履歴書を手渡しするときは、折らずにクリアファイルへ入れ、封はせず、宛名も書かないのが正解です。郵送のマナーをそのまま持ち込むと、かえって「わかっていない人」に見えてしまいます。封筒の選び方から受付・面接官別の渡し方まで、採用担当者が実際に見ている順に整理しました。
【結論】履歴書を手渡しするときの封筒への入れ方
押さえるのは「折らない・ファイルに入れる・封をしない」の3点
手渡しの入れ方は、次の3つを守れば形になります。細かいマナー本の記述に迷う前に、まずここだけ確認してください。
- 折らない:A4サイズがそのまま入る封筒(角形2号または角形A4号)を使い、履歴書は折らずに入れます
- クリアファイルに入れる:書類を直接封筒へ入れず、透明のクリアファイルに挟んでから封筒へ収めます
- 封をしない:その場で中身を確認するため、のり付けもテープ留めもしません
クリアファイルは、雨や鞄の中の圧力から書類を守るためのものです。新品か、それに近いきれいなものを使ってください。角が折れた使い古しは、そのまま準備の雑さとして伝わります。

書類を入れる順番と向き
複数の書類を持参する場合は、取り出したときに読む順で重ねます。上から履歴書、職務経歴書、その他の指定書類の順です。
| 項目 | 正しい入れ方 |
|---|---|
| 重ねる順番 | 上から履歴書 → 職務経歴書 → その他の書類 |
| 書類の向き | 封筒の表面と履歴書の表面(写真のある面)を同じ向きにそろえる |
| 上下 | 封筒のフタ側に書類の上端がくるようにする |
| ファイル | すべてまとめて1枚のクリアファイルに挟む |
良い入れ方
角形2号の白封筒に、履歴書・職務経歴書の順で重ねた書類をクリアファイルごと収める。封筒の表と履歴書の写真面が同じ向き。フタは折り込むだけで、のり付けはしない。
NG例
長形3号の封筒しかなかったため履歴書を三つ折りにし、のりでしっかり封をして持参。折り目で写真が波打ち、担当者は目の前でハサミを探すことになります。手渡しでは開封の手間をかけさせた時点で減点対象です。
採用担当者はここを見ている
- 受け取ってすぐ中身を確認できる状態か(封・折り目・ファイルの有無)
- 取り出した瞬間に履歴書が正しい向きで出てくるか
- 書類が濡れ・折れ・汚れなく届いているか。ここに扱いの丁寧さが出ます
手渡し用の封筒の選び方と書き方|宛名は書かない
サイズは角形2号か角形A4号、色は白の無地
A4サイズの履歴書を折らずに入れられる封筒は2種類です。職務経歴書や指定書類も一緒に入れるなら、ゆとりのある角形2号が扱いやすくなります。
| 封筒 | サイズ | 向いているケース |
|---|---|---|
| 角形2号(角2) | 240mm × 332mm | 履歴書に加えて職務経歴書などを重ねて入れる場合 |
| 角形A4号(角A4) | 228mm × 312mm | 履歴書1枚のみで、鞄の中でかさばらせたくない場合 |
色は白の無地を選んでください。茶封筒は事務書類の印象が強く、応募書類には適しません。書類が透けない厚さのものであれば十分です。使用する履歴書の様式に迷っている方は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを使えばA4サイズで統一できます。
表面は「履歴書在中」だけ、裏面に自分の情報
手渡しで最も間違いが多いのが宛名です。郵送する予定がないため、会社名や担当者名を表面に書く必要はありません。郵送用の書き方をそのまま流用すると、封筒を持参した意味と食い違ってしまいます。
| 記載箇所 | 手渡しの場合 | 郵送の場合 |
|---|---|---|
| 表面の宛名 | 書かない | 会社名・部署名・御中/担当者名・様 |
| 表面の「履歴書在中」 | 左下に赤字で書き、赤枠で囲む | 同じ |
