この記事では、出戻り転職(一度退職した会社への再入社)を検討中・または決定した方向けに、履歴書の職歴欄の書き方を解説します。記載の基本ルールから、採用担当者が職歴で何を確認しているか、状況別の例文まで順番に説明します。
出戻り転職の履歴書・職歴欄の基本的な書き方
出戻り転職であっても、履歴書の職歴欄の書き方に特別なルールはありません。通常の転職と同じく、これまでの職歴を入社年月・退職年月の順で時系列に並べて記載します。
時系列で全ての職歴を正確に書く(省略・改ざんは厳禁)
履歴書の職歴欄に記載する情報は、すべての職歴を省略なく時系列で記載することが絶対条件です。出戻り転職の場合、過去に在籍していた時期と退職した時期、その後の職歴をそのまま書きます。
一度辞めた会社に再応募することを「隠したい」と感じて職歴を省略する方がいますが、これは経歴詐称に当たります。採用担当者がバックグラウンドチェックや面接で気づいた場合、内定取り消しや入社後の解雇につながるリスクがあります。たとえ在籍期間が短くても、正確に記載してください。
採用担当者はここを見ている
- 職歴の「抜け」や「空白」がないか(省略の可能性を疑うポイント)
- 入社年月・退職年月が整合しているか
- 職歴の流れに不自然な点がないか(短期離職・空白期間の有無)
同じ会社名が2回登場しても問題ない
出戻り転職の職歴欄では、同一の会社名が2回記載されます。これは採用担当者も理解しており、書き方として問題はありません。以下のように、それぞれの入社・退職年月を分けて記載してください。
記載例(出戻りの職歴)
2018年4月 株式会社〇〇(前職) 入社
2021年3月 一身上の都合により退職
2021年5月 株式会社△△(他社) 入社
2024年3月 一身上の都合により退職
2024年4月 株式会社〇〇 再入社
現在に至る
書き方のポイントは、「再入社」と明記することです。「入社」だけでは過去の在籍歴との区別がつきにくく、採用担当者が混乱します。「再入社」の1語を加えるだけで、職歴の流れが明確になります。
在籍期間が短くても省略してはいけない理由
「1年以内で辞めているから書きたくない」という気持ちはわかります。しかし、在籍期間の長短に関わらず、すべての職歴を記載する義務があります。省略した場合、後から発覚したときに「なぜ隠したのか」という不信感を与え、採用可否以上のダメージになります。
短期離職がある場合は、退職理由を正直に書く(または面接で説明する)ほうが誠実な印象を与えます。採用担当者は短期離職そのものより、「なぜその期間で辞めたか」を知りたがっています。書き方ではなく、説明の準備が重要です。
採用担当者が職歴欄でチェックする3つのポイント
出戻り転職の応募者を審査する採用担当者は、職歴欄から3つのことを確認します。書き方が正確でも、この3点が伝わっていない職歴では選考を通過できません。
①退職理由の表現——「一身上の都合」だけでは伝わらない
履歴書の職歴欄では、退職理由を「一身上の都合により退職」と書くのが一般的なマナーです。ただし、出戻り転職の場合は「前回の退職理由を知りたい」という採用担当者の関心が特に強いため、履歴書だけで全てを説明できなくても、志望動機欄や面接で補足する準備が必要です。
採用担当者はここを見ている
- 「一身上の都合」の背景に何があったのか(ネガティブな理由か、前向きな理由か)
- 退職理由がすでに解消されているか(同じ理由でまた辞めるリスクがないか)
- 「また辞めるかもしれない」という懸念を払拭できる説明があるか
採用担当者が最も警戒するのは「以前と同じ理由で再び辞める」パターンです。職歴欄の退職理由がどう書かれているかよりも、志望動機欄で退職理由が論理的に解消されているかどうかが選考の分かれ目になります。
②離職期間中に何をしていたかの証明
前職退職から現在(または再入社予定)までの期間に何をしていたかは、職歴欄から自然と見えてきます。他社に在籍していたならその経歴が並びますが、職歴と職歴の間に空白期間がある場合は必ず説明が必要です。
| 離職期間の使い方 | 職歴欄での扱い | 採用担当者の評価 |
|---|---|---|
| 他社に転職していた | 通常の職歴として記載 | 比較的プラス評価。他社経験の価値が問われる |
| 育児・介護で離職 | 「育児のため退職」等を職歴欄に一言添える | 理由が明確なら評価に影響しにくい |
| スキルアップ・資格取得 | 資格欄に記載し、志望動機で関連づける | 成長意欲が見えるためプラス評価 |
| 空白期間(明確な活動なし) | 職歴欄には記載できないため、志望動機または面接で説明 | 説明なしは印象が悪くなりやすい |
