この記事では、新卒が事務職の履歴書で書く志望動機の書き方と職種別の例文を解説します。採用担当者が「縁の下の力持ち」型の志望動機を落とす理由と、書類選考を通過するための4ステップを具体的に示します。
事務職の志望動機で新卒が陥りやすい3つのNG
事務職は新卒に人気の職種ですが、その分、採用担当者のデスクには似通った志望動機が大量に届きます。「人をサポートしたい」「縁の下の力持ちとして貢献したい」という表現は、採用担当者の目にはどこの会社にも送れる「テンプレ」として映ります。まずは落とされる書き方を把握することが、通過する志望動機への第一歩です。
採用担当者はここを見ている
- 「なぜ事務職か」の理由が、自分の強みと具体的に結びついているか
- 「なぜこの会社か」が、業種・事業への理解に基づいているか
- 入社後の行動が受け身でなく能動的なイメージで書かれているか
NG①「縁の下の力持ち」「サポートしたい」で終わる書き方
「縁の下の力持ちとして組織を支えたい」という表現は、一見謙虚に見えますが、採用担当者の目には「指示されたことだけをこなす人」として映るリスクがあります。現代の事務職は書類処理や電話対応にとどまらず、業務フローの効率化提案や部署間の情報共有の仕組みづくりなど、能動的な役割が求められています。
「サポートしたい」という言葉が悪いのではありません。問題は「何を」「どのように」サポートするかという具体性が一切ない点です。
NG例
貴社の事務職として社員の方々を縁の下の力持ちとして支えたいと思い志望しました。→「何を」「どう」支えるか、なぜこの会社かが何も伝わらない。
NG②「どの会社にも送れる」内容しか書いていない
「御社の成長性に惹かれました」「安定した基盤のある企業で働きたいと思いました」という表現は、会社名を変えれば他社にもそのまま送れてしまいます。採用担当者は、何十通もの志望動機を読む中で、「この応募者は本当に自社を調べたか」を見抜いています。
事務の業務内容は企業をまたいで似通っているため、「なぜこの会社か」への答えが志望動機の核になります。業種・事業・理念・社員の言葉など、その会社ならではの要素を一つでも入れることが必須です。
NG例
貴社は成長を続けている企業であり、その中で事務職として活躍したいと考えました。→「なぜ御社でなければならないか」が何も示されていない。
NG③ パソコンスキル・資格の羅列になっている
「WordとExcelが使えます」「MOS資格を取得しています」というスキルのアピールは、履歴書の資格欄に書けば十分伝わります。志望動機のスペースでスキルを並べると、「なぜ事務職か」「なぜこの会社か」という本質的な問いへの回答が抜け落ちます。
スキルは「入社後の貢献を補強する材料」として末尾に一文で触れる程度に抑え、志望動機の中心には使いません。
NG例
私はWordとExcelが使えます。日商簿記3級も取得しています。これらを活かして事務職で貢献したいと思います。→「なぜ事務職か」「なぜこの会社か」が何も書かれておらず、スキル紹介で終わっている。
採用担当者が新卒の事務職志望動機で評価する3つのポイント
NGのパターンを把握したうえで、「通過する志望動機」が満たしている3つの要素を整理します。
①なぜ事務職か:自分の強みと職務を具体的に結びつける
採用担当者が「なぜ事務職か」という問いに求めているのは、「事務が好き」という感情ではなく、自分の特性が事務業務の性質とかみ合っている根拠です。強みと職務の結びつけ方には、大きく3パターンあります。
| 強みのタイプ | 事務職との結びつき |
|---|---|
| 正確さ・細部への注意力 | 書類・数字の精度が直接業務品質に影響する一般事務・経理事務との親和性 |
| 調整力・コミュニケーション力 | 部署間や社外との橋渡し役を担う営業事務・総務事務との結びつき |
| 数字・分析への関心 | データ集計・予算管理が中心の経理事務・財務事務との結びつき |
学校生活やアルバイトの中から「この作業は苦なくできる」という場面を思い返し、上の表のどこと重なるかを確かめることが、志望動機の核を見つける最短ルートです。
②なぜこの会社か:業種・事業への具体的な関心を示す
事務の業務内容は会社をまたいで共通している部分が多いからこそ、「その会社の業種・事業に自分が関心を持っている」という事実が差別化の鍵になります。「なぜこの会社か」を語るために有効な切り口は次の3つです。
- その会社が属する業種(食品・IT・医療・製造業など)への関心と、その関心が生まれた具体的なきっかけ
- その会社特有のサービスや商品への理解・共感(競合他社との違いを把握していると説得力が増す)
- 会社説明会やOB訪問で印象に残った社員の言葉・働き方(実際に調べた事実として使える)
「御社に興味を持ちました」だけでは何も伝わりません。どの部分にどう興味を持ったかを一文で示すだけで、読み手への印象は大きく変わります。
