履歴書の「現在に至る」は、在職中の人だけが書く表現です。退職済みの場合は書く必要がありません。退職済みか在職中かで書き方も入社可能時期の伝わり方も変わるため、間違えると採用担当者に誤解を与えかねません。この記事では在職中・退職予定・退職済みの状況別の記入例と、見落としやすいNGパターンを採用担当者の視点から具体的に解説します。
【結論】「現在に至る」は在職中だけ使う。退職済みなら不要
結論:在籍状況で「現在に至る」の要不要が決まる
履歴書を書いている時点で今の会社に在籍しているかどうかが、「現在に至る」を書くかどうかの唯一の判断基準です。転職活動をしながら働いている在職中の人は必ず書き、すでに退職した人は書きません。
| 状況 | 「現在に至る」 | 「以上」 |
|---|---|---|
| 在職中(転職活動をしながら勤務中) | 書く | 書く |
| 退職済み(すでに前職を辞めている) | 書かない | 書く |
| 退職予定日が確定している(在職中) | 書く(退職予定日を併記) | 書く |
最も多い間違いは、すでに退職しているのに「現在に至る」を書いてしまうケースです。離職期間を知られたくない心理からつい書いてしまう人もいますが、事実と異なる記載は入社後のトラブルにつながるため、必ず現状に合わせて記入してください。
【状況別】正しい記入例
在籍状況ごとに、職歴欄の最後の書き方が変わります。自分の状況に近い例文を確認してください。
良い例文(在職中の場合)
2020年4月 株式会社〇〇 入社
2022年1月 〇〇営業部へ異動
現在に至る
以上
良い例文(退職済みの場合)
2020年4月 株式会社〇〇 入社
2024年3月 一身上の都合により退職
以上
NG例(退職済みなのに書いてしまう)
2024年3月 株式会社〇〇 退職
現在に至る
退職済みなのに「現在に至る」を書くと、まだ在籍中だと誤解される。
採用担当者はここを見ている
- 在職中か離職中かで入社可能日の見立てが変わるため、職歴の締めくくり方を必ず確認する
- 「現在に至る」の記入漏れや誤記は、書類作成への注意力を疑わせるシグナルになることがある
「現在に至る」「以上」の意味と書く位置の基本ルール
「現在に至る」「以上」の意味
「現在に至る」は「直前に書いた会社・部署に、今もなお在籍している」という意味です。転職活動をしながら今の職場で働いている人だけが使う言葉です。
「以上」は「これ以上の学歴・職歴の記載はない」という意味です。在職中か離職中かにかかわらず、すべての職歴欄の最後に必ず記入します。「現在に至る」と「在職中」は同じ意味なので、両方書くのは誤りです。どちらか一方を選んでください。
書く位置(左寄せ・右寄せ)とスペースが足りない場合の対処
「現在に至る」と「以上」には、それぞれ決まった記入位置があります。採用担当者は左寄せ・右寄せのルールが守られているかで、書類作成の丁寧さを判断しています。位置を間違えるだけで書き慣れていない印象を与えるため、正確に覚えておいてください。
- 「現在に至る」:職歴の最後の行の左側に寄せて記入する
- 「以上」:「現在に至る」の1行下に、右側に寄せて記入する
- 年・月の欄は「現在に至る」「以上」の行では空白のまま記入しない
転職回数が多く、職歴欄のスペース(行)が足りない場合は「現在に至る」を左側、「以上」を右側にして同じ1行に収める方法があります。厚生労働省の様式など行数の多いフォーマットに変更するのも有効です。厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートであれば職歴欄に余裕があり、書ききれない心配を減らせます。
採用担当者が見抜く「現在に至る」のNGパターン5選
採用担当者が職歴欄で最初に確認するのは「今の在籍状況」です。「現在に至る」と「以上」の書き方には、一見わかりにくいが書類選考に影響するミスがいくつかあります。
NG①:離職後なのに「現在に至る」を書いてしまう
NG例
2024年3月 株式会社〇〇 退職
現在に至る
退職済みなのに書くと、まだ在籍中だと誤解される。
NG②:在職中なのに「現在に至る」を書き忘れる
在職中であるにもかかわらず「現在に至る」を省略してしまうパターンです。「以上」だけが書かれていると、採用担当者は在職中か離職中かを判断できず、「今すぐ入社できる離職者」と誤解されて選考の優先順位が下がることもあります。
NG③:「現在に至る」と「在職中」を両方書く
NG例
2023年4月 株式会社〇〇 入社(在職中)
現在に至る
同じ意味の言葉を重複して書いている。どちらか一方を選ぶ。
NG④:退職予定日が決まっているのに書かない
退職日が確定しているのに、その情報を書かないケースです。採用担当者が入社時期を判断できず、選考が後回しになることがあります。退職予定日が決まっている場合は「現在に至る(〇年〇月〇日退職予定)」とカッコ書きで追記してください。
NG⑤:「以上」を書き忘れる
「以上」は文書の終わりを示す表記で、省略が許されません。これがないと「まだ続きがあるのか」「記載が終わっていないのか」と疑問を持たれます。職歴欄の行が最後まで埋まってしまった場合でも、欄外に小さく書いてでも必ず記入してください。
