職務経歴書に書くことがない場合は、経験を「棚卸し」して書ける形に翻訳するのが正解です。アルバイト中心・実績なし・ブランクありでも、採用担当者に伝わる材料は必ず見つかります。状況別の書き方と、そのまま使える例文を具体的に解説します。
「職務経歴書に書くことがない」場合の結論とすぐ使える例文
結論|経歴のなさではなく「書ける形に翻訳できていない」だけ
「書くことがない」と感じる原因のほとんどは、経歴そのものがないことではなく、経験を職務経歴書という書ける形に翻訳できていないことです。アルバイトや日々の業務で担当した作業も、書き方次第で立派な職務経験になります。採用担当者が見ているのは輝かしい実績ではなく、仕事にどう向き合ってきたかという姿勢です。
良い例文・NG例(アルバイト経験のみで事務職に応募する場合)
実績や数字がなくても、取り組み方と再現性を書けば評価につながります。アルバイト経験しかない人が事務職に応募するケースを例に、良い例とNG例を比べてみます。
良い例文
飲食店で3年間アルバイトとして接客・レジ・在庫管理を担当しました。新人スタッフ向けの業務手順をチェックリストにまとめ、教育にかかる時間を体感で半分程度に短縮しました。数字を扱う正確な作業を継続してきた経験を、貴社の事務業務でも活かせると考えています。
NG例
飲食店でアルバイトをしていました。特別な実績はありませんが、まじめに取り組みました。事務は未経験ですが、やる気はあります。「まじめ」「やる気」だけでは、何を担当し何を工夫したのかが伝わりません。
採用担当者はここを見ている
- どんな場面で、何を、どう工夫したかという具体的な行動
- 実績の大きさより、課題に対して自分で考えて動いた姿勢
- その経験が応募先の仕事にどうつながるか(再現性)

書くことがないから提出しない、はNGな理由
「書くことがないなら出さなくてもいいのでは」と考える人もいますが、提出を求められた場合は、経歴が薄くても必ず作成して出すのが基本です。職務経歴書の有無そのものが評価に影響します。
| 対応 | 採用担当者の受け取り方 |
|---|---|
| 薄くても作成して提出 | 本気度が伝わり、内容で勝負できる |
| 空欄・ほぼ白紙で提出 | 意欲や準備不足を疑われ、読む前に評価が下がる |
| 提出しない(求められたのに) | 応募条件を満たさず、選考対象外になることがある |
新卒の就活と違い、中途採用ではこれまで何をしてきたかを確認する書類が重視されます。職歴が短い・少ない場合でも、白紙で出すより1つの経験を丁寧に掘り下げた1枚のほうがはるかに好印象です。

「書くことがない」と感じる5つの状況と書き方
書くことがないと感じる背景は人によって違います。自分に近い状況を確認すると、何を書けばいいかが具体的に見えてきます。
アルバイト・パート経験しかない
アルバイトやパートでの経験も、立派な職務経験です。ポイントは「どこで・誰に・何を・どのように」提供したかを分解して書くこと。「接客をしていた」ではなく「1日平均◯人の来店客に、注文から会計まで対応した」と具体化すると、採用担当者に伝わりやすくなります。
アルバイト経験を中心に書く場合は、アルバイト用の職務経歴書テンプレートを土台にすると、項目の抜け漏れを防げます。
パート勤務が中心の場合は、パート用の職務経歴書テンプレートを使うと、短時間の勤務でも要点を整理しやすくなります。
第二新卒・社会人経験が浅い
入社1〜2年で成果や実績が乏しい場合は、成果そのものではなく、日々どんなことを心がけ、どんな工夫をしたかを書きます。基本業務を正確にこなしてきた姿勢や、覚えるのが早く素直に吸収できる点は、第二新卒ならではの強みとして十分にアピール材料になります。
ブランク・空白期間がある
離職期間や空白があると、それだけで不利だと感じてしまいがちです。空白期間は隠すより、その間に取り組んだこと(資格の勉強・家庭の事情の整理・スキル習得など)を一言添えると、マイナス印象を抑えられます。育児や介護でのブランクも、時間管理力や段取り力として言い換えられます。
未経験の職種に応募する
応募職種の経験がない場合は、前職と応募職種の共通点を探し、持ち運べるスキル(ポータブルスキル)に翻訳するのがコツです。似ている作業内容、未経験から一人でできるようになった過程、応募理由の具体性の3点を書くと評価につながります。
ハローワーク経由で未経験可の求人に応募する場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートを使うと、書式で迷わず作成できます。
実績・数字が出せない
売上や件数のような数字がない職種でも問題ありません。数字が出せないときは、「担当範囲の広さ」「継続した期間」「任された理由」で貢献を示します。「毎日◯件の問い合わせに対応」「3年間無遅刻」など、事実として言える数字に置き換えるだけでも説得力が増します。
派遣就業で複数の職場を経験してきた場合も、担当期間や業務範囲を丁寧に書けば実績になります。派遣の職務経歴書テンプレートを使うと、職場ごとの項目を整理しやすくなります。