③入社後どう動くか:受け身でない貢献意欲を伝える
志望動機の締めくくりは「サポートしたいです」で終わらず、入社後に自分がどのような行動をとるかを一文で伝えます。「業務フローの改善提案ができる担当者になりたい」「部署間の情報連携をスムーズにする仕組みを整えたい」など、能動的なイメージを込めた一文を最後に置くと締まりがよくなります。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →新卒の事務職 志望動機の書き方【4ステップ】
3つのポイントを理解したうえで、実際に志望動機を組み立てる手順を説明します。
Step1 事務職を選んだ「核」の理由を探す
まず「なぜ自分が事務職を選んだか」を言語化します。「安定しているから」「楽そうだから」ではなく、自分のどの特性が事務の業務とかみ合っているかという視点で整理します。次の問いに答えながら書き出してみてください。
- 細かい作業・データ整理・スケジュール管理を「面倒」ではなく「得意」と感じるか
- 学校やアルバイト・サークルで「裏方役」や「段取り担当」を自然と引き受けてきた経験があるか
- 誰かが動きやすいよう準備を整えることにやりがいを感じた場面があったか
Step2 自分のエピソードで裏付ける
Step1で見えてきた「核の理由」を、具体的な経験で裏付けます。新卒の場合、アルバイト・学校行事の運営・ゼミのデータ分析・部活のサポート業務など、日常的な経験で構いません。
エピソードを選ぶ基準は一つ、「その経験が事務の業務内容と接点がある」かどうかです。「アルバイト先の在庫管理をExcelで整理し直した」「ゼミの発表資料を毎回とりまとめる役割を担っていた」など、事務的な能力を示せる経験を探してください。
Step3 「なぜこの会社か」の理由を業種・事業から引き出す
企業の公式サイト・採用ページを確認し、次の情報を事前に把握してから志望動機を書き始めます。
- その会社の主な事業・サービス内容と、業界内でのポジション
- 競合他社との違い・その会社ならではの特徴
- 会社説明会やOB訪問などで印象に残った言葉・社員の姿勢
集めた情報の中から「自分の関心と交わる一点」を選び、志望動機の中盤に一文で盛り込みます。「業界研究をした」という事実が伝わるだけで、採用担当者が受ける印象は変わります。
Step4 200〜300文字でまとめる
履歴書の志望動機欄の文字数は200〜300文字が目安です。次の3段落構成でまとめると収まりやすいです。
| 段落 | 内容 | 目安文字数 |
|---|---|---|
| 第1段落(結論) | なぜ事務職を志望するか(自分の強みとの結びつき) | 60〜80文字 |
| 第2段落(根拠) | 自分のエピソード+なぜこの会社か | 100〜130文字 |
| 第3段落(入社後) | 入社後に能動的に何をしたいか | 40〜60文字 |
最初の一文で「なぜ事務職か」の結論を置くのは鉄則です。採用担当者は大量の志望動機を短時間で読むため、冒頭で「この人は事務職に合っている可能性がある」と感じさせられるかどうかが最初の分かれ道です。
職種別 事務職志望動機の例文(新卒向け)
ここからは、職種別に新卒向けの例文を紹介します。「なぜ事務職か」「なぜこの会社か」「入社後どう動くか」の3要素を盛り込んだ構成です。自分の状況に合わせてアレンジしてください。
一般事務の志望動機 例文
一般事務は書類管理・データ入力・電話対応・社内調整など幅広い業務を担います。採用担当者が重視するのは「正確さ」「対応力」「自発的に動ける姿勢」の3点です。
良い例文(一般事務・新卒)
情報の整理と共有を得意としており、大学のゼミでは2年間、研究データの管理と会議資料の作成を担当しました。正確な情報管理が組織の動きを変えることをその経験から実感しています。貴社は○○業界でのシェアが高く、扱うデータ量・書類量も多いと伺っています。入社後は書類管理の精度を高め、各部署の業務負荷を減らす仕組みを提案できる担当者を目指します。(191文字)
営業事務の志望動機 例文
営業事務は受発注・見積書作成・納期管理など、営業担当者と社外の橋渡し業務が中心です。採用担当者が評価するのは「調整力」「スピード感」「営業の動きを理解したうえで先回りして動ける姿勢」です。
良い例文(営業事務・新卒)
大学の部活動でマネージャーを務め、選手の練習スケジュール調整と対外試合の手配を一手に担っていました。選手が競技に集中できる環境を整えることに達成感を覚えた経験から、営業担当者がお客様対応に集中できる環境を支える営業事務に適性があると感じています。貴社は○○分野でのルート営業を強みとしており、受発注の精度管理と納期調整で貢献できると考えて志望しました。(210文字)
経理事務の志望動機 例文