| 裏面 | 左下に自分の郵便番号・住所・氏名 | 同じ |
| 切手 | 不要 | 必要 |
| 封字(〆) | 書かない | 封をして〆を書く |
「履歴書在中」は油性の黒ペンではなく赤ペンで書きます。これは書類の種類を一目で判別させるための記載なので、手渡しであっても省略しないでください。他の応募者の封筒と一緒に机へ置かれたとき、判別できるかどうかで扱いが変わります。
封はしない・添え状も入れない|郵送マナーを持ち込むと減点される
手渡しでは、封もしませんし添え状も入れません。どちらも「郵送だから必要だったもの」であり、目の前で渡すなら役割を持たないためです。
| 項目 | 手渡し | 理由 |
|---|---|---|
| のり付け・封字 | 不要 | その場で中身を確認するため。開封の手間をかけさせない |
| 添え状(送付状) | 不要 | 挨拶は口頭で直接できるため、紙の挨拶は重複になる |
| フタの扱い | 軽く折り込むだけ | 鞄の中で書類が飛び出すのを防ぐ |
添え状については「入れておけば丁寧」と考える方が多いのですが、手渡しの場面では逆効果になります。郵送用のテンプレートをそのまま印刷して持参していることが伝わり、場面に応じて判断できていない印象を与えます。挨拶は、渡すときの一言で十分に果たせます。
採用担当者はここを見ている
- 郵送と手渡しでマナーが違うことを理解しているか
- 形式をなぞっているだけか、相手の手間を考えて準備しているか
なお、日付欄には手渡しする当日の日付を記入します。作成日ではありません。前日までに書き上げていた場合は、提出日と合っているか出発前に確認してください。転職活動で使う様式は転職用の履歴書テンプレート、新卒の方は新卒用の履歴書テンプレートから用意できます。
履歴書は折る?折らない?サイズ別の正解
「二つ折りがマナー」と書かれた記事と「折らないのが基本」と書かれた記事があり、混乱しやすいところです。これは元の用紙サイズが違う話を同じ土俵で語っているために起きています。手元の履歴書のサイズで判断してください。
| 履歴書のサイズ | 折り方 | 封筒 |
|---|---|---|
| A4(1枚) | 折らない | 角形2号/角形A4号 |
| A3(見開き1枚) | 中央で二つ折りしてA4にする | 角形2号/角形A4号 |
| B5(1枚) | 折らない | 角形2号(他の書類とサイズを統一できる) |
| B4(見開き1枚) | 中央で二つ折りしてB5にする | 角形2号 |
共通するのは、三つ折り・四つ折りにしないことです。折り目が増えるほど写真が波打ち、机に広げたときに勝手に閉じてしまいます。A3の見開き履歴書をもともとの中央の折り線で二つ折りにするのは、折るというより元の形に戻す作業なので問題ありません。

受付・面接官別|封筒からの出し方と渡し方
入れ方を完璧にしても、渡す相手を間違えると台無しになります。判断はシンプルで、受付には封筒ごと、面接官には中身を出して渡すと覚えてください。
受付や人事の窓口に預ける場合
受付の担当者は書類を読む人ではなく、面接官へ届ける人です。そのため封筒に入れたまま、フタ側を自分の手前に向けて両手で差し出します。「本日14時から面接のお約束をいただいております、山田と申します。応募書類をお持ちしました」と名乗りながら渡せば、取り次ぎもスムーズになります。
面接官に直接手渡しする場合
面接官はその場で書類を読みます。封筒ごと渡すと、相手が取り出す動作から始まってしまいます。着席前または指示があったタイミングで、封筒からクリアファイルを取り出し、書類を相手が読める向きに回して両手で差し出してください。空になった封筒は自分の鞄に戻します。
良い渡し方
「履歴書と職務経歴書でございます。よろしくお願いいたします」と一言添え、文字が相手から読める向きにして、両手で机の上をすべらせるように差し出す。
