セキュリティエンジニアの職務経歴書は、担当領域・使用技術・守った実績の3点をセットで書くことで通過率が上がります。監視業務やインシデント対応は成果が数値化しにくく、書き方に迷う方も多い分野です。SOC監視や脆弱性診断など専門分野別の例文と、採用担当者が実際に見ているポイントを紹介します。
セキュリティエンジニアの職務経歴書の書き方と例文【結論】
結論:担当領域・使用技術・守った実績の3点をセットで書く
職務経歴書の各プロジェクト欄は、①どの領域を担当したか(監視・診断・設計・運用など)、②使用した技術やツール、③その業務でどんなリスクを防いだかの3点を必ずセットで書きます。「セキュリティ業務に従事」だけで終わる記載は、採用担当者に専門性が伝わりません。
- 担当領域:SOC監視/脆弱性診断/インシデントレスポンス/セキュリティ設計 など
- 使用技術:SIEM、IDS/IPS、WAF、EDR、脆弱性診断ツール名など具体的な製品名
- 守った実績:検知件数、対応時間の短縮、監査指摘の削減数など
職務経歴書サンプル(SOC監視の場合)
SOC(セキュリティオペレーションセンター)での監視業務は、目立ったインシデントがないまま1年が過ぎることも珍しくありません。だからこそ、「何を防いだか」を具体的な数字で示すことが重要になります。
良い例文
SIEM(Splunk)を用いた24時間365日のログ監視業務を担当。月間平均2,000件のアラートを一次切り分けし、誤検知を精査した上でエスカレーション基準を見直したことで、重大インシデントへの対応時間を平均40分から15分に短縮。年間を通じて外部への情報漏えいインシデントを0件に抑えた。
NG例
SOCにてセキュリティ監視業務を担当。日々のアラート対応やインシデント対応を行った。担当件数や対応時間などの数字がなく、業務内容も「監視業務」という言葉だけで終わっているため、成果の大きさが伝わらない。
採用担当者はここを見ている
- アラート件数や対応時間など、業務量が数字で把握できるか
- 「エスカレーション基準の見直し」のように、監視するだけでなく改善提案をした経験があるか
職務経歴書サンプル(脆弱性診断の場合)
脆弱性診断は成果が数値化しやすい一方で、診断した「件数」だけでなく、診断後にどう対応したかまで書けているかで評価が大きく変わります。
良い例文
Webアプリケーション・ネットワーク機器を対象とした脆弱性診断を年間約30案件担当。OWASP ZAPおよび手動診断を組み合わせ、重大度「高」の脆弱性を平均12件/案件で検出。診断結果を開発チームに報告し、修正完了率を82%から98%まで改善した。
NG例
脆弱性診断業務に従事し、Webアプリケーションの診断を実施した。診断件数や検出した脆弱性のレベル、診断後の対応までが書かれておらず、診断士としての経験の深さが伝わらない。
職務経歴書を書く前に整理する3つの要素
プロジェクトごとにエピソードを並べる前に、まず自分の経験を整理しておくと、職務経歴書全体に一貫性が出ます。以下の3つを紙に書き出してから執筆を始めることをおすすめします。
| 整理項目 | 書き出す内容の例 |
|---|---|
| 担当領域 | 監視・診断・設計・運用・インシデント対応・GRC(内部統制)のどれに時間を使ってきたか |
| 使用技術 | SIEM、IDS/IPS、WAF、EDR、ファイアウォール、クラウド(AWS/Azure)のセキュリティサービスなど |
| 守った実績 | 検知件数、対応時間、監査指摘の削減数、システム停止をゼロに抑えた期間など |
この3つが揃っていれば、どの専門分野の職務経歴書でも骨格は同じ考え方で書けます。箇条書きで書き出してから文章化すると、担当業務の抜け漏れも防げます。フォーマットに迷う場合は、エンジニアの職務経歴書テンプレートをベースに、上記3つの要素を当てはめていくと書きやすくなります。

「インシデント0件」を成果に変える数字化のコツ
「大きなインシデントを起こしていない」という実績は、一見地味に見えますが、守りの成果として数字に変換すれば強力なアピール材料になります。視点を変えるだけで、同じ業務経験でも伝わり方が大きく変わります。
守りの実績を数字にする切り口
- 検知・防御の件数:年間で検知したアラート数、防いだ不正アクセス試行の件数
- 対応時間の短縮:インシデント発生から初動対応までの時間をどれだけ短縮したか
- 監査・指摘の削減:内部監査や外部監査での指摘事項数を前年比でどれだけ減らしたか
- 無停止期間:担当システムを重大障害なく稼働させ続けた期間(〇年〇ヶ月)
これらの数字は、日報やインシデント管理台帳、監査報告書などに残っていることが多いため、職務経歴書を書く前に前職の記録を見返すと具体的な数字を思い出しやすくなります。
専門分野別の職務経歴書の書き方
セキュリティエンジニアはひとくくりにされがちですが、実際は担当領域によって求められるアピールポイントが異なります。応募先の求人がどの専門分野を求めているかを確認したうえで、該当する書き方を参考にしてください。
SOC・監視オペレーターの場合
監視対象の規模(拠点数・サーバー台数・監視ログ量)と、アラートの一次対応から報告までのフローで担った役割を具体的に書きます。シフト勤務や24時間体制での対応経験も、責任感を示す材料として記載しておきましょう。
脆弱性診断・ペネトレーションテストの場合
診断対象(Webアプリケーション・ネットワーク・スマートフォンアプリなど)と診断手法(自動診断ツール・手動診断)を明記します。検出した脆弱性の重大度別件数と、報告後の改善提案まで書くと、診断士としての深みが伝わります。
CSIRT・インシデントレスポンスの場合
インシデント発生時の初動対応、原因調査(フォレンジック)、再発防止策の立案まで、一連のプロセスのどこを主導したかを分けて書きます。対応件数や解決までの平均日数も評価対象になります。
クラウドセキュリティ・GRC/内部統制の場合
AWSやAzureなどのクラウド環境でのセキュリティ設計・運用経験は、利用しているセキュリティサービス名まで具体的に書きます。GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)分野では、ISMSやプライバシーマークなど関連する認証取得への貢献も実績として書けます。

