます。
- アルバイト経験のみでも職務経歴書に書いていいですか?
-
問題ありません。アルバイト経験は職務経歴書に記載できる経験です。「どこで働いたか」という事実だけでなく、「担当した業務・工夫した点・得られた成果(数字)」をセットで記述することで、採用担当者に響く書類になります。
- 職務経歴書と履歴書の職歴欄は同じ内容を書いていいですか?
-
履歴書の職歴欄は勤務先と在職期間を時系列で記載する形式ですが、職務経歴書は担当業務・工夫・成果を詳しく記述するものです。同じ経験を扱いながら、記述の詳しさと切り口が異なります。両方に同じ内容をそのままコピーするのは避けてください。
- インターンの経験が短期間(1〜5日)しかない場合も書けますか?
-
短期インターンは職務経歴書に記載できますが、複数の短期インターンを羅列するだけでは印象が薄くなることがあります。内容に特記すべき学びや担当タスクがある場合は記載し、そうでない場合は自己PR欄でまとめて触れる方法が現実的です。
- バイト経験もインターン経験もほとんどない場合、職務経歴書に何を書けばいいですか?
-
ゼミ・研究室での取り組み、取得した資格・検定(TOEICスコアなど)、PCスキル(ExcelやCanvaなどの使用歴)、サークル・ボランティア・学生団体での役割を記載できます。経験の量ではなく、それぞれの経験への向き合い方を言語化することで、採用担当者に人物像を伝えることができます。


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