放送・映像関連職の職務経歴書は、担当した番組の規模と、企画から納品までのどの工程を担当したかを明記すれば、視聴率の数字がなくても採用担当者に評価されます。プロデューサー・ディレクター・AD・映像編集など職種別のサンプルと、守秘義務を守りながら実績を伝える書き方を紹介します。
放送・映像関連職の職務経歴書サンプルと書き方【結論】
結論:担当フェーズと番組規模を明記すれば評価される
放送・映像業界の職務経歴書で最も評価されるのは、視聴率やPVといった数字そのものではありません。「企画・取材・撮影・編集・納品」のどの工程を、どんな規模のチームで担当したかが明確な書類です。プロデューサーもADも編集マンも、まずは以下6項目を埋めるところから始めてください。
| 項目 | 記載のポイント |
|---|---|
| 番組・媒体の表現 | 「地上波バラエティ番組」「Web動画媒体」など守秘義務に配慮した言い換えでよい |
| 期間 | 「2023年4月〜2024年3月(12ヶ月)」のように始期・終期を明記 |
| 規模 | 制作チーム人数、放送尺、予算規模など第三者にわかる形で |
| 自分の役割 | プロデューサー/ディレクター/AD/編集/撮影 など |
| 担当フェーズ | 企画立案/取材・撮影/構成・編集/MA・仕上げ/納品後の反応確認 |
| 実績 | 視聴率・再生数などの数字、または現場での工夫・改善点 |
【プロデューサー・ディレクター】の例文
プロデューサー・ディレクター職は、企画から納品まで一連の流れの中で「何を決断し、どう現場を動かしたか」を軸に書くと採用担当者に伝わりやすくなります。
良い例文
【番組】地上波情報番組(週1レギュラー枠)
【期間】2022年4月〜2024年3月(2年)
【規模】制作チーム8名(ディレクター3名・AD3名・編集2名)
【役割】ディレクター
【担当フェーズ】企画立案・取材交渉・構成台本作成・撮影ディレクション・編集立ち会い
【実績】新規コーナー企画が採用され、担当回の平均視聴率が前クール比1.2倍。取材先との関係構築により、レギュラー出演者の追加交渉にも成功した。
NG例
情報番組のディレクターとして企画から編集まで幅広く担当しました。多くの経験を積み、スキルアップできたと感じています。「幅広く」「多くの経験」だけでは、実際に何を決断し、どんな成果につながったのかが一切伝わりません。
採用担当者はここを見ている
- 企画立案から出演交渉、編集立ち会いまで、どこまで裁量を持っていたか
- 視聴率などの数字がある場合は、前クール比・前年比など比較の軸があるか
- チーム全体の成果と、自分個人が動かした部分が切り分けられているか
【AD・制作進行】の例文
AD・制作進行は「現場を支える裏方」というイメージから、実績が書きにくいと感じやすい職種です。しかしスケジュール調整や予算管理といった進行管理の実務は、そのまま再現性のあるスキルとして評価されます。
良い例文
【番組】バラエティ番組(月2本収録)
【期間】2021年10月〜2024年3月(2年6ヶ月)
【規模】制作進行2名で年間約24本の収録を担当
【役割】AD(進行管理)
【担当業務】ロケ地・出演者スケジュール調整、機材・スタッフ手配、収録当日のタイムキープ
【実績】収録タイムスケジュールの雛形を見直し、押し時間を平均40分から10分に短縮。スタッフの残業時間削減にもつながった。
NG例
ADとして番組収録の進行補助、スタッフへの連絡、備品準備などを行いました。業務の羅列で終わっており、「進行のどこに課題があり、自分がどう改善したか」が書かれていません。
採用担当者はここを見ている
- スケジュール管理・関係者調整の「量」ではなく「工夫した点」があるか
- 年間本数・チーム人数など、担当した業務の規模がわかるか
- 次のキャリア(ディレクター等)につながる主体性が読み取れるか
【映像編集・カメラマン】の例文
映像編集・撮影職は、使用機材やソフトの列挙だけで終わりがちです。「その技術を使って、どんな映像に仕上げたか」まで書くことが通過率を分けます。同じく専門技術を扱う職種の書き方も参考にしてください。

良い例文
【業務】Web動画メディア向け映像編集(Premiere Pro/After Effects使用)
【期間】2022年7月〜2024年3月(1年9ヶ月)
【規模】月間20本の編集を単独で担当
【役割】映像編集
【担当フェーズ】素材整理・カット編集・テロップ挿入・カラー調整・書き出し
【実績】平均視聴維持率を32%から45%に改善。テンポの良いカット割りへの変更を提案し、クライアントから継続発注を獲得した。
NG例
使用ソフト:Premiere Pro、After Effects、DaVinci Resolve。カット編集、テロップ挿入、色調補正などを担当。ソフト名と作業内容の羅列のみで、仕上がった映像の質や成果が一切わかりません。
採用担当者はここを見ている
- 使用ソフトは「できる」ではなく、どこまで一人で完結できるかが伝わるか
- 視聴維持率・再生数などの数字、またはクライアントの反応が書かれているか
- 編集の「型」だけでなく、自分なりの工夫や提案が含まれているか
採用担当者が放送・映像関連職の職務経歴書で見ている3つのポイント
放送・映像業界は職種の幅が広く、採用担当者も応募者の専門用語をすべて理解できるとは限りません。業界外の人が読んでも「何をした人か」が伝わる書き方を意識してください。
採用担当者はここを見ている
- 担当フェーズの幅:企画〜納品のうち、どこからどこまでを任されていたか
- チームでの役割:何名のチームで、どのポジションを担ったか
- 専門用語の翻訳力:業界特有の言葉を、非専門の人にもわかる言葉で説明できているか
職種にかかわらず、経歴をプロジェクト単位で整理する考え方は共通です。番組単位の実績整理は、次の記事も参考にしてください。