なお、「現在に至る」を書き忘れても不採用に直結するわけではありませんが、経理・事務など正確さが求められる職種では細部への注意力を疑われる材料になりえます。気づいた時点で訂正版を提出できないか検討してください。そもそも「現在に至る」自体が本当に必要かで迷う場合は、あわせて読みたい記事も参考にしてください。

状況別の応用パターン
退職予定日が決まっている/決まっていない場合
退職日が確定している場合は「現在に至る」の後ろに退職予定日をカッコ書きで追記します。入社可能な時期がひと目でわかり、選考がスムーズに進みます。まだ退職意向を伝えていない、または退職日が未確定の場合は「現在に至る」のみを記入すれば十分です。
退職予定日あり 記入例
現在に至る(2026年10月31日退職予定)
以上
入社可能日が別途わかる場合は、本人希望記入欄に「〇月〇日以降、就業可能」と加えると採用担当者が選考を進めやすくなります。転職活動用に職歴欄の広さで選べる転職用の履歴書テンプレートを使うと、退職予定日の記載スペースにも余裕を持たせやすくなります。
育児休業中に転職活動する場合
育児休業中に転職活動をする場合、会社に在籍していることに変わりはないため「現在に至る」を使いますが、育休中であることを職歴に明記します。
育休中の記入例
2020年4月 株式会社〇〇 入社
2024年4月 育児休業取得(現在育児休業中)
現在に至る
以上
職場に復帰済みの場合は「〇年〇月 育児休業終了、職場復帰」と記入してから「現在に至る」へ続けます。
副業・個人事業主がある場合
会社員として在籍しながら副業をしている場合は、本業の職歴を通常通り記入すれば足ります。開業届を出して個人事業主として登録している場合は、副業の事実を職歴欄に追記することもできます。開業届のないフリーランス・ギグワークは記載義務がなく、自己PR欄や面接で補足する方法もあります。
学歴欄と職歴欄が分かれている場合の「以上」
履歴書のフォーマットによっては、学歴欄と職歴欄が分かれているものがあります。この場合の「以上」の書き方はフォーマットの種類によって異なります。
| フォーマットの種類 | 「以上」の書き方 |
|---|---|
| 学歴と職歴が同じ欄(JIS規格タイプ) | すべての記入が終わった最後に「以上」をひとつだけ書く |
| 学歴欄と職歴欄が別々のフォーム | それぞれの欄の最後に「以上」を書く(学歴欄にひとつ、職歴欄にひとつ) |
JIS規格に沿った履歴書テンプレートは学歴と職歴が同じ欄に連続して記入するタイプです。この場合、学歴欄と職歴欄の境目に「以上」を書く必要はなく、すべての記入が終わった最後にひとつだけ書きます。
職務経歴書を別途提出する場合は「現在に至る」の書き方が履歴書とは少し異なります。書き分けを確認しておくと、両方の書類を矛盾なく仕上げられます。
職歴欄そのものの書き方に不安がある場合は、書ききれないときの対処法も含めて確認しておくと、職歴欄全体を一貫した形式でまとめやすくなります。

まとめ
- 「現在に至る」は在職中のときのみ使用する。退職済みの場合は「以上」だけで締める
- 「現在に至る」は左寄せ、「以上」は1行下に右寄せで記入する
- 退職予定日が決まっている場合は「現在に至る(〇年〇月〇日退職予定)」と追記する
- 「現在に至る」と「在職中」はどちらか一方を選ぶ。両方書くのは誤り
- 「以上」はスペースが足りなくても省略不可。欄外に小さく書いてでも必ず記入する
「現在に至る」と「以上」は数文字の記入ですが、採用担当者が在籍状況を確認するための重要な情報です。自分の状況に合わせて正確に書き、迷いのない履歴書に仕上げてください。
「現在に至る」に関するよくある質問
- 「現在に至る」は手書きでも印刷でも同じ書き方ですか?
-
はい、手書きでもパソコン作成でも書き方のルールは変わりません。「現在に至る」を左寄せ、「以上」を右寄せで記入するのが正しい書き方です。手書きの場合は文字が崩れないよう丁寧に記入してください。
- 転職活動中に退職日が確定したら、提出済みの履歴書を書き直す必要がありますか?
-
選考が進んでいる段階であれば、書き直した履歴書を提出するか、面接時に「退職日が〇月〇日に確定しました」と口頭で伝えることをおすすめします。入社可能日は採用担当者が必ず確認する情報なので、黙って放置するのは避けてください。
- 「現在に至る」を使うのは職歴欄だけですか?学歴欄には使いませんか?
-
「現在に至る」を使うのは職歴欄だけです。学歴欄には使いません。在学中の場合は「〇〇大学〇〇学部 在学中」と書けば十分です。また「以上」は、学歴と職歴が同じ欄に記入する標準フォーマットの場合、すべての記入が終わった最後にひとつだけ書きます。
- 会社が倒産して退職した場合はどう書きますか?
-
「会社倒産のため退職」または「会社都合により退職」と書きます。「一身上の都合により退職」は自己都合退職の表記なので、会社都合の場合は使いません。会社都合退職は選考上の不利にはなりませんので、事実を正確に書いてください。

