庶務・総務・人事事務の職務経歴書は、担当業務の「規模感」と「数字」を具体的に示すことが通過の第一歩です。電話対応や書類整理といった定型業務でも、対象人数や対応件数、工夫した点を添えるだけで採用担当者に伝わる印象は大きく変わります。この記事では、庶務・総務・人事事務を兼任していた場合の例文と、採用担当者が実際に見ているポイントをあわせて紹介します。
庶務・総務・人事事務の職務経歴書の書き方と例文
結論:業務の「規模感」と「工夫」を数字で示すと通過率が上がる
庶務・総務・人事事務は会社によって担当範囲が大きく異なるため、「何をどのくらいの規模で担当していたか」が伝わらないと、採用担当者は経験値を正しく判断できません。
対象人数・拠点数・処理件数といった数字を入れるだけで、同じ業務内容でも説得力が変わります。「〇〇を担当」ではなく「従業員〇名分の〇〇を担当」と書き換えるだけで、業務の重みが伝わる文章になります。
- 担当していた対象範囲(従業員数・拠点数・部署数)
- 業務の頻度・処理件数(月〇件、年〇回など)
- 自分で工夫・改善した点(マニュアル化、時短、ミス削減など)
庶務・総務・人事事務を兼任していた場合の例文
中小企業やベンチャーでは、庶務・総務・人事事務を一人で兼任するケースが珍しくありません。この場合は業務を羅列するのではなく、共通して発揮したスキルで束ねて書くと読みやすくなります。
良い例文
従業員35名の会社にて、庶務・総務・人事事務を1名体制で担当。備品発注や来客対応などの部署内庶務に加え、社内規程の整備、社会保険手続き(月平均5件)、給与計算の一次チェックまで幅広く従事。紙で管理していた勤怠記録をExcel台帳に切り替え、月次集計の作業時間を約3時間短縮した。
NG例
庶務・総務・人事の業務を幅広く担当しました。電話対応、来客対応、書類作成、備品管理、社会保険手続きなどを行いました。業務名を並べただけで、担当した規模や工夫が一切わからないため、経験の深さが採用担当者に伝わりにくくなっている。
採用担当者はここを見ている
- 複数業務を「兼任できる守備範囲の広さ」があるか
- 業務ごとに規模感(対象人数・件数)が示されているか
- 受け身の作業にとどまらず、自ら改善した経験があるか
総務がメイン業務だった場合の例文
総務職として組織全体を横断する業務を担当していた場合は、対応した部署・拠点の広さと、制度づくりへの関与度合いを具体的に書くことがポイントです。
良い書き方(総務メインの場合)
本社および支店3拠点、従業員120名を対象に総務業務全般を担当。固定資産管理、契約書管理、株主総会の運営補助のほか、在宅勤務規程の新規策定を主担当として推進し、全社員へ周知した。備品発注業務では複数ベンダーを比較し、年間コストを約8%削減した。
NG例
総務として会社全体のサポート業務を行いました。備品管理、契約書管理、株主総会関連業務などを担当しました。「サポート業務」という表現だけでは、実際にどこまで主体的に関わったのかが不明で、担当者としての役割が見えにくい。
総務の職務経歴書をさらに詳しく整理したい場合は、総務の職務経歴書の書き方もあわせて参考にしてください。

