病院への職務経歴書は、一般企業向けの「貴社」「入社」ではなく「貴院」「入職」を使い、職務要約・職務経歴・自己PRを医療機関向けに書き換えるのが正解です。看護師や医療事務など職種別の記事に当てはまらない方に向けて、病院提出用に共通する書き方の型と状況別の記載例、採用担当者が実際に見ているチェックポイントまで解説します。
病院に出す職務経歴書の書き方【結論】基本ルールと記載例
結論:一般企業向けと何が違うのか
病院・クリニックに提出する職務経歴書は、様式そのものは一般企業向けと同じもので構いません。違うのは言葉遣いと、業務内容の説明の仕方です。「貴社」ではなく「貴院」、「入社」ではなく「入職」を使うこと、そして病院名を運営法人から正式名称で書くこと。この2点を押さえるだけで、採用担当者に与える印象は大きく変わります。
- 病院名を運営法人から正式名称で書いているか
- 「貴社・御社」ではなく「貴院・御院」を使っているか
- 「入社・退社」ではなく「入職・退職」を使っているか
職種を問わず使える職務経歴書の型
看護師や医療事務のように専門記事がある職種であっても、受付・栄養士・総務のように専門記事がまだ少ない職種であっても、病院向け職務経歴書の骨格は共通しています。以下の5項目を、貴院・入職の言葉遣いに合わせて書き進めてください。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 職務要約 | これまでの経験を3〜4行で要約 |
| 職務経歴 | 勤務先ごとの業務内容・実績 |
| 活かせる経験・スキル | 資格や実務で培った強み |
| 自己PR | 貴院で貢献できる根拠 |
| 本人希望記入欄 | 勤務条件の希望(任意) |
書式に迷う場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートをベースに、上記5項目を埋めていくと迷わず作成できます。
記載例(病院の総務・事務スタッフの場合)
良い例文
医療法人社団〇〇会 △△病院の総務課にて、職員の勤怠管理・備品発注・院内行事の運営を4年間担当してまいりました。100名規模の職員データを扱う中で入力ミスゼロを継続し、勤怠システムの入力マニュアルを整備した実績もございます。貴院の総務業務においても、正確な事務処理で運営を支えたいと考えております。
NG例
△△病院で総務の仕事をしていました。貴社で頑張りたいです。事務作業は得意です。
採用担当者はここを見ている
- 「貴社」の表記が残っていると、一般企業への応募と使い回している印象になる
- 「得意です」だけでなく、件数や継続年数などの数字が示されているかを見ている
病院・クリニック向けの職務経歴書をゼロから作るのが大変な場合は、医療業界の職務経歴書テンプレートを使うと、本記事で紹介した型をそのまま当てはめられます。
「貴院」「入職」など病院特有の言葉遣い
病院やクリニックに職務経歴書を提出する際、一般企業向けの言葉遣いをそのまま残していると、医療現場の慣習を理解していない印象を与えます。採用担当者は、職務要約や自己PRの言葉遣いだけで応募先への理解度を判断しています。以下の表で正しい使い分けを確認してください。
| 場面 | 一般企業(NG) | 医療機関(正解) |
|---|---|---|
| 就職したとき | 入社 | 入職 |
| 辞めたとき | 退社 | 退職 |
| 書類上の呼び方 | 貴社 | 貴院 |
| 口頭での呼び方 | 御社 | 御院 |
| 自己都合退職の表現 | 一身上の都合により退社 | 一身上の都合により退職 |
クリニックや診療所の場合も基本的な使い分けは同じですが、「貴院」の代わりに「貴クリニック」と表現しても失礼にはあたりません。求人票や病院の公式サイトで正式名称を確認し、略称のまま書かないよう注意してください。
【状況別】病院への職務経歴書の書き方と例文
未経験から病院勤務を目指す場合
未経験で病院への転職を目指す場合、職務経歴書では前職の経験を医療現場でどう活かせるかを具体的に書くことが重要です。「未経験ですが頑張ります」だけで終わらせず、貢献できる根拠を示してください。
良い例文(未経験から医療クラークを目指す場合)
医療事務は未経験ですが、前職の一般事務で3年間、伝票処理と電話応対を担当してまいりました。1日100件を超える書類を期限内に処理する正確性を、貴院のカルテ管理業務に活かせると考えております。入職後は診療報酬請求事務の資格取得に向けて学習を進める所存です。
NG例
医療事務は未経験ですが、貴院で働きたいと思い応募しました。未経験ですが頑張ります。
採用担当者はここを見ている
- 「頑張ります」だけで終わる自己PRは、貢献できる根拠が示されていないと判断される
- 前職の経験と応募先の業務がどうつながるかを、具体的な言葉で説明できているかを見ている
診療報酬請求など医療事務そのものを目指す方は、職種特化の書き方を確認しておくとより実践的です。

