プロジェクトマネジャーは予算・体制まで含めた統括実績を、リーダーはチーム運営と育成の実績を中心に書くのが正解です。本記事では、それぞれの職務経歴書サンプルと、採用担当者が実際に確認しているポイントを規模別の例文で解説します。
プロジェクトマネジャー・リーダーの職務経歴書サンプル|結論と選び方
結論|PMとリーダーはここが違う
プロジェクトマネジャー(PM)は予算・進行管理・顧客や経営層との折衝までを含む「事業運営の責任者」としての実績を、プロジェクトリーダー(PL)・チームリーダーは「メンバーの動かし方と成果」を中心に書くと採用担当者に伝わります。同じ「プロジェクトを率いた経験」でも、書くべき数字と粒度が異なります。
| 観点 | プロジェクトマネジャー(PM) | プロジェクトリーダー・チームリーダー |
|---|---|---|
| 責任の範囲 | 予算・工期・顧客/経営層との折衝を含む全体統括 | チームメンバーの成果創出とマネジメント |
| 書くべき数字 | 予算規模・工期・体制人数 | チーム人数・達成率・育成人数 |
| 採用担当者の評価軸 | リスク管理・意思決定の質 | 育成力・チーム運営力 |
プロジェクトマネジャー(PM)の職務経歴書サンプル
IT系PMを想定した、職務要約とプロジェクト経歴1件分のサンプルです。自身の経験に置き換えて活用してください。
良い例文(PMサンプル)
【職務要約】IT業界でのプロジェクトマネジャー経験8年。ERP導入・基幹システム刷新を中心に、最大50名規模のプロジェクトを担当。予算10億円超のプロジェクトでも工期・品質を守るリスクコントロールが強みです。
【プロジェクト経歴】大手流通業向け在庫管理システム刷新プロジェクト
規模:PM1名・SE10名・外部ベンダー15名 計26名/予算3.5億円/工期18ヶ月
役割:PM(全工程統括・顧客折衝・ベンダー管理・品質管理)
【課題と対応】外部ベンダーの設計遅延が発生した際、優先度の高い機能を切り出すフェーズリリース方式を顧客に提案し、遅延を最終的に4週間以内に収めた。
【成果】計画から2週間前倒しで本番リリースを実現。稼働後6ヶ月で在庫差異率を12%から2.3%に改善。
プロジェクトリーダー(PL)の職務経歴書サンプル
予算権限を持たないチームリーダー・プロジェクトリーダーの場合は、メンバーへの関わり方と育成成果を数字で示すことが評価につながります。
良い例文(リーダーサンプル)
【職務要約】法人営業として6年、うち3年はチームリーダーとしてメンバー5名のマネジメントを担当。個人成績に加え、チーム全体の目標達成に向けた進捗管理と育成に強みがあります。
【職歴・実績】〇〇株式会社 法人営業部 チームリーダー(2023年4月〜現在)
体制:メンバー5名(新卒2名・中途3名)
【課題と対応】新卒メンバーの立ち上がりが遅く、チーム目標未達が続いていた。週次の同行フィードバックと、案件進捗を可視化する管理シートを導入し、メンバーごとの課題を早期に発見できる体制を整えた。
【成果】導入から半年でチーム全体の予算達成率を78%から112%に改善。新卒メンバー2名がともに個人予算を達成。
NG例
5名のチームをまとめ、目標達成に向けて指導しました。「まとめた」「指導した」だけでは、何をしたのか・結果どうなったのかが伝わらず、他の候補者との差別化ができません。
自分はPM?リーダー?迷ったときの判断表
| 該当する経験 | 参考にするサンプル |
|---|---|
| 予算・工期・外部ベンダーの管理まで担っていた | PMサンプル |
| 予算権限はないが、複数人のメンバーを動かしていた | リーダーサンプル |
| 両方の経験がある | 直近・応募先に近い方を軸に、もう一方を補足として記載 |
プロジェクトマネジャー・リーダーの職務経歴書で採用担当者が見る3つのポイント
採用担当者は一人当たりの書類を30秒から1分程度で確認します。プロジェクトマネジャー・リーダーの職務経歴書に対して採用担当者が最初に確認するのは、この3点です。
採用担当者はここを見ている
