この記事では、転職活動で使う履歴書テンプレートの選び方と、採用担当者が職歴欄でチェックしているポイントを解説します。テンプレートの種類・状況別の選択基準・職歴欄と志望動機欄の書き方まで、転職者に特化した実践的な内容をまとめています。
転職者用の履歴書テンプレートは何が違うのか
転職活動でテンプレートを探しているとき、「転職者用」と「新卒用」の違いを理解せずにダウンロードしてしまう方は少なくありません。テンプレートを間違えると、職歴欄が足りなくなったり、記入スペースが余って間延びした書類になったりします。
新卒・アルバイト用との根本的な差
転職者用テンプレートが一般的なものと最も異なる点は、職歴欄のスペースの広さです。新卒用フォーマットは学歴欄がメインで、職歴欄はほとんどありません。アルバイト用はさらにシンプルな構成です。
転職者は社会人として勤めた会社の職歴を時系列で記載する必要があるため、職歴欄が広く設計されたテンプレートが不可欠です。
| テンプレートの種類 | 職歴欄 | 志望動機欄 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 新卒用 | ほぼなし(学歴メイン) | 大きめ | 大学・専門学校卒業予定者 |
| 転職者用 | 広い(複数社分) | 標準〜大きめ | 社会人経験のある転職希望者 |
| アルバイト・パート用 | 小〜中程度 | 小さめ | パート・アルバイト応募者 |
採用担当者が「テンプレート選び」に気づく瞬間
採用担当者は日常的に大量の書類を確認します。新卒用フォーマットに転職経験を詰め込んでいたり、職歴欄が足りず字が極端に小さくなっていたりする書類は、内容を読む前に「フォーマットの選択が間違っている」と判断されます。
採用担当者はここを見ている
- 職歴欄のスペースが大きく余っている(転職経験がほぼない人が転職者用を使用しているケース)
- 職歴が欄に収まらず、字が極端に小さくなっている
- 新卒用フォーマットに転職経験を無理に書き込んでいる
転職者向けテンプレートの種類と状況別の選び方
転職者向けのテンプレートといっても、目的や状況に合わせた種類があります。転職回数・アピールしたいポイント・業種変更の有無によって、自分の状況に最も近いタイプを選ぶことが書類選考の第一歩です。
職歴欄が広いタイプ(転職経験豊富・複数社経験の方に)
転職回数が2回以上ある方や、1社での異動・職種変更が多い方には、職歴欄が十分に確保されたテンプレートが向いています。複数社の入社・退職年月、業務内容、実績を時系列で記載するスペースが必要です。
厚生労働省の公式サイトや、doda・リクナビNEXTなどの転職サービスが無料でダウンロードを提供しています。無料ダウンロードできる履歴書テンプレートのおすすめ一覧は別記事でまとめています。

志望動機・自己PR欄が大きいタイプ(キャリアチェンジ・意欲を伝えたい方に)
業種・職種を大きく変える転職(キャリアチェンジ)の場合、「なぜこの業界・会社を選んだのか」を丁寧に説明する必要があります。志望動機欄が大きいテンプレートを使うと、転職理由から入社意欲まで構成よく伝えられます。
職歴が少ない第二新卒の方にも、自己PRを充分に書けるテンプレートが書類選考通過につながりやすいです。
厚生労働省推奨様式(選び方に迷ったときの基準)
2021年4月から厚生労働省が推奨する標準的な履歴書様式が公開されています。主な特徴は以下のとおりです。
- 性別欄が「任意記載」欄になっている
- 「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の4項目が削除されている
- シンプルな構成で、業種・職種を問わず汎用的に使える
転職用テンプレートの選び方に迷った場合は、まずこの様式をベースに選ぶのが安全です。採用担当者の受け取り印象も中立であり、特定のフォーマットに偏った印象を与えません。
状況別・テンプレートタイプ早見表
| 転職者の状況 | おすすめテンプレートタイプ |
|---|---|
| 転職1〜2回・同業種内の転職 | 職歴欄が広い標準的な転職者用 |
| 転職3回以上 | 職歴欄が特に広いタイプ |
| 業種・職種を大きく変える転職 | 志望動機・自己PR欄が大きいタイプ |
| 資格・スキルが多い専門職 | 資格・スキル欄が充実したタイプ |
| 初転職・フォーマット選びに迷った | 厚生労働省推奨様式 |
採用担当者が職歴欄でチェックしている3つのポイント
テンプレートを正しく選んだ後は、職歴欄の書き方が選考結果を左右します。採用担当者が転職者の職歴欄を見るとき、何を最初に確認しているかを理解しておきましょう。
採用担当者はここを見ている
- 職歴の「流れ」が30秒で読み取れるかどうか
- 数字・役割・実績が具体的に書かれているかどうか