庶務・総務・人事事務の違いと職務経歴書での使い分け方
3つの業務は範囲が重なり合うため、応募時に「自分はどれを軸に書けばいいのか」で迷う方が多くいます。まずは担当範囲の違いを整理してから、職務経歴書の見出しに反映させましょう。
| 業務 | 担当する範囲 | 職務経歴書での書き方の軸 |
|---|---|---|
| 庶務 | 所属部署内の事務サポート(電話・来客対応、書類作成、備品管理など) | 部署の業務を円滑に回した「調整力」「正確性」 |
| 総務 | 会社全体のサポート(制度整備、契約書管理、株主総会運営など) | 組織全体を横断した「企画力」「巻き込み力」 |
| 人事事務 | 採用や労務に関する実務(社会保険手続き、給与計算補助、勤怠管理など) | 正確性が求められる「手続き処理能力」 |
複数を兼任していた場合は、どれか1つに寄せる必要はありません。3つの業務に共通する強み(正確性・調整力・改善提案力など)を軸にまとめると、経歴が散漫に見えず一貫性のあるアピールになります。
事務職としての経験を活かした転職を考えている場合は、事務の職務経歴書テンプレートを使うと項目の抜け漏れを防げます。
採用担当者はここを見ている|差がつくアピールポイント
庶務・総務・人事事務は応募者数が多く、業務内容そのものも似通いやすい職種です。だからこそ、採用担当者は「同じ業務内容の応募者の中で、誰が一番信頼して任せられるか」という視点で書類を見ています。
思わず通過させたくなるポイント
- 属人化業務の可視化:マニュアル未整備の業務を自ら仕組み化した経験
- ミス削減の実績:チェック体制の見直しなどによる誤発注・誤処理の防止
- 他部署との調整力:複数部署の要望を整理して1つの結論に落とし込んだ経験
逆に「言われたことをこなしていただけ」という印象を与える書き方は避ける必要があります。実績が数字化しにくい業務であっても、「なぜその対応をしたのか」という判断の理由まで書くと、主体性が伝わりやすくなります。
職務経歴書の項目別書き方
庶務・総務・人事事務の職務経歴書は、以下の4項目を軸に構成すると採用担当者にとって読みやすい書類になります。
- 職務要約:担当した業務範囲と経験年数を3〜4行で要約する
- 職務内容:会社概要・在籍期間ごとに、担当業務を規模感つきで記載する
- 活かせる経験・知識・スキル:労務知識、Excel実務、社内規程の理解度などを列挙する
- 自己PR:複数業務を正確にこなす「調整力」「継続力」を具体例とともに伝える
自己PRの例文
前職では庶務・総務・人事事務を兼任し、月間約80件の社内問い合わせ対応と、年2回の社会保険算定基礎届の作成を担当しました。業務の優先順位を明確にするため、対応状況を共有シートで可視化し、部署内の対応漏れをゼロにしました。正確性と調整力を活かし、貴社でも幅広い業務を安定して支える存在になりたいと考えています。
人事事務としての経験を中心に整理したい場合は、人事の職務経歴書テンプレートを使うと、労務関連の項目を漏れなく網羅できます。
数字にしにくい実績の伝え方に迷う場合は、実績の書き方も参考にしてください。

業務範囲が広すぎてまとまらないときの対処法
庶務・総務・人事事務を掛け持ちしていると、担当業務が10項目以上になることも珍しくありません。すべてを均等に書こうとすると、かえって何が強みなのかわかりにくくなります。
- 担当業務を「メイン業務」と「サブ業務」に分け、メイン業務から詳しく書く
- サブ業務はまとめて1〜2行で触れる程度にとどめる
- 職種名(総務・人事事務など)ではなく、対応した「テーマ」ごとに整理し直す
例えば「労務まわり」「制度整備まわり」「日常庶務」のようにテーマで括ると、業務の幅広さを保ちながらも整理された印象になります。羅列ではなく分類することで、担当範囲の広さそのものが強みとして伝わります。
派遣社員として庶務・総務業務を担当していた場合は、派遣の職務経歴書テンプレート、パート勤務であればパート用の職務経歴書テンプレートも参考にしてください。
提出前に確認したいNGパターン
庶務・総務・人事事務の職務経歴書は、応募者間で内容が似やすいからこそ、細部の詰めが甘いと差がつきにくくなります。提出前に以下の点を見直しましょう。
NG例
- 業務名を並べただけで、規模感や工夫が一切書かれていない
- 会社の体制(何人体制で担当していたか)が抜けている
- 庶務・総務・人事事務のすべてを同列に扱い、メイン業務が不明
関連する法務など他のバックオフィス職種の職務経歴書と書き方の共通点を知りたい場合は、法務の職務経歴書の書き方もあわせてご覧ください。

まとめ
- 業務は羅列せず、規模感(対象人数・件数)を数字で示す
- 庶務・総務・人事事務の共通スキル(正確性・調整力)を軸にまとめる
- 業務が多い場合はメイン・サブに分けてテーマごとに整理する
担当業務の幅広さは弱みではなく強みです。数字と工夫を添えて、これまでの経験を採用担当者に正しく伝えましょう。
庶務・総務・人事事務の職務経歴書に関するよくある質問
- 庶務・総務・人事事務を兼任していた場合、どれをメインに書けばいいですか?
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1つに絞る必要はありません。担当時間が最も長かった業務、または応募先の求人内容に近い業務をメインに据え、残りはサブ業務として簡潔にまとめる書き方が読みやすくなります。
- 数字化できる実績がほとんどありません。それでも書き方はありますか?
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対応件数や対象人数など、業務量を示す数字であれば実績と呼べます。件数が把握しにくい場合は、対応にかかった時間の短縮や、ミス件数の減少といった「変化」で示すと説得力が出ます。
- 庶務・総務・人事事務の経験しかなく、専門性がないのが不安です。
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複数業務を並行してこなせる調整力や正確性は、どの会社でも通用する専門性です。担当範囲の広さを「マルチタスクで対応できる強み」として言い換えることで、不安要素をアピール材料に変えられます。

