履歴書の職歴欄に派遣経験を書く場合は、「派遣元」と「派遣先」を分けて記載するのが正解です。派遣元は「登録」、派遣先は「就業」と書き分けることで、正社員経験と誤解されずに正確な職歴を伝えられます。複数の派遣先がある場合や守秘義務がある場合の書き方まで、状況別に整理して解説します。
履歴書の職歴欄「派遣」の書き方|結論と基本の記入例
結論:派遣元と派遣先を分けて書くのが正解
派遣社員として働いた経験は、正社員のように1つの会社名だけを書いて済ませることができません。登録した派遣会社(派遣元)と、実際に働いた企業(派遣先)の両方を職歴欄に記載する必要があります。
用語の使い分けにもルールがあります。派遣元に対しては「入社」ではなく「登録」、派遣先に対しては「就業」を使い、契約が終了したときは「派遣期間満了のため退職」と書くのが一般的です。この使い分けができていないと、採用担当者から見て雇用形態が正しく伝わりません。
✅ 用語の使い分け
- 派遣元への登録:「入社」ではなく「登録」
- 派遣先での勤務開始:「就業」
- 契約終了:「派遣期間満了のため退職」
基本の記入例(登録型派遣の場合)
登録型派遣(一般的な派遣契約)で1つの派遣元・1つの派遣先の場合は、次のように2行に分けて記載します。業務内容も一言添えると、採用担当者がイメージしやすくなります。
良い例文
2022年4月 株式会社〇〇(派遣元)に登録
2022年5月 株式会社△△(派遣先)にて営業事務として就業
2024年3月 派遣期間満了のため退職
NG例
2022年5月 株式会社△△入社
2024年3月 退職
派遣元の記載がなく「入社」と書かれているため、正社員として働いていたと誤解されます。事実と異なる印象を与えると、面接で説明を求められたり、経歴詐称を疑われたりする原因になります。
厚生労働省の規格に沿った書式で作成したい場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレート、企業への提出書式が指定されている場合はJIS規格に沿った履歴書テンプレートを使うと、職歴欄のスペース配分に迷わず書き進められます。
【状況別】派遣の職歴欄 書き方パターン集
派遣経験は人によって派遣元・派遣先の数や雇用形態が異なります。ここでは実際によくある5つのケースを取り上げ、それぞれの書き方を具体的に紹介します。
派遣元1社・派遣先が複数ある場合
同じ派遣会社に登録したまま、契約更新のタイミングで派遣先が変わったケースです。派遣元への登録は最初の1回だけ書き、派遣先ごとに就業期間を分けて記載します。
良い例文(派遣先が複数の場合)
2021年6月 株式会社〇〇(派遣元)に登録
2021年7月 株式会社△△(派遣先)にて経理事務として就業(2022年9月まで)
2022年10月 株式会社□□(派遣先)にて経理事務として就業
2024年3月 派遣期間満了のため退職
派遣元・派遣先がどちらも複数ある場合
複数の派遣会社に登録し、それぞれで異なる企業に就業した経験がある場合は、派遣元ごとにまとめて書くと整理しやすくなります。すべての就業先を同じ分量で書こうとすると要点がぼやけるため、直近の経験や応募先に関連する経験を厚めに書くのがコツです。
職歴欄に書ききれない場合は「※詳細は職務経歴書に記載しております」と一文添えると、採用担当者に配慮が伝わります。
派遣先の会社名を書けない場合(守秘義務)
派遣先によっては契約上、会社名を公表できないケースがあります。この場合は、業種や規模がわかる範囲で表現し、守秘義務があることを明記すれば問題ありません。
良い例文(守秘義務がある場合)
2023年4月 株式会社〇〇(派遣元)に登録
2023年5月 某大手出版社に一般事務として就業(守秘義務のため社名非公開)
2024年3月 派遣期間満了のため退職
迷った場合は自己判断で伏せるのではなく、派遣元に会社名を記載してよいか確認してから書くようにしてください。
派遣社員から正社員(直接雇用)になった場合
派遣先の企業にそのまま正社員として採用された場合は、派遣期間と正社員採用後の期間を分けて記載し、直接雇用に切り替わったタイミングを明確にします。評価されて登用されたという事実は、そのまま実績としてアピールできる材料です。派遣から正社員への切り替え特有の書き方は、以下の記事で詳しく解説しています。

無期雇用派遣・紹介予定派遣の場合
派遣には登録型のほかに、派遣元と無期雇用契約を結ぶ「無期雇用派遣(常用型)」と、一定期間の就業後に直接雇用を前提とする「紹介予定派遣」があります。いずれも派遣元への「入社」時期と派遣先への「就業」時期が分かれるため、登録型派遣とは記載のニュアンスが異なります。それぞれの形態に応じた詳しい書き方は、次の記事も参考にしてください。


採用担当者は履歴書の派遣経歴をここで見ている
なぜ派遣元・派遣先を分けて書く必要があるのか