- 在職期間と退職の流れに矛盾がないかどうか
ポイント① 職歴の「流れ」が30秒で読み取れるかどうか
採用担当者は多くの場合、職歴欄をまず流し読みします。「この人はどこで働いて、どんな経験をしてきたのか」が30秒で把握できない書類は、この段階で印象が薄くなります。
会社名・在職期間・業務内容の3点セットを時系列で整理し、読む側がストレスなく追えるレイアウトを意識してください。入社年月と退職年月を見やすく記載し、業務内容は箇条書きで端的にまとめると読みやすくなります。
ポイント② 数字・役割・実績が書かれているかどうか
「営業を担当していました」という書き方では、採用担当者は何もイメージできません。転職者には「どのくらいの規模で、何をして、どんな結果を出したか」の具体性が求められます。
良い例文
「営業部 担当顧客50社・売上目標120%達成(入社2年目)。チームリーダーとして後輩3名の育成も担当。」
NG例
「営業業務を担当していました。顧客対応と資料作成を行っていました。」
数字も役割も結果も書かれておらず、「何ができる人なのか」が伝わらないNGパターン。
ポイント③ 在職期間と退職の流れに矛盾がないかどうか
転職回数が多い場合、採用担当者は「なぜ短期間で辞めているのか」を自然に確認します。職歴欄の在職期間と、本人希望欄や志望動機欄に書いた退職理由が矛盾していると、信頼性が一気に落ちます。
在職期間が1年未満の会社がある場合は、職歴欄に「(20XX年X月 一身上の都合により退職)」と一行添えるだけで、採用担当者の先入観を大きく軽減できます。
転職回数別の職歴の書き方
転職1〜2回の場合(詳しく具体的に書く)
転職1〜2回であれば、職歴欄にある程度のスペースがあります。入社・退職年月・会社名・雇用形態・業務内容・実績を時系列で漏れなく記載し、採用担当者が「この人は何ができるのか」を即座に把握できる構成を目指しましょう。
良い例文
20XX年4月 株式会社○○ 入社(正社員)
営業部配属。法人顧客50社を担当し、入社2年目に売上目標120%達成。
担当領域:IT機器の法人向け提案・見積り・アフターフォロー
20XX年3月 一身上の都合により退職
転職3回以上の場合(要点を絞って書く)
転職3回以上の場合、すべての職歴を同じ詳細度で書こうとするとスペースが足りなくなります。直近2〜3社を重点的に詳しく書き、それ以前はシンプルにまとめるのが採用担当者に伝わりやすい構成です。
採用担当者はここを見ている
- 転職回数よりも「なぜ転職してきたか」の理由の一貫性を見ている
- スキルアップ・キャリアアップという前向きな転職理由は評価対象になる
- 「なんとなく辞めてきた」という印象を与えないことが最重要
ブランク期間がある場合の書き方
退職から転職活動までの間に空白期間(ブランク)がある場合、職歴欄の該当箇所か本人希望欄に簡潔な説明を加えましょう。「資格取得のため勉強中」「家族の介護のため休養」「健康上の理由により休養後回復」など、一言の理由があるだけで採用担当者の疑問を解消できます。
また、会社都合退職の場合は「一身上の都合により退職」ではなく「会社都合により退職」と明記することで、リストラや倒産など客観的な理由が伝わり、採用担当者の印象が改善するケースがあります。
履歴書の作成方法全体を確認したい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

転職者の志望動機欄で採用担当者に刺さる書き方
「なぜ転職するのか」と「なぜこの会社か」を必ずセットで伝える
転職者の志望動機で採用担当者が最初に確認するのは、「この人はなぜ前の会社を辞めるのか(辞めたのか)」と「なぜうちの会社を選んだのか」の2点です。この2点がセットで書かれていない志望動機は、「前の会社への不満だけで、うちを選んだ理由が薄い」という印象になります。
- ① 現職(前職)で積んだ経験と、その中で感じた課題意識や成長の限界
- ② その課題をなぜこの会社でしか解決できないか(具体的な理由)
- ③ 入社後に何を実現したいか・どう貢献できるか
よくあるNG例と改善パターン
NG例
「現職では成長の機会が限られており、より挑戦できる環境を求めて転職を決意しました。御社の事業に共感し、ぜひ貢献したいと考えています。」
前職への不満しか書かれていない。「なぜこの会社なのか」が完全に欠落しているNGパターン。
良い例文
「前職では3年間、中小製造業向けのITシステム提案を担当し、導入提案から運用保守まで一貫して経験しました。より顧客の課題を深掘りする上流工程に携わりたいと考え、コンサルティング領域に強みを持つ御社への転職を決めました。製造現場DX支援での提案実績を活かし、未開拓の中堅顧客の開拓に貢献できます。」
手書きかPCか、ファイル形式はどちらがいい?