書ける材料が見つかる「棚卸し」3ステップ
何を書けばいいか迷ったら、いきなり清書せず、材料を洗い出す作業から始めます。次の3ステップで進めると、書ける内容が整理できます。
ステップ1:経験をすべて書き出す
アルバイト・パート・派遣・インターン・ボランティアまで、これまで関わった仕事や活動を時系列で書き出します。この段階では「アピールになるか」は判断せず、事実をすべて並べることが重要です。
ステップ2:業務を「行動」に分解する
それぞれの仕事について、5W1Hの形で分解します。「レジ担当」なら「1日◯人の会計を、ミスなく短時間で処理」というように、動作レベルまで具体化すると書ける文章に変わります。
| 項目 | 書き出す内容の例 |
|---|---|
| When(いつ) | 在籍期間・業務を担当した期間 |
| Who(誰を相手に) | 顧客・社内チーム・取引先 |
| What(何をしていたか) | 担当業務の種類・業務名 |
| Where(どこで) | 所属部署・職場環境・チーム規模 |
| Why(なぜ) | 役割・背景・経緯 |
| How(どのように) | 手順・意識していたこと・工夫 |
ステップ3:応募先の仕事につなげる
分解した経験の中から、応募先で活かせるものを選び、「この経験は貴社の◯◯業務で活かせる」という形に結びつけます。ここまでの棚卸しができれば、白紙のまま手が止まることはなくなります。
採用担当者が「これはNG」と判断する3つの特徴
書き方を工夫する前に、採用担当者が選考を進めないと判断するラインを知っておくことが重要です。以下の3つは、内容の良し悪し以前に評価が下がる書き方です。
避けたい3つの書き方
- 事実を盛る・誇張する:面接で深掘りされたときに答えられず、入社後の信頼問題につながります
- 職歴を都合よく省略する:社会保険の加入歴などで在職履歴が確認でき、発覚すれば信頼を失います
- 文章量が極端に少ない:数行で終わると、準備不足・意欲不足と受け取られます
大切なのは、事実の範囲で経験をていねいに掘り下げることです。1つの経験を深く書くほうが、量を水増しするより評価されます。
まとめ
- 「書くことがない」原因は経歴のなさではなく、書ける形に翻訳できていないこと
- アルバイト・第二新卒・ブランク・未経験・実績なしでも、棚卸しをすれば書く材料は見つかる
- 薄くても提出したほうが、空欄・未提出より確実に印象がよくなる
- 盛る・省略する・極端に短いは避け、事実を丁寧に掘り下げた1枚を作る
書ける経歴が少なくても、伝え方しだいで書類は通過します。まずは自分の経験を1つ選び、行動レベルまで具体化するところから始めてください。
職務経歴書に書くことがない場合に関するよくある質問
- 職歴が全くない場合、職務経歴書は何を書けばいいですか?
-
アルバイト・パート・インターン・ボランティアなど、これまで関わった活動を職務経験として書きます。担当した作業を「どこで・何を・どのように」の形で具体化するのがポイントです。
- 書くことがなければ提出しなくてもいいですか?
-
提出を求められた場合は、内容が薄くても作成して提出してください。中途採用では職務経歴書の有無自体が評価に影響し、未提出だと選考対象外になることもあります。
- 実績や数字がなくても評価されますか?
-
評価されます。採用担当者は実績の大きさより、課題にどう向き合い工夫したかという再現性を見ています。数字がない場合は担当範囲の広さや継続した期間を示すと、貢献が伝わりやすくなります。
- 経歴が弱いので少し盛ってもいいですか?
-
盛るのは避けてください。入社後に発覚すると信用を失い、経歴詐称と見なされる場合もあります。事実の範囲で経験を深く掘り下げるほうが、量を水増しするより評価されます。