NG例
無言で封筒ごと机に置く。相手は封筒を開け、ファイルから書類を抜き、向きを直すという3手間を負います。面接の最初の30秒でこの印象がつくのは避けたいところです。

手渡しでやりがちなNGと採用担当者の視点
封筒まわりの失敗は、書類の中身と違って本人が気づかないまま繰り返されます。当日の朝に確認しておきたい項目をまとめました。
| やりがちなNG | どう見えるか | 正解 |
|---|---|---|
| 表面に会社名の宛名を書く | 郵送マナーの流用に見える | 宛名は書かず「履歴書在中」のみ |
| のりで封をする | 開封の手間をかけさせる | フタを折り込むだけ |
| 三つ折りで長形封筒に入れる | 写真が波打ち、机で閉じる | 折らずに角形封筒へ |
| クリアファイルなしで直入れ | 角折れ・雨染みが残る | きれいなファイルに挟む |
| 使い古しのファイル | 準備の雑さが伝わる | 新品を用意する |
| 鞄に折り曲げて入れる | 提出前から折り目がつく | A4が入る鞄で立てて運ぶ |
コピーを1部持参しておくと、面接中に自分の書類を見ながら受け答えができます。提出用とは別に用意し、鞄の中で混ざらないように分けてください。アルバイトやパートの応募でも扱いは同じで、様式はアルバイト用の履歴書テンプレートから用意できます。
採用担当者はここを見ている
- 封筒を忘れた場合でも、素直に謝り書類そのものは万全か(封筒の有無より中身と態度)
- 渡すときに目を合わせ、両手を使えているか
- 指定された書類がすべてそろっているか。抜けは封筒の美しさで挽回できません
まとめ
- 手渡しの入れ方は「折らない・クリアファイルに入れる・封をしない」の3点
- 封筒は白無地の角形2号か角形A4号。表面は「履歴書在中」のみで宛名は書かない
- 添え状は不要。挨拶は渡すときの一言で足りる
- 書類は上から履歴書・職務経歴書の順、封筒の表と写真面をそろえる
- 受付には封筒ごと、面接官にはファイルを出して読める向きで両手で渡す
封筒は、面接官が応募者について最初に手に取る物です。前日の夜に中身と向き、封の状態だけ確認しておけば、当日は書類の話に集中できます。
履歴書の封筒の入れ方・手渡しに関するよくある質問
- 手渡しなのに封筒の表に宛名を書いてしまいました。書き直すべきですか?
-
会社名や担当者名が正しく書けているのであれば、そのまま持参して問題ありません。宛名があること自体が失礼にあたるわけではなく、書かなくてよいというだけです。ただし社名の誤字や旧字体の間違いがある場合は、封筒を新しくしてください。誤字は郵送でも手渡しでも減点対象になります。
- 封筒を用意し忘れて、クリアファイルだけで持って行くのは失礼ですか?
-
書類が折れず汚れていなければ、選考に大きく響くことはありません。封筒がないことより、書類の状態と提出物の抜けのほうがはるかに見られています。渡すときに「封筒を用意できず申し訳ございません」と一言添えれば十分です。時間があれば、コンビニや駅の文具店で角形2号の白封筒を購入して入れ替えてください。
- 「履歴書在中」は手渡しでも赤字で書く必要がありますか?
-
書いてください。赤字で書き赤枠で囲むのは、書類の種類を一目で判別させるためです。手渡しの場合も、受け取った封筒は他の応募者の書類と一緒に保管されます。その場で渡して終わりではないため、判別できる状態にしておくほうが親切です。位置は表面の左下がよいでしょう。
- 面接官に渡したあと、空の封筒はどうすればいいですか?
-
自分の鞄に戻してください。机の上に置いたままにすると視界に残り、片付けを相手に委ねる形になります。書類を取り出したら、封筒はたたまずそのまま鞄へ入れるのが自然です。カウンター越しの面接など鞄を置けない場面では、膝の上で書類の下に重ねて持っておけば問題ありません。