転職活動ではPC作成が基本
転職活動においては、応募先から特別な指定がない限り、PC作成した履歴書が一般的です。複数の企業に応募するため内容を企業ごとに微調整しやすく、採用担当者にとっても内容が整理されたPC作成の書類は読みやすいというメリットがあります。
「手書き必須」と指定している企業の場合のみ、楷書で丁寧に記載してください。その際、鉛筆や摩擦熱で消えるボールペンは使用できません。黒のボールペンまたは万年筆で記入するのが基本です。
ファイル形式(Word・Excel・PDF)の使い分け
| 形式 | 適しているシーン | 注意点 |
|---|---|---|
| Word(.docx) | 編集・修正を繰り返すとき | メール送付前はPDF変換が必須 |
| Excel(.xlsx) | レイアウトを細かく調整したいとき | フォントが環境によって崩れる可能性あり |
| メール送付・最終提出時 | 編集不可だが、レイアウトが固定される |
応募先から指定がない場合は、WordまたはExcelで作成し、PDFに変換して送付するのが最も安全な方法です。ファイル名は「履歴書_氏名_YYYYMMDD.pdf」のように統一すると、採用担当者にとって管理しやすい書類になります。
スマホやWebブラウザで履歴書を効率よく作りたい方は、履歴書作成ツールのおすすめ比較記事もあわせて参考にしてください。

まとめ
- 転職者用テンプレートは「職歴欄の広さ」が最大の特徴。新卒・バイト用フォーマットを転職に流用するのは避ける
- テンプレートの種類は転職回数・アピールしたいポイント・業種変更の有無で選ぶ。迷った場合は厚生労働省推奨様式が安全
- 職歴欄の書き方は「数字・役割・実績の具体性」と「在職期間の合理性」が採用担当者の最初のチェックポイント
- 志望動機欄は「なぜ転職するのか」と「なぜこの会社なのか」の2点を必ずセットで書く
- メール送付時はPDF形式に変換し、ファイル名に氏名と日付を入れると採用担当者に好印象を与える
テンプレートを正しく選び、職歴欄・志望動機欄の内容を整えることで、書類選考の通過率は変わります。
転職者の履歴書テンプレートに関するよくある質問
- 転職者用の履歴書テンプレートは無料でダウンロードできますか?
-
はい。doda・リクナビNEXT・マイナビ転職などの転職サービスが、Word・Excel・PDF形式のテンプレートを無料で提供しています。厚生労働省の公式サイトでも推奨様式を公開しています。当サイトでは転職者・新卒・アルバイト別のおすすめテンプレートをまとめた記事も掲載しているので、あわせて参考にしてください。
- 初めて転職する場合、どのテンプレートを選べばいいですか?
-
初転職の方は、厚生労働省推奨様式か、職歴欄が広い標準的な転職者用テンプレートを選んでください。職歴が1社だけでも、業務内容・実績を詳しく書けるスペースが必要です。新卒用フォーマットは職歴欄がほぼないため、転職活動には向いていません。
- 職歴が多くてテンプレートに書ききれません。どうすればいいですか?
-
直近2〜3社を重点的に詳しく書き、それ以前の職歴はシンプルにまとめる方法が有効です。どうしてもスペースが足りない場合は、履歴書とは別に「職務経歴書」を作成し、詳細な実績・業務内容はそちらに記載してください。
- 転職活動で手書きの履歴書は不利になりますか?
-
応募先から指定がない限り、PC作成でも手書きでも不利にはなりません。ただし転職活動では複数企業への応募・内容の修正が多いため、実務的にはPC作成の方が効率的です。「手書き必須」と指定されている企業の場合は、楷書で丁寧に記載してください。


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