採用担当者が職歴欄でまず確認するのは「どんな雇用形態で」「何をしていたか」です。派遣元と派遣先が1行にまとまっていたり、どちらか一方しか書かれていなかったりすると、実際の働き方が正確に伝わりません。雇用形態の記載が曖昧な履歴書は、それだけで「事実確認が必要な書類」として扱われ、評価が後回しになりやすい点に注意が必要です。
採用担当者はここを見ている
- 派遣元と派遣先が両方とも明記されているか
- 「登録」「就業」「派遣期間満了」など用語が正しく使われているか
- 職歴の期間に不自然な空白や矛盾がないか
落とされやすいNGパターン
派遣経験を書く際によくある失敗は、派遣先の会社名だけを書いて「入社」「退職」と記載してしまうことです。悪意がなくても、結果として正社員経験を偽ったと受け取られかねません。同様に、経験を短く見せようとして派遣期間を省略すると、空白期間として扱われ、面接で厳しく質問される原因になります。
「特になし」で職歴欄を済ませることも避けたい書き方です。短期間の派遣であっても、業務内容を一言添えるだけで、採用担当者に伝わる情報量は大きく変わります。
複数経験のメリハリの付け方
派遣先が3社、4社と多い場合、すべてを同じ分量で書くと結局何をアピールしたいのかが伝わりません。応募先の仕事に近い経験や、実績として語れる経験を優先して厚く書き、それ以外は会社名と期間のみに絞る方が、読み手にとって内容が整理された印象になります。
職歴欄に書き切れない経験は、無理に詰め込まず職務経歴書に譲る判断も必要です。次の章で、その具体的な使い分け方を紹介します。
書ききれないときは職務経歴書を活用する
派遣元・派遣先が複数にわたる場合、履歴書の職歴欄だけで詳細をすべて説明するのは現実的ではありません。履歴書は概要、職務経歴書は詳細という役割分担で考えると、書くべき内容が整理しやすくなります。
職務経歴書に書くべき内容
職務経歴書には、派遣先ごとの業務内容・担当した役割・成果を具体的に書きます。履歴書では書ききれない「何を任され、どんな成果を出したか」を数字や固有名詞を交えて説明すると、実務経験の中身が伝わります。派遣経験専用のテンプレートを使うと、項目の抜け漏れを防げます。
派遣の職務経歴書テンプレートを使えば、派遣元・派遣先・業務内容の欄があらかじめ用意されているため、書く順番に迷わず作成できます。
履歴書に「詳細は職務経歴書に記載」と添える書き方
職歴欄のスペースが足りない場合は、直近の派遣先までを記載したうえで、末尾に「※詳細は職務経歴書に記載しております」と一文加えます。これにより、省略ではなく整理して伝えているという意図が採用担当者に伝わります。転職活動全体で書式を統一したい場合は、転職用の履歴書テンプレートを職務経歴書とあわせて使うと作成の手間が減ります。
まとめ
- 派遣経験は「派遣元(登録)」と「派遣先(就業)」を分けて記載する
- 派遣先が複数の場合は期間を分けて書き、応募先に近い経験を厚めに書く
- 守秘義務がある場合は業種で表現し、勝手な自己判断で書かない
- 書ききれない詳細は職務経歴書に任せ、履歴書には一文添えて誘導する
派遣元と派遣先を分けて正確に書くことが、経歴を正しく伝える一番の近道です。自分の状況に合ったパターンを見つけて、落ち着いて職歴欄を埋めてください。
- 派遣の職歴は履歴書に必ず書かないといけませんか?
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はい、記載が必要です。短期間の派遣経験であっても省略すると、その期間が空白期間として扱われ、面接で理由を確認されることがあります。業務内容を一言添えるだけでも印象は変わるため、省略せず書くようにしてください。
- 派遣先の会社名がどうしても分からない場合はどうすればいいですか?
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派遣元の会社に確認するのが確実です。当時の契約書や給与明細に派遣先の名称が記載されていることも多いため、あわせて確認してみてください。それでも分からない場合は、業種や事業内容で表現し、面接で補足できるようにしておきましょう。
- 派遣期間中に契約更新を何度もしている場合、更新のたびに書く必要がありますか?
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同じ派遣先で契約更新を重ねている場合は、更新ごとに書く必要はありません。最初の就業開始年月と、退職(契約終了)年月をまとめて1つの期間として記載すれば十分です。
- 派遣経験しかなく、正社員経験がない場合は不利になりますか?
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雇用形態そのものより、どのような業務を担当し、何を身につけたかが重視されます。派遣先で任された業務範囲や、契約更新が続いた実績などを具体的に書けば、正社員経験がなくても経験として十分に評価対象になります。