経理事務は数字の正確性が業務品質に直結するため、採用担当者は「細部への注意力」「数字への関心」「きっちりとした几帳面さ」を特に重視します。日商簿記を取得している場合は志望動機に組み込めますが、スキル紹介で終わらないよう注意してください。
公務員や市役所の事務系と迷っている方は、市役所の志望動機の書き方との違いを意識すると、「なぜ民間企業の経理か」の説明がより明確になります。

良い例文(経理事務・新卒)
数字の根拠を追うことが得意で、大学のゼミでは統計データの集計とグラフ化を担当していました。一円の誤差も見逃さない丁寧さが求められる経理事務に適性があると感じています。日商簿記2級を取得しており、基本的な会計処理は学習済みです。貴社の経理部門に入社後は月次決算と支払処理を正確にこなしながら、業務効率化の提案もできる担当者を目指します。(204文字)
医療事務の志望動機 例文
医療事務は患者対応・レセプト請求・カルテ管理など、医療現場特有の業務が加わります。採用担当者は「なぜ医療機関か」への答えに強い関心を持ちます。医療への関心・家族の入院経験・地域貢献への思いなど、具体的な動機を入れてください。
医療法人特有の書き方については、医療法人の志望動機もあわせて参考にしてください。

良い例文(医療事務・新卒)
高校時代に祖父の入院に付き添った経験から、患者や家族が安心して医療を受けられる環境づくりに携わりたいと考えるようになりました。自分の得意な事務処理能力を医療現場で活かすため、医療事務を志望しています。貴院は地域に根ざした診療を長年続けており、受付から診療報酬請求まで丁寧にこなせる担当者として、患者対応の質向上にも貢献したいと考えています。(204文字)
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 「縁の下の力持ち」「サポートしたい」だけでは落とされる。能動的な貢献意欲を言語化する
- 採用担当者が見る3点:「なぜ事務職か」「なぜこの会社か」「入社後どう動くか」
- 自分の強みを事務業務の特性と具体的に結びつけ、スキルは補強材料として使う
- 「なぜこの会社か」は業種・事業への関心で差別化する
- 文字数の目安は200〜300文字。「結論→根拠→入社後の貢献」の3段落構成で書く
志望動機は「書く作業」ではなく、自分のキャリアへの向き合い方を整理する作業でもあります。「なぜ事務職か」「なぜこの会社か」を言語化する過程で、自分が何をしたいかが明確になります。例文はあくまで参考として、自分の言葉に置き換えることが採用担当者の目に止まる志望動機への近道です。
事務職の履歴書志望動機に関するよくある質問
- 事務職の志望動機でPCスキルをアピールしたい場合はどう書けばよいですか?
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PCスキルは「志望動機の補強材料」として使います。「Excelを使える」という事実だけを書くのではなく、「Excelを使ったデータ集計の経験があり、経理事務の月次集計業務に即戦力として貢献できる」のように、そのスキルが入社後の業務にどう直結するかの文脈で書くと採用担当者の印象が変わります。
- 「なぜ事務職か」の理由が思い浮かびません。どうすればよいですか?
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「なぜ事務職か」が思い浮かばない場合は、自分の学生生活での「得意な場面」から逆算します。書類の整理・スケジュール管理・データの集計・会議の段取りなど、「自分がやるとスムーズに進む作業」は何かを書き出してみてください。その作業が事務職の業務内容と重なる部分が、志望動機の核になります。
- 複数の事務職(一般事務・営業事務・経理事務)に同時に応募する場合、志望動機は変えるべきですか?
-
職種によって「なぜこの事務職か」の理由が変わるため、文面は変えることをお勧めします。一般事務と営業事務では求められる役割が異なります。一般事務なら「情報管理・書類処理の正確さ」、営業事務なら「営業チームの動きを把握した調整力」を中心に書くと、各職種の採用担当者に刺さる内容になります。
- 「安定しているから事務職を選んだ」という本音はどう表現すればよいですか?
-
「安定性」を志望動機に直接書くと、採用担当者に「仕事内容よりも待遇面を重視している人」という印象を与えるリスクがあります。「なぜその仕事内容を長く続けられるか」という視点に変換して書くことをお勧めします。たとえば「毎日の正確な事務作業を継続できる几帳面さが自分の強みであり、事務職という仕事の性質に合っていると感じている」という切り口で言い換えると自然な志望動機になります。


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