資格・保有スキルの書き方
セキュリティ分野は技術の変化が速く、資格の有無だけでなく継続して学び続けている姿勢が評価されます。保有資格は取得年とあわせて記載し、学習中の資格があれば「取得予定」として書いても構いません。
| 資格名 | 特徴 |
|---|---|
| 情報処理安全確保支援士 | IPAが認定する国家資格。国内で名刺代わりになりやすい |
| CISSP | (ISC)²認定の国際資格。5年以上の実務経験が必要でマネジメント層に評価されやすい |
| CompTIA Security+ | 実務未経験でも取得しやすい国際的な入門資格 |
資格を並べるだけでなく、「資格取得後に業務でどう活かしたか」を一文添えると、単なる知識でなく実務で使えるスキルであることが伝わります。職務経歴書とあわせて履歴書も用意する場合は、転職用の履歴書テンプレートを使うとフォーマットで迷う時間を減らせます。
インフラ・ネットワークエンジニアからのキャリアチェンジの場合
セキュリティ専任の経験がなくても、これまでの業務の中にあったセキュリティ関連の要素を掘り起こして書くことで、実務経験として認められることがあります。
良い例文(ネットワークエンジニアからの場合)
ネットワーク運用保守業務の中で、ファイアウォールのルール設計・見直しを月次で実施。不要な通信ポートを段階的に閉塞し、外部からの不正アクセス試行を前年比で30%削減した経験があり、セキュリティ専任としての基礎知識を有する。
NG例
セキュリティエンジニア未経験のため、これまでの業務経験を職務経歴書に一切記載しなかった。ネットワーク業務の中にあったセキュリティ関連の経験を書かないと、ポテンシャルすら伝わらない。
職務経歴書の作成にまず集中したい場合は、志望動機なしの履歴書テンプレートを使うと、履歴書側の項目に悩む時間を減らせます。

採用担当者が書類選考で見ている3つのポイント
複数の求人票やエージェント情報を踏まえると、セキュリティエンジニアの職務経歴書で採用担当者が特に注目するのは以下の3点です。ハローワーク経由での応募を予定している場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートの書式もあわせて確認しておくと安心です。
採用担当者はここを見ている
- テクニカルスキル:使用ツールや技術が求人の要件と一致しているか
- プロジェクトマネジメント経験:チームや案件をどこまで主導した経験があるか
- 顧客折衝スキル:技術的な内容を非エンジニアにもわかりやすく説明できるか
特に事業会社の情報システム部門では、社内の他部署へ説明する機会が多いため、専門用語をかみ砕いて伝えた経験があれば積極的に書いておくとプラス評価につながります。
まとめ
- 担当領域・使用技術・守った実績の3点をセットで書く
- 「インシデント0件」は検知件数や対応時間の短縮など数字に変換して伝える
- SOC監視・脆弱性診断・CSIRT・クラウドセキュリティなど専門分野に合わせて書き分ける
- 資格は取得年と業務での活用エピソードをセットで記載する
担当していた業務を振り返り、数字に落とし込む作業は一人で行うと抜け漏れが出やすいものです。転職エージェントに相談しながら経歴を整理すると、自分では気づかなかった強みが見つかることもあります。
セキュリティエンジニアの職務経歴書に関するよくある質問
- セキュリティエンジニア未経験でも職務経歴書は書けますか?
-
ネットワークやインフラ運用の経験があれば、ファイアウォール設定やアクセス権限管理などセキュリティに関連する業務を掘り起こして記載できます。未経験可の求人では、学習意欲や資格取得への取り組みも評価対象になります。
- 職務経歴書は何ページにまとめればいいですか?
-
A4用紙で2枚程度が目安です。経験が長い場合でも、直近5年程度のプロジェクトを中心にまとめ、それ以前の経験は簡潔にすると読みやすくなります。
- 保有資格がまだない場合はどう書けばいいですか?
-
資格がなくても、担当した業務内容と守った実績を具体的に書けば評価されます。学習中の資格があれば「取得に向けて学習中」と記載し、学ぶ姿勢を示すと好印象です。