番組名・視聴率は書いていい?守秘義務と数字がない業務の伝え方
番組名・クライアント名の扱い方
放送・映像業界では、契約上の守秘義務から番組名やクライアント名を明記できないケースが少なくありません。「地上波バラエティ番組」「大手飲料メーカーのWeb動画案件」のように、ジャンルと規模がわかる言い換え表現で問題ありません。採用担当者も業界の慣習を理解しているため、具体名を伏せたことでマイナス評価になることはほぼないと考えてください。
視聴率やPVがない裏方業務の書き方
AD・音声・美術など、視聴率やPVに直結しない業務も多くあります。数字がない場合は、「変化の前後」を対比する書き方で成果を示してください。
- 変化の前後を対比する:「収録の押し時間が平均40分あった状態を、10分まで短縮した」
- 関与した規模感を示す:「年間24本の収録」「同時進行の案件数」など
- 周囲からの評価を添える:「ディレクターから進行管理を評価され、担当番組数が増えた」
フリーランス・契約社員が多い経歴の整理のコツ
放送・映像業界はフリーランスや契約社員としてプロジェクト単位で働くケースが多く、職歴の整理に迷いやすい業界です。所属先ごとの時系列でまとめる編年体式ではなく、担当した番組・案件を単位に整理する「プロジェクト式」を使うと経歴が伝わりやすくなります。
| 期間 | 案件概要 | 役割 |
|---|---|---|
| 2023.04〜2023.09 | 情報番組の企画・構成補助 | AD |
| 2023.10〜2024.03 | Web動画メディアの映像編集 | 編集(業務委託) |
| 2024.04〜現在 | ドキュメンタリー番組の撮影補佐 | 撮影アシスタント |
直近の案件を詳しく書き、古い案件は一覧表にまとめると読みやすくなります。契約形態(正社員・契約社員・業務委託)が混在する場合も、案件ごとに役割欄へ明記しておくと採用担当者が経歴を誤解しません。
放送・映像関連職の職務経歴書によくあるNG例
NG例
- 関わった番組名を並べるだけで、自分の役割が書かれていない
- 「VTR尺」「絵コンテ」などの専門用語を説明なしで多用している
- 視聴率だけを書き、自分が何をして数字が動いたのかが書かれていない
- 雇用形態(正社員・契約社員・フリーランス)が案件ごとに不明瞭
専門用語は一般の人事担当者にも伝わる言葉に置き換えることを徹底してください。「絵コンテ」なら「撮影前の構成案」、「MA」なら「音声の最終調整」のように補足すると、業界外の採用担当者にも実務レベルが伝わります。
- 履歴書と職務経歴書を両方求められる場合:転職用の履歴書テンプレート
- ハローワーク経由で応募する場合:ハローワーク用の職務経歴書テンプレート
- 項目の抜け漏れを防ぎたい場合:厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレート
- 職務経歴書を先に整えたい場合:志望動機なしの履歴書テンプレート
職務要約・実績・自己PRの3点を押さえる考え方は、他業界の職務経歴書でも共通しています。

まとめ
- 視聴率がなくても「担当フェーズ」と「番組規模」を明記すれば評価される
- 番組名・クライアント名は守秘義務に配慮した言い換えで問題ない
- 裏方業務は「変化の前後」を対比して成果を示す
- フリーランス・契約社員が多い経歴はプロジェクト式で整理する
- 専門用語は業界外の採用担当者にも伝わる言葉に置き換える
担当フェーズと役割を明確にした書類は、職種にかかわらず採用担当者に届きやすくなります。
- 放送・映像関連職の職務経歴書に番組名は必ず書くべきですか?
-
必須ではありません。守秘義務がある場合は「地上波バラエティ番組」のようにジャンルと規模がわかる表現で代用できます。重要なのは番組名そのものより、担当フェーズと役割が明確であることです。
- AD経験しかない場合、職務経歴書に書くことがなくて不安です。
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スケジュール調整や関係者対応など、進行管理の実務は業種を問わず評価されるスキルです。「担当した本数」「改善した点」を変化の前後で示せば、経験が浅くても伝わる書類になります。
- フリーランスで複数案件を掛け持ちしていた期間はどう書けばよいですか?
-
案件ごとに期間・役割・雇用形態を分けて記載してください。直近の案件は詳しく、古い案件は一覧表にまとめると、複数案件を掛け持ちしていても経歴が整理されて見えます。
- 映像編集の職務経歴書に使用ソフトはどこまで書けばよいですか?
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Premiere ProやAfter Effectsなど主要ソフトに加え、それぞれをどの工程まで一人で完結できるかを添えてください。ソフト名の羅列だけでなく、仕上げた映像の成果とセットで記載すると評価されやすくなります。