③前回の在籍で残した「貢献の証拠」
出戻り転職を採用する側が期待するのは「知っている人材の即戦力化」です。前回の在籍期間が短い、または実績が少ない場合は難しくなりますが、在籍時に何らかの成果・貢献があれば、それが採用の後押しになります。
履歴書の職歴欄には詳細な実績を書くスペースがないため、職務経歴書や志望動機欄に補足する形が有効です。前職での担当業務や成果を職務経歴書に記載することで、「この人を戻したいと思わせる材料」を採用担当者に渡せます。
状況別・出戻り転職の職歴記載例と例文
出戻り転職の職歴欄の書き方は、離職後の状況によって変わります。自分のケースに近いパターンを参考にしてください。
他社での経験を積んで戻るケース
一度退職して他社に転職し、その経験を経て出戻りを希望するパターンです。採用担当者から見ると「外部で何かを学んで戻ってきた人」として評価されやすく、出戻り転職の中では最もポジティブな印象を与えやすいケースです。
良い例(職歴欄の書き方)
2018年4月 株式会社〇〇(前職) 入社
2021年3月 一身上の都合により退職
2021年5月 株式会社△△(他社) 入社
(マーケティング部にて新規顧客開拓・デジタル広告運用を担当)
2024年3月 一身上の都合により退職
2024年4月 株式会社〇〇 再入社
現在に至る
NG例
2018年4月 株式会社〇〇 入社
2021年3月 退職
2024年4月 株式会社〇〇 入社
現在に至る
2021年〜2024年の職歴が丸ごと省略されています。空白期間が3年あると採用担当者は「何をしていたか」を必ず確認します。省略は意図的な隠ぺいと判断されるリスクがあります。
育児・家族の事情で退職して出戻りするケース
出産・育児・介護などのライフイベントを理由に退職し、状況が落ち着いてから出戻りを希望するケースです。退職理由が個人の事情であることは採用担当者も理解しており、理由が明確なら選考への影響は限定的です。
良い例(職歴欄の書き方)
2017年4月 株式会社〇〇 入社
2020年10月 出産のため退職
2023年4月 株式会社〇〇 再入社
現在に至る
「一身上の都合」ではなく「出産のため」「育児のため」「介護のため」と退職理由を具体的に書くほうが、採用担当者に状況が伝わりやすくなります。曖昧な表現より、理由が見えるほうが誠実な印象を与えます。
採用担当者はここを見ている
- 育児・介護の状況が現在解消(または継続中でも就業可能な状況)かどうか
- 再び同じ理由で長期休業が発生しないかのリスク確認
- 空白期間中に仕事以外のスキル維持・向上があったかどうか
在籍期間が1年未満の短期離職で出戻りするケース
前回の在籍が1年未満で退職した場合の出戻りは、採用担当者に「なぜそんなに早く辞めたのか」という疑問を持たせます。しかし短期離職は珍しい話ではなく、退職理由が明確で、現在は解消されているなら評価に大きく影響しません。
良い例(職歴欄の書き方)
2022年4月 株式会社〇〇 入社
2022年9月 家族の介護のため退職(在籍5ヶ月)
2023年6月 介護状況の落ち着きにより株式会社〇〇 再入社
現在に至る
在籍期間の短さをそのまま示しつつ、退職の背景を一言添える書き方が有効です。「なぜ短かったか」への答えを職歴欄の中で示すことで、採用担当者が抱く疑問を最小化できます。
志望動機との連動——退職理由の「弱点」を強みに変える方法
履歴書の職歴欄は「何をしてきたか」を示す場所ですが、出戻り転職では職歴欄だけでは伝えきれない情報があります。志望動機欄との連動が、採用担当者の懸念を解消する最後の場所です。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →退職理由と志望動機の論理的なつながりを作る
採用担当者が出戻り転職の書類で最も確認したいのは、「前回辞めた理由」と「今回戻りたい理由」が矛盾していないかどうかです。この2つが論理的につながっている場合、採用担当者は「状況が変わって戻れる環境が整った」と判断しやすくなります。
| 退職理由 | 再志望理由(論理的なつながり) |
|---|---|
| 他のスキルを身につけたかった | 他社で〇〇を習得し、それを以前の会社で活かしたい |
| 育児のため | 育児が落ち着き、以前の職場環境・業務内容に戻りたい |
| 体調不良のため | 回復し、業務への支障がなくなった段階で戻りたい |
| 家族の転勤・介護のため | 状況が解消し、以前の職場に戻れる条件が整った |
採用担当者を納得させる「成長の見せ方」