経験者・転職の場合
すでに医療・福祉分野で経験がある場合は、実績を数字で示すことが説得力につながります。前職が病院でなくても、施設や介護分野の経験は医療機関の業務と結びつけて説明できます。
良い例文(介護施設の栄養士から病院への転職の場合)
介護老人保健施設にて、栄養士として利用者様120名分の献立作成と嚥下食の調整を3年間担当してまいりました。個々の疾患に応じた栄養管理の経験を、貴院の入院患者様の食事管理業務に活かしたいと考え志望いたしました。
NG例
栄養士として3年間勤務しました。貴社の理念に共感し、志望いたしました。前職での経験を活かして頑張りたいと思います。
採用担当者はここを見ている
- 他業種・他施設の経験でも、業務内容が病院での役割とどう結びつくかが説明されているか
- 担当人数や期間などの具体的な数字が入っているか
看護師としての転職を考えている方は、職種特化の記載例もあわせて確認してください。

新卒で病院就職を目指す場合
新卒の場合は職務経歴が存在しないため、職務経歴書自体を提出しないケースも多いですが、実習やアルバイトの経験がある場合は「職務経歴に代えて」として簡潔にまとめると効果的です。
良い例文(実習経験を職務経歴に代えて記載する場合)
大学在学中、地域の総合病院にて4週間の臨地実習を経験し、多職種連携によるチーム医療の現場を学びました。実習先の指導者から、記録の正確さと報告・連絡・相談の姿勢を評価いただきました。貴院においても、学んだ姿勢を活かして早期に戦力となれるよう努めてまいります。
NG例
実習で病院に行きました。貴社で一生懸命働きたいです。
採用担当者はここを見ている
実習やアルバイトで学んだ姿勢を、具体的なエピソードとともに書けているかを見ています。「頑張りたい」という意欲だけでなく、現場で評価された点を添えると説得力が増します。
病院の「事業内容」欄はどう書く?
職務経歴書には勤務先の「事業内容」を記載する欄がありますが、病院の場合は病床数・診療科目・地域での役割など、一般企業とは異なる書き方が必要です。病床数や診療科目を添えるだけで、業務規模の説明力が大きく上がります。採用担当者は、この一行があるだけで応募者が病院という職場を理解した上で書いていると判断します。
- 病床数(例:一般病床250床)
- 主な診療科目
- 地域での役割(急性期・回復期・地域密着型など)
事業内容欄の詳しい書き方と職種別の記載例は、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

採用担当者はここで落としている|よくあるNGパターン
病院向けの職務経歴書で書類選考が通らない場合、多くは書き方そのものではなく「一般企業向けの書類を使い回している」ことが原因です。以下のようなミスがないか、提出前に確認してください。
- 他社応募用のデータをそのまま流用し、「貴社」「入社」の表記が残っている
- 自己PRがテンプレート文のままで、病院名を入れ替えただけとわかる内容になっている
- 職務経歴の病院名が略称のみで、運営法人や診療科が確認できない
- 実績が「頑張りました」など抽象的な表現にとどまり、数字が入っていない
職務経歴書と一緒に提出する履歴書・封筒のマナー
病院への応募では、職務経歴書だけでなく履歴書もあわせて提出を求められるケースがほとんどです。履歴書も職務経歴書と同じく、貴院・入職の言葉遣いで統一してください。封筒はA4サイズが折らずに入る角形2号(角2)を使い、宛名は病院の正式名称に「御中」を添えます。採用担当者は、書類を開封する前の封筒の段階で応募者の丁寧さを見ています。
転職で応募する場合は、転職用の履歴書テンプレートを選ぶと、職歴欄のスペースが確保されているため書きやすくなります。
病院によっては履歴書の指定様式がない場合もあります。その際は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを使うと、どの病院に提出しても違和感のない書式になります。
まとめ
- 「貴社・入社」ではなく「貴院・入職」を使う
- 病院名は運営法人から正式名称で記載する
- 職種を問わず、職務要約・職務経歴・自己PRを病院向けに書き換える
- 未経験・経験者・新卒で、根拠の示し方を変える
職務経歴書全体の言葉遣いを病院向けに統一できれば、書類選考の通過率は着実に上がります。履歴書・封筒のマナーもあわせて確認してから提出してください。
病院の職務経歴書に関するよくある質問
- 病院とクリニックで職務経歴書の書き方は違いますか?
-
基本ルール(「入職・退職」の表記、法人名の記載など)は共通です。異なるのは事業内容の書き方で、病院なら病床数や診療科目、クリニックなら1日あたりの平均患者数を添えると業務規模が伝わりやすくなります。
- 職務経歴書は履歴書と別に用意する必要がありますか?
-
求人票に指定がなくても、職務経歴書を別途用意すると経験や実績がより具体的に伝わります。特に中途採用では、履歴書だけでは業務内容を十分に説明しきれないため、職務経歴書の提出が評価されやすい傾向にあります。
- 職務経歴が全くない新卒でも職務経歴書は必要ですか?
-
新卒の場合、職務経歴書の提出を求められないケースが一般的です。ただし実習やアルバイトの経験がある場合は、それらを簡潔にまとめて添えると、意欲や適性を伝える材料になります。
- 病院名の正式名称がわからない場合はどうすればいいですか?
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求人票や病院の公式サイトの「病院概要」ページで運営法人名を確認できます。在職経験がある場合は、給与明細や雇用契約書に記載されている法人名を確認する方法も確実です。