- プロジェクトやチームの規模(人数・予算・期間)が数値で記載されているか
- 「課題→対応→成果」のストーリーが明確に書かれているか
- マネジメントスキルの具体的な実績(リスク管理・育成・ステークホルダー調整など)が示されているか
①規模を「人数・予算・期間」で数値化する
採用担当者が最初に確認するのは「どの規模を動かせる人材か」という点です。「チームをまとめてプロジェクトを推進しました」という記述では、採用後に自社の案件を任せられるかどうかを判断できません。
規模の数値化は、採用担当者が「この人に任せられる」と判断するための唯一の根拠になります。PMであれば予算総額・工期・体制人数、リーダーであればメンバー人数・達成率を必ずセットで記載してください。
②「課題→対応→成果」のストーリーで書く
採用担当者が次に確認するのは「問題解決できる人材か」という点です。概要だけを羅列するのではなく、「どんな課題があり、どう動き、何をもたらしたか」という3段構成で書くことで、思考力と実行力が伝わります。
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 課題 | 開始時点の問題(遅延リスク、コスト超過傾向、チーム内の情報共有不足 など) |
| 対応 | 採用した施策(WBSの見直し、週次進捗管理の仕組み化、定例MTGの設置 など) |
| 成果 | 定量的な改善結果(工期○日短縮、達成率○%改善、品質指標の改善 など) |
成果を数値化できない場合は、定性的な変化でも構いません。「チーム間の認識統一により手戻りを大幅に削減した」のように、状況の変化を具体的に記述することで十分に伝わります。
③マネジメントスキルの具体的な実績を示す
「マネジメント力があります」という自己申告では採用担当者の心は動きません。「どのようなシーンで、何人を、どのようにマネジメントしたか」を具体的に書くことが必要です。
- ステークホルダー調整:経営層・発注者・開発チーム・外部ベンダーとの交渉や合意形成
- リスク管理:リスクの特定・評価・対応計画の策定と実行
- チームビルディング:メンバーのアサイン・育成・モチベーション管理・評価関与
- 予算・スコープ管理:変更管理プロセスの運用、追加費用の交渉と承認
プロジェクトマネジャー・リーダーの職務経歴書の書き方【項目別解説】
職務経歴書の構成は大きく「職務要約」「プロジェクト経歴」「活かせるスキル・経験」「資格・語学」の4項目に分かれます。それぞれで採用担当者が確認するポイントを押さえて記載することが、書類通過への近道です。
職務要約(冒頭)の書き方
職務要約は100〜150文字を目安に、「何を何年やってきたか」「どの規模・業種が主戦場か」「最大の強みは何か」をコンパクトに伝えます。採用担当者は職務要約を読んで「続きを読む価値があるか」を判断します。ハローワーク経由での応募が中心の場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートの形式に沿うと安心です。
NG例
これまでプロジェクトマネジャー・リーダーとしてさまざまな案件を経験してきました。チームをまとめることや課題解決が得意です。規模・業種・実績が一切示されておらず、どんな会社にも当てはまる文章です。採用担当者はこの時点で読み進めない判断をします。
プロジェクト・職歴の書き方(案件単位で記載)
PM・リーダーの職歴は、時系列での「在籍企業→業務内容」の羅列ではなく、プロジェクト・案件単位での記載が基本です。同じ会社に長く在籍していて複数案件を担当した場合は、案件ごとに個別に記載します。
- 案件名・概要:何のプロジェクト・チームか
- 規模:人数・予算(PM)/メンバー構成(リーダー)
- 自分の役割:PM / PL / リーダー / PMO のどのポジションか
- 主な課題と対応:どんな問題に直面し、どう動いたか
- 成果:工期短縮・達成率改善・育成実績などの定量的な結果
案件数が多い場合は直近3〜5件に絞って詳細を記載し、それ以前は「その他プロジェクト一覧」として表にまとめる方法が読みやすくなります。