出戻り転職で書類選考を通過した応募者に共通するのは、「以前いた時より成長している」という証明ができていることです。これは職歴欄に書けることではなく、志望動機欄や職務経歴書で示すものです。
採用担当者を動かす「成長の見せ方」3つのポイント
- 数値で示す:「他社での3年間で新規取引先を15社開拓した」など、実績を数字で表す
- 外部視点を持ち込む:「他社を経験して、御社の〇〇の強みを客観的に実感した」という言葉は説得力が増す
- 具体的な貢献を約束する:「〇〇のスキルを活かして、△△の業務改善に貢献したい」という具体性が採用担当者の判断を後押しする
職務経歴書での補足——履歴書だけでは書けないこと
履歴書の職歴欄はスペースに限りがあります。出戻り転職では、職歴の記載だけで採用担当者に伝えたいことを全て書くことはできません。職務経歴書は、その補足をする場所として活用してください。
離職期間中に得たスキル・経験の書き方
職務経歴書の「職歴欄」または「スキル・資格欄」に、離職期間中に習得したスキルや経験を記載します。「スキルアップのために離職期間を活用した」という事実は、採用担当者へのアピールになります。
良い例(職務経歴書での記載)
【離職期間中の活動(2021年4月〜2021年9月)】
・Webマーケティングの実務スキル習得(Google広告認定資格取得)
・フリーランスとして複数の中小企業のSNS運用を担当(フォロワー増加率平均120%)
NG例
【2021年4月〜2021年9月:空白期間】
「空白期間」という言葉は、その期間に何もしていなかった印象を与えます。育児・資格取得・ボランティアなど、何らかの活動があれば積極的に記載してください。
また、職務経歴書の「自己PR」欄では、出戻り転職を選んだ積極的な理由を記載する場所として活用できます。「なぜ他の会社ではなく、この会社に戻るのか」というメッセージは、採用担当者の判断を後押しする一言になります。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 出戻り転職の職歴欄は通常の転職と同じルールで記載する。省略・改ざんは絶対に避けること
- 同じ会社名が2回登場する場合は「再入社」と明記することで、採用担当者が混乱しない職歴になる
- 採用担当者が職歴で確認するのは「退職理由」「離職期間中の経験」「前回の貢献実績」の3点
- 退職理由と再志望理由を論理的につなげることが、書類選考通過の最大のポイント
- 職務経歴書では、履歴書の職歴欄だけでは伝えきれない成長・実績を補足する
出戻り転職はネガティブなキャリアではありません。以前の会社への深い理解と、外部での経験を合わせた「キャリアの深化」として書類に表現できれば、採用担当者の評価は変わります。
出戻り転職の履歴書に関するよくある質問
- 出戻り転職の履歴書では、前回の退職理由を詳しく書かないといけませんか?
-
履歴書の職歴欄では「一身上の都合により退職」という記載で問題ありません。ただし、出戻り転職の場合は採用担当者が退職理由を特に気にするため、志望動機欄または面接で「前回の退職理由」と「今回戻りたい理由のつながり」を説明できる準備をしておくことが重要です。
- 前回の在籍期間が3ヶ月と短い場合でも職歴欄に書かないといけませんか?
-
はい、在籍期間の長短に関わらず、全ての職歴を記載する義務があります。短期離職を省略した場合、採用後にバックグラウンドチェックで発覚するリスクがあり、経歴詐称と判断されると内定取り消しや解雇につながります。短い在籍期間は「なぜその期間で辞めたか」の説明を添えることで、採用担当者の懸念を軽減できます。
- 出戻り転職では、職務経歴書も提出する必要がありますか?
-
多くの場合、職務経歴書の提出を求められます。出戻り転職においては、履歴書の職歴欄だけでは伝えきれない「離職後の成長」「前回在籍時の実績」「採用後の貢献イメージ」を職務経歴書で補足することが特に重要です。職務経歴書を省略したり簡略化したりすると、採用担当者に与える情報が不十分になります。
- 出戻り転職を履歴書に書く際、西暦と和暦どちらで統一すればいいですか?
-
西暦・和暦どちらでも問題ありませんが、1枚の履歴書内で統一することが必須です。西暦と和暦が混在した職歴欄は読みづらく、採用担当者に「丁寧に書いていない」という印象を与えます。出戻り転職では職歴が複数のまとまりになるため、年月の記載方法を一貫させることで読みやすい職歴欄になります。


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