活かせるスキル・経験の書き方
スキル欄は単語の羅列にとどまりがちですが、「どの案件で・どの程度活用したか」という文脈を添えることで採用担当者への訴求力が上がります。エンジニア出身のPMであれば、エンジニアの職務経歴書テンプレートの技術スキル欄の書き方も参考になります。
| カテゴリ | 記載例 |
|---|---|
| プロジェクト管理手法 | ウォーターフォール(10年以上)、スクラム/アジャイル(3年)、PMBOK準拠 |
| 管理ツール | MS Project(計画立案)、Jira(タスク管理)、Backlog(チーム共有) |
| マネジメント対象 | 最大50名規模のプロジェクト運営/最大8名のチームメンバー育成 |
| 業種知識 | 金融・製造・流通分野のシステム開発/法人営業チーム運営 |
スキル欄の書き方に迷ったときは、職務経歴書の活かせる能力の書き方と例文も参考にしてください。

資格・語学の書き方
PM・リーダーとして評価される主な資格は以下の通りです。取得済みの資格は「令和○年○月取得」の形式で、取得予定のものは「○○年○月取得予定」と記載します。
- プロジェクトマネージャー試験(PM試験):情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格。IT分野のPMとしての実力証明に有効
- PMP(Project Management Professional):PMI認定の国際資格。業種を問わず高い認知度を持つ
- PMI-ACP(Agile Certified Practitioner):アジャイル手法に特化したPMI認定資格
- ビジネス・マネジャー検定:チームマネジメントの基礎知識を証明できる資格。リーダー層にも評価されやすい
プロジェクトリーダーならではの書き方のコツ
プロジェクトリーダー・チームリーダーはPMと違い、予算や契約の決裁権を持たないケースが多くあります。だからといって実績が小さいわけではなく、「誰を、どう動かして、何を変えたか」を具体的に書けば十分に評価されます。
採用担当者はここを見ている(リーダー向け)
- メンバーの育成・フォローで、どんな行動を取ったか
- チーム全体の数値(達成率・離職率・生産性など)がどう変化したか
- 予算権限がない中で、どう周囲を巻き込んで成果を出したか
営業チームのリーダー経験がある場合は、成約件数だけでなくメンバー育成の視点も加えることで差別化できます。営業出身の場合は営業の職務経歴書テンプレートの実績欄の書き方も参考にしてください。
採用担当者が落とすプロジェクトマネジャー・リーダーの職務経歴書3つのNG
採用担当者が書類選考で「通過できない」と判断する典型的なNGパターンを3つ紹介します。自分の職務経歴書に当てはまっていないか確認してください。
NG①「管理していました」「まとめていました」だけの記述
最も頻繁に見られるNGパターンがこれです。「プロジェクトを管理しました」「チームをリードしました」という表現は、規模・成果・具体的な行動が一切示されていないため、採用担当者には何も伝わりません。
PM・リーダーとして働いてきた人全員が書ける文章は、差別化にも判断材料にもなりません。「何を」「どのくらいの規模で」「どんな結果をもたらしたか」の3点を必ずセットで書くことが必要です。
NG②規模・体制が不明瞭
「大規模プロジェクト」「複数のメンバーを担当」という記述では、採用担当者は「この人が自社の○○人規模に対応できるか」を判断できません。守秘義務が理由で具体的な数値の記載が難しい場合は、「数十名規模」「予算○億円程度」という概算表現を使うことで、守秘義務を守りながら規模感を伝えることができます。
NG③成果が「スムーズに完遂」などの抽象的表現
「無事にリリースを完了」「チームが一丸となって乗り越えた」という表現は、採用担当者には評価の対象になりません。期待されることは、困難をどう乗り越え、何を実現したかです。
- 「会議体の整備によりエスカレーションのリードタイムを○日から○日に短縮」
- 「進捗の可視化ツールを導入し、遅延の早期発見率が向上」
- 「定例MTGの設計・運用により手戻り発生件数を前案件の半数以下に抑制」
経験・状況別|職務経歴書の書き方のコツ
これまでの経歴や現在の状況によって、職務経歴書の書き方に工夫が必要な場合があります。代表的なケースを解説します。
リーダーからPMへのキャリアアップを見せる書き方
リーダー経験からPMポジションに応募する場合は、リーダーとして培った「メンバーを動かす力」を、より大きな「予算・体制を動かす力」へ発展させたいという成長意欲とセットで記載すると説得力が増します。
転職回数が多い場合の書き方
転職回数が多い場合、在籍企業の数が多くなるため「在籍した企業→案件」という構成では書類が見づらくなります。この場合は、キャリア全体で担当した案件を業種別・規模別にまとめた「経歴一覧表」を冒頭に置く方法が有効です。転職回数が多い場合の書き方については、職務経歴書 複数社の書き方も参考にしてください。あわせて提出する履歴書のフォーマットに迷ったら転職用の履歴書テンプレートも確認してください。

PMO経験が中心の場合の書き方
PM(プロジェクトマネジャー)とPMO(Project Management Office)では採用担当者が期待するスキルが異なります。PMOはプロジェクト支援・管理基盤の整備が主業務ですが、職務経歴書に記載するときは「PMO活動を通じて何を変えたか」に焦点を当てます。
- 標準プロセス・テンプレートの整備(何件のプロジェクトに適用したか)
- リソース管理・稼働状況の可視化(何名を対象とした仕組みか)
- プロジェクト横断的なリスク管理・品質管理の仕組み化(適用プロジェクト数)
アジャイル・スクラム経験がある場合
アジャイル開発・スクラムへの理解と経験は、現在の採用市場で特にニーズが高い領域です。スクラムマスターやプロダクトオーナーとの兼任経験がある場合は積極的に記載してください。職務経歴書の記載内容に不安がある場合は、職務経歴書の有料添削サービスを活用して採用担当者目線の第三者チェックを受けることも選択肢のひとつです。

まとめ
- PMは予算・体制まで含めた統括実績を、リーダーはチーム運営と育成の実績を中心に書く
- 採用担当者が見るのは「規模の数値化」「課題→対応→成果のストーリー」「マネジメントスキルの具体的実績」の3点
- 職歴は時系列ではなく案件単位で記載し、1件ずつ成果まで示す
- 「管理しました」「円滑に完遂」などの抽象的表現は採用担当者の判断材料にならない
職務経歴書は採用担当者への自己紹介状です。自身のPM・リーダー経験を採用担当者目線で言語化することが、書類通過の第一歩になります。
プロジェクトマネジャー・リーダーの職務経歴書に関するよくある質問
- PMとリーダーで職務経歴書の書き方は分けるべきですか?
-
はい。PMは予算・工期・体制までの統括実績を、リーダーはメンバーの動かし方と育成成果を軸に書くことで、それぞれの役割で期待される評価軸に合った記述になります。両方の経験がある場合は、応募先のポジションに近い方を軸にしてください。
- 職務経歴書は何枚が適切ですか?
-
A4用紙2〜3枚が一般的な目安です。案件が多い場合は、直近3〜5件を詳細に記載し、それ以前は一覧表にまとめる方法が読みやすく採用担当者に好まれます。枚数よりも「採用担当者が読んで判断できる情報量か」を基準に調整してください。
- 守秘義務があり金額や人数を書けない場合はどうすればいいですか?
-
プロジェクト名は「大手○○業向けシステム開発PJ」のように業種・規模が伝わる程度の抽象化で問題ありません。予算や人数も「○億円規模」「○名規模」という概算表現を使うことで、守秘義務を守りながら採用担当者に規模感を伝えることができます。
- PM・リーダー未経験でこれらのポジションに応募する場合はどう書けばいいですか?
-
経験がない場合でも、これまでの業務でプロジェクト的な要素(後輩の指導・工程管理・外部との調整・課題解決)があれば、その経験を中心に記載します。「PM・リーダーとしての経験はないが、○○案件で××を主導した」という書き方で、素養を示すことが有効